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規制中の怖い話スレ

949毒男:2019/03/10(日) 21:52:12
小学生の頃、田舎に住んでいたいた時の話。

その村には鎌爺という、有名な爺さんがいた。
その爺さんは身内の人が面倒を見ているらしいが痴呆症らしく、いつも同じ道端に座っていてボーとしている人だった。
そしていつも手には何故か草刈り用の鎌を持っていた。
そのせいでみんなから鎌爺と呼ばれていた。
僕は近くにある百貨店や友人の家に行くときにこの鎌爺の前を通るのがものすごく怖かった。
なにせボケてるし、その手にはいつも草刈り鎌、いつ襲ってきてもおかしくない。

ある日僕が、友達の家の近くで遊んでいた時のこと、激しく車のクラクションを鳴らす音が聞こえてきた。
なんだろう?と思い、音の鳴る方を見てみると、軽トラックが道路に止まっていた。そして道路の真ん中には鎌爺が座っていた。
鎌爺を道路からどかそうとしてクラクションを鳴らしているらしいけど鎌爺のほうは、いくらクラクションを鳴らされても動ぜずただボーとあらぬほうを見ていた。

僕はしばらく、その様子を遠くから見ていた。
やがて二人の夫婦が車から降りた。夫婦はこの辺りに住んでいる人らしく今から畑に行く途中らしかった。
その夫婦は車から降りると鎌爺を二人で抱えた。
僕は鎌爺を車の通行の邪魔にならない、端のほうに連れていくのだろうと思っていたが、違った。
その夫婦は、鎌爺を抱えるとまっすぐ僕のほうへとやってきた。
僕はなんだか少し怖くなり、その夫婦に見つからないように、他人の家の物陰に隠れてその夫婦を見ていた。
その夫婦はトラックの停めているところから少し離れた所にある井戸の所までその鎌爺を抱えていった。

井戸の所まできて鎌爺を降ろすと夫婦は一息ついた。
僕は何をするつもりだろうとそれを見ていたが、しばらくしてまた鎌爺を持ち上げた、そしてそのまま井戸の中に…。
はっきりとはその瞬間を見ることはできなかった。
あまりの恐ろしさに目をそらしてしまったからだ。
僕は怖くなりその場を逃げ出したかったが、あの夫婦に見つかると自分も井戸の中に放り込まれるのではないかと思い、とにかくその場を動かずにその夫婦がその場を去るのを待っていた。
やがて、その夫婦は何事もなかったように軽トラックに乗り込むとそのままその場所を去った。




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