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【まだまだ】型月キャラを性転換するスレ二十二人目【終わらんよ】

74僕はね、名無しさんなんだ:2011/07/21(木) 23:48:17 ID:lm5Xkw9k0
>>73
GJ!

釣られて書いてみた。でも、これは73氏の士郎子ではきっとない。

「煙草くれよ」
「やだよ。お前いつも、一口吸って捨てるだろ。勿体ない」
「その一口が大事なんだよ。いいからくれよ」
「じゃあ、はい」

 そう言って、指に火がつきそうなくらいに短くなった煙草を、衛宮は寄越した。
 僕はそれを一口だけ吸って、大きく咽せて、投げ捨てた。
 衛宮は、そんな僕を興味薄そうに眺めて、新しい煙草に火を付けた。
 いつものことだ。ポニーテールに括った、鈍い色の赤毛。日本人には珍しい、錆色の瞳。ああ、殴り飛ばしたくなる横顔。それだって、全くいつも通りじゃないか。
 まったく、胸くそが悪くって仕方ない。


 世界の大きさを知ったのは、いつのことだろう。
 それはきっと一年前。僕という人間が、とことん無価値なものだと知ったときだ。
 僕が誇らしく抱えてきた魔術書やら何やらは、全てがただのがらくただった。僕は、がらくたを後生大事に抱えて、喜色満面だったんだ。
 まるきり、ガラス玉を宝物にした幼稚園児と変わらない。
 果たして、妹はそんな僕をどんな目で見ていたのだろうか。
 憐れんでいたのか。蔑んでいたのか。それとも、羨んでいたのか。
 呟くように謝ったあいつの瞳からは、何も読み取れなかった。
 どうしてその時、押し倒さなかったのか。
 我ながら不思議だ。
 ただ、その時は桜の泣き叫ぶ声なんかよりも、衛宮の冷めた声が聞きたかった。
 それだけだと思う。
 なんとなく、外に飛び出した。
 土砂降りの雨だったらそれなりに様にもなっただろうけど、外は生憎の快晴。もう、これ以上ないくらいの晴天。
 すれ違う一般人ども、そして僕もその仲間入りをしたことに思いが至り、苦笑いだって浮かんでこない。
 嘘みたいに古びた武家屋敷の前に立ったとき、一体どこをどうやってここまで来たのか、全く覚えていなかった。

『どうしたんだ、慎二』

 もう太陽も高いというのに、衛宮ははだけた寝間着で僕を出迎えた。
 だから、押し倒した。それだけだ。
 日が傾いても、日付が変わっても、僕は彼女の幼い肢体を貪った。まるきり猿だった。
 
『……シャワー、浴びてくるよ』

 曙光が夜を切り裂く頃合い。
 どちらの汗か、それとも体液か、それすらわからない何かでべとべとになった衛宮は、のそりと起き上がって襖の向こうに消えた。
 きっと、電話をかけに行ったのだ。それは、今の世知辛い世の中には珍しく、ただで電話がし放題の相手先。出前迅速落書き無用、五分と経たずに制服に身を包んだ怖いおじさん達が駆けつけてくれる……。
 ああ、僕の人生も終わったなぁ、と、一人感慨に耽っていると、再び襖が開いて、

『あがったよ。慎二、お前も浴びるか?』

 だってさ。


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