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規制中の怖い話スレ

250名無しさん:2018/01/03(水) 01:23:45
高校2年の夏、姉が死んだ。21歳だった。
一人暮らしをしていたマンションの屋上からの飛び降り自殺。動機は不明。
家族の中で姉と最も親しかった私にも、自殺の原因は全く見当がつかなかった。

葬儀の翌日、姉の住んでいた部屋を引き払うため、朝から母と私で荷物の整理をしていた。
二人して黙々と働いたので、夕方にはほとんど段ボールに詰め終わり、それを玄関先に積み上げてから自宅に戻った。

夕食後、姉の部屋に携帯を忘れたことに気付いた私は一人家を出た。
9時頃だった。マンションは自宅から自転車で10分くらいのところにある。

部屋に上がり明かりを点けると、携帯はすぐに見つかった。床の真ん中に落ちている。
腰をかがめて拾い上げると、電話のベルが鳴った。私の携帯の着信音ではない。
振り返ると、台の上に置いてある電話が光っていた。一瞬迷ったが、受話器を取る。

「もしもし…」

最初は何も聞こえなかった。ノイズが酷い。電波状態の悪い携帯から掛けているみたいに。
なぜか、誰かが息を殺しているイメージが頭に浮かんだ。
果たして、しばらくそのままでいると雑音の向こうから微かな息づかいが聞こえてきた。

「誰?」

返事はない。
ただ、息づかいが少し荒くなったような気がした。
その背景、少し離れたところで何かの声。雑音にまぎれて、
『…クス‥クスクス…』
小さく笑い合う声が、受話器越しに聞こえた。
急に寒気を感じた。背中がゾクゾクする。
なま暖かい空気がうなじのあたりを撫でた。窓は閉まっているはずなのに…




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