[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
福島県教員採用試験
26
:
名無しさん
:2025/08/22(金) 19:44:16
なぜそんな混乱した脳なんだ?俺が女なら、ぎゃくにすべての知的障害者の味方になる。
自分がある障害者から性被害を受けた>別の障害者を殺しまくったコイツに何かあるはずだ>何か?とはなにか?>獄中結婚>メディアに出る。当事者でもなんでもないのに?自身は安全な場所にいて?薄気味悪い女であり、それを賛嘆するこのバカどもは。自...
コメントによりこの女子を傷つけることになる>それは自身とメの生命を傷つける
27
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 06:58:02
類似点:精神的構造の共通性
師弟関係における絶対的信頼: アリョーシャがゾシマ長老を「神のごとき聖者」として見るように、バクティの実践者も師(グル)や神を絶対的な導き手として信頼します。これは単なる知識の伝達ではなく、全人格的な信頼と服従を伴います。
感情的で直感的な絆: 論理的証明や哲学的議論を超えた、純粋な「愛」に近い感情的絆が核心にあります。アリョーシャのゾシマへの傾倒は、理屈ではなく心の直感です。バクティも「神への愛」と表現されるように、感情的な帰依を非常に重視します。
生きた人格を通じた教えの体現: ゾシマ長老の言葉以上に、彼の生き様そのもの、その人格の輝きがアリョーシャを惹きつけ、教化します。同じように、バクティにおいても神や師の人格的な魅力(慈悲や優しさ、力強さ)が、帰依の中心的な対象となります。
自己変容への道: アリョーシャはゾシマへの帰依を通じて自分自身の生き方を見出し、変容していきます。バクティも、神への帰依がその者自身を解脱や救済へと導く実践の道そのものです。
「感情的で深い帰依」という人間の根源的な宗教的態度・心情の核心を的確に捉えています。
「如きか?」との問いに対して: その心情の質感、純度、力強さにおいては、まさに「アリョーシャのゾシマへの傾倒の如き」ものだと言えます。
つまり、アリョーシャとゾシマの関係は、「人格的な絶対者への帰依」の人間的な原型あるいは比喩として極めて有効であり、その心情を理解するための最高の文学的例証の一つです。ドストエフスキーが描きたかった「生けるキリストの精神」も、このような全人格的な信頼と愛による救済の道であり、
28
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 07:14:35
1. ゾシマ長老がアリョーシャに感じた直感的な親近感
【米川正夫訳】
「…お前の姿を見ると、何だかわけもなく、お前が気に入ってならないのだ」
【ロシア語原文】
«… Ты мне сам чем-то неизъяснимым мил, я тебя знать захотел…» »
【中国語訳(蔵仲倫訳)】
“…不知为什么,我非常喜欢�胃,我想了解�胃…”
【中国語訳(耿濟之訳)】
“…不知为什么,�胃对于我显得很親愛,我願意認識�胃…”
注目点: ロシア語の «мил» (ミール) は「愛しい、親しい、可愛い」という意味の形容詞で、非常に感情的なニュアンスを持つ言葉です。米川訳の「気に入ってならない」、中国語訳の「喜欢」「親愛」は、この «мил» の持つ「理由のない親しみや愛おしさ」を捉えようとしています。
2. アリョーシャがゾシマ長老に感じた説明のつかない親しみ
【米川正夫訳】
「何か不思議な、わけのわからぬ親しみのようなものを、アリョーシャはこの長老に対して感じた」
【ロシア語原文】
«Алеша почувствовал к нему самую сильную и необъяснимую симпатию с своей стороны…» »
【中国語訳(蔵仲倫訳)】
“阿遼沙自己也對他產生了一種強烈而又難以解釋的親近感…”
【中国語訳(耿濟之訳)】
“阿�愬莎也對他生出一種強烈而不可解的同情心…”
注目点: ロシア語の «необъяснимую симпатию» (ニエアブヤスニームー・シンパチーユ) は「説明のつかない親近感(シンパシー)」を意味します。米川訳の「わけのわからぬ親しみ」、中国語訳の「難以解釋的親近感」「不可解的同情心」は、これをほぼ直訳しています。これが「論理や打算を超えた直感的な絆」の核心的な表現です。
29
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 07:17:41
1. ゾシマ長老がアリョーシャに感じた直感的な親近感
【米川正夫訳】
「…お前の姿を見ると、何だかわけもなく、お前が気に入ってならないのだ」
【ロシア語原文】
«… Ты мне сам чем-то неизъяснимым мил, я тебя знать захотел…» »
【中国語訳(蔵仲倫訳)】
“…不知为什么,我非常喜欢�胃,我想了解�胃…”
【中国語訳(耿濟之訳)】
“…不知为什么,�胃对于我显得很親愛,我願意認識�胃…”
注目点: ロシア語の «мил» (ミール) は「愛しい、親しい、可愛い」という意味の形容詞で、非常に感情的なニュアンスを持つ言葉です。米川訳の「気に入ってならない」、中国語訳の「喜欢」「親愛」は、この «мил» の持つ「理由のない親しみや愛おしさ」を捉えようとしています。
2. アリョーシャがゾシマ長老に感じた説明のつかない親しみ
【米川正夫訳】
「何か不思議な、わけのわからぬ親しみのようなものを、アリョーシャはこの長老に対して感じた」
【ロシア語原文】
«Алеша почувствовал к нему самую сильную и необъяснимую симпатию с своей стороны…» »
【中国語訳(蔵仲倫訳)】
“阿遼沙自己也對他產生了一種強烈而又難以解釋的親近感…”
【中国語訳(耿濟之訳)】
“阿�愬莎也對他生出一種強烈而不可解的同情心…”
注目点: ロシア語の «необъяснимую симпатию» (ニエアブヤスニームー・シンパチーユ) は「説明のつかない親近感(シンパシー)」を意味します。米川訳の「わけのわからぬ親しみ」、中国語訳の「難以解釋的親近感」「不可解的同情心」は、これをほぼ直訳しています。これが「論理や打算を超えた直感的な絆」の核心的な表現です。
30
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 12:03:54
~
選択 1 / 2 行; 1 / 1 単語; 88 / 89 文字; 262 / 263 バイト
選択 1 / 2 行; 1 / 1 単語; 88 / 89 文字; 262 / 263 バイト
他のテキストを
:set textwidthして揃えるときはいくつ?
Copilot の発言
なるほど、Vim の :set textwidth で自動改行(gq や入力時の折り返し)を揃えたいということですね。
今の行は 88文字(全角含む) なので、これを基準にするなら textwidth=88 に設定すれば、その長さで折り返されます。
ttps://copilot.microsoft.com/chats/5VtJkcFti13SYe7G8wDEc
31
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 13:43:18
冒頭からビジュアル行モード開始
ノーマルモードで V(Shift+v)を押す
→ 現在行が「行単位」で選択状態になる
157行目まで移動
157G と入力
0[| 2.1%] Tasks: 80, 154 thr; 2 runn
1[|| 6.7%] Load average: 1.01 0.64 0.
2[|||||||||||||||100.0%] Uptime: 06:25:38
Mem[||||||| 1.01G/7.50G]
Swp[ 0K/0K]
11406 100. 0.8 vim /home/i/Documents/カラマーゾフ.txt
980 0.0 0.7 /usr/libexec/xdg-desktop-portal-gtk
あなたの発言
選択 2 / 31685 行; 2 / 30020 単語; 90 / 1111779 文字; 266 / 3261157 バイト
<🌱textwidth 換算でいくつ?
つまり、この行は textwidth=90 に相当する長さです。
32
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 14:28:33
アリョーシャを見つめるのであった。「行って来い、行って来い、わしの所にはポルフィリイが一人
おったらたくさんじゃで、お前は急いで行くがよい。お前はあちらで入用な人じゃ、僧院長のお食
事へ行って給仕するがよい。」「どうぞお慈悲に、ここにいるようにおっしゃって下さい。」とア
リョーシャは祈るような声で言った。「いや、お前はあちらの方で余計必要な人なのじゃ。あちら
には平和というものがないからなあ。給仕を
しておったら、何かの役に立つかも知れぬ。騒動が始まったらお祈りをするがよい。それにな、
忰(長老は好んで彼をこう呼んだ)、今後ここは、お前のいるべき場所でないぞ。よいかこのこと
を覚えておってくれ。神様がわしをお召寄せになったら、すぐにこの僧院を去るのじゃぞ。すっか
り去ってしまうのじゃぞ。」アリョーシャはぎくりとした。
「お前はどうした?
ここは当分お前のおるべき場所でない。お前が俗世で偉大な忍従をするよう
に、今わしが祝福してやる。お前はまだまだ長く放浪すべき運命なのじゃ。それに妻も持たなけれ
ばならない、きっと持たなければならない。そして再びここへ来るまでは、まだまだ多くのことを
堪え忍ばなければならない。そうして仕事もたくさんあるじゃろう。しかし、お前という者を信じ
て疑わぬから、それでわしはお前を俗世間へ送るのじゃ。お前にはキリストがついておられる。気
をつけてキリストを守りなさい、そうすればキリストもお前を守って下さるであろう!
世間へ出 たら大きな悲しみを見るであろうが、その悲し
みの中にも幸福でおるじゃろう。これがわしの遺言じゃ。悲しみの中に幸福を求めるがよい。働
け、弛みなく働け。よいか、今からこの言葉を覚えておくのじゃぞ。何故かと言うと、お前とはま
だこのさきも話をするけれど、わしは残りの日数ばかりでなく、時刻さえもう数えられておるから
じゃ。」
33
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 14:44:04
シフト+左右カーソルキー 前方/後方の見出し、栞、マーカーに移動
34
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 14:57:58
🌱以下がんばって整形。まだまだ修正スべき点はある。半角空白など技術的。内容的には思春期に読んだ通りの70年代版へ。
七 野心家の神学生
アリョーシャは長老を寝室へ導いてベッドの上に助け乗せた。それはほんのなくてならぬ道具を並べた
だけの、ささやかな部屋であった。ベッドは鉄で作った幅の狭いもので、その上には布団の代わりに毛
氈 が敷いてあるばかりだった。聖像を安置した片隅には読書づくえが据っていて、十字架と福音書と
が載せてある。長老は力なげにベッドの上に身を横たえたが、その眼はきらきら光って、息づかいも苦
しそうであった。すっかり体を落ち着けたとき、彼は何か思いめぐらすように、じっとアリョーシャを
見つめるのであった。
「行って来い、行って来い、わしの所にはポルフィリイが一人おったらたくさんじゃで、お前は急いで
行くがよい。お前はあちらで入用な人じゃ、僧院長のお食事へ行って給仕するがよい。」
「どうぞお慈悲に、ここにいるようにおっしゃって下さい。」とアリョーシャは祈るような声で言っ
た。
「いや、お前はあちらの方で余計必要な人なのじゃ。あちらには平和というものがないからなあ。給仕
を しておったら、何かの役に立つかも知れぬ。騒動が始まったらお祈りをするがよい。それにな、 忰
(長老は好んで彼をこう呼んだ)、今後ここは、お前のいるべき場所でないぞ。よいかこのことを覚え
ておってくれ。神様がわしをお召寄せになったら、すぐにこの僧院を去るのじゃぞ。すっかり去ってし
まうのじゃぞ。」アリョーシャはぎくりとした。
「お前はどうした? ここは当分お前のおるべき場所でない。お前が俗世で偉大な忍従をするように、
今わしが祝福してやる。お前はまだまだ長く放浪すべき運命なのじゃ。それに妻も持たなければならな
い、きっと持たなければならない。そして再びここへ来るまでは、まだまだ多くのことを堪え忍ばなけ
ればならない。そうして仕事もたくさんあるじゃろう。しかし、お前という者を信じて疑わぬから、そ
れでわしはお前を俗世間へ送るのじゃ。お前にはキリストがついておられる。気をつけてキリストを守
りなさい、そうすればキリストもお前を守って下さるであろう! 世間へ出たら大きな悲しみを見るで
あろうが、その悲し みの中にも幸福でおるじゃろう。これがわしの遺言じゃ。悲しみの中に幸福を求
めるがよい。働け、弛みなく働け。よいか、今からこの言葉を覚えておくのじゃぞ。何故かと言うと、
お前とはまだこのさきも話をするけれど、わしは残りの日数ばかりでなく、時刻さえもう数えられてお
るからじゃ。」
アリョーシャの顔には再び激しい動揺が現われた。唇の両隅がぴりりと慄えた。
「又してもなんとしたことじゃ?」と長老は静かにほほ笑んだ。「俗世の人々は涙をもって亡き人を送
ろう とも、われわれ僧族はここにあって去り行く父を悦ばなければならないのじゃ。悦んでその人の
冥福を祈ればよいのじゃ。さ、わしを一人で置いてくれ、お祈りをしなければならぬのでな。急いで
行って来い。兄 の傍におるのじゃぞ。それも一人きりでのうて、両方の兄の傍におるのじゃぞ。」
長老は祝福の手を上げた。アリョーシャは無性にここへ残りたくて堪らなかったが、もはや言葉を返
す余地はなかった。まだそのうえ長老が兄ドミートリイに、地に額のつくほどお辞儀をしたのは何の意
味か、それをも訊いてみたくてたまらなかった。危うくこの問が口をすべるところであったが、やはり
問いかける 勇気がなかった。それができるくらいなら、長老が、問われないさきに 自ら説明してくれ
るはずだ。つまりそうする意志がないからである。しかしあの行為は恐ろしくアリョーシャを驚かし
た。彼はあの中に神秘的な意味の存することを、盲目的に信じていた。神秘的というより、あるいは恐
ろしい意味かもしれない。僧院長の昼餐の始まりに間に合うよう(もちろんそれはただ食卓に侍するの
みであった)、僧院をさして庵室を出た時、急に彼は心臓を激しく引きしめられるような思いがして、
そのまま立ちすくんでしまった。自分の近い死を予言した長老の言葉が、再び耳もとで響くような思い
であった。長老が予言したこと、しかもあれほど正確に予言したことは、必ず間違いなしに実現する。
それはアリョーシャの信じて疑わぬところであった。しかしあの人が亡くなったら、自分はどうなるだ
ろう、どうしてあの人を見ず、あの人の声を聴かずにいられよう? それにどこへ行ったらいいのだろ
う? 長老は泣かないで僧院を出て行けと命じている、ああなんとしよう! アリョーシャはもう長い間
こんな悩みを経験したことがなかった。彼は僧院と庵室を隔てている木立を急ぎ足に歩みながら、自分
の想念を押しこたえることができなかった。
35
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 15:05:28
🌱以前思索したとおり、翻訳文学とはいえ、縦書き必須とは思えん。
なんとなれば、ロシア語原文は横書きだからである。🌱jdで表示最適化:set textwidth=80
フォントは20
七 野心家の神学生
アリョーシャは長老を寝室へ導いてベッドの上に助け乗せた。それはほんのなくてなら
ぬ道具を並べただけの、ささやかな部屋であった。ベッドは鉄で作った幅の狭いもので、
その上には布団の代わりに毛氈 が敷いてあるばかりだった。聖像を安置した片隅には読
書づくえが据っていて、十字架と福音書とが載せてある。長老は力なげにベッドの上に
身を横たえたが、その眼はきらきら光って、息づかいも苦しそうであった。すっかり体
を落ち着けたとき、彼は何か思いめぐらすように、じっとアリョーシャを見つめるので
あった。「行って来い、行って来い、わしの所にはポルフィリイが一人おったらたくさ
んじゃで、お前は急いで行くがよい。お前はあちらで入用な人じゃ、僧院長のお食事へ
行って給仕するがよい。」「どうぞお慈悲に、ここにいるようにおっしゃって下さい。」
とアリョーシャは祈るような声で言った。「いや、お前はあちらの方で余計必要な人な
のじゃ。あちらには平和というものがないからなあ。給仕を しておったら、何かの役に
立つかも知れぬ。騒動が始まったらお祈りをするがよい。それにな、 忰(長老は好んで
彼をこう呼んだ)、今後ここは、お前のいるべき場所でないぞ。よいかこのことを覚え
ておってくれ。神様がわしをお召寄せになったら、すぐにこの僧院を去るのじゃぞ。すっ
かり去ってしまうのじゃぞ。」アリョーシャはぎくりとした。「お前はどうした? ここ
は当分お前のおるべき場所でない。お前が俗世で偉大な忍従をするように、今わしが祝
福してやる。お前はまだまだ長く放浪すべき運命なのじゃ。それに妻も持たなければな
らない、きっと持たなければならない。そして再びここへ来るまでは、まだまだ多くの
ことを堪え忍ばなければならない。そうして仕事もたくさんあるじゃろう。しかし、お
前という者を信じて疑わぬから、それでわしはお前を俗世間へ送るのじゃ。お前にはキ
リストがついておられる。気をつけてキリストを守りなさい、そうすればキリストもお
前を守って下さるであろう! 世間へ出たら大きな悲しみを見るであろうが、その悲し み
の中にも幸福でおるじゃろう。これがわしの遺言じゃ。悲しみの中に幸福を求めるがよ
い。働け、弛みなく働け。よいか、今からこの言葉を覚えておくのじゃぞ。何故かと言
うと、お前とはまだこのさきも話をするけれど、わしは残りの日数ばかりでなく、時刻
さえもう数えられておるからじゃ。」アリョーシャの顔には再び激しい動揺が現われた。
唇の両隅がぴりりと慄えた。「又してもなんとしたことじゃ?」と長老は静かにほほ笑
んだ。「俗世の人々は涙をもって亡き人を送ろう とも、われわれ僧族はここにあって去
り行く父を悦ばなければならないのじゃ。悦んでその人の冥福を祈ればよいのじゃ。さ、
わしを一人で置いてくれ、お祈りをしなければならぬのでな。急いで行って来い。兄 の
傍におるのじゃぞ。それも一人きりでのうて、両方の兄の傍におるのじゃぞ。」
長老は祝福の手を上げた。アリョーシャは無性にここへ残りたくて堪らなかったが、
もはや言葉を返す余地はなかった。まだそのうえ長老が兄ドミートリイに、地に額のつ
くほどお辞儀をしたのは何の意味か、それをも訊いてみたくてたまらなかった。危うく
この問が口をすべるところであったが、やはり問いかける 勇気がなかった。それができ
るくらいなら、長老が、問われないさきに 自ら説明してくれるはずだ。つまりそうする
意志がないからである。しかしあの行為は恐ろしくアリョーシャを驚かした。彼はあの
中に神秘的な意味の存することを、盲目的に信じていた。神秘的というより、あるいは
恐ろしい意味かもしれない。僧院長の昼餐の始まりに間に合うよう(もちろんそれはた
だ食卓に侍するのみであった)、僧院をさして庵室を出た時、急に彼は心臓を激しく引
きしめられるような思いがして、そのまま立ちすくんでしまった。自分の近い死を予言
した長老の言葉が、再び耳もとで響くような思いであった。長老が予言したこと、しか
もあれほど正確に予言したことは、必ず間違いなしに実現する。それはアリョーシャの
信じて疑わぬところであった。しかしあの人が亡くなったら、自分はどうなるだろう、
どうしてあの人を見ず、あの人の声を聴かずにいられよう? それにどこへ行ったらいい
のだろう? 長老は泣かないで僧院を出て行けと命じている、ああなんとしよう! ア
リョーシャはもう長い間こんな悩みを経験したことがなかった。彼は僧院と庵室を隔て
ている木立を急ぎ足に歩みながら、自分の想念を押しこたえることができなかった。
36
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 15:10:08
七 野心家の神学生
アリョーシャは長老を寝室へ導いてベッドの上に助け乗せた。それはほんのなくてならぬ道
具を並べただけの、ささやかな部屋であった。ベッドは鉄で作った幅の狭いもので、その上
には布団の代わりに毛氈 が敷いてあるばかりだった。聖像を安置した片隅には読書づくえ
が据っていて、十字架と福音書とが載せてある。長老は力なげにベッドの上に身を横たえた
が、その眼はきらきら光って、息づかいも苦しそうであった。すっかり体を落ち着けたと
き、彼は何か思いめぐらすように、じっとアリョーシャを見つめるのであった。
「行って来い、行って来い、わしの所にはポルフィリイが一人おったらたくさんじゃで、お
前は急いで行くがよい。お前はあちらで入用な人じゃ、僧院長のお食事へ行って給仕するが
よい。」
「どうぞお慈悲に、ここにいるようにおっしゃって下さい。」とアリョーシャは祈るような
声で言った。
「いや、お前はあちらの方で余計必要な人なのじゃ。あちらには平和というものがないから
なあ。給仕を しておったら、何かの役に立つかも知れぬ。騒動が始まったらお祈りをする
がよい。それにな、 忰(長老は好んで彼をこう呼んだ)、今後ここは、お前のいるべき場
所でないぞ。よいかこのことを覚えておってくれ。神様がわしをお召寄せになったら、すぐ
にこの僧院を去るのじゃぞ。すっかり去ってしまうのじゃぞ。」アリョーシャはぎくりとし
た。
「お前はどうした? ここは当分お前のおるべき場所でない。お前が俗世で偉大な忍従をす
るように、今わしが祝福してやる。お前はまだまだ長く放浪すべき運命なのじゃ。それに妻
も持たなければならない、きっと持たなければならない。そして再びここへ来るまでは、ま
だまだ多くのことを堪え忍ばなければならない。そうして仕事もたくさんあるじゃろう。し
かし、お前という者を信じて疑わぬから、それでわしはお前を俗世間へ送るのじゃ。お前に
はキリストがついておられる。気をつけてキリストを守りなさい、そうすればキリストもお
前を守って下さるであろう! 世間へ出たら大きな悲しみを見るであろうが、その悲し みの
中にも幸福でおるじゃろう。これがわしの遺言じゃ。悲しみの中に幸福を求めるがよい。働
け、弛みなく働け。よいか、今からこの言葉を覚えておくのじゃぞ。何故かと言うと、お前
とはまだこのさきも話をするけれど、わしは残りの日数ばかりでなく、時刻さえもう数えら
れておるからじゃ。」
アリョーシャの顔には再び激しい動揺が現われた。唇の両隅がぴりりと慄えた。
「又してもなんとしたことじゃ?」と長老は静かにほほ笑んだ。「俗世の人々は涙をもって
亡き人を送ろう とも、われわれ僧族はここにあって去り行く父を悦ばなければならないの
じゃ。悦んでその人の冥福を祈ればよいのじゃ。さ、わしを一人で置いてくれ、お祈りをし
なければならぬのでな。急いで行って来い。兄 の傍におるのじゃぞ。それも一人きりでの
うて、両方の兄の傍におるのじゃぞ。」
長老は祝福の手を上げた。アリョーシャは無性にここへ残りたくて堪らなかったが、もは
や言葉を返す余地はなかった。まだそのうえ長老が兄ドミートリイに、地に額のつくほどお
辞儀をしたのは何の意味か、それをも訊いてみたくてたまらなかった。危うくこの問が口を
すべるところであったが、やはり問いかける 勇気がなかった。それができるくらいなら、
長老が、問われないさきに 自ら説明してくれるはずだ。つまりそうする意志がないからで
ある。しかしあの行為は恐ろしくアリョーシャを驚かした。彼はあの中に神秘的な意味の存
することを、盲目的に信じていた。神秘的というより、あるいは恐ろしい意味かもしれな
い。僧院長の昼餐の始まりに間に合うよう(もちろんそれはただ食卓に侍するのみであっ
た)、僧院をさして庵室を出た時、急に彼は心臓を激しく引きしめられるような思いがし
て、そのまま立ちすくんでしまった。自分の近い死を予言した長老の言葉が、再び耳もとで
響くような思いであった。長老が予言したこと、しかもあれほど正確に予言したことは、必
ず間違いなしに実現する。それはアリョーシャの信じて疑わぬところであった。しかしあの
人が亡くなったら、自分はどうなるだろう、どうしてあの人を見ず、あの人の声を聴かずに
いられよう? それにどこへ行ったらいいのだろう? 長老は泣かないで僧院を出て行けと命
じている、ああなんとしよう! アリョーシャはもう長い間こんな悩みを経験したことがな
かった。彼は僧院と庵室を隔てている木立を急ぎ足に歩みながら、自分の想念を押しこたえ
ることができなかった。
37
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 15:12:58
🔥jdim用には:set textwidth=82 🌱元pdfテキストの改行ごとに手作業でgq
38
:
名無しさん
:2025/09/01(月) 16:54:35
それほど自分で自分の思いに心を拉がれたのである。彼は小径の両側に連なる、幾百年か経た松の並木
をじっと見つめた。その小径は大して長いものでなくわずか五百歩ばかりにすぎなかった。この時刻に
誰とも出会わすはずがないと思っていたのに、突然はじめての曲がり角にラキーチンの姿が見えた。彼
は誰やら待ち受けていたのである。
「僕を待ってるんじゃないの?」アリョーシャは傍へ寄ってこう訊いた。
「図星だ、君なのさ。」ラキーチンは、にやりと笑った。「僧院長の所へ急いでるんだろう、知ってる
よ。
饗応があるんだからね。大主教がバハートフ将軍と一緒にお見えになったとき以来、あれほどのご馳走
は今までなかったくらいだ。僕はあんな所へ行かないが、君は一つ出かけてソースでも配りたまえ。た
だ一つ聞きたいことがあるんだ。一体あの寝言はなんのことだね? 僕こいつが訊きたくってさ。」
「寝言って何?」
「あの君の兄さんに向かって、地べたに頭がつくほどお辞儀をした奴さ。しかも額がコツンと言った
じゃな
いか!」
「それはゾシマ長老のことなの?」
「ああ、ゾシマ長老のことだよ。」
「額がコツンだって?」
「ははあ、言い方がぞんざいだっていうのかい! まあ、ぞんざいだっていいやね。で、一体あの寝言
はなんのことだろう?」
「知らないよ、ミーシャ、なんのことだかねえ。」
「ちぇ、長老は君に話して聞かせなかったんだね。そうだろうと思ったよ。もちろん、何も不思議なこ
とはないさ。いつもお決まりの有難いナンセンスにすぎないらしい。しかし、あの手品はわざとこしら
えたものなんだよ。今に見たまえ、町じゅうの何でもありがたがる連中が騒ぎ出して、県下一円に持ち
回るから。『一体あの寝言はなんのことだろう?』て具合にね。僕の考えでは、お爺さん本当に洞察力
があるよ。犯罪めいたものを嗅ぎ出したんだね。全く君の家庭は少々臭いぜ。」
「一体どんな犯罪を?」ラキーチンは何やら言いたいことがあるらしいふうであった。
「君の家庭で起こるよ、その犯罪めいたものがさ。それは君の二人の兄さんと、金持ちの親父さんの間
に起こるんだよ。それでゾシマ長老も万一を 慮 って、額でコツンをやったのさ、後で何か起こった時
に、『ああ、なるほど、あの聖人が予言した通りだ』と言わせるためなんだ。もっとも、あのお爺さん
が額でコツンとやったのは、予言でもなんでもありゃしないよ。ところが、世間の奴らは、いやあれは
シンボルだ、いやアレゴリーだとか、いろんなくだらないことを言って語り伝えるのさ。犯罪を未然に
察したとか、犯人を嗅ぎ出したとかってね。宗教的奇人なんてものはみんなそうなんだ。酒屋に向いて
十字を切って、お寺へ石を投げつける、――君の長老殿もその通りで、正直なものは棒で追いたくりなが
ら、人殺しの足もとにはお辞儀をする……」
「どんな犯罪なの? 人殺しって誰のことなの?」アリョーシャは釘づけにされたように突っ立った。
ラキーチンも立ち止まった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板