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Cyber Evolution
43
:
破壊
:2010/05/13(木) 01:15:14
『な…っ、なんだ!?』
あまりのことに、ショウが声を上げた。ケントとの電話も途切れ、立体映像が消失する。
《外部からの衝撃により屋根が破砕した模様です。詳細は不明。緊急事態を宣言し、ショウには早急な退避を勧告します》
言うと、ゼロは屋内に緊急アラームを鳴り響かせた。火災も併発しているらしく、スプリンクラーが作動して水が噴出する。
『ゼロ…ッ、ゼロはどうするんだ!?』
退避と聞いたショウは、謎の衝撃でヒビの入った液晶に叫ぶ。ゼロに外部へ脱出する足はない。
《私なら大丈夫です。こちらのサーバーは焼けても問題ありません》
『こちらのって、それはゼロのメインサーバーだろ!?焼けたらブラック・ボックスしか残らない!』
ゼロの旧式のサーバーが低く唸る。伝えたくとも伝えられないことがある時にいらだっているような、そんな音。
《ショウ。…早く退避を》
『ゼロ…!』
瞬間、再びの衝撃。破砕した屋根の穴から、巨大な鉄の塊が突き抜けた。
足だった。脚部だった。オレンジ色のラインが鮮やかな、AOJの人型機・ガラドホルグ。見上げるほどの巨体が、ショウの家に着地したのだ。
『AOJが、どうして!』
よく見れば民間軍事企業AOJのエンブレムはない。他社とのライセンス契約で量産されたモデルだった。
《テロであると思われます。ショウ、早く退避を―――》
ゼロがそう言った時だった。量産型ガラドホルグは再び足を振り上げると、踏みつけるような蹴りを下に放った。その鋼鉄の脚部は、ゼロのサーバーを、ショウの目の前で粉々に粉砕した。
凄まじい衝撃を間近で受けて、ショウは床を激しく転がる。
『ゼロぉッ!?』
ゼロのメインサーバーは完全に破壊された。家のアラームやスプリンクラーといった、ゼロが管理していた全ての機能が停止する。
ガラドホルグの足元に散る火花と漏電した電流が立てるパチパチという音が、ゼロの、最後の言葉に聞こえた。
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