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関学アメフト

84名無しさん:2015/03/26(木) 06:33:24
何を弱音を吐くか、と言われたらそれまでだが、長年通信社のスポーツ部門で生きてきた人間にとって、何が難しいかと尋ねられると、外国語の、とりわけ固有名詞の仮名文字表記ぐらい面倒なものはない、と答えたくなるのが普通である。うっかり調子に乗ってニックネームの話など始めると途端にこの超難問にぶつかるのである。

 昔、フットボール専門誌として発刊された「タッチダウン」誌の編集に付き合っていたとき、編集長の後藤完夫さんから「また来ましたが、どうします」と何度も相談されたことがある。
 当時、NFLの記事の多くは、関学フットボール部のOBで、私の2年上で日系二世の牧田隆さんからの寄稿が一つの売りだった。ユーモアの利いたおしゃれな文章は今では本当に懐かしいものとなった。その牧田さんが唯一訂正を迫られた言葉があった。

 ロサンゼルスの表記である。「君たちは、カタカナ表記は現地発音に従うというが、ロサンゼルスは明らかに原則違反である。ロスエンジェルスに変更することを要求する」
 共同通信社発行の「記者ハンドブック」という本があって、私は、そしてタッチダウン誌はこのハンドブックを杖とも柱とも頼んで作業をしていた。そこには外国の固有名詞などの表記についてきちんとルールが書いてある。
 しかし、さらに以前からの有名人や大都会名などほとんど日本語になっているものは、いまさら変更しない、という了解ができていた。

 牧田さんには何度もこうした通信社の立場や慣習について説明したが、「変更は今からでも遅くない」と、最後まで私どもの意見は受け入れていただけなかったのを覚えている。
 もっとも、知らぬということは反面、怖いものがないということでもある。「TURNOVER」へもこうしたご指摘はたくさんいただいているが、変更の必要なものは結構迅速に対応しているので、今後ともよろしくお願いしたい。

 がらりと話題を変える。過日、母校関西学院創立125周年記念の、米国アイビーリーグの名門プリンストン大を招いて行われた「レガシーボウル」観戦で、西下した。
 試合前の腹ごしらえで、4年先輩の元関西協会専務理事古川明さんにごちそうになったとき、たまたまその後任を務めた徳岡彰さんと席が隣り合わせになった。前回のニックネームの話をしたら、徳岡さんがヒョイと、「関大体育会がカイザーズに統一してますな」と、おっしゃった。驚きで椅子から尻が浮いた。

 「え、いつ? いつやったんでしょう。詳しくは知りません。わりかた最近のことでっせ」。「統一したのはなんで?」「なんででしょうなあ」。だったら、日本初ではないか。徳岡さんは身を乗り出した私をよそに、「立命の体育会がパンサーズに変えたというのも聞いてまへんし。ほかのもちょっと分かりまへんな」と、淡々と話された。
 同席の方々は静かに箸を動かしている。色めき立っているのはどうやら私だけのようだ。これは調べなくては。まず事実かどうか。日本初かどうか。プリンストンとの試合とは別に、私は新たな宿題を課せられた少年に戻った。

 夜遅く帰宅して、パソコンのふたを開けた。事実であった。関西大学の体育会を開くと、そのいきさつが簡単に述べられていた。要するにカイザーはドイツ、オーストリアの皇帝。古代ローマの統治者ユリウス・カエサル、英語読みではシーザーを語源とする呼称である。
 そして応援歌の一部に使われているカイザーを、統一ニックネームに採用することに決めたのだそうだ。

 確かめてみる。5行の歌詞の5行目に「カイザー関大 光あり」とある。これが1番で、2番は「カイザー関大 力あり」と締めている。11年前の2004年4月。横向きの古代ローマの将軍をかたどったロゴと同時に決めたそうだ。

 そういえば当時、フットボールチームのニックネーム「イーグルス」を「カイザーズ」に変更すると、かなり念入りに宣伝されていたのを思い出した。
 結構強そうなネーミングだったのに、どうして変更するのかな、とこのとき思ったが、体育会全体で変更するのならこれはもう仕方のない話である。ちなみに校旗とかユニフォームとかに使われる関大の「スクールカラー」は、ふた昔前の大正13年1月以来ブルー(紫紺)である。


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