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現代語訳のトレーニング
1
:
名無しさん
:2021/10/13(水) 03:09:14
1たとひ舞を御覧じ、歌は聞こしめさずとも、
打消「ず」が「御覧じ」からも、つながることがポイント。
「たとひ〜とも」タトエ〜シテモ
《解答例》たとえ舞を御覧にならず、歌はお聞きにならないとしても
2走る獣は檻にこめ、鎖をさされ、
受身「れ」が、「こめ」からも、つながることがポイント。
《解答例》
逃げる獣は檻に閉じ込められ、鎖につながれ、
3もし海辺にてよまましかば、・・・ともよみてましや。
「ましかば〜まし」で、反実仮想の表現。
「て」は完了の助動詞「つ」の未然形で、強意に。
《解答例》
もし海辺で和歌を詠んだのだったら、…ときっと詠んだろうか。
4ただ親おはせましかばとばかりの悲しさを、
「ましかば」の後の省略の文脈「〜まし」を補うのがポイント。
《解答例》
ただ、親が生きていらっしゃるのだったらよいだろうにというだけの悲しさを、
5中垣こそあれ、ひとつ家のやうなれば、
「こそ〜已然形、・・・」は「已然形」のあとを、「けれど」と逆接に訳す。
中垣はあるけれど、一つの家のようなので、
2
:
名無しさん
:2021/10/13(水) 03:11:15
6また人のあらばこそは、まぎれも臥さめ、
「こそ〜め、」は「こそ〜已然形」で「已然形」のあとを逆接に。
「ばこそ〜已然形、・・・」は、「〜ならばよいが、〜そうではない」
また文脈によれば「〜ならば仕方がないが、〜そうではない」
というニュアンスがある。
《解答例》
ほかの人がいるならば、紛れて横になるだろうが、
7かつは人も心弱く見奉るらむと、
「かつは」一方では
「人」が「心弱く」と読める現代語訳は×。「連用形+見るor聞くor思ふ」は「〜ト見る
or聞くor思う」と訳す。
《解答例》
一方では人も、気弱だとと見申し上げているだろうと
8…と誦じ給へる、例の涙もとどめられず。
「る」は完了の助動詞の「り」の連体形。
「〜連体形、〜」の構文は、「〜終止形、ソレハorソレヲorソレデ」と補って訳す。
「例の」は、「いつものように」
「られ」は可能の助動詞。
《解答例》
…と口ずさみなさった、それで、いつものように涙をとめることができない。
9山野にかばねをさらさばさらせ、
「かばね」死体「ば」仮定条件。
「さらせ」は命令形だが《放任法》として「〜シテモヨイ・〜シテモカマワナイ」
《解答例》
山野に死体をさらすならば、さらしてもかまわない、
10いととりどころなければ、さはれとて、
「とりどころ」とりえ。
「さはれ」は「さはあれ」で「あれ」は命令形で《放任法》による慣用句で
「エエ、ドウトナッテモカマワナイ・エエ、ママヨ」という意味。
「とて」は「ト思ッテ・ト言ッテ・トシテ」
《解答例》
とてもとりえがないので、ええ、どうとなってもかまわないと思って、
3
:
名無しさん
:2021/10/13(水) 03:12:12
11憎しとな思し入りそ。罪もぞ得たまふ。
「な〜そ」は《禁止》で「〜シテハイケナイ」「〜スルナ」
「思し入る」は「思ひ入る」(思イコム・思イツメル・気ニカケル・執着スル)の尊敬語
「もぞ」(=もこそ→12)は《危惧》の表現で、
「〜スルト大変ダ・〜スルト困ル・〜スルトイケナイ」と訳す。
《解答例》
憎いと思いなさるな 。罪を受けるといけない。
12烏などもこそ見つくれ。
「もこそ(=もぞ)」は《危惧》の表現で
「〜スルト大変ダ・〜スルト困ル・〜スルトイケナイ」と訳す。
《解答例》
烏などが見つけるといけない。
13今日来ずは明日は雪とぞ降りなまし
「ずは」の「は」は《仮定》の表現。「〜くは」(〜く、は形容詞の連用形)
「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形で《強意》の用例。
「まし」は反実仮想の助動詞で《推量》の用例。
「と」は《比喩》の用法で「ノヨウニ」。
《解答例》
今日来ないならば、明日は雪のようにきっと消えるだろう。
14切りぬべき人なくは給べ、
「ぬ」は完了の助動詞「ぬ」の《強意》の用例。
「べき」は推量の助動詞「べし」の《適当》の用例。
「なくは」の「は→13」は《仮定》の用例で、「ないならば」。
「給ぶ」は尊敬の動詞で「下さる」。
《解答例》
切るのに適当な人がいないならば、下さい。
15ひかひがしからん人の仰せらるる事、聞き入るべきかは。
「ひがひがしから」形容詞「ひがひがし」で、ひねくれている。
「ん」は推量の助動詞「む」の《婉曲》の用例。「ヨウナ」
「らるる」は尊敬の助動詞。
「べき」は《可能》の用例。この場合は《反語》のような否定的文意の場合《可能》が多
い。
「かは」は《反語》の表現。
《解答例》
ひねくているような人がおっしゃることを、聞き入れることができようか、いやできない。
4
:
名無しさん
:2021/10/13(水) 03:13:15
16さなむとや聞かせ奉るべき。
「さ」は副詞で「ソウ」
「なむ」は係助詞で訳さない。
「や」は《反語》。
「せ」は助動詞「す」の《使役》の用法。
「奉る」は謙譲の補助動詞で、「〜シ申シアゲル」
「べき」は《適当》。「べし」の用法は、文脈で決定せざるえない。
《解答例》
そうと聞かせ申しあげてよいか、いや、よくない。
17やまず行かば、人目も多み。
「やま」は「やむ」で「絶える」。
「ず」は《打消》。
「ば」は《仮定》で「ならば」。
「を」は間投助詞で、「〜を…み」で「〜が…ので」と訳す。
「み」は形容詞の語幹、ここでは「多し」の「多」につく接尾語で、「ので」。
《解答例》
絶えず行くならば、人目が多いので、
18いまさらになおほとのごもりおはしましそとて、
「な〜そ」は「〜してはならない」という《禁止》の表現。
「おほとのごもり」は尊敬の本動詞で「おやすみになる」
「おはしまし」は尊敬の補助動詞て「していらっしゃる」
《解答例》
いまさら、おやすみになっていらっしゃってはならない
19針をひき抜きつれば、はやく尻を結ばざりけり。
「つれ」は完了の助動詞。
「ば」は《確定》の接続助詞、「ので・から・と」
「はやく」は副詞で「なんと!」という意味。
「尻」糸の最後
「ざり」打消の助動詞。
「けり」詠嘆の助動詞。「なあ・よ」
《解答例》
針を引き抜くと、なんと糸の最後を結んでいなかったよ。
20疾くこそ試みさせ給はめなど聞こゆれば、
「疾く」早く
「試み」は「試す」。
「こそ〜め」の「め」は《適当》で「するとよい」。
「させ」は《尊敬》の助動詞。「給は」は尊敬の補助動詞「なさる」。「させ給は」で
《二重尊敬》。
「聞こゆれ」は謙譲の補助動詞「申し上げる」。
「ば」は確定条件の接続助詞、「ので・から・と」」
《解答例》
早く試しなさるとよいなどと申し上げると、
5
:
名無しさん
:2021/10/13(水) 03:14:19
21宿直所をだに賜りたらば、いみじうまめにさぶらひなむ。
「だに」仮定の「ば」につながるので、《最小限》で「せめて〜だけでも」。
「賜り」謙譲の本動詞「いただく」。
「たら」完了の助動詞「たり」の未然形。
「ば」仮定条件の「ば」で「ならば」。
「まめに」形容動詞「まめなり」で「真面目に」
「さぶらひ」謙譲の本動詞で「お仕えする」。
「なむ」連用形「さぶらひ」に接続するので、
「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形で《強意》の用法、
「む」は推量の助動詞「む」の終止形で《意志》の用法。
《解答例》
せめて宿居所だけでもいただくならば、たいそう真面目にお仕えしよう。
22うちうちに思ひたまふるさまを奏し給へ。
「たまふる」は下二段活用の補助動詞「デス・マス」。
「さま」は「コト」。
「奏し」はサ変動詞「奏す」で謙譲の本動詞で「帝に申しあげる」。
「給へ」は尊敬の補助動詞の命令形で、「下サイ」。
《解答例》
内々に思いますことを帝に申し上げてください。
23心を尽くしきこゆるに、いとよう似たてまつれるが、
「心をつくし」心を寄せる
「きこゆる」謙譲の補助動詞「〜シ申シアゲル」
「に」格助詞で「方に・人に」
「よう」は「よく」
「たてまつれ」は謙譲の補助動詞「〜シ申シアゲル」
「る」は完了の助動詞「り」の連体形で《存続》の用法で「テイル」
「が」は格助詞で《主格》で「ことが」とする。
《解答例》
心を寄せ申し上げる方に、ひどきよく似申し上げていることが、
24簾少し上げて花奉るめり。
「奉る」謙譲の本動詞・さしあげる
「めり」推定の助動詞・ようだ
《解答例》
簾を少し上げて、花をさしあげるようだ。
25物なども参らぬつもりにや、
「物」食事
「参る」尊敬の本動詞・召し上がる
「つもり」結果
「に」は断定の助動詞・デ。「や」は疑問の係助詞。
「にやあらむ」と「あらむ」が省略されている・であろうか
《解答例》
食事なども召し上がらない結果であろうか、
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