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規制中の怖い話スレ

837毒男 ◆B.DOLL/gBI:2018/10/11(木) 21:35:02
Kさんという若い女性が、両親そしておばあちゃんと一緒に住んでいました。
おばあちゃんはもともとはとても気だてのよい人だったらしいのですが、
数年前から寝たきりになり、だんだん偏屈になってしまい、介護をする母親に向かってねちねちと愚痴や嫌味をいうばかりでなく
「あんたたちは私が早く死ねばいいと思っているんだろう」などと繰り返したりしたため、愛想がつかされて本当にそう思われるようになりました。
介護は雑になり、運動も満足にさせて貰えず、食事の質も落ちたために、加速度的に身体が弱っていきました。
最後には布団から起き出すどころか、身体も動かせず口すらもきけず、ただ布団の中で息をしているだけというような状態になりました。
はたから見ていても命が長くないだろうことは明らかでした。

さてKさんの部屋は2階にあり、ある晩彼女が寝ていると、不意に外でクラクションの音が響きました。
Kさんはそのまま気にせず寝ていたのですが、しばらくするとまた音がします。
何回も何回も鳴るので、時間が時間ですし、あまりの非常識さに腹を立ててカーテンをめくって外を見ました。
Kさんはぞっとしました。家の前に止まっていたのは大きな一台の霊きゅう車だったのです。
はたして人が乗っているのかいないのか、エンジンをかけている様子もなく、ひっそりとしています。
Kさんは恐くなって布団を頭から被りました。
ガタガタとふるえていましたが、その後は何の音もすることなく、実に静かなものでした。

朝になってKさんは、両親に昨日の夜クラクションの音を聞かなかったかどうか尋ねました。
二人は知らないといいます。
あれだけの音を出していて気づかないわけはありませんが、両親が嘘をついているようにも見えないし、またつく理由もないように思われました。
朝になって多少は冷静な思考を取り戻したのでしょう、Kさんは、あれはもしかしておばあちゃんを迎えに来たのではないかという結論に至りました。
彼女にはそれ以外考えられなかったのです。
しかし、おばあちゃんは相変わらず「元気」なままでした。

翌日の夜にも霊きゅう車はやって来ました。次の夜もです。
Kさんは無視しようとしたのですが、不思議なことにKさんが2階から車を見下ろさない限り、クラクションの音は絶対に鳴りやまないのでした。
恐怖でまんじりともしない夜が続いたため、Kさんは次第にノイローゼ気味になっていきました。

7日目のことです。
両親がある用事で親戚の家に出かけなくてはならなくなりました。
本当はKさんも行くのが望ましく、また本人も他人には言えない理由でそう希望したのですが、おばあちゃんがいるので誰かが必ずそばにいなくてはなりません。
Kさんはご存じのようにノイローゼで精神状態がすぐれなかったために、両親はなかば強制的に留守番を命じつつ、二人揃って車で出ていきました。
Kさんは恐怖を紛らわそうとして出来るだけ楽しいTV番組を見るように努めました。
おばあちゃんの部屋には恐くて近寄りもせず、食べさせなくてはいけない昼食もそのままにして放っておきました。
さて両親は夕方には帰ると言い残して行きましたが、約束の時間になっても帰って来る気配がありません。




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