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避難所用SS投下スレ11冊目
353
:
ウルトラ5番目の使い魔 52話 (7/19)
◆213pT8BiCc
:2016/12/23(金) 09:44:53 ID:q6J2gu7Y
剣閃をかわして、ダイナのキックが炸裂する。しかしビゾームの横なぎの剣閃がダイナの喉元をスレスレでなでていき、両者の戦いはさらに激化していった。
さらに、エースとゼブブの戦いも死闘の度合いを深めていく。
エースにひけを取らないゼブブの身体能力に加え、奴は右腕が鋭い剣になっている。あんなもので切りつけられたらウルトラ戦士の皮膚でもやすやすと切り裂かれてしまうだろう。
〔このハンデはけっこうデカいな〕
北斗は決定打を与えるためにはゼブブの懐に入らねばならないが、そのためにはあの剣のリーチの内側に入らなければならないことにやっかいさを感じていた。
剣を持った敵には、過去にもバラバやファイヤー星人、ハルケギニアでもテロリスト星人との戦いがあったけれども、いずれも楽なものではなかった。武器は、たとえそれがナイフ一本であろうとも持つと持たないとでは戦力に大きな開きが出る。勝てないとまでは思わないが、このまま戦えば一方的に不利だ。
しかも、ならば武器を先に破壊してしまおうとしても、ゼブブは武器破壊に警戒した仕草を見せて剣を折らせようとはしなかった。まるで、一度剣を折られたことがあるかのようだ。
それならばこちらもなにか武器を持てば? しかし、たとえば足元に落ちている兵士の剣を拾ったとしても、数打ちの量産品では強度に不安が残る。巨大化させてすぐ折れてしまわれたらエネルギーの無駄だ。それにエースブレードは念力で作り出す剣なので斬り合いには向いていない。
〔ちくしょう、こんなときにデルフがありゃあなあ〕
才人は、異次元に飛ばされるときに無くしてしまった相棒であり愛刀のことを思いだした。あいつがいれば思うままに振り回すことができたのに。
だが、いないものを考えてもしようがない。それに斬られることを恐れてはウルトラマンAの名がすたる、斬るのはこっちの専売特許だ。北斗と才人がたじろいでいるのを見かねたのか、ルイズが大声でふたりを叱咤した。
〔しっかりしなさいよ男のくせに! 力のことなら心配しなくても、今日のわたしは気合が有り余ってるから好きなようにしていいわ。後先のことなんか考えてんじゃないわよ!〕
その叱り声に、才人と北斗ははっとしたものを感じた。そうだ、慎重になって悩むなどらしくない。相手が自分より二倍強いなら二分割して、四倍強いなら四分割してやればちょうどよくなるだろう。
迷いを振り払ったエースは、腕を上下に大きく開き、白く輝く光の刃を作り出して放った。
『バーチカル・ギロチン!』
超獣を一撃でひらきに変えるエースの必殺技がゼブブへ向かう。だがゼブブは迫り来る光の刃を剣ではじき返すと、奇声のような鳴き声を上げてエースに突進を開始した。
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