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規制中の怖い話スレ

243毒男:2018/01/03(水) 00:45:16
体験談です。まとめようとしたのですが、長くなりました。

小学校のクラスメイトにMというのがいて、父親は地元の名士で、有名な産婦人科医でした。
外壁に蔦がはっているような、かなり古い2階建ての洋館を病院にしていて、近所の子供たちの間では、お化け屋敷などと言うものもありました。
何でも、関東大震災後に建てられた建物だということでした。
実際は、医師として大変評判のいい父親のおかげで、病院はとても繁盛していたようですが。
ところが、小学校の卒業をひかえた頃、Mの父親は突然亡くなり、病院はやめることになりました。
あとには、Mとその母親と妹、そしてお祖母さんが残されました。

何年か経て地元の高校に入学し、当時、またクラスメートになっていたMたちと話している時、
誰が言い出すともなく、Mの家の、今は使っていない病院だった洋館で、怪談大会でもやろうということになり、
泊まりに行っていいかと、尋ねたところ、いいけど、今度の7月7日の晩ならいい、と、わけのわからないことを言うのでした。
何で?と聞くと、その日はオヤジが死んでから、毎年、幽霊が出るようになったから、家の人は誰もいなくなる、親戚の家に行くんだ、と、ことも無げに言うのです。
そんなKの話が火に油を注ぎ、また、その年の7月7日が土曜だったこともあり、大変な盛り上がりようで7〜8人の参加者が集い、
待望の7日、つまり七夕の晩、夕方から家人のいないMの家へ集まったぼくたちは、飲めもしないビールをちびちびやりながら、大いに楽しんでいました。

じゃあ、そろそろ病室で怪談をやろうということになり、Mの家族が生活している母屋から、中庭を隔て、渡り廊下の先、元病院だった洋館へと移動しました。
蝋燭を一本、元病室の真ん中に置き、思い思いに、つたない怪談を始めたわけです。
で、Mの番になり、7月7日に毎年出るという幽霊について、話してもらおうじゃないの、ということになりました。
Mが言うことには、別に父親の幽霊が出るというのではなく、だいたい、Mのお父さんが亡くなったのは冬ですし、脳溢血で亡くなったとも聞いてます。

じゃあ、どんな幽霊が出るのと聞くと、お父さんが亡くなる前、同じ年の7月7日の夜、その日は雨が降っていて、
誰とも知れぬズブ濡れになった妊婦が、たった一人で、もう、ほとんど赤ちゃんが生まれそうになった状態で、病院を訪れたということでした。
Mの父はとりあえず、妊婦を病室に運んだのですが、結局、赤ちゃんは死産でした。女の子だったそうです。
母体の方もかなり衰弱が激しく、危ない状態だったそうですが、ともかく一命は取り止め、朝方、徹夜となった看護婦さんと一休みしていると、
ほんの30分ほど、病室を空けただけなのに、その瀕死と思われた女は病室から、消えていたそうです。
もともと何の持ち物もなかったそうですが、ズブ濡れの服とともに、名前も素性も何もわからないまま、いなくなったということで、
警察に連絡し、近所を探したりしたそうですが、最終的に女は見つからず、それっきりになってしまいました。

じゃあ、その消えた女が幽霊になって出るの?と聞くと、Kは、いや、その時の死産だった赤ん坊が出る、と言うのです。
出るというよりも、泣くんだ、と言うのです。
いずれ、その消えた女が戻って来るのではないかと考えたMの父は、その赤ちゃんを葬らず、お骨にして、病院の空き室というか、
物置のような部屋へ、置きっぱなしにしたまま亡くなってしまったそうで、
それからというもの、毎年、7月7日の深夜、その空き部屋から、赤ちゃんの泣き声がするようになった、と言うのです。
誰も幽霊を見てはいないけれど、確かに赤ちゃんの泣き声はする。
だから、その夜は、気味が悪いので家族は外泊するようになった、ということです。




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