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規制中の怖い話スレ

950毒男:2019/03/10(日) 21:52:41
それを確認して僕は、走って家に帰り母親にそのことを説明した。
しかし、母親は信じてくれなかった。考えてみれば、昼間のそれも近くに割と民家の密集しているところである。
そんなことが、白昼堂々行われるとは、信じられない。
あまりに唐突な出来事で僕自身もなんだかいまいち実感がなかったくらいだったし、投げ込まれる瞬間をはっきりと見たわけでもなかった。
結局、僕の言ったことは誰にも信じてもらえなかった。
僕もあれはもしかしたら僕の勘違いだったもかも知れないと思うようになった。
井戸に投げ込んだように見えたけど、鎌爺を井戸の脇、僕から見えない位置に置き直しただけじゃないかと。

だけどその日から鎌爺の姿を見ることがなくなった。
何日かして、父親になにげなく鎌爺はどうしたの?と聞いてみた。
父親の話だと病気になっていて、今はずっと家で寝たきりらしいそうだ。

僕は鎌爺のことが気になっていて、本当に鎌爺が生きているのか確認したくなって、家に行ってみようと思った。
鎌爺の家は僕の家から歩いて10分ぐらいの距離にあるんだけど、鬱蒼とした森みたいなとこにあって夜には絶対来たくない場所だった。
友達にちょっと見に行かないかと誘ってみたけど用事があるとか何とかで結局誰も誘えなかった。
ここで止めとけば良かったのに当時の僕は好奇心が旺盛で、昼間だし大丈夫かなと思い一人で行くことにした。
普段は大人しくても呆けた老人の行動は読めないので工作に使っていた小刀を一応護衛代わりに持って行くことにした。

父親から鎌爺の家もある場所を聞き、その場所に一人で向かった。
家は、いつも鎌爺が座っていた道端からそう遠くない所にあった。
僕は鎌爺の家の前を通り過ぎるふりをしながら中を見てみた。
家は結構大きかった、人の気配がなくてがらんとした感じだった。
僕は通り過ぎてしばらく少し離れた所から家の様子を眺めていたが、鎌爺の姿を見ることはできなかった。
しばらくそうして見ていると、見覚えのある軽トラックが、鎌爺の家のほうに向かってやってきた。
あの時の軽トラックだった。軽トラックはそのまま鎌爺の家の中に入っていった。

僕はまた引き返して、鎌爺の家の前をまた通りすぎた。
家の中に軽トラックが停めてあった。
そしてあの時、鎌爺を抱えていた、夫婦が軽トラックから荷物を降ろしていた。
どうやらその夫婦が鎌爺の身内の人らしかった。
一瞬嫌なことが頭をよぎった。もう関わるのはやめようと思いその日はそのまま家に帰った。




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