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規制中の怖い話スレ

557毒男:2018/05/06(日) 00:31:44
金属製の扉を閉め脇にある緑色の大きなボタン式のスイッチを押すと強烈なバーナー音、ダクトの排気音が狭いこの部屋に響き渡る。
傍らには喪服の女性がすすり泣いている。
いま荼毘(だび)にふすこの男性の奥さんだろう。
男性は突然の心臓麻痺で亡くなったらしい。
火葬が終わるまでの間、親族の方に待合室へ葬儀業者の女性が誘導している。
親類の紹介でこの仕事についてから幾度となくこのような光景をみている。
慣れとは恐ろしいもので今ではただの作業として職務をこなしているだけだ。
火葬終了のブザーが鳴ると親族を部屋に呼び込み遺骨を拾ってもらう準備をする。

金属製の扉を開け寝台を引き出した。
「あっ」
室内の居た誰もが同じ声をあげた。
火葬したはずの遺骨がそこにないのだ。
バーナーで熱くなった炉内がさめるのを待って、炉内をしらべたがやはり遺体も遺骨もなかった。
炉は全部で3基あってひとつの大きな煙突につながっている。
もしやと思い煙突も調べてみることにした。
暗い煙突内にライトを照らすと、そこに清掃用に取り付けたある手すりに、男性がよじ登ろうとしていた。
「だいじょうぶですか?」
声をかけたが返事がない。
しかたなく男性のそばまでよってみた。
さきほどは感じなかったすえたニオイが鼻を襲った。
「だっだいじょうぶですか」
再度声をかけてみた。
だが返事が返る訳がない、そこにあるのは人間の燻製なのだから。




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