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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 3スレ目

51ウルトラ5番目の使い魔 37話 (8/13) ◆213pT8BiCc:2016/03/04(金) 13:13:02 ID:2DXgqTpA
 けれども、人間たちもこのままやられっぱなしではない。隊長の待望していた援軍が、ついに街の空と地上に現れてきたのだ。
「こちらトリステイン王立空軍、第六艦隊。全艦、対大型幻獣戦闘用意!」
「こちらトリステイン王立陸軍、第三十砲亀兵連隊所属重砲隊、弾込め急げ」
 空中からは艦列を組んだ飛行戦列艦が砲を下に向け、地上では道路を削りながら運ばれてきた大口径砲が仰角をつける。
 待たせたな怪獣め。ずいぶん急いで来られたから、少しばかり歓迎レセプションの準備が遅れたが、ここがパーティ会場だ。我々のもてなし、存分に受けてくれたまえ。
 キングザウルス三世も、新たに現れた敵の存在に気がつき、長い首を空に向けて威嚇の声をあげる。その迫力には、訓練を積んだ新兵も、歴戦の老兵も揃って息を呑まされた。
 どうやら、我々の挑戦を彼も受けてたってくれるらしい。しかし、もてなされるのは逆に自分たちかもしれないという予感が、将兵たちの心によぎった。
 あの怪獣は強い、間違いなく。雄たけびには微塵の恐怖の気もなく、空を睨む目はかけらも震えていない。年月を積んで成熟しきったドラゴンと同じく、人間を邪魔とは見ても脅威とは見ていない、そんな目だ。
「なめられているな。まあ当然か……だが、我らトリステイン軍に敵前逃亡などはありえん。女王陛下、我らに力をくだされ。全艦、砲撃開始!」
 戦列艦の砲が一斉に火を噴き、同時に地上の重砲部隊も火蓋を切った。
 轟く火薬の爆裂音、空気を裂く衝撃波、そして音速を超えて殺到する砲弾の乱舞。
 キングザウルス三世は一瞬のうちに炎と煙に包まれた。炸裂する砲弾が無数の破片を撒き散らし、キングザウルス三世の砕いた建物の破片がさらに微塵の粉塵にまで砕かれて舞い散る。
「どうだ、最大級の火龍でさえ吹き飛ぶ威力だぞ!」
「気を抜くな! 奴らは、我々の常識を超えた生き物だということを忘れたか。次弾装填急げ、次は奴の反撃が来るぞ!」
 その瞬間、灰色の粉塵の中から赤い光線が放たれて一隻の戦列艦に突き刺さった。爆発が起こり、船体の文字通り右半分を消し飛ばされた艦は大きく傾いて落ちていく。
 やはり、こんなもので絶命するような奴ではなかったか。粉塵の中から再びキングザウルス三世の巨体が現れて、大地を踏みしめ、尻尾を揺らして前進を始める。
 強い……今の砲撃は、怪獣を相手にすることを想定して火薬を倍加した特製弾だったのに、まるで効果が見えないとは。
「お、恐ろしい奴だ。司令官、このままでは」
「うろたえるな、こうなることは最初から想定のうちだったろうが。だが、この世に生きている限り、殺せない生き物などいない。全艦、今度は照準を絞り込んで、奴の頭を集中攻撃しろ。下の部隊にも連絡、急げ!」
 司令官は、あのベロクロン戦からの戦いを生き残り、その経験を買われて司令官に任命された猛者だ。怪獣の恐ろしさは身に染みて知っている。
 だが、怪獣や超獣とて不死身ではない。人間の力でも、工夫し、弱点を突けば必ず倒すことが出来る。
 命令が伝達され、艦隊の砲口がキングザウルス三世の頭部へ向けて照準を定め、続いて地上の重砲部隊も砲門を動かす。




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