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小説『迷い堕ちた夫婦』

1NT:2018/11/27(火) 18:40:48
プロローグ


 「今日も披露宴があるんだなぁ…」
 ロビーの人波を横切りながら、そんな言葉が口に付きました。顔は無意識に俯むいていて、身体は素早く化粧室に滑り込んで行きます。
 鏡の前で容姿を確認します。もう何度か来たこのホテルですが、来る度に心苦しい感情が…。しかし、心の奥底からは得体のしれない高鳴りがフツフツと湧き上がってくるのです。
 妻も今頃、きっと同じような心境の筈です。


 化粧室を出ると待ち合わせのエレベーターホールに向かいます。妻が先に来ていました。
 目が合うと、コクリと頷きます。
 そして、“ある夫婦”が待つ喫茶室へ向かったのです………..。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1


 私がその御夫婦の事を知ったのは、数ヶ月前の事でした。
 1年程前、一人息子の浩二が地方の全寮制の高校に入ったのを好い事に、私はそれまで妄想していた欲求を実践出来ないものかと考えていました。
 42歳の私、菊地俊也(キクチ トシヤ)と40歳の妻、浩美(ヒロミ)は二人とも役所勤め。周りから“お堅い”夫婦と言われていました。でも心の中は結構なスケベ心が満載。妻も一度スイッチが入れば、そこそこ激しく乱れてくれておりました。でもまあ、“乱れる”と言ってもそれは、どって事のない言わば明るいエッチでした。
 私はもっと後ろめたくなるような“隠微”な行為を夫婦でしてみたかったのですが、職業柄なのか、それとも本来の気弱さからなのか、せいぜい息子が留守の時に、妻を被写体にエッチな写真を撮る位のものでした。
 そこで、息子が家を出てからというものは、それまで以上に卑猥なサイトを色々と覗いてみる事にしました。中でも私達夫婦が気をひいたのは同じ年代の夫婦の体験談で、『夫婦交換』 『3P』 『寝取られ』などなど…でした。
 妻も最初は恥ずかしがっておりましたが、すぐに引き込まれるように見入っておりましたよ。根がスケベな事は分かっておりましたが、改まって嬉しく思いました。
 それでも他人を交える行為には恥ずかしさと、もしもがあった時の世間体を考えると踏み込む勇気が持てませんでした。そこで私は、掲示板の特定の人とのやり取りだけでも隠微な雰囲気を味わえるだろうと、思い切って【あるサイト】の募集掲示板の主にメールを出してみたのです。卑猥な言葉の交換だけでも欲求は満たされ、想像の世界だけである程度の満足が得られるだろうと思っていたのです。
 ところが………。


 私が…いや、私達が“その人”の書き込みに魅(ひ)かれたのは我々より少し歳が上で、同じく一人息子がいるという事と【初心者で同年代の仲好し御夫婦へ】と書かれたそのタイトルでした。
 妻と相談してその主にメールを出しました。返事は直ぐにきて、夫婦で相談しながら色んな質問をしたりと、隠微なやり取りが始まったのです。


 その御夫婦…そう、その“主”は『堀田学(ホッタ マナブ)』さんと名乗り、ご自身の妻の名が『紀美子(キミコ)』さんと教えてくれたのです。
 堀田さんはご自身達夫婦の体験談をメールでですが、丁寧に語ってくれました。そして手ほどきと言うのでしょうか、私達を教授しながら導いたのです。
 『初対面の時はいきなりプレイには入らず、まずは挨拶だけにしておくのです。まあ、互いを面接しあう訳です。次に会う時はそうですね、相互鑑賞はどうでしょうか?そこでもう一歩踏み込む勇気が持てたら…別室での夫婦交換…そして更なる刺激が欲しければ、同室でのスワップ…こんな感じでどうでしょうか?』
 堀田さんは非道徳的な遊びが夫婦の絆を強める事。背徳的な行為が麻薬のような快楽を与えてくれる事を教えてくれたのです。・・『ただし、“こちらの世界”に来るかどうかは貴方達御夫婦次第です』と言う言葉で結んで。

77NT:2018/11/27(火) 20:48:29
堀田さんが続けます。
 「…この“つがい”は東京の◯◯区に住んでおり」
 それを聞いて、ググッと奥歯に力が入りました。まさか住所を呼ばれ、続けて勤務先の名前まで出されるのかと…。
 しかし。
 「勤め先は今は申しませんが、男も女も堅い仕事です…」
 私の身体中の毛穴からは、汗が吹き出てきます。そんな私の事など誰も気にせず、男達の中から又、声が上がりました。
 「ヘエ〜共働きか。……分かった、こいつも教師だろ!」
 「・・・・・」
 「いや、俺は医者だと思うな」
 「変態の医者か。最近そういうのが多いからな」
 「いや、旦那は銀行員じゃないか。結構、硬そうな顔をしてるじゃないか」
 「女房の方は婦人警官だったりして」
 「そいつはいいや。婦人警官のマンコを味わってみたいもんだ」
 男達が口々に好き勝手な事を言っています。私の顔面は真っ青です。隣は…と顔をジリリと回すと、微かに俯いた妻がおります。


 「学さんよ、アンタらと、この“つがい”は何回か遊んだんだろ?」
 男の一人が堀田さんに聞いて来ます。


 「はい。私達5号の白黒ショーを一度見せまして、その後は相互観賞も行いました」
 「なるほど、そうなんだ。それでこいつらの変態度はどうだった?」
 「はい。男は小心者の変態で、女の方はムッツリでかなりの好き者です。M性も強く調教のしがいがあると思いました」
 「学も言うようになったねえ。けど楽しみだわ」
 男共の容赦のない視線が妻に向いておりました。しかし、堀田さんの指摘は見事にあたっており、妻の変態度はとっくに認めていたところです。


 「そ…それと、女の方は職場で清水様の調教も受けております」
 瞬間「職場かよ、スゲーな清水さんは。流石だ」と感嘆な声が上がりました。


 「けど、女の方は本当に変態の好き者なんだな…。清水さん、職場でってどうやって犯(や)ったの?」
 男の興味津々の声に、清水が答えます。
 「ふふ、この女…昼休みにトイレに来いって言ったら本当に来ましてね。しかも男子トイレですよ」
 清水の説明に再び「うおー」っと歓声が上がりました。


 「ふふ、まあ私の話は置いといて、早速今から遊んでみますか」
 清水の視線に身体が金縛りのように動かなくなっています。
 「さあ、ご挨拶だ」


 私は何度も何度も唾を飲み…。隣の妻を盗み見して…。腹にグッと力を入れ…。そして。
 「み、皆さま…」
 しかし、その後の言葉が続きませんでした……。
 何を言えばいいのか?
 何を言わなければいけないのか?
 私は黙ったまま部屋中の視線を一斉に浴びながらも、固まり立ち竦んでおりました……。

78NT:2018/11/27(火) 20:49:33
23

 仄暗い部屋のレトロな照明でも、私の身体は充分に熱さを感じていました。
 飢えた男共の視線は粘っこく、私にまとわりついて来るようでした。妻の手を握る私の掌は汗でベトベトです。


 「早く続けろよ」
 沈黙に痺れを切らしたのか、一人の男の声が飛んで来ました。
 私は「はい…ええっと…」と頷くと、堀田さんの方をチラリと覗きました。どんな時でも根性なしの私です。


 その時です。
 「シャキッとしないと息子も困るだろ」と客座から声が上がったのです。
 その声は私の背中を押すのに、充分なものでした。いえ、結局は何かに押されないと、踏み出せない私なのです。


 「は、はい、すいません……。わ、私共は40前半の変態願望を持った夫婦です…」


 「…一人息子が地方の高校に入ったのをいい事に、夫婦で変態チックな遊びを始めました…」


 「縁あって堀田さん御夫婦と知り合い、本日はこちらにお邪魔させて頂いております…」


 「…そして……わ、私達も奴隷夫婦の仲間に入れて頂きたいと思いました…。この後、妻を犯して…….」
 最後の語尾は小さく消えかかりましたが、この部屋の住人全ての耳には『犯してください』と聞こえたはずだと思います。
 私は額から汗を流し、荒い息を吐いていました。


 「よく言えたじゃないか」
 どこからともなく、そんな声が聞こえてきました。合わせて「うんうん」と頷く気配に一息抜けた気がします。
 しかし…。
 私は妻の同意を得ることなく、宣言していたのです。それに気づいた私は、恐々隣を見ました。ユックリ覗くようにです。
 妻はそこでも俯きぎみで、黙って床を見ております。


 スッとどちらからでもなく、握っていた手が解けました。
 妻の瞳にはボーっと暗い膜が掛かり、頬は震え唇は半開きです。
 そして、その顔のまま私を一旦見つめると軽く頷き前を向き、初めて口を開いたのです。
 「ど、奴隷夫婦10号の“浩美”です…。どうか・・・・・・・・」


 『どうか』の後の言葉は聞こえませんでしたが、妻は「お好きなように」あるいは「犯してください」と言ったのだと思います。
 そうです部屋中の誰しも、妻の“生け贄宣言”だと理解したと思います。その証拠に一瞬の間の後、「うおっーー」と男達の雄叫びが上がったのです。

79NT:2018/11/27(火) 20:50:19
男達は立ち上がり、“初物”を我れ先にと飛び掛かろうとしています。
 しかし。
 「皆さん!」と、清水が一声でその場を鎮めました。


 「ふふ、ちょっと聞いてください…」
 「・・・・・・・・・・・」
 「この女、非常にM性の強い女でして。今、無意識のうちに『浩美』と本名を名乗りましたが、被虐性が強く自ら晒し者になりたいようです」
 清水の語り調に、男達の血走った眼が少しだけ鎮まりました。
 清水は続けます。
 「ふふ、せっかくですから犯(や)る前に少し、M性を刺激してやりますか」
 その言葉に、立ち上がっていた男達の表情(かお)に何とも言えない笑みが浮かびました。


 「では“浩美”、客人にその気になって貰えるように着ている服を脱いでみせろよ、ストリッパーになったつもりでよ」


 いたぶりの言葉をどう受け取ったのか、妻は一旦目を瞑り、そして薄く開くと腰の帯に手をやりました。
 立ち上がっていた男達は、黙ったままその場に腰を降ろして行きます。それにつられて私の居場所はと…身体はコソコソと壁際へと移動していったのです。


 妻の白い指が難なく結び目を解(ほど)くと、シュルっとそれが下へと落ちていきました。はだけた間からは白い肌が、そして身につけた下着の色が覗きました。私が「あっ!?」っと思ったのはその色です。普段から妻の下着の事など特に気にする事もなかったのですが、浴衣を脱ぎきったそこに見えたのは、真っ赤なソレでした。
 一瞬言葉を忘れた私でしたが、その赤いランジェリーは小さめの物なのか、妻の身体は苦しそうに包まれて見え、そしていつも以上に肉感的に想えたのです。
 頭の隅では「こんな下着を持っていたのか」などと考えた私でしたし、このホテルに来て、着替えた時にも気づかなかった自分が何をしていたのかと…今さら妻の変貌を意識する私でした。


 「へへ〜この奥さんも結構いい体をしてるじゃないか」と、何処からともなく声が上がりました。その声につられて、他の男の目にも好色の光が灯っていきます。
 妻はその肢体を小さく捩(もぢ)らせながら、両方の手を肩の辺りからヘソ周りへと摩るように動かしています。我が身を抱くように、身を守るようにです。


 「こら浩美、手を動かすな。後ろで組んで胸を張ってみろや」
 清水が妻の立ち姿に注文を付けてきます。
 妻は素直に手を腰の後ろに持っていきます。


 「奥さん、エエ乳(ちち)してるなぁ」
 「尻(ケツ)の方も垂れてないし中々いいんじゃないか」
 「じゃあ早く、その中身も見せてみろよ」


 男共の声に応えるかのように妻は、ブラジャーのホックに手をやりました。胸を突き上げるのは、無意識に膨らみを強調したのか、谷間から頂(いただき)まで破ちきれそうに見えます。
 右手に持ったブラを下に置くと、ゴム毬のような胸の膨らみが露になりました。膨らみの先は、仄暗い灯りの下で尖って見えます。客座からは「ほお〜」っと厭(いや)らしそうな声が上がりました。
 妻は一旦そこで清水の顔を見ました。まるでここまでの振る舞いを確認して貰うようです。


 「くくっ...どうした?ショーツも脱げよ!!」
 鋭い声は清水からです。


 「あ、はい。ぬ、脱ぎます!!」と反射的に声が上がりました。
 男達が一層、鋭い目を妻に突き刺し、清水はその様子を嬉しそうに見つめます。


 「さあ、お前の熟れた身体で客人をその気にさせてみせろ」
 「・・・・・・・」

80NT:2018/11/27(火) 20:51:04
妻の手がショーツの両端に掛かっていました。顎は上がり宙を見上げる感じで、目は瞑ってみえます。
 腰が静かに左右に揺れ、下半身がクネリます。ピチッと張り付いていた薄い布が少しずつ落ちていき、恥毛が顔を現しました。


 「奥さん、卑猥な毛並みだね」
 「奥さん、もっと腰を振ってみろよ」
 男達が嬉しそうに指令を飛ばしました。
 妻は膝下まで下ろしたショーツを抜き取ります。頬は紅潮して、鼻からは嘆きの息が抜けていきます。そしてまた、チラリと清水の方を覗きました。


 「ククッ…どうしたその顔は。もっと命令が欲しいのか?」
 「・・・・・・・ 」
 「んん?…お前は、無抵抗で犯された男と職場の男子トイレでオマンコをするし、変態露出プレーもする重度のマゾ女だ。さぁ、ここにいる見ず知らずの男の前で、お前が隠し持っていた性癖を見せてみろよ」
 清水の本能に語りかけるような喋りに、妻の顔色がスーッと変わった気がしました。これが″陶酔″の色なのでしょうか、私の身体は再び熱くなっていきます。


 「さあ!」
 その一声に、妻はもう催眠状態に陥ったのか、目を閉じたまま背筋を一旦伸ばすと足を肩幅ほどに開き、手のひらで内腿を下から撫で上げその手を胸の膨らみへと持って行きました。そして目を閉じたまま乳房を握り潰すように揉み始めたのです。


 口唇からは小さく「んあっ」と声が零(こぼ)れます。それを聞いた何人かの男達から、ゴクリと唾を飲む音が聞こえました。
 太股が震えながらジリジリと広がっていき、ガニ股開きしたところで尻がキュッと締まります。右手は乳房を揉みしごきながら、左手は恥毛を掻き分けています。その姿は完璧に自淫の構図です。私の心臓が一気に高鳴り始めました。


 「奥さんよぉ、身体が朱(あか)くなってるぜ、嫌らしいねぇ」
 「そのデカイ尻(ケツ)をもっと突き出してみろよ」
 卑猥な煽(あお)りに、両手がス〜ッと後ろに廻っていき臀肉を掴みました。胸を張ったまま状態が少し前に倒れると、臀部が突き上がります。手指は尻圧に弾き飛ばされないように、食い込んでおります。そして、足幅が拡がると同時に、グアッと“ソコ”が開陳されました。


 「いいねぇ奥さん、マンコが丸見えだよ」
 「そうそう、そのままその格好でもっと拡げてみろ」
 男達の何人かが身を乗り出し、割れ目を抉(えぐ)るように顔を近づけていきます。淫臭の嗅げる位置です。


 「清水さん、この奥さんのマンコ、もう濡れてるぜ」
 妻のソコに鼻を近づけていた男が、大袈裟に声を張り上げました。
 「ふふん、そうなんですよ。その女、犯されてるくせに直ぐに濡らすんですよ」
 「ひゃあ〜ドスケベ変態女だ」
 男達の嬉しそうな声に、朱(あか)く染まった肢体がプルっと震えます。口唇は閉じられているのですが、その隙間からは「はあーはあー」っと艷っぽい音が漏れ聞こえます。


 ふと壁際を見ますと、山本さん、落合さん、そして堀田さん、3人の奴隷は皆、無意識にでしょうか、股間の一物を握って目の前の様子に見入っています。
 旦那連中の隣では、それぞれの奥様、美代子さん、弘子さん、紀美子さんが、膝を崩した姿勢で妻の恥態を見ております。その表情には気だるさを浮かべていますが、心の中はどうなのでしょうか、もう一度淫靡な火が点(とも)るのではないのか、いや、まさか嫉妬の炎が上がるのではないのか…私の心の奥に、モヤモヤ妖しい高鳴りが沸いていました。


 「奥さん、今度は“尻立て四つん這い”だ」と男の注文が上がりました。
 尻立て四つん這い?…頭の中にハテナマークが付くのと同時に「手と足を床に着けるんだよ。膝を曲げないで」と、別の男の声が聞こえました。
 妻は尻から手を離して床に着けます。
 「そう、そのまま膝を伸ばして股間の辺りを意識してみろ」
 その声に妻の口から「あぁ…っ」と甘い声が零れました。
 「へへヘっ、奥さん、マンコとアナルが丸見えだぜ」
 「それにしても卑猥な形してるなぁ」
 「奥さん、見ず知らずの俺達にアナルとマンコを見られて今、どんな気持ちなんだよ。ええっ?」
 羞恥を煽る卑猥な責め句に、妻の足が震えを起こしていました。その揺れに合わせるように、むっちりとした臀部が卑猥にクネリます。

81NT:2018/11/27(火) 20:51:34

 「あぁ…あぁ…は、恥ずかしい…」
 嘆きの呻きが小さい小さい声となって、零れ落ちています。私の下半身には熱い血が流れ込んで行きます。


 「さぁ奥さんよぉ、今度はそのまま膝を床に付けて、犬の格好になってみろや」
 もう、男の声に言われるままに従順な牝のように、妻は四つ足を着きました。ふてぶてしい熟れた尻(ケツ)が、私の視線の先です。先ほど男の一人が言ったように、妻のアソコが濡れて光って見える気がします。


 「お〜い学よぉ、この奥さん、どんな体位で嵌(は)めるのが好きなんだよ」
 見ますといきなり振られた堀田さんが、腰を浮かせ言葉を探してみえます。


 「ククッ、この女は後ろから突かれるのが好きなんですよ」
 堀田さんのオドオドした態度に、横から清水が口を挟んでいました。


 「そうなんですか、清水さん。やっぱりMなんですね」
 男は頷きながら、その顔を私に向けてきました。
 「旦那さんよぉ、知ってたか、お前の女房は後ろから犯されるのか好きらしいぜ」
 「・・・・・・・」
 私は何も言えず、身体を強ばらせました。その瞬間。
 「じゃあ旦那さん、この女のマンコいただくぜ」
 「ングッ」と、声にならない呻きが上がりました。
 男達は私のそんな様子など気にする事なく、声を上げたのでした。
 「さぁ犯(や)っちまおうぜ!!」


 私は…
 私は、その後の出来事をただ見つめるだけでした………。

82NT:2018/11/27(火) 20:52:31
24


 清水の手先として堀田さん夫婦は、私達をこの“集い”に連れてきました。
 『今日はゲストだから』『見学だから』と聞かされましたが、心の中ではそれだけでは済まないと、私も妻の浩美も覚悟はあったと思います。そしてその通りに、妻の凌辱、輪姦が始まってしまったのです。
 清水に言わせると、隠し持っていた“資質”――M性を刺激された妻は、男共の餌食になっていました。しかし半分以上は、妻の潜在意識が心の奥底で望んだ事なのかもしれません。
 目の前では既に何人目かの男が、妻の中に欲汁をぶちまけています。そのシーンは、初めて妻が犯された日とほぼ同じでした。違うのは、この日の妻が発する声からは、間違いなく“悦楽の香”が漂っていた事でした。


 「どうだい奥さん、俺のチンポの味はよぉ」
 何人目かの男が妻を四つん這いにして、熟れたデカ尻に己の腰をこれでもかと打ち付けています。
 「んはっ…ああ…いい…」
 「いいのかい奥さん。良かったらもっとデカイ声でハッキリ今の気持ちを言えよ」
 「あぁ…はい…」
 妻は眉間にシワを寄せ、その表情はもう堪らないといった感じです。


 「奥さん、今 ビデオを用意してやるから、カメラに向かって正直に心の中を吐き出せよな」
 清水の部下の一人が、どこからか持ち出してきたビデオをいじりながら、卑猥な笑みで話し掛けていました。取り囲む男の中には、手を叩いて喜んでいる者もおります。私の頭の中には「免許証はどうしたっけ」と、そんな言葉が横切りました。


 「さぁお客さん、ピッチをあげて下さい」
 清水の部下が、打ち付ける男に一声掛けながら、妻の顔を正面から撮らえようと前に回っています。
 パンパンパンと肌と肌が、いえ、肉と肉が打ち合う音が一段と高まり、併せて妻の呻きも上がってまいりました。
 「んあ――良いっ!」
 「おらっ!」
 「ヒッ!んあっ 逝くっ」
 妻の表情(かお)が歓喜に歪んだ瞬間でした。“カシャッ、カシャッ、カシャッ”とフラッシュと同時にシャッター音が響き渡りました。


 「おい、どうなんだよ、マコンが気持ちいいんだろ。良かったらハッキリ自分がどんな女なのか、ここにいる皆さんに教えてやれよ」
 清水がギラギラした目で、妻に迫っております。妻はその清水の顔を、トロ〜ンとした目で見つめ返します。
 「…ああ…アタシはチンポの事ばかり考える変態人間です…」
 「ククク、そうか。お前は“お堅い”仕事をしながらもチンポの事ばかり考えていたのか」
 「…………」
 「ん?どうなんだよ」
 「ああ…はい。アタシは真面目なふりをして、いつも…人から軽蔑の目で…あぁ…」
 そこまで言って、男の荒腰に身体を震わせる妻です。


 「ほらっ、最後まで言わないと大好きなチンポを抜かれるぞ」
 「あ〜ん…いやん、言いますわ」
 「!!…」
それは今まで一度も聞いた事が無い艶(いろ)っぽい声です。私の背中には冷たいものが走り抜けました。

83NT:2018/11/27(火) 20:54:41
あぁ…アタシは真面目なふりをして、変態チックな事ばかり妄想していました…本当は他人(ひと)から軽蔑の目で見られるような事をしたかったんです...」
 「そうか、じゃあ清水さんと出会えて良かったじゃないか」
 今度は客座の一人が、愉快げに言葉を浴びせてきます。
 「そうだろう。お前もここにいる女達と同じように、変態奴隷に堕ちて行くんだよな」
 その声にふと見れば、いつの間にか清水の部下の男達が、美代子さん、弘子さん、そして紀美子さんの首に首輪を嵌め、四つん這いにして膝まずかせているではありませんか。


 「さぁ浩美、お前は俺達の牝犬奴隷だ。しっかり鳴いてみろ」
 清水の言葉が終わると、男がフィニッシュに向かって一段ギアを上げます。


 「あ、あ、あ…んぐっ…んはっ…逝っ逝くっ!」
 「ほら!逝ってしまえっ!」
 「んあ――逝ぐっ 逝きます――――変態女の浩美、逝くゥ――――」
 妻の“その瞬間”は見事に被写体となって、ビデオに切り取られたはずです。清水の部下の一人はカメラを片手に、妻の穴から流れ出る欲液の様子まで撮ろうと構えております。
 フラッシュが数度瞬いた後は、妻の荒息が聞こえる中、淫靡なこの空間は静寂に向かいました。


 「どうですか、皆さん。もう、ザーメンは出しつくしましたか」
 清水の言葉に、見ればぐったりする妻を見下ろすように、男の殆どがそこそこの満足顔のようにも見えます。私は初めて、この日の“集い”の終了を意識しました。


 その後は部屋では、奴隷達の撮影会の様になっていきました。
 首輪を嵌められた牝犬奴隷が、男の言うままに卑猥なポーズをきめていくのです。そしてその姿態の殆どには、免許証や名刺が供えられたのです。


 2号の山本浩さんの奥様、美代子さんは、犬がチンチンをする格好で口に御自身の免許証を咥えて撮(うつ)されました。
 4号の落合康之さんの奥様、弘子さんは、胸からお腹辺りに『牝犬奴隷4号』とマジックで書かれ、その姿を撮られました。勿論手には免許証です。
 5号の紀美子さんは、首輪から伸びるリードを股下に回され、それが陰部に食い込む様を撮られました。恥毛の横にはやはり免許証がありました。


 一通り奥様の写真が撮り終わると、次は“夫婦(つがい)”での撮影でした。
 山本さん夫婦の写真は“えげつない”ものでした。清水の部下が何枚ものバスタオルを敷き、仰向けに寝た浩さんの口元に美代子さんがM字でアソコを拡げて持ってくるのです。そして何と小便をかけるのです。浩さんが口を開けるところから、美代子さんがしゃがみ、アソコを晒し、小便を流し込むところまで全ての様子がビデオとカメラに撮されました。勿論膝元には免許証と名刺です。
 落合さん夫婦は、弘子さんのリード線を康之さんのチンポから袋に巻き付けた姿を撮られていました。弘子さんの指は康之さんのアナルに挿入され、二人の口にはそれぞれの免許証を咥えさせられていました。涙目になりながらも、咥えた免許証を落とさないように噛み締め震える康之さんが印象的でした。
 堀田さん夫婦の姿も凄いものでした。誰が持ってきたのか一本のディルドが用意され、それは両先が男性器の形をしたものでした。二人は尻と尻を突き合わせる様に四つん這いになり、美代子さんの膣にディルドが、そして反対側は何と学さんのアナルに挿入されたのです。二人の腰の上には免許証と名刺が置かれ、カメラは上から横からとその様子を映し続けたのです。


 「皆さん、ではそろそろお開きにいたしましょう」
 フラフラになっている3組の姿を見ている私の耳に、清水の声が聞こえてきました。その時です。
 「それと10号!」
 瞬間的に背筋が伸びました。
 「お前らももう少ししたら、本格的にデビューさせてやるよ」
 「・・・・・・・」
 「人前で素性を明かされて、女房を犯されて、夫婦でオマンコするところを曝して、そして変態チックな写真を撮られるのは最高だぜ」
 「・・・・・・・」
 「ふふ…まぁ悪いようにはしないから、安心して堕ちていくんだな」
 そう言って清水はニヤっと笑いました。
 隣の妻は清水の言葉が聞こえているのか、心ここにあらずといった感じでした。ですが理屈抜きに、妻は快楽に酔っていたと確信がありました。

84NT:2018/11/27(火) 20:55:27

 「それと…」
 「・・・・・・・」
 「お前ら夫婦はしばらくは、許可があるまでセックスもオナニーも禁止だ」
 「・・・・・・・」
 「とにかく次の連絡が行くまで、悶々としとけや」
 「・・・・・・・」


 気付けば客人の男達は、淡々と帰り支度に入っているようでした。この男達が本当に堀田さん達奴隷夫婦の素性を世間に公表しないか?…そんな心配はあったのですが、それ以上に清水の力が行き渡っているだろう…と、そちらの考えの方が強く働いておりました。


 客人の気配が、この建物から消えた頃、ようやく我々奴隷夫婦は着替えを許されました。
 着替えの部屋には奴隷夫婦だけでしたが、先程までの″出来事″に対して誰も口を開く事はありませんでした。


 外に出ますとあったのは車が数台。客人達の姿はなく、あるのは我々の車と一般利用している客の車でしょうか。
 私達は一言さえ口を聞く事もなく、私は堀田さんの車に乗り込みました。山本さん達と落合さん達は1台の車で来ていたようです。別れ際に山本さん、落合さん、堀田さんそれぞれ夫婦はアイコンタクト?…いえ、軽く目で挨拶を交わし頷き合うと車へと乗っていったのです。
 今の最後の挨拶には、“秘密の共有”、“奴隷としての連帯”、後は何でしょう?…とにかく、間違いなく私はその仲間に近づいていると感じました。勿論妻も。


 帰りの車内も静かなものでした。奥様方の方が当然疲労が強く、妻などは軽い鼾をかいておりました。紀美子さんは眠らず前を向いておりましたが、その瞳には疲れがみてとれました。私と堀田さんも交わす言葉もなく、ただ黙ったままでした。
 車が待ち合わせたパーキングに後わずかの所まで来た時です。隣の妻が「んん〜ん」と目を覚ましました。
 それから直ぐに、紀美子さんの静かな声がしました。
 「浩美さん、今日はお疲れさま。帰ったらシッカリ身体を休めてね。また直ぐにあるからね」
 紀美子さんのその言葉に、妻は一瞬の間の後「はい」と返事をしていました。そこには“素直”、“従順”…そんな響きを感じた私でした。


 「…ご、ご主人」
 今度は堀田さんの声でした。凄くシワ枯れた声です。
 「近いうちに私か紀美子から連絡が行きます…」
 言葉の続きに詳しい内容や説明があるような気もしたのですが、普段から言葉が少な目な堀田さんです。私は黙ったまま小さく頷くだけでした。


 家に着いた私と妻。
 二人の雰囲気は改まって何かを語るという感じではありませんでした。何も語る事がなくとも心の中はそれなりに通じ合うと言うのは、夫婦の歴史などと言えば滑稽かもしれませんが、私も妻も清水の元で奴隷に成り下がった事を一つの運命として受け止めたと思いました。いや、受け止めるにはまだ早いのでしょうが、諦めと覚悟があるのは間違いのないところだと思いました。そのような事を私は、妻の目を見て黙って語りかけたつもりで妻の表情にも同意の意思を感じておりました。


 家の中の時間の流れは、これまでと何ら変わりありませんでした。職場に出ればどうなるのか?又、清水が現れるのか?…そんな心配も湧きましたが、先日清水が妻の職場に現れたのは私達に“諦め”と“覚悟”を付けさせる為で、今日の“集い”での私達の様子を見れば、もう改めて職場などに来る必要性も感じて無いのではと思えました。
 それから次の日の月曜日、そして火曜日と清水と堀田さん御夫婦からも何の連絡もありませんでした。


 次に連絡があったのは水曜日の夜でした。私が書斎のパソコンで例のサイトを覗いている時でした。
 サイトを見ていたのは、先日の“集い”の様子がアップされていないか?私達夫婦のあられもない姿が曝されていないか?…心配性の私は目を凝らして覗いていたのです。
 結局のところ、“集い”に関するものは古い物も含めて削除されたのか目に付く物は何一つありませんでした。フッと息が抜けた時に、そのメールの着信があったのです。
 見ればそれは堀田さんからのものでした。

85NT:2018/11/27(火) 20:55:58
件名は[次の集まり]と、短いもの。
 開きますと数行ありました。
 [菊地様 先日はお疲れさまでした。今度の土曜日、私共のマンションにお越し下さい。時間は昼の12時でお願いします。勿論、御夫婦一緒にです。では]
 文面は簡単なもので、最後に堀田さんの自宅住所の記載がありました。


 私は直ぐに返信を打ちました。
 [堀田様 畏まりました。妻と一緒にうかがいます。それと質問ですが、当日は他にも誰かいらっしゃるのでしょうか?]
 私は妻の同意を得る事もなく、メールを返していたのです。


 それからしばらくすると、返信がありました。
 [私達と先輩奴隷の御夫婦が一組です。清水様達は来られません]
 文面は短いものでした。私は少しの緊張がありましたが[分かりました]と一言返し、携帯を閉じたのでした。
 妻には直ぐに報告しましたが、妻からも文句なども無く、私達は日常をも清水に支配されていると改めて思いました。


 夜、布団に入りますと堀田さん宅の訪問の事が、嫌でも頭に浮かんできます。
 私達を呼ぶ目的は?
 そこで何かしらの調教があるのか?
 まさか、清水達から逃げる相談?……いえいえ、それは無いと直ぐに頭は否定しておりました。


 そして、木曜日、金曜日が過ぎ、土曜日がやって来たのです…….。

86NT:2018/11/27(火) 20:57:35
25

 土曜日ーーー。


 堀田さんのお住まいのマンションは、その辺りではかなり高級な物でした。
 考えてみれば、堀田さんの勤め先は一流企業ですからおかしな事ではありません。しかし、こんなマンションに住む何処からどう見ても文句の付けようのない紳士と淑女の夫婦が、性の奴隷に堕ちているとは誰も想像つかないだろうと思うと、私の中に又違った興奮が湧いて来るようでした。


 しばらくそのマンションを見上げていますと「貴方…」と隣の妻から声が掛かりました。
 この一週間の妻は、特段に明るさを取り戻した訳ではありませんが、家では淡々と家事をこなし、口数が少なくなってはいますが体の中に“幹”と言いますか“芯”と言いますか“シッカリ”した物が芽生えたような気がしていました。それが“覚悟”なのかとも想うのですが….。
 又、職場の様子は心配ではありますから、悪い噂や評判が立っていないか、そして清水が現れていないか等は聞いておりましが、 妻もその後はミニスカートで出勤する事もなく、特に上司からの注意も無く普通に業務をこなせているとの事でした。


 「行きましょうか」
 私は妻の落ち着いた声に、ゆっくりとエントランスに向かいました。


 玄関口で私達を出迎えてくれた御夫婦の姿は、堀田さんは水色のシャツに下はジーンズで、紀美子さんは薄い緑のカットソーに下は同じくジーンズです。カジュアルっぽい二人の格好はとてもスマートで、改めて品の良さを感じました。又、自分の家だからでしょうが、二人の表情からは落ち着きが見てとれました。


 私達は軽く会釈をしてから、御夫婦の背中に付いて歩き、通されたのはユッタリとしたリビングでした。
 そこで「んっ」と、緊張に強張ったのは、初めて見る顔があったからです。
 

 (この人達がメールにあった“先輩奴隷”か…)
 そんな言葉が頭を過(よ)ぎった時です。
 「菊地さん、ご紹介します。川村光司(カワムラ コウジ)さんと奥様の雅代(マサヨ)さんです」


 堀田さんの言葉に、優しそうな眼をした御夫婦が軽く頭を下げられています。
 ご主人の川村光司さんは青っぽいブレザーを着た歳の感じは40後半位。奥様の雅代さんも同じ位で、薄いピンクっぽいワンピースを着ていらっしゃいます。


 「あ、あの…菊地です…」
 私は落ち着いているつもりでしたが、言葉は震えておりました。


 「じゃあ、菊地さんはこちらに座って下さい」
 堀田さんに川村さんの正面の席を勧められ、私と妻は腰をおろします。堀田さんは私達が腰を下ろすのを見て、御自身も座ります。私達と川村さんを横から見れる位置です。


 「菊地さん…」
 紀美子さんがお茶を置き、着座するのを待って、堀田さんが話し始めました。
 「メールにも書きましたが、こちらが“奴隷1号”の川村さん御夫婦です」
 「・・・・・・・・・」
 「実は、川村さんは我々奴隷夫婦の教育係と言いますか、リーダーなんですよ」
 「えっ、そ、そうなのですか!?」
 驚く私の前で、川村さんの表情(かお)が崩れます。


 「いえいえ、教育係とかリーダーっての言うのは大袈裟ですよ」
 そう言って川村さんが笑いました。隣でも雅代さんが笑みを浮かべています。


 「清水様の奴隷夫婦の第1号がたまたま私達で、長くいる分自然とそういう役回りになっただけですよ」
 「えっ、今はスタッフの一人みたいなものなのですか?」
 「はは、違いますよ。でも、菊地さんのところのように奴隷になって日が浅い御夫婦に色々と伝える役割をするようになりましてね。それも私達夫婦が奴隷としての時間が他の皆さんより長いからなのでしょうが」
 「・・・・・・・・」
 「菊地さん、私達も切っ掛けは皆さんと同じで、サイトで清水様に釣られて会うようになって、言葉巧みに引き込まれて。そして、人様に見せられない写真やビデオを撮られて、子供や職場の事まで調べられました」
 「川村さんの時は清水が直接出て来てたのですか?」
 「ええ、そうです。そしてイヤと言うほど調教を受けまして。その後は私がサイトで釣る側に回りまして、手引きというか教育というか…そう言ったものを新しい夫婦に行ってきました」
 「そうですね…釣られた者が釣る側に回るわけですね」
 もう、“からくり”も、うすうす気付いていた私でしたから驚きも無かったのですが、私達が“10番目”であるという事にちょっとした歴史のようなものを感じてしまいました。それは、川村さんが「奴隷」である身を自然に客観的に話している気がしたからだと思います。

87NT:2018/11/27(火) 21:00:34

 「菊地さん、大丈夫ですよ、みんな一緒ですから。この場で“誓いの言葉”を言えとかいう事ではありませんし」
 そう言って川村さんが笑います。
 「徐々に、少しずつ、菊地さんも慣れていきますよ」
 「・・・・・・・」


 「では…」
 沈黙する私達に、川村さんがグッと乗り出しました。
 「今日は“指令”を伝えさせて頂きますね。明日の日曜日、私達奴隷夫婦の前で白黒ショーを見せて下さい」
 「えっ!!」
 「はい。明日は全員とはいきませんが5、6組の奴隷夫婦を呼んでいます。場所は都内のホテルのスイートルームです」
 「あ、あぁ…」
 私は小さな呻きを漏らしていました。それはテストなのだろうか…先輩奴隷が私達を審査でもするのだろうか…そんな緊張が湧いてきたのです。

88NT:2018/11/27(火) 21:01:07
「大丈夫ですよ。私達との“相互観賞”を思い出して遣ればいいのですよ」
 隣りから堀田さんの優しそうな顔が覗いていました。紀美子さんも微笑みながら妻の背中に手を当てています。


 私達は無意識に頷いていました。
 その後は、川村さん夫婦と堀田さん達は世間話でもするように、猥談に花を咲かせておりました。
 そんな卑猥な会話を口にする4人を不思議な感じで、そしてどこか羨む気持ちで見ていたと思います。
 時折、堀田さんと紀美子さんが、私達にも加わらないかと目で誘って来ておりましたが、遠慮と言うか、まだ会話の中に溶け込める感じではありませんでした。
 しかし、「近いうちに我々も、こういう風になるのだろう……か」と漠然とそんな気持ちがあったのは確かです。


 堀田さんのお宅から帰った私達は、相変わらず会話は少ないものでした。
 間違いなく明日の“白黒ショー”の出来を心配する私がいて、頭の中で「心を解放しろ、解放しろ」と、まるで呪文のように自分に言い聞かせている私がいたのです。


 この日の夜、私はいつもより長い風呂に浸かりました。
 無意識に身体の隅から隅までを念入りに洗っていたのです。自分の愚息を洗いながら、妻の恥態を思い浮かべると“ソコ”が自然と硬くなるのですが、明日コレが役にたってくれるのか、そんな心配をする根性無しの私です。しかし、心のどこかでは妻には恥を描かせられないと思う私も…と考えて、妻の世話になろうと思う私も…と、結局のところ頼りない自分なのです。


 風呂から出ますと、廊下で着替えを手に持つ妻とすれ違いました。その瞬間「マンコも綺麗に洗っておけよ」と自分では思ってもいなかった言葉が口に付いたのです。
 一瞬、ビックリしたような表情(かお)をした妻でしたが、「はい。マンコもアナルも綺麗にしておきます」と、妻の口からそんな言葉が聞こえたのです。私は驚くと同時にアソコがキューンと硬くなりました。気がつけば妻を押し倒す勢いで抱き締めておりました。どちらからともなく、唇を貪り始めたのです。私のペニスが蜜壺を激しく求めたのですが、直ぐに自制心が働きました。
 荒い息を鼻から吐く私を見ながら、妻がウンウンと頷いておりました。目と目で確認し合うように身体を離し、妻は浴室へ、私は寝室へと向かったのでした。


 布団に横になっても、しばらくは落ち着かなかったのですが、心のどこかで明日は何とかなると、言い聞かせながら私は眠りについたのです。

89NT:2018/11/27(火) 21:02:48
26

 そのホテルは“超”が付く程の有名ホテルでした。
 日曜日、私と妻の浩美は、正装とは言いませんがそれなりの身なりで、そのホテルを訪れたのでした。


 そういえば、夕べの寝床で思い浮かべた事がありました。
 エロ小説の題材や実在の風俗でも“乱行パーティー”と言うのがあると思いますが、このような有名ホテルのスイートルームをよく使うようです。私達がこれから行う行為もよく似たものかも知れませんが、この特別な建物のエントランスに足を踏み入れるだけで日常を忘れ、仮面を被り、別の人間に成れるから出来る行為なのでしょうか……いや、仮面を被るのではなく、心の中の仮面を外す事が出来るのがこの空間なのでしょう。私は昨夜の寝床で、そんな理屈めいた事を考えたのでした。


 エントランスを入った所で、まだ約束の時間に早い事に気づき、私達はどちらからともなく、化粧室へと向かいました。
 用をたし、鏡に映る自分の容姿を確認しますと、初めて堀田さん夫婦と会ったあのホテルでの事を思い出しました。あの時の堀田さん達は、私達を“はめる”目的…いえ、ミッションと言った方がよいでしょうか、それを実行する為にいたのです。あの時の堀田さん達は、“初めての夫婦”を落とし入れる事にも暗い悦(よろこ)びを感じるようになっていたのでしょうか。そして近いうちに私達夫婦も……私は化粧室を出ながらそんな事を考えていました。


 ロビーで妻と顔を合わせた私は、近くに人がいないのを確かめ、小声で囁きました。
 「マンコとアナルは綺麗にしてきたか」
 その響きには、照れなどは一切なかったと思います。既に、自分自身のミッションがスタートしていて、“変態夫婦”への助走が始まっていたのです。そうです、ビシッとした身なりの中身は、暗い悦楽を欲して止まない変質者なのです。
 妻は私の問いにトロ〜ンとした目で、頷いております。そして。
 「アナタ…洗っても洗ってもヌルヌルなんです…」と呟いたのです。


 しばらく時間になるまで、悶々としていた私達。やがて、5分前になりエレベーターホールへと向かいました。乗り込んで最上階のボタンを押しますと、目を瞑りました。心の中で“その場面”を思い浮かべ、考えてきた口上を繰り返してみます。


 聞かされていた部屋のブザーを押しますと、すぐにドアが開き川村さんの御主人が顔を出しました。
 「菊地さん、よくいらっしゃいました。さあどうぞ」と、ニコリと頷き、私達を部屋の中へと迎え入れてくれます。


 川村さんの背中に従い、私達は廊下を進み、広がったのは絶景……では、ありませんでした。最上階の部屋の大きな窓には濃いカーテンが引かれ、薄明るい間接照明だけが人影を浮かび上がらせています。
 「浩美さんもよくいらっしゃいました」
 川村さんの横から、奥様の雅代さんがニコリと笑い掛けて来られます。
 その声と同時に白い人影が方々で立ち上がっていました。よく見れば、白いガウンを纏ったカップルが数組です。
 ざっと見渡すと、直ぐに堀田さん御夫婦が分かりました。首を振れば反対側には、4号の落合さん夫婦の姿もあります。2号の山本さん夫婦の姿は見当たりませんが、数えると私達以外に6組の御夫婦がいるようです。


 「菊地さん、皆さんお仲間ですよ」と川村さんの声が聞こえると、頭の中では「清水の奴隷のね」と続いておりました。


 「自己紹介的な事は後にしましょう。菊地さんは早速シャワーを浴びてきて下さい」
 川村さんの落ち着いた声に、妻と一緒に頷きました。


 廊下に出ましても、この部屋の優雅さには驚く私達です。
 生まれて初めてのスイートルーム。その生まれて初めての場所が、奴隷披露の場所です。いえ…“披露”の為の予行練習の場所なのです。


 浴室も当然、豪華な物で、妻と久しぶりに一緒にシャワーを浴びます。そこで改まって打ち合わせをするでもなく、私達は淡々と身体を清めました。相変わらず会話は少ないのですが、時折、目と目を合わせ頷きあいました。
 浴室を出ますと妻が「あなた、コレを」とバックから何かを取り出しています。見ればそれは、男性用の下着のようです。
 手に取った真っ赤なソレを拡げて見れば、先日の“集い”で妻が身に着けていた物とお揃いのパンツではありませんか。私の様な中年男には、派手でミスマッチなのでしょうが、ソレを穿くと下半身がムラムラとその気になってくるから不思議です。隣では妻も、原色のソレで身繕いしています。
 私達はお揃いのソレを着け終わりますと、上から白いガウンを纏います。そして、一呼吸して廊下に出たのです。


 部屋に入りますと、家具調の椅子とテーブルが壁際に寄せられていて、真ん中にぽっかりスペースが出来ておりました。

90NT:2018/11/27(火) 21:04:56
6組の夫婦は壁際の椅子に腰掛け、私達を見つめております。その表情はどちらかと言うと、緊張の面持ちでしょうか。恐らくここにいる皆さん誰もが、同じ経験をした時の自分自身を思い出しているのではないでしょうか。


 「菊地さん、気持ちの準備が出来たら始めて下さい」
 この場を仕切る川村さんの声が聞こえてきました。


 川村さんの声に小さく頷き、私達はぽっかり出来たスペースの真ん中辺りへと進みました。
 取り囲む全ての目が、私達の所作に注目してるのが分かります。その目を意識しながら、私一人がゆっくり膝を着きました。正座する私の横で、妻は静かに立っております。


 私は小さく一つ咳払いをしました。
 「皆さま初めまして…。奴隷夫婦10号の菊地俊也42才と妻の浩美40才です。子供は地方で寮生活をしている高校1年生の男の子が一人おります。住まいは東京の◯◯区◯◯◯◯で、私は◯◯市役所に勤務し、妻の浩美も◯◯市役所に勤めております」
 そこまで言って、私は一つ息を吐きます。


 「では、私達が“こちら”の世界に来るようになった経緯を話させて頂きます」
 私はもう一度息を吐き、チラリと隣を見上げました。隣の妻も落ち着いているような感じがいたします。


 「私達は二人とも堅い仕事に就きながらも、いつも卑猥な妄想ばかりを考える変態夫婦でした。とは言いましても、ネットで見る体験談や写真、動画に興奮するだけで、実際には行動に移せない臆病者でした。しかし、子供が家を出たのを切っ掛けに、もう少し変態チックな遊びに挑戦する事にしまして、その中で、5号夫婦の堀田様と縁が出来、“こちら”の世界に来るようになりました。・・・その後の流れは皆様と同じだと思います」
 「・・・・・・・・・・」
 「今の私達は脳ミソから涎(ヨダレ)が流れ出るような卑猥で、陰湿で、薄暗い淫靡な行為をしてみたいと思っております。本日はご挨拶代わりに、夫婦の営みを披露させて頂きます。惨めな”白黒ショー”を最後まで御覧くださり、どうか遠慮なく笑って下さいませ」
 言い終えると私は、気づかれないように「ふぅ」っと息を抜きました。
 見ますと白いガウンの人影が、静かに頷いています。


 「では…」
 私の視線に、妻がガウンの結び目に手をやり、それを解(ほど)きます。私はスッと立ち上がり、妻の後ろへ回ります。
 妻のガウンを肩から脱ぎ取り、バサリと下に落としますと、真っ赤な下着を身に着けた白い肌が現れました。
 そして互いに向かい合うと、妻が緊張の様子もなく、私のガウンを丁寧に脱がせるのです。


 お揃いの下着姿になった私達は、スッと前を向きます。そして軽く胸を張ります。
 息を合わせて軽く頭を下げ、もう一度向かい合うと、私は熟した身体を抱きしめるように背中に手を回します。ブラのホックを外しますとしゃがみ、ショーツに手を掛けました。
 全裸になった妻が、今度は私のパンツを下ろす番です。
 生まれたままの姿になった私達の肌に、一斉に視線が突き刺さってきました。静まった部屋の空気の中で、素肌はピリピリ緊張を覚えます。


 私は妻の肩を抱き寄せると「ぬばっ」と、口脣を合わせていました。
 抉(えぐ)るように侵入してくる妻の舌が、これほど情熱的に感じたのはいつ以来でしょう。そのとてつもない熱さに負けないように、無意識に私は吸い返します。併せて私の両手は、柔らかな背中から臀部へと這いずり廻るのです。妻の指もしなやかに私の腰から背中、そして股間へと伸びてきます。
 分厚い私の口脣は妻の顎(アゴ)から首筋を吸い付きながら、胸の辺りへと降りていきます。巨(おおき)な胸房を両手に収め、膨れ上がった谷間に顔を埋めます。そのまま膝まずくと、口脣は更に下を目指しました。


 妻の体臭はこの部屋の香りのようで、とても気品高く感じました。その匂いは、陰毛の辺りもそうなのです。
 股間の辺りに頬ずりしてから、鼻先と口脣を太ももの方へと回します。
 尻タブを擦り、口脣の動きが激しくなると、妻の口から嘆きの呻きが聞こえてまいりました。
 見上げますと、目を瞑り半開きの口をした妻が揺れております。

91NT:2018/11/27(火) 21:10:14
私は立ち上がり、妻の背中へと廻ります。そして後ろから豊満な膨らみをグァッと覆い掴んでやりました。
 鷲づかむ指の間からは、桜色の突起が顔を出しています。私はその先にグイっと、力を加えてやりますと、飛び出したのは「ヒイ―――」っという悲鳴です。
 しかし、その悲鳴は直ぐに、甘い呻きに変わっていきました。


 薄く目を開けますと、らんらんと光る幾つもの目が私達を見つめております。私は見せつけるように「ヌバァ」っと首筋に舌を這わせました。
 女体をナメクジのように這い回る舌の音と、妻の吐息が響きます。
 人影からは「ゴクリ」と唾を飲み込む音が聞こえた気がしました。私は背筋を伸ばすと同時に、妻の肩を押さえつけました。
 膝まずいた妻の顔の前には、硬直した肉棒です。その先からは透明な液が、滲み出ております。私はその肉の棒を、見上げる顔のそこらじゅうに擦り付けてやります。そうです、根っこを握り、ムチの様に頬を右から左へ、左から右へ、そして鼻の穴から唇に弄(なぶ)りつけるのです。


 歪みながらもウットリする妻の表情に、陶酔の色を見る事が出来ました。その瞬間、腹の中からザワザワと高鳴りが湧いてきて、気が付くと肉棒を朱い口に押し込んでいました。
 「うっ」と、えづく様子などお構い無く、私は滑りを感じる亀頭を一気に奥へと押し込み、そのまま出し入れを始めました。
 一瞬の歪みを見せた妻も、直ぐに潤滑の油を滲み出しておりました。そうです妻の口はまるで、年季の入った性器のように私の“物”を奥へ奥へと飲み込んで行くのです。それはまるで、娼婦の口技です。


 「お、おお……」と、私は呻きの声を漏らしていました。
 両方の太ももが震えをおこし、早くも射精感が高まったのですが、私は床を踏ん張り妻の頭を押さえると口元を意識して、人影の方に向けたのです。
 横顔に掛かる髪の毛を掻き上げてやり、卑猥な口元をよく見えるように晒したのです。


 私達のカラミがどの程度の刺激を与えてるのかは分かりませんが、気がつくと何人かが椅子を降り、這いつくばる様にこちらに近づいて来ているではありませんか。まるで、餌にありつく虫の様にです。
 私達と人影の距離はすぐに縮まり、体臭がたっぷり嗅げる位置です。
 私は一物を抜き、妻を四つん這いへと導いていました。最初から決めていた訳ではありませんが、何故か獣(イヌ)の型(かたち)での交わりを選択していたのです。


 妻も従順に心得たように、ふてぶてしいそのデカ尻を皆様の方に向けております。陰部のヒダヒダからアナルのシワまでが丸見えです。
 ここまでの私達のカラミには、隠語や煽(あお)りの言葉の交換はありませんでした。肉が触れ合い重なる音の合間に、呻き声と粘着音が聞こえるだけだったのです。けれどそれは、淡々と進める行為の中にも、確実にエロスの匂いを撒き散らしていたと思います。いつしか私達は、確実に“性のショー芸人”に近づいていたのです。


 私は四つん這いの妻の背中に覆い被さるように、硬度を蓄えた一物を秘艶の中心に当てがっていました。
 グニュッと一突きすると、その蜜壺は私を飲み込んで行きます。
 私は妻の再奥を捉えた所でグッと力を入れ、結合の部分を晒すように、股間の辺りを意識しました。
 他人様(ひとさま)に己の臀(しり)を向けながら、妻の性器が汚れる様子に言い様のない快感が湧いていました。ネットリ粘り付くような視線が、結合の箇所を抉ってくる感触が堪らなかったのです。


 気が付けば、狂ったように腰を振っている私です。卑猥な出し入れの音が、まるで競走馬のムチのように私の背中から尻を叩くのです。そして、幾つもの眼差しが私の腰を押すのです。
 頭の中では淫汁が溢れだし、身体全体が性器になったように、もうトロトロの状態でした。

92NT:2018/11/27(火) 21:11:07
 妻の口からも喘ぎ声なのか、叫びなのか、それとも隠語なのか、とにかく止めどなく卑猥な音が聞こえておりました。私から精を搾り取ろうと、激しい吸引と締め付けが結合の部分で感じます。遂に私は限界を感じ、最後の瞬間に向かいました。私の気配を察知したのか、妻の身体も最後を合わせるように微妙な腰の動きを演じます。
 そして私は、溜めに溜めていた欲液を目一杯ぶちまけたのでした……。


 「・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・」


 重なり合っていた肢体に清涼を感じたのは、どの位経った後だったのでしょうか。体が汗の引きを感じた時に、私はゆっくり起き上がったのです。
 振り向きますと川村さんが、ウンウンと頷いておりました。


 「菊地さん、ご苦労様。さあ、二人でシャワーを浴びてきて下さい」
 「・・・・・・・・」
 私は川村さんの目を見て頷き、静かに妻の手を取りました。


 裸のまま廊下に出た私は、空気の違いを感じ、扉を振り返りました。
 扉の向こうで恥態を晒していた“あの夫婦”が、本当に私達だったのか……何か夢の中の出来事だったような気がしながら、私は妻の手を引きました。けれど私のアソコの倦怠感と、その先っぽの残り汁が確かに″あの恥態″の証(あかし)である事を教えてくれておりました。


 シャワー室に入った私と妻は、無言のまま汗を流しました。
 妻の横顔を覗きますと、疲れが見てとれる気もするのですが、身体が温まり落ち着いて来ますと「妻は″アレ″で満足してるのだろうか」と、そんな考えも浮かんできたのです。いつの間にか、いつもの小心者の私が居たわけです。


 再び部屋に戻った私達に、今度は雅代さんがグラスを手渡してくれます。口に付けながら部屋の中を見渡してみますと、薄明かりの中に蠢く男女の姿がありました。


 「うふふ…皆さん、あんなに激しくて卑猥な営みを見せられたら我慢出来ませんわ」
 そう言って雅代さんが小さく笑います。
 「ええ、まさにその通り」
 川村さんが私達の肩に手を置きながら、嬉しそうな声です。


 私が照れを隠すように視線を振りますと、又男女の動きが目に付きました。
 端の方では、椅子に腰かけた男のペニスを頬張る女性の姿が見えます。
 隣の部屋のベッドでは、男2女2が、戯(たわむ)れているようです。
 見覚えのある顔もあります。4号夫婦の落合さんです。奥様の弘子さんがあの日と同じように、立ったままの格好で自身の乳房を揉みながら、クリトリスを弄っています。その横で男性器を握っているのは、間違いなく御主人の康之さんです。


 「あれ、堀田さんは……」
 私の小さな呟きに川村さんが応えます。
 「ふふふ、堀田さん夫婦は玄関扉のドアスコープを覗きながら犯(や)ってますよ」
 「?・・・・・・」
 「ふふ、紀美子さんが穴越しに廊下を覗きながら、立ちバックで嵌めてるのですよ。堀田さんの所は覗き、覗かれの趣味もあるようですから」
 そう言って川村さんは笑い、更に続けます。
 「ここにいるのは清水様の奴隷仲間です。もう恥も外聞も何も無い、ただの変態夫婦の集まりです」
 「・・・・・・・・・」
 「皆さん良い意味で互いを尊重してますよ。そして今日のように新しい奴隷候補の″練習″の前後に集まって皆で楽しんでいるのです。勿論清水様に了解も貰っています」
 「・・・・・・・・」
 「それと、菊地さんには行っておく事がありました」
 「・・・・・・・・・」
 「今日の内容はOKです。よく出来た方です。清水様にも報告しておきます。けど….“本番”の時はもっと緊張すると思いますよ」
 「・・・・・・・・・」
 「では、その“本番”の時の話をしましょうか」
 そう言って川村さんの口元が、ニヤッと歪みました。


 そして私と妻は、壁際の椅子に腰を降ろし、川村さんからの話しに耳を傾けたのでした……。

93NT:2018/11/27(火) 21:12:07
27

 私達は壁際の椅子に座り、川村さん御夫婦と向かい合っていました。
 その川村さんが、改まってもう一度、今ほどの行為について聞いてこられました。


 「菊地さん、どうでしたか」
 「ええ、まぁ…なんとか」
 「ふふ、そうですか….思っていた以上に良かったですよ」
 「え、本当ですか……それはホッとします」
 「ふふ、“良かった”と言うのは清水様のお客様が見に来られても、そこそこ喜んでいただけるだろうという意味ですよ」
 「・・・・・・」


 「浩美さんはどうでしたか?」
 今度は雅代さんが聞いて来られました。
 「え、ええ…アタシはその…始まったらもう訳がわからなくて、あまり覚えてないんです……」
 「うふふ、そうなの?でも感じたんでしょ」
 「ええ…はい…そ〇〇〇に……」
 一瞬「んぐっ!」と、胸に重りを掛けられた気分になりました。妻の最後の方の言葉が“それなりに”と、呟かれた気がしたからです。
 その私に直ぐ又、川村さんは続けます。
 「ふふ、お二人に“資質”があるのは聞いていましたが、改めてそれが分かりました。特に浩美さんは感度も良く、清水様のお客も満足すると思いますよ」


 妻に向いた川村さんの言葉は、私にとって褒め言葉と受け取るものなのか複雑な気持ちが湧くのですが、しかし心のどこかで、“恥”は恥でも格好は付いたのかと安堵の気持ちもありました。
 私達は他人様(ひとさま)の前で夫婦揃って裸になり、住まいや勤務先の事まで証(あか)し、そして尻の穴まで曝したのです。なのにあの瞬間に身体中を突き抜けたこれまで体験した事のない快感……いや、素性を証したからこその快感なのか……その余韻が甦ってきました。しかし、まだ恐怖心があるのも確かですが。


 「それで菊地さん、“本番”の事です」
 「・・・・・・・・」
 「もうお分かりだと思いますが、我々奴隷夫婦は“あの場”で清水様のその日の趣向に応じて役割が与えられます」
 「・・・・・・・」
 「お客様の前で夫婦のセックスを披露したりだとか、SM調教や輪姦などです」
 「・・・・・・・」
 「初お目見えの時は、どういう役回りを与えられるかは分かりませんが、菊地さんのところでしたら、何でも大丈夫でしょう。とにかく“資質”に関しては良いものをお持ちだと思いますから」
 「・・・・・・・」


 「菊地さん、どうかされましたか?。何だかボオッとしてますよ」
 「あ、いえ…」
 もうある程度の想定もあり覚悟も出来てた私でしたので、川村さんの話に心の中で頷いていたと思います。


 「ふふ、菊地さん御夫婦なら大丈夫ですよ」
 川村さんが念を押すように見つめてきます。その目はどこか病的な感じも致します。

94NT:2018/11/27(火) 21:13:28
「それと忘れないうちに、ここに居る皆さんも紹介しておきましょうね。どなたも我々と同じ変態夫婦です」
 そう言って川村さんは、椅子に座ったまま端から御夫婦の名前や年齢、それに職業を教えてくれたのでした。
 又、続けてこの場にいない奴隷夫婦の事も“番号順”に教えてくれたのですが、私が「そういう人に限って」と改まって思ったのは、皆の職業でした。
 都市銀行の行員。医者。有名ボランティア団体の理事。それに、大手企業の役員等々がそうでした。


 「菊地さん、それでこの後はどうされますか?。どちらかの御夫婦に仲間に入れてもらいますか?。それとももう一度、皆さんに見られながら二人で嵌め合いますか」
 「・・・・・・・・・」
 「大丈夫ですよ、今日の事は清水様も了承の事ですから」
 「・・・・・・・・」


 私は皆さんの輪の中に入れて頂く事も考えたのですが、結局失礼する事に致しました。まだ、どこかで新参者と遠慮があったのでしょうか。それともアドレナリンが落ち着いた自分に、自信がなかったのでしょうか。


 「では菊地さん、これからは土曜日、日曜日は清水様の都合が優先ですから空けておくようにして下さい。早速、次の土曜日が御二人の“デビュー”の日です。宜しいですね」
 「えっ、もうですか…」
 「はい」
 「ああ………はい」
 「ふふ、さっきも言いましたが、どういう“趣向”で行われるかは清水様のその日の気分しだいです。・・では」
 川村さんの言葉を最後に、私達は着替えを始めました。先ほど感じた脳天を突き抜けるような快感も、その余韻は遠ざかり、次への緊張が生まれていました。そして勿論、妻を気にする気持ちもありました……。
 私はそんな想いを抱きながら、この日のホテルを後にしたのでした。


 ホテルからの帰り道も、家に着いてからも、会話の少ない私達でした。昼間の“実演”について二人で語るでもなく、“次”の事に付いて確認をするでもなく、まだお互いに照れというか後ろめたいものを持っているのか。ただ、複雑な思いを抱きながらも、妻の恥態を望む自分がいたと思います。


 その日の夜でした。
 書斎でパソコンを立ち上げた私は、ふと、妻を呼んでみる気になりました。
 開いたサイトは勿論、私達がこの世界に足を踏み入れる切っ掛けになった例のサイトです。
 妻が来た時は、【募集掲示板】のページを開いておりました。


 「あなた、ここが清水様が奴隷達を集める為の“誘いの場”だったのですね」
 妻が無意識にでしょう『清水様』と呟いていました。自分で吐いた言葉に気づく様子もなく、妻はパソコンの画面に顔を近づけています。
 妻の顔を見やりますと、瞳の奥に鈍よりとした灯りが見えるような気もいたします。口元の歪みも妻には珍しく、まさか善(よ)からぬ企てがあるのか勘ぐってしまいそうな私です。


 「あなた、他の書き込みも見せて下さい」
 何かに急かされたような妻の勢は、私に席を譲れといった感じで「じ、自分で見てみるかい」と、私の腰は浮いております。


 妻は中腰の姿勢で画面に見入り、その後しばらくそのサイトを覗いておりました。
 後ろ姿を見ておりますと、“没頭”、“夢中”と言った単語が浮かんできます。清水が言っていた私達夫婦の“資質”ーーそれは性癖とはまた違った、何て言えば良いのでしょうか…『類は類を呼ぶ』あるいは『類は友を呼ぶ』等と言った言葉があるように、“同じ種類”の夫婦を嗅ぎつけようとする嗅覚も携えているのか…私は妻の姿を見ながらそんな事を考えてしまいました…………。


 中腰の姿勢のまま画面を覗く妻。部屋着の妻ですが、その後ろ姿・・腰から下半身の辺りがさらに女っぽくなった気がいたします。特にふっくらした臀(しり)は、微かな動きにも弾んで見えてしまいます。カチャカチャとマウスを一心に鳴らす妻ですが、無防備の臀が艶(なまめ)かしく見えてしまうのです。

95NT:2018/11/27(火) 21:14:02
その時、私の中にある記憶が甦ってきました。
 以前ネットで読んだ“エロ投稿”の中の話しに、売春婦の私服姿に興奮を覚える男の話があったのです。
 ホテルなどにやって来る“女”の服装も普段着が多いようでして、その姿は一見街に溶け込んでいるように見えるのですが、それでもどこか一般の女性とは違う雰囲気を滲ませているようです。その滲み出る雰囲気に男達は想像が湧き起こるでしょうか・・・この女性は本当に“売春婦”なのだろうかと。部屋に入った途端に卑猥な笑みを振り撒き、男をその気にさせるのかと…。
 男の妄想ーーそれは思春期の頃の異性の制服姿にトキメキを覚えたのと似たような感覚で、それが成長するにつれて歪んでいき、出来上がったものではないかとその時は思ったものでした。


 気が付けば、目の前で前屈みになっている妻の臀(しり)が、独りでに揺らめいて見えました。そうです、妻が密(ひそ)かに自信を持ってる膨らみです。
 私の右手がスーッと静かに持ち上がっておりました。
 (ひ、浩美…)
 心の声で自分に弾みを付けようと、私は息を殺して臀の割れ目辺りにその手を伸ばしました。


 指がすぼみに触れた時です、ビクンと震えがその指から伝わりました。瞬間、私の身体はフリーズしたように固まりましたが、妻に拒絶の気配がないと分かると、指は独りでに蠢き始めたのです。
 妻は掲示板の閲覧に気を置いているようで、それでいて私の指の次の動きを何食わぬ様子で待ち構えている感じもいたします。
 私は“痴漢ごっこ”に妻が乗ってくれた気がして、右手の指に神経を集中しました。


 カチャカチャとマウスが鳴る音を聞きながら、私の指は捏(こ)ねるように抜き差しを続けます。妻は適度に尻を捩(もじ)らせ、快感を得ようとしている気も致しますが、グッと深く指を入れ込んだ時です。画面を見たままの妻から声がしたのです。
 「あなた……」
 「・・・・・・」
 「それ以上は・・・“清水様”の許可が……」


 その声は切なさの混ざったものでしたーー私にはそう感じました。身体が快感を得たいと感じながらも、“主”の言いつけに忠誠を誓おうとしている様な気がしたのです。
 指を抜きますと、妻がこちらを振り返りました。二人の距離はほんの数十センチなのですが、二人の間には目に見えない溝が出来ているような気がいたします。
 そのまま無言が続きましたが、私はなんとか「な、何か面白そうなのはあったかい」と、サイトの事を聞いてみました。
 「え、ええ……何て言うんでしょう…色んな書き込みがありますね……。自分の身体の隅々を世界中の人達が見ていると思うと興奮するのでしょうね……それと」
 「・・・・・・・」
 「…“あの場”のように素性を曝して本当の自分の姿を見てもらうのもきっと興奮します……」
 「・・・・・・」
 「ああ…アタシは何を言ってるのでしょう….でもたぶん…いえ間違いなく、アタシは“あの時”興奮を覚えましたわ」
 「あ、ああ…」
 私は心の中で「浩美」と妻の名前を呟きました。


 再び沈黙に包まれた私達二人でしたが、しばらくすると妻の目がスーッと沈みました。
 妻は私の目を見ながら、スッとパソコンから離れると部屋の扉に向かったのです。私の目を見つめながらです。
 妻の目に誘われるように私は、フラりと足を踏み出していました。妻は階段の所でクルリと背中を向け、今度は後ろ姿で私を誘っているようです。


 1階に降りた妻は部屋の前で立ち止まり「待ってて…」と呟くように言うと中へと入って行きました。


 妻の動きが“何か”を意図している気はしておりました。
 そして私は、その部屋の前で静かに立ちすくんでいたのです・・・・。

96NT:2018/11/27(火) 21:15:14
28

 妻が部屋に入った後は、私は扉を見つめながらただ立ちつくしておりました。
 サイトの中に妻の背中を押す“何か”があったのか…心の中に妖しい火を灯す“何か”があったのか……私はそんな事を考えながら立っていたのです。


 しばらくして、部屋から出て来た妻は薄いコートを着ていました。私が「ん!?」っと思ったのは前ボタンが上から下までピタッと留められている事と、もう一つ違和感を覚えたのは、妻の足です。腿の半分位から下しか見えないのですが、ストッキングを穿かずに素足なのです。


 「あなた…お願いします…」
 そう呟いて妻は、玄関の方へと足を進めています。


 頭の中にはひょっとしたらと閃きもあったのですが、妻のその格好を見たときには“ソレ”はほぼ確信に変わっており、私は車のキーを持つと、妻の背中を追っておりました。
 外は当たり前ですが真っ暗で、それでも私は人目を気にしながら家の車庫へと足を運びました。無意識に妻の身体を隠すようにしてです。


 妻は後部座席に乗り込み、私はそれを見て運転席のドアを開けます。
 エンジンをかけミラーを覗きますと、ボーっとした妻の顔が見えました。どこか白痴っぽい感じの妻です。それでも車を走らせますと、この状況を先導しているのはこの妻なのだと、ハンドルを握る私は緊張を覚えています。


 とりあえず馴染みの道を回っていますと、前方に運動公園の標識が見えてきました。チラリとミラーを覗きますと、妻の目が頷いているようにも見えます。


 「・・・・・・・」
 「・・・・・・・」


 私は幾つかある駐車場の中から、遊具広場の隣の所へと入っていきました。
 エンジンを切り窓から辺りを見ますと、こんな時間でも車が数台停まっております。私達の車はなるべく目立たない位置に停めたつもりではありましたが、不気味な闇に足がすくみます。
 その時、後ろでガチャリとドアロックの音が聞こえました。


 「お、おい…」
 緊張気味の私の声にも、妻は静かにドアを開けております。
 冷たい風が車内に流れ込み首筋辺りを通ると同時に、私は身震いを起こしました。


 「ひ、浩美…」
 もう一度妻を呼んだ声は見事に震えていますが、私は慌ててシートベルトを外し、外に出ようとします。もちろん全ての音を否定するように、気配を殺すようにしてです。


 外は風が強く、妻はフラフラしながらもその足は遊具の方へと向いておりました。私は後を追いますが照明の灯りは頼りなく、妻の背中が闇の中に迷い堕ちて行く感じが致します。
 砂地に足を取られながらも、妻に追いついたのはジャングルジムの所でした。

97NT:2018/11/27(火) 21:15:57
ゆっくりと振り返った妻の目はまだトロ〜ンと白痴っぽく、病的なその感じは私の身体に怖気(おじけ)を気づかせます。
 白い指が上からボタンを外していき、私はその様子を金縛りにあったように、固まったまま見入っています。
 続けてコートを開くと、スーっと月明かりが線を引いた中を白い裸体が浮き上がりました。思った通り…いえ、覚悟した通りのその全裸姿に息を呑む私です。
 膨よかな胸房は月明かりに照らされ、尖り立った蕾が黒く光って見えます。私の視線はそこから下の方へと滑っていきます。
 見慣れたはずの下腹には股間の翳りを隠す物は何も無く、それでもその部分も月の光りに照らされると神聖に見えてしまいます。


 私は何度も唾を飲みながら、静かに足を踏み出していました。
 ジャリっと砂が鳴ると同時に、妻の二本の足が外側に開きました。背中は遊具にもたれ掛かり、股間の辺りが突き出た格好です。
 片方の手がコートの胸元を開き、反対の手が身体の表面を擦る動きを始めています。
 胸の突起が掌で弾かれると、その手はお腹を撫で回しながら下腹へと向かって行きます。


 スケベ心が詰まった私の記憶の中から、今までにこれでもかと覗いてきた露出投稿画像のページが浮かび出てきました。恋人なのか不倫相手なのか、はたまた愛妻なのか、大切なパートナーが公衆の場で恥ずかしい姿を晒す“あの”写真です。初めて見た時には心臓が飛び出る程の衝撃を覚えたあの場面。もし自分の妻が公然で“こんな”格好をしたらと想像しただけで震えが走ったものでした。
 私は目の前で蠢く女体に魅せられ、暗闇の中に吸い込まれていく感じです。


 ヒューっと風が耳横を通り、身震いを覚えながら私は振り返りました。遠くには高速道路の灯りが並ぶ様子が見え、微かな車の音が聞こえるだけです。息を殺して私はもう一度妻に目を向けました。
 妻の目に映るものはいったい……。
 恐らく妻が求める観衆は私ではなく、見ず知らずの軽蔑的な視線ではないのか。妻の揺らめきがますます妖しくなっていく感じです。


 「ああ……」
 自分の小さな呻きが耳元でハッキリと聞こえました。
 私は更に妻との距離を縮めようと踏み出し、ゴクリと息を整え「ひ、浩美…う、後ろからも」と呟き囁きかけます。
 若い頃から何故か、女性の“臀(しり)”に惹かれる私でした。ソレが無防備で、忠誠を誓うような後ろからのものなら尚更でした。


 背中を向けた妻は中腰でジャングルジムの鉄の棒を握り、片方の手はコートを捲り上げています。私の足は又一歩近づいています。
 コートの裾が腰の上まで捲り上がると、夜空に浮かぶ月のように丸い臀(しり)が現れました。
 それでも私はこの状況が怖く、辺りを気にしながら何とか妻のそばに近づきました。そうです妻の身体を隠すように、けれどその局部にかぶりつくようにです。
 心臓の音をバクバク鳴り響かせながらも、目を凝らしますと割れ目の辺りの様子までがよく見えました。これまでに寝室でしか見る事の出来なかった…いえ、決して世間様には披露してはいけなかった陰部がそこでハッキリと息づいている様子が見えるのです。
 妻は捲り上がったコートの裾を、お腹の下辺りに上手く留めながら遂には両手を秘所の両側に持ってきております。
 私は屋外のこの状況にも覚悟を決め、瞬きせずソコを凝視いたしました。
 荒い息づかいを感じ取ったのか、妻の手はそれに応えるように肉厚を揉みほぐす動きをしたかと思うと、ネチャっと赤黒い花弁を開きました。私はその上の肛門までが開陳された卑猥さに身体はブルブル、心臓はバクバクです。


 「ああ…い、厭らしい・・」
 小さな呻きを漏らした私は、自身の腹から股間にかけてスカーっと何が落ちていく感じです。要するに腰を抜かす程の衝撃を受けている私です。


 その時、思い出したようにこの様子を写真に撮らねばと胸ポケットの携帯を探りましたが、その手は情けないほど震えていて上手く掴めません。
 それでも何とか写真を1枚……丸い熟尻が突き出たものを撮り終えた私は、腹をすえて妻に注文を付けながらも数枚続けて携帯に収めました。こちらを向かせコートを両手で拡げさせ、足はガニ股の格好のもの。臀を更に突き上げさせ、股ぐらから顔を覗かせたもの。
 被写体となった妻の顔はどれもトロ〜ンとしていて、“心、ここに有らず”と言った感じでした。

98NT:2018/11/27(火) 21:19:30
この公園に来てどれ程の時間が経っていたでしょうか。いい加減にそろそろと私は、辺りを見てみました。
 私達は露出行為に関して決して“ベテラン”ではありません。私達夫婦を覗く人影はいないようですが、そろそろと気を修めようと私は妻の手を取っておりました。
 逃げるように手を引いた私でしたが、妻はまだ放心状態の様で、このまま続けていたら何処までも、何時までも、それこそ警察が来るまで破廉恥な姿を晒していたのではないかと寒気を覚える私でした。


 車に乗ると直ぐに走らせました。外界から安全地帯に無事に逃げ込んだ私の中には、今しがたの行為を思いだし“もしも”を考える小心者と、“良くできた”と胸をなでおろす二人の私がおりました。
 後ろに座る妻のコートはボタンは掛けられていませんが丁寧に重ねられており、白い素肌や股間の翳りなどは見えません。
 時計を見ますともう遅い時刻なのですが私は眠気など全く感じる事はなく、ハンドルは自宅の方に向かってはいるのですが途中横路に入りながら、この状況を無意識に引き延ばそうとしています。
 その時でした。ガサガサと衣ずれの音にミラーを覗きますと、病的な雰囲気のまま、妻の両足がガニ股開きでシートの上に持ち上がっておるのです。そして静かにコートが広げられたのです。
 ミラーの中は、M字でアソコを開陳している変態熟女の画像の様です。


 私は驚きながらも、その姿を何とか凝視しようとしたのですが、ハンドルを握っているせいで当然正視できません。けれどチラリチラリと必死になって覗こうとしますが何度も車線をはみ出し、やむなく車を住宅街の一角に停める事となりました。
 車を停めた私は振り返ります。そこにはみっともない姿…いや、卑猥な妻の姿ですが、その妻の表情はやはり病的な感じて、私の事が目に映っているのかそれとも魂が闇をさ迷っているのか、とにかく白恥っぽい感じなのです。
 下半身に目を向けると翳りの辺りが間違いなく息づいています。波打つように蠢き、食中花が淫靡な花を咲かせる寸前です。
 その時、妻の斜め後ろの一軒家が目につきました。私にはそれが、子供の中学時代の友人のお宅だと直ぐに気づきました。


 「・・・・・・・・・・」
 子供の友人宅。
 真夜中。
 不謹慎。
 露出。
 私たちは変態夫婦。
 いくつかの言葉が変態チックな事を連想させ、私はとんでもないない事を思いついてしまいました。
 身体は震えを起こしていましたが「い、行くぞ」と小さく呟いています。微かに目を広げた妻は、相変わらずなのですが、分かっているのか分かっていないのか、足を下ろし靴を履く様子です。
 私は息を殺し、静かにドアのロックを解除しました。


 外に出た私は間違いなく不審者です。コソコソ周りを見回し目を凝らします。そして携帯電話を取り出しカメラの準備です。


 ドアが閉まる音に緊張が走りましたが、すぐに静寂が私達を包みます。
 妻を見ますと両手でコートの前を抑えながら、家の壁に寄りかかろうとしてます。


 「お…おい、ここ…」
 私がアゴで指した方向を、妻が朦朧とした様子で顔を向けます。
 横から見つめる妻の瞳には、反応の色が現れません。が、私は構うこと無く「さ…さあ、そこで…」と囁きました。


 またまた頭の中では“露出投稿写真”のページがパタパタと捲られておりました。その何枚かが妻の顔や身体と重なってまいります。
 そして私が携帯のカメラを向けますと、それに合わせるようコートが開いたのです。
 フラッシュの光りがやけに大きく感じました。私は慌てて辺りを見回します。
 妻はそれでもコートを広げたまま、下半身はガニ股開きで、目は虚ろです。
 その時、目に入った表札にとんでもないアイデアが浮かんでしまいました。

99NT:2018/11/27(火) 21:20:02
「ひ、浩美…よ、横に…」
 精一杯、声を潜めたつもりの私の額に、汗が滲み出る感触がありました。妻は指示の通り門柱の横へとにじみ寄っております。
 携帯を構えた私の顔は緊張と好奇が混ざった顔でしょうか。卑しい笑みを浮かべ、私はカメラ越しに妻を覗きました。
 卑猥な下半身、熟した下腹、熟れた乳房、そして虚ろな顔…その横に表札が収まったのを確認して私はシャッターを押しました。
 続けて2回目のシャッターを押すと、その家を見上げました。部屋の電気が付く気配がない事にホッとして、私は急いで妻の手を取りました。


 車に戻りますと逃げるようにその場を立ち去ります。けれどハンドルを握ってしばらくしますと、先程の事を思い浮かべ無意識に頬が歪んでまいりました。
 そしてもう妻はコートを広げる事もなく、私達は自宅へと戻ったわけです。


 車庫に車を入れエンジンを切りますと、私は直ぐに胸ポケットから携帯を取り出し写真のチェックです。そこには期待以上の出来映えの画像がありました。
 順番に何度も見直していますと、妻が覗き込んできました。私は黙ったまま画面を向けてやりますと、紅い唇からは「ああ……」と溜め息のような声が漏れました。


 玄関を開け2階に向かった私は、家族に見つからないようにエロ本を持ち帰った学生の頃の気分で、書斎に入りますと携帯からパソコンに転送して写真の確認です。
 画面いっぱいに現れた妻の恥態はとても淫靡で卑猥な物でした。翳りの上のショーツの跡は生々しく、後ろから見える割れ目の皺は年季が入って見えます。
 どこにでもいる“素人主婦”に“貞淑な人妻”。よく見るエロ画像の上等文句ですが、私の頭にはとても新鮮な衝撃を与えてくれておりました。虚ろな妻の顔の横に見える″表札″は日常的でいて、それでいて非日常的な演出に一役かっています。


 生まれて初めて野外で露出画像をカメラに収めた私は、無事に家に戻ってこれた事もあってか素直に余韻を感じる事が出来ておりました。
 その画像を広いネットの世界に披露したいという願望も沸いてきて、“例のサイト”への投稿も考えたりしたのですが、途中で弱気の虫が出て来て取り敢えず今夜は床に付く事に致しました。


 寝室に入りますと妻は既に寝息をたてておったのですが、はだけた布団からはみ出た素足。よく見ると妻は、下着を着けずにガウンだけを纏って寝ているようです。
 何気ない妻の寝姿のはずですが、ムラムラと下半身辺りから高鳴りが湧いてきました。しかし……。
 妻の布団を捲ろうとした私の手は、清水の声に待ったが掛かりました。頭の中にフラッシュバックしたその場面に、あの日の鈍痛も甦ってくるようです。
 清水からのセックス禁止令にオナニーの禁止令。私達夫婦を縛り付けるあの男の存在は、確実にこの場面でも見えない力となっておりました。今夜、生まれて初めて見た妻の野外でのあの出来事も、清水が遠隔操作でもしたのではないかと、私は落ち着きを取り戻しながらそんな考えも湧いておりました。
 夜は更けていくのですが、私の頭はますます冴えていくばかりでした…………。

100NT:2018/11/27(火) 21:21:13
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 夜が明け朝になりました。
 昔から妻は私が起きる頃には大概起きていて、今朝も既に朝食の準備に掛かっておりました。しかし、清水に凌辱されてから口数は極端に少なくなり、この朝も私の「おはよう」の挨拶には呟き返すだけでした。


 台所に立つ後ろ姿を見ておりますと、昨夜の露出行為の事が自然と浮かび上がってまいりました。まるで夢遊病のように闇の中で生まれたままの姿になり、女の一番大事な部分を自ら拡げていたのが本当にこの妻なのかと……。
 私の中では昨夜の興奮の余韻は、既に治まっています。冷静にあの場面を振り返って“もしも”を考えれば、背中が冷たくなってまいります。しかし……妻の心と身体は私よりも深い所にあり、その原因はと改まれば“あの男”の姿が浮かびます。昨夜のあの公園に清水がいたならば、恐らく彼はもっと凄い露出行為を妻に求め、妻は妻で否定の素振りをしながらも彼の要望に応えたのではないか……。そして遂には自ら清水を悦(よろこ)ばせようと、とんでもない醜態を晒したのではないかと……。


 結局私達は、昨夜の“出来事”についても何一つ言葉を交わす事もなく、食事を終えるとそれぞれの職場へと出掛けました。
 清水達が再び妻の職場へ現れないかと心配は常にあるのですが、そんな心配ももうどうにもならないだろうと諦めの気持ちがあるのも確かでした。
 川村さんからは次の土曜日が私達夫婦の“デビュー”の日と言われていますが、それについて二人で打ち合わせをする雰囲気もなく。それは妻も同じ想いで行き当たりばったりと言うか、あまり深く思い詰めないようにしようと現実逃避を考える私がいたのです。


 一週間が始まりますと自然にいつものサイクルになり、職場と自宅への往復の日常です。家に帰ればここ数日は例のサイトを覗くのが寝る前の習慣になっておりました。


 木曜日の事です。
 この朝も時間通りに起きてリビングに行きますと、いつもの妻の姿がありません。炊飯器の音があるのでトイレかと思い、声をたてようかとしたところで思わず立ち止まりました。流し台と食器棚の間にしゃがみ、携帯を操作している後ろ姿が見えたからです。
 私は無意識に足を忍ばせ、近づいていました。


 妻はあまりメール等はしない方で、まして朝のこの時間にですから、頭の中には直ぐに“あの男”清水の顔が浮かびました。
 私は息を止め様子を覗いておりましたが、本当に清水か?……けど、まさか朝っぱらから……と疑問と心配が持ち上がってきました。


 「お、おはよう……」
 「!!……」
 その瞬間、しゃがみ込んでいた体が、弾けるように立ち上がりました。
 携帯を咄嗟に胸元で抱え込んだその姿に、私はメールの相手が妻にとって後ろめたい対象…だと確信致しました。


 「浩美…清水なのか?」
 「・・・・・・・」
 私の質問に妻は黙って頷きますが、その表情(かお)は確かに怯えの様子です。


 「ひ、浩美…こんな朝早くになんで….」
 「・・・・・・・」
 私の言葉に一瞬うつむいた妻でしたが、直ぐに顔を上げると静かに口を開きました。
 「じ、実は夕べ清水様からメールがあり、ここ何日かの私達の様子を報告せよとの事だったのです…」
 「・・・・・・・」
 「そのメールを今朝になって気づいて……」
 「それで慌てて返信をか……」

101NT:2018/11/27(火) 21:22:40
妻は俯き、その雰囲気からは申し訳なさが見てとれます。私の気持ちは当然おもしろくなく、その様子は表情に表れたと思いますが、直ぐに諦めの結論が頭を過りました。
 「で、この間の露出プレーの事を報告したのか?」
 私はその場でメールの内容を詳しく聞きたかったのですが、朝の忙しい時間です。妻も又、「今夜にお見せします」と言うので、私は着替えに向かったのでした。


 通勤途中。
 電車の中はいつも見かける顔です。名前は知りませんが、目が合えば会釈程度は交わすそれなりの顔見知りです。
 こんな時でも私は、露出プレーをした夜の事を思い浮かべますと、パンツの中でアソコが大きくなってしまいます。もし、ここで私が“変質者”である事がバレれば……と背中が熱くそして冷たくなる感触を覚えます。しかし、あえて自ら“変態”である事を証(あか)したい気持ちもあるわけです。軽蔑の視線になじられながらも同類に名乗り出ほしい気持ちがあるのです。
 この日の朝、私はそんな事を考えながら職場に向かっていました。



 この日の仕事も朝から多忙を極めましたが、時おり来庁者の姿に卑猥な妄想が働きました。特に中年の御婦人や紳士面の男性には、こんな何処にでもいる普通の人こそ、裏では人様に決して言えない変態的な行為をしているのではないかと…そして、それは私の願望・・・真面目ぶっている人ほど私と同じ変質者であって欲しいという願望なのでした。


 昼休みが終わって直ぐの頃でした。食事から戻った私に部下が近づいて来るのが見えました。しかし、私の目は部下の向こうでニヤニヤする男の姿を認めていました。
 清水がついに職場に来てしまったのです。
 部下に促され対応のカウンターに向かう私の足は、恥ずかしいほど竦(すく)んでおりました。


 「俊也、久しぶりだな、元気か?」
 ぶっきらぼうに吐き出された声とその言葉が、回りの職員の耳に届かないことを心から願いながら、私はあたふたと清水に駆け寄っていました。
 妻の職場に現れた時は紳士的で丁寧な言葉使いだったと聞いた記憶が残っていましたが、今の言葉は誰が聞いても横柄で厚かましい感じです。そして、その言葉一つで踊らされている私の姿は、借金取りに慌てふためく男の様ではないでしょうか。


 「何を慌ててるんだよ俊也。顔が真っ青だぜ」
 嬉しそうにニヤつく清水を、私は何とかホールの方へと誘導しようとしていました。その私の背中は、同僚達の視線をシッカリと感じています。


 「…し、清水……さん…」
 ホールの所で何とか絞り出した私の言葉を清水は、冷たい視線で返してきます。恫喝するでもなく、ただ冷ややかに見つめ返すだけです。
 「ご、ご用は何でしょうか……」
 私は何とか言葉を吐いていました。当然周りに注意を払いながらです。


 清水は黙ったまま私を見つめています。沈黙の間を演出して精神的に追い詰め、それを楽しんでいるのです。
 「くくく……」
 鈍い響きに身体はますます強張ります。私は「お願いします」と目で訴えます。
 「ふふ…俊也よぉ、最近浩美と楽しい事をやってるそうじゃないか。ええっ?」
 頭の中には露出プレーの事が浮かびます。清水は今朝の妻からのメールで露出プレーの事を知って、この職場へやって来たのです。私は咄嗟に「す、すいません」と口が動いておりました。嫌になるほど小心者の私です。

102NT:2018/11/27(火) 21:25:24


 「ん〜、別に謝る事じゃないだろ」
 確かに、本来なら私が清水に謝るのはおかしな筈なのですが、主従関係を認めている事を改めて示してしまっていたのです。
 「ふふふ……そんな事より息子に彼女が出来たみたいだなぁ。もうマンコは犯(や)ったんかな」
 「!!……」
 その一言で身体は更に固まり、痺れがそこらじゅう広がって行くのが分かります。こめかみは震え、血管が膨らんでいくのです。
 目の前の男との主従関係というか優劣というか、それを改まって感じさせられます。それでも私は自分の立場を考え、何とかこの場を無いものにしようと力を振り絞りました。
 「あ、あの…その件でしたらもっと静かな所でお話しを…」そう言って私は更に奥の非常階段の方へ手を取りました。
 背中には複雑な視線を感じながらも、何とか周りの目から清水を遠ざけた私は、泣き顔で見つめました。
 「し、清水さん…いえ、清水様、職場ではさすがに……お願いします」
 清水は冷たく、それでも言い聞かせるように「分かってるよ。その代わり仕事が終わったらちょっと付き合ってくれよ。ええっ?」と、言って見つめます。
 私には黙って頷くしか選択肢がありません。清水の企(たくら)みなど考える余裕などなく、頭を米付きバッタのように縦に振るだけでした。
 しばらく冷たい笑みを向けていた清水でしたが、やがてクルリと背中を向けるとエレベーターの方に歩き始めました。私はその背中を見送りながら、自分の背中には不快な汗が流れ落ちていくのを感じていました。


 自分の机に戻った私には上司が近づいてきて、清水の素性やトラブルに巻き込まれてないか等を聞いてきました。
 私は何とかごまかし、業務に戻ろうとした時です。胸ポケットの携帯が震えました。仕事中に携帯等を見る事は厳禁ですが、何か嫌な予感がして「すいませんがトイレに」と言って席を離れたのです。


 こんな時の嫌な予感は当たるもので、メールの送り主は見かけぬアドレスですが、開いて見ますとトゲトゲしい文面がありました。
 [変態役人の俊也君  1号館の地下1階のトイレに行ってみな。浩美の無修正写真が貼ってあるから。おっと、男子トイレだから女の方に行って捕まるなよ(笑)]


 読み終えた瞬間には、私は走り出していました。
 そのトイレは殆ど利用した事がなかったのですが、何とかたどり着くと息を整え飛び込んでいました。運良く人の気配もなく、入り口の辺りから目を皿のようにして中へと進んで行ったのです。
 変態的な私の妄想には、このアンモニア臭いこの場所も舞台になった事がありました。けれど今は余裕など何も無く、いわば世間体を守る事に血眼になっている自分がいる訳です。そんな私は壁を上から下へと目を走らせ、そして次に個室の方へと向かいました。
 手前から順番に中を覗きまくり、一番奥の戸を開けた時です。一枚の写真が飛び込んできました。
 大きさにして葉書サイズでしょうか。それがちょうど目の高さの位置に貼られていたのです。
 私は個室内に入り込むと戸を閉め、シッカリ鍵が掛かったのを確認すると、写真に顔を近づけました。
 それは確か、あの仄暗い和室の部屋でした。布団の上でだらしなく股を拡げ、死んだように仰向けになっているのは間違いなく妻です。
 妻は目を瞑っていますが、モザイクも横線も引かれていないその写真は、見る人が見れば私の妻の浩美だと分かる筈です。写真の横には黒い文字があり、目を見開きながら顔を近づけてみました。

103NT:2018/11/27(火) 21:25:57
【この役所で働く“○地○也”の奥さんです。休みの日には旦那公認で公衆便所としてマンコを開放しています】


 見た途端、恐怖に身体が震え出しました。名前の所の2か所が○印で伏字になっているといっても、人の目に触れてしまったのかと考えると震えは激しくなる一方です。
 私はその写真を剥ぎ取るとポケットに入れ、持っていたボールペンで壁に書かれてある【○地○也】の部分を上から何度も何度も横棒を引き、分からないように塗り潰しました。そして一目散にトイレを後にしました。
 自分の席に着いても、ポケットにある写真と落書きの事ばかりが気になって仕方ありませんでした。


 何とか今日一日の業務を終わらせると、油性の黒マジックを持って昼間のトイレへと駆け込みました。その個室に入り、落書きの【○地○也】の部分をもう一度黒マジックで上から塗り潰し、そして一旦便座に腰を降ろしました。
 しばらく座ったまま写真を取出し眺めて見たりしていましたが、シーンとしたこの狭い空間におりますと色んな事を考えてしまいます。妻がこのような狭い密室で犯されたのだと思い出しますと、急に下半身がムラムラとしてきました。いえいえ、妻は男子トイレで犯されたのですが、その場面を想像しますと愚息が大きくなっていく気がするのです。私は突然、無性に自慰がしたくなり、思わず立ち上がっていました。その時です。携帯が震えたのです。


 [仕事、終わっただろ。付き合ってくれよな]
 私は妻の写真を手に持ったまま、返信を打ちました。
 [はい。どこに行けばよいでしょうか?]


 役所を出て5分位歩いた住宅街の中に、見覚えのあるワゴン車が停まっていました。近づきますと直ぐにドアが開き、中から清水の不敵な顔が覗きました。
 後部座席に誘導されますと、隣の清水の口元が嬉しそうに歪みます。運転席にいる巨漢の男が振り返りながら見つめてきますと、緊張が膨れていきます。


 車は直ぐにスタートしたのですが、人の目を気にする私は車に乗るところを誰かに見られなかったか、しばらくそんな事を考えていました。窓にはスモークが貼られていますが、本当に向こうからは見えないのか?そんな事まで気にしていたのです。


 10分位でしょうか、見慣れた景色が続くなか、少し落ち着きを取り戻してきた私は、恐々隣を覗きました。
 「あ、あの……これからどちらに…」
 私の問いに清水は意味深に頷くだけです。そして思いもよらない事を言ってきました。
 「俊也、お前…あのトイレで″シコシコ″やっただろ」
 びっくりして目を見開くのと同時に、運転してる男がそれまで我慢していたものを爆発させるように吹き出しました。


 「くくく…出てくるのが遅いから素っ裸になって浩美の写真を見ながらチンポをしごいてるのかと思ったぜ」
 「・・・・・・・」
 額から汗が流れ出るのが分かりました。しかし、思い出したように、言い分けがましく私は何とか伝えました。
 「い、いえ…その…あの…オナニー禁止令が出てますから…」
 私の言葉に清水は窓の外を眺めながら「ふ〜ん」と興味なさそうに呟くだけです。運転席の男は口元を嬉しげに歪めながら、気持ち良さそうにハンドルを握っております。
 車は大きな川を渡る所です。


 私はあの時、清水のメールがあと少し遅かったら間違いなくパンツを下ろし、妻の無修正写真を、それと携帯に保存してある野外露出の写真を開いて愚息をしごいていたと思います。しかし、その事を指摘した清水の鋭さに私の性格から性癖までが見透かされていると改めて思ったのです。


 そうこうしているうちに、車は川の側道に入っておりました。そこから河川敷に下りて行きますと車が数台停まっているのが見えました。営業車のさぼりのような場所にも思えます。


 車が止まり、清水がドアに手を掛けながら「昔はその辺りにボート乗り場や釣り堀みたいなのがあったんだよな」と独り言のように呟いています。目を前方に向けますとボロボロの小屋のような物が見え、その上にはトイレらしき建物が見えました。


 「俊也、行くぞ」と、その声に慌てて降りる準備を致しました。
 私は清水に着いて歩き、周りを見回しましたが初めて来た場所なのは間違いありません。


 「もうやってるだろ」
 清水の呟きに運転手をしていた男の含み笑いが聞こえてきました。その瞬間、私の中には「まさか」の文字が浮かび上がってきたのです………。

104NT:2018/11/27(火) 21:27:15
30


 清水に連れ出された私は、とある河川敷の土手の上のトイレらしき建物に向かって歩いておりました。“歩いて”と言いましても清水とその部下の男に挟まれ、殆ど拉致のような感じです。


 最後の階段を登りきった所で清水が振り返りました。
 「あっちを見てみろよ」
 清水が振り向いた方角には、バラックのような、段ボールの塊がいくつも見えます。
 前を向き直りますと、土手の向こう側には公園があります。
 その時です。前に妻の告白にあった河川敷トイレでの話を思い出したのです。
 「こ、ここは○○○公園・・・」
 「ククッ…そう、浮浪者の溜まり場で有名な公園だよ」
 私の呟きを聞き取った清水の、何とも言えない厭らしそうな響きです。


 「じゃっ、じゃあまさか…」
 「ふふ、そうだよ。このトイレで浩美は汚いチンポを何本も何本も舐め廻したんだぜ」
 「!!・・・・・」


 ひきつった私の顔を見ながら、部下の男は笑いを堪えています。隣では、清水が自分の歪んだ口元に人さし指を当てました。私に『静かにしてろよ』と指示を出したのです。


 私の身体は、清水の目力で固まっていくのが分かりました。そして、神経が耳元に集中していきます。
 そうしますと、トイレの方から微かにですがダミ声と、くぐもったような声が聞こえてきたのです。
 その声の主は・・・愛する妻……愛してる筈の妻……間違いなくそこにいるのは妻だと思いました。


 その時です。グアッと首根っこに物凄い力が加わりました。部下の男です。
 「・・・・・・・」
 「へへ、腰を抜かすなよ」
 男の重い声に頷き、トイレまでの僅かな距離を、緊張を覚えながら進みました。


 そのトイレは汚く不潔な感じで、端っこの方に微かに読める字で『男子』という文字がありました。
 頭の中では“まさか、こんな場面”をと妄想と現実の境目にいる自分に不思議な感じが致します。


 目の前で部下の男が腰を屈めてトイレの中を覗きます。そして振り返ったその表情(かお)には、何とも言えない笑みです。まさに“覗き屋”の顔です。


 「俊也、お前も見てみろよ」
 清水の言葉に背中を押されて、私の身体は更に前へと進みます。
 部下の男の大きな背中の後ろに来ると、まるで覗きの順番を待つ気分になります。その時、中から男の声が鮮明に聞こえてきました。

105NT:2018/11/27(火) 21:27:51
「たまんねぇなあ、人妻の口はよぉ」
 「早くしてくれよ、ワシのがもうビンビンなんだよ」
 「この奥さん、尻(ケツ)の穴も舐めてくんねぇかなぁ」


 聞こえてきた言葉に身体はカーッと熱く、心臓はバクバクです。その私の首根っこが再び掴まれ、耳元には熱い息が掛かりました。そこには清水の顔です。
 「ほら!」
 清水の鋭く短い声に部下の男が身体をずらしますと、私はそおっと顔を半分ほど出してみました。


 「ヒッ!!」と、目に映った光景に息を呑みました。
 ーーーー汚い小便器の前で、ムッチリした肢(あし)が汚れた床をウンチングスタイルで踏みしめております。なぜか下半身は黒いパンティー1枚で、上は今日の出掛けに着ていた洋服のままです。そうです、目を瞑り男の物を咥えてるその顔は、妻に間違いなかったのです。


 髪は乱れ、目尻にシワが寄り、口元の様子からも妻が苦しそうなのは分かります。しかし、無意識なのでしょうか唇は男の一物を奥へ奥へと、飲み込もうとしているようにも見えます。
 男達は3人で、皆なみすぼらしい汚れた身なりです。
 一人の男が立小便をするように一物を妻の口に咥えさせており、もう一人の男はズボンを腿の辺りまで下げおろし、いきり勃(た)った物を握っています。そして一番年老いた男は、ズボンのベルトをカチャカチャならし、今にも下半身を露(あら)わにしそうな勢いです。
 ごく普通のまともな神経なら、自分の妻が浮浪者の慰み者になろうとしていれば取る行動は決まっています。しかし、私の身体には得体の知れない感情も沸き上がっていたのです。その証拠に私は無意識に気配を殺し、身体は少しずつ前のめりになっています。


 「ああ…たまらん」
 妻の口にねじ込んでいる男がトロ〜ンとした顔で、天井を見上げます。まさに天にでも昇って行きそうな感じです。


 「奥さんよお、ワシのも早く頼むわ」
 隣の男がパンツとズボンを乱暴に脱ぎ散らかし、股間を妻の顔に押し付けようとしています。
 妻の目が薄く拡がったと思うと、空いた片手が男の“物”へと伸びていきます。もう一人の老人はモタモタしながらも、汚れたズボンを脱いでいるところです。


 妻から私がいる場所まではほんの数メートルです。今しがた妻の目は、薄く開いた気がしましたが、私達の存在に気付かなかったのか、口元は一心不乱に男の物を呑みこんでいく感じです。


 それにしても悪臭というか独特の臭いが漂うこの場所です。清水が、以前もこの場所で妻が浮浪者のチンポをしゃぶったと言ってましたが、その時に免疫が付いてしまったのでしょうか。口元の動きはますます激しく、男の喘ぎも大きくなっています。


 ムッチリとした両脚は床を噛みしめ、3人の男の凌辱を見事に受け止めている感じが致します。そして、顎の揺れに呼応するように股間の中心が息づいて見えます。
 私は黒いショーツの真ん中部分に、視線を強めました。その中心からは、怪しい生命体が今にも飛び出して来そうな気配です。


 「くく…浩美の奴はきっと、シャブリながらマンコを濡らしてるぞ」
 私にだけ聞こえる清水の声に、唾を呑み込みます。
 更に視線を強めますと、その中心辺りにシミが浮き上がって見えるから不思議です。


 「待ってろよ」
 清水がそう言って私の胸を突つきました。そして、咳払いをしながら中へと入って行きます。
 清水の登場に、3人の浮浪者達の動きが一旦止まります。一番いいところだった男の腰も、ピタリと動きが止まっております。

106NT:2018/11/27(火) 21:28:35
清水が己の大きな手を、妻の首根っこにガシリと掛けました。
 「浩美よぉ、パンツ脱げや」
 清水の言葉に一物をシャブらせていた男が、名残惜しそうに腰を引きます。妻の口元からは、唾液が糸を引いていきます。そして、妻がフラりと腰をあげる様子に、私は無意識に身体を壁の後ろへと動かしました。


 「ほら!しっかり撮っとけよ。ただし、清水さんの顔は写すなよ」
 壁に隠れた私に、部下の男の声が掛かりました。


 胸元に手を伸ばしますと、携帯電話がなぜか熱く感じます。変質者の血に火が着いたのでしょうか、熱さは心臓の鼓動を早鐘のようにならします。
 私はカメラを起動させてから、再び中を覗きました。勿論、標的に見られないように気配を殺したつもりでです。
 視線の先では、早くも妻の下半身が露(あらわ)にされおります。


 「お前もパンツを脱いだ方が気分も乗るだろう」
 そう言って清水が肩を押しますと、妻が再びしゃがみ込みます。
 妻の姿は先ほど以上に卑猥で、太い両脚は見事なM字で床を噛みしめます。股座(またぐら)では、今度は黒い翳りがシッカリとその様を曝しています。
 カメラ越しに覗く妻の恥態。そしてこの瞬間に胸震わせる自分自身に、言い様のない高鳴りを感じていました。又一つ変質者に近づいている事を実感出来る様に、病的な悦(よろこ)びを感じたのかも知れません。


 カメラのシャッター音を調整して画面を覗きますと、汚い尻が3つ見えました。浮浪者の男達全員が下半身を露(あらわ)にしてるのです。その男達の肘に手をやりながら、清水が浮浪者の立ち位置を微妙に変えています。画面には横向きの男が二人、臭いたつ生殖器が見事に反り上がった様が映っております。清水が私の撮影の為にでしょうか、アングルを変えたのです。


 「さぁダブルフェラだ」
 清水の言葉が言い終わる前に、二人の男が早くも腰を妻の口元向けて突き出していました………。


 私はそれからしばらく、夢中になってシャッターを押し続けました。画面に映る卑猥な“絵”。それはパソコンの画面を通してイヤと言うほど覗いてきた、変態熟女の姿そのものでした。
 妻は時おり掛かる清水の注文に身体を動かし、恥ずかしげもなく卑猥な格好を曝しました。俗に言う“本番行為”--性器を受け入れる事はありませんでしたが、口と手コキを中心に男どもの欲望を満足させるように振る舞ったのです。そして、男のフィニッシュは全て、精飲という形で受け止めました。
 妻はもう人形と言いますか、ほとんど抵抗の素振りをみせる事もなく、ダッチワイフの如く浮浪者に扱われたのです。


 「旦那さんよぉ、後でちゃんと写真を送るんだぜ」
 撮影に夢中になっていた私は、部下の男の声に振り返りました。
 「それと、俺の顔も写すんじゃないぞ」
 そう言って男は中に入って行き、徐にパンツを脱いだのです。唖然と見つめた男の大きな尻に、股間の“物”まで想像してしまいました。清水の“物”のようにデカイのだろうと。

107NT:2018/11/27(火) 21:29:07
フィニッシュを終えた3人の浮浪者は、部下の男に持ち場を渡すように、隅の方へと移動いたします。妻は放心状態のまま、汚い床にへたり込んでおります。


 「浩美、ほら、今度は四つん這いだ」
 その言葉に妻は、不意に目を開き、一瞬不安げな表情を見せました。
 清水が指示した“四つん這い”。その格好は、奴隷が御主人様に『どうにでもしてください』と、服従を誓う時のポーズです。
 私はシャッターを押すことを忘れ、妻の様子に見入ってしまいます。その視線の先で、妻は何を想うのか、虚ろな表情のまま手を床に、続けて膝を床へとユックリですが下ろしています。
 ここに来てからずっと、独特の臭いが薄れる事はありません。黄ばんだ床は、いつ掃除したかも分からないほど汚れています。妻はついに、その床に両手、両膝を着きました……。


 「ククク…………」
 薄気味悪い笑いを上げながら、清水が妻の腰辺りに掛かっていた上着の裾を、背中辺りまで捲り上げていきます。女体の半分以上の肌が晒されていくのです。

 四つん這いになった妻。
 適度に垂れ下がった膨らみは熟女らしく、その脂(あぶら)の乗った下腹の揺れは、妙に艶かしく映りました。身体を支える腿の膨らみも、私の目には逞しさも携えて見えます。そして、その先では白い剥き身の臀(しり)が、はち切れそうに突き上がっております。
 部下の男も下半身を晒しています。股間の物はやはり、清水程ではありませんが私の物より遥かに大きいのは間違いありません。


 「ほら、力を抜け」
 そう言って清水が妻の尻を一打ちしますと、妻の口から「はあん」っと猫が鳴くような声が漏れました。
 「どれ」
 続けて清水がしゃがみ、尻の割れ目に手をやり、いきなりグワっと拡げます。


 顎が上がり、妻の口からは「んああ…」と、甘い呻きが零れ落ちていきます。


 「おい、思った通りビショビショだぜ」
 私に聞こえるように言ったと思った言葉に、部下の男が嬉しそうに笑いを返します。その男が唇を歪めながら自ら四つん這いになり、何と己の尻の割れ目を妻の顔の前辺りに持っていっております。
 私の頭は、先程浮浪者の一人が言った『〜尻(ケツ)の穴も舐めてくんねぇかなぁ』という言葉をしっかり覚えておりました。
 見ますと部下の男も、どっしと四つん這いで床を噛みしめています。


 「さあ奥さん、舌もしっかり入れてくれよな」
 部下の男の声は、妻を奴隷と見下した響きと、そして私に対する優越感が滲んだ響きのように感じました。
 気がつけば清水が私のそばに来ております。
 「俊也、良い絵は撮れてるかい?。浩美の後ろからも撮ってみろや」
 「………………」


 私は、そう言って再び中に入って行く清水に隠れるように、妻の後ろ側へと回り込むように進みました。
 こっそり回り込んだつもりのその場所は、妻の臀部の真後ろです。妻との間に清水が仁王立ちで構え、私は屈んで清水の両足の間から白く丸い巨尻を凝視しました。
 カメラを構える前に“そこ”を見つめますと、黒く年季の入った“女”が息づいて見えます。その上にある菫色した小さな穴は無防備に曝され、“そこ”も又、服従を誓っているように見えてしまいます。


 「さぁ浩美よぉ、早く舐めてやれや」
 その声と同時に、妻の頭が男の尻に向かって伸びたのが分かりました。目の前の尻も私に向かって盛り上がった気が致します。
 そして、その後は………………。

108NT:2018/11/27(火) 21:31:26
31


 私は最寄り駅から自宅に向かって、フラフラと歩いておりました……。
 いつもの道を歩いていますと、つい1時間程前の出来事が夢だったのかと思ってしまいます。しかし、間違いなく妻は、公園のトイレで浮浪者達の精液を飲み下し、清水の部下の男の尻の穴に舌を入れたのです。


 妻が先日、清水にした野外露出の報告。それに返信した清水のメールには、今日の指示があったわけです。そんな妻は、清水に応えるように1時間も早く早退して一人で公園に向かっていたのでした。そして帰りも、私が清水の部下に車で送られている時に、ノーパンのままアソコをベタベタに濡らして電車に乗っているのでした。


 家に着いた私は、悶々とした気持ちで妻の帰りを待ちました。
 本当なら、妻の安否と心を心配しないといけないのですが、その事が分かっていながら携帯に保存した写真を見ては下半身を熱くしてしまいます。なぜ、このタイミングで清水が職場に来たり、私達を野外調教に連れ出したのかも気になりますが、それは恐らく、迫りつつある“デビュー”に向けて、私達の気持ちを高ぶらせようとしてるのかと、そんな風に結論づける私でした。


 妻が帰ってきたのは、それから2時間位経った頃でしょうか。
 妻の様子は、普段と変わりなく物静かです。乱れていた髪はどこかで直したのか、違和感を感じさせません。表情には多少の疲れが見て取れますが、私はそれ以上に下腹部辺りに目を向けてしまっておりました。
 スカートの中では、欲求不満のアソコが愛液を垂れ流しているのではないかと、想像を働かせてしまうのです。そして紅く塗り直された口唇には、牡精の匂いがこびり付いているのではないかと注視するのです。
 それともう一つ気になっている事がありました。それは、あのトイレで妻は、私の存在に気づいていたかどうかという事でしたが……。しかし……私は“その事”を確かめるでもなく。結局、会話らしい会話を失ったままの夫婦でした。そして、“デビューの日”の事に付いても何も話す事なく、ついに“その日”を迎える事になってしまったのです。




 土曜日です。
 玄関を出て車庫に向かおうとした所で、近所の顔見知りの御夫婦と出くわしました。どちらからともなく「おはようございます」と挨拶が口に付いたところで、頭の中に『私達、変態夫婦なんですよ。これから怪しげな集まりに行くところで、そこで見世物にされて、アソコを濡らして嫌らしい液を垂れ流すんですよ……』と、そんな言葉が聞こえてまいりました。
 会釈をしてその場を後にしようとする私。そして、ニコリと微笑んだ妻の横顔。私は、瞬時に世間様を欺く自分自身に、そして妻に、小さな興奮を覚えていました。


 妻を隣に乗せて車を走らせましたが、ほとんど会話は生まれません。それよりか、本番の“そのシーン”を思い浮かべ、考えていた口上を心の中で繰り返す私なのです。
 川村さんに呼び出されたあの高級ホテルでの挨拶。奴隷仲間の前だったとはいえ、あの程度の出来であれば格好が付くのではないかと、想いを巡らせていたのです。そうなのです、変質者として快楽を得たい“性(サガ)”と変質者であっても恥は掻きたくないという二つの気持ちがあったのです……。


 車は順調に走り、時刻通り見覚えのあるホテルに着きました。
 駐車場に入りますと、数多くの車と見慣れたワゴン車が停まっております。これに乗って性欲の塊の男達が、この場所にやって来てるのだと思うと武者震いが起こってまいります。妻は車に乗った時からそうですが、表情に乏しく、人形というか…そうです自身の身を慰み者として捧げようと心と身体の準備をしている気が致します。


 私達が車から降りた時です。どこかで見ていたのか、建物の裏口が開いて一人の男が姿を表しました。
 「菊地さん、こっちだ」
 男の声に息を合わせたように、私達は頭を下げています。

109NT:2018/11/27(火) 21:32:14
見覚えのある清水の部下に付いて行き、私達は裏口からホテルの中へと入ります。
 この建物も初めて足を踏み入れたものでしたが、カビ臭い匂いと冷たい空気はいつものように暗い雰囲気を作りあげています。
 暗い廊下を歩く私達。沈黙に息苦しさを感じた私は、「きょ、今日は他の…あの…その、奴隷夫婦の皆さんもいらっしゃってるのですか」と聞いてしまいます。
 前を歩く男が一瞬止まり、振り返りました。
 「ふふ、……まぁ楽しみにしてろよ」
 「………………」
 「そう言えば、今日はいつもよりお客が多いって、清水さんが言ってたなぁ」
 「………………」
 「あんたらの前評判も結構良いようだぜ」
 そう言ってクルリと背を向けた男の後ろ姿を追いかけながら、私の中の緊張が一気に膨らみ始めました。


 通された部屋は小さな畳部屋でした。雰囲気は昭和のレトロ調で、古びた柱時計が目につきます。
 この部屋には奴隷仲間の姿はなく、私達だけでお客の相手をするのかと弱気の虫が顔を出し始めます。


 「じゃあ、しっかり心の準備をしておけよなっ、奴隷10号さんよ」
 男がニヤリと告げて部屋を出ますと、私は畳の上にペタンと座り込みました。膝を抱えて壁に持たれますと、もう一度考えていた口上を繰り返してみます。妻には相談せずに考えた口上です。
 妻もしばらくして私の隣に腰を下ろします。二つの肩が触れる距離なのですが、性の深みを先に行ってるのは間違いなくこの妻の方だと、そんな私の気持ちが二人の間に隙間を作っている気も致します。
 その時、無意識にでしょうが「浩美……その…調子はどうだ」と、そんな言葉が付きました。
 それは、どこか苦し紛れに出た言葉なのでしょうが、その言い方が可笑しかったのか、妻の暗い瞳が一瞬笑みを浮かべた気が致しました。しかし、その笑みは直ぐに怪しいものに変わったのです。


 「あなた…」
 「・・・・・・」
 「ああ…早く又、あの感触を○○○○○○ものですわ」
 絞り出た言葉は小さく、消えてしまいそうな感じでしたが、語尾は『味わいたい』と言ったような気がいたしました。
 その瞬間、私の心の奥では黒い何かが燻(くすぶ)り始めた気が致しました。


 「ああ…浩美…」と呟いて、伏し目がちに覗いた妻の表情(かお)は一層病的な色で、私は妻の唇が『チンポ、チンポ……欲しい、欲しい』と動いた錯覚を覚えます。
 私は意識して『お前のマンコがそう言ってるのか』と心の中で尋ねました。
 妄想は更に進み『アタシのマンコが嫌らしい事を望んでいるんです』と妻の声が聞こえ、『俺もだ。俺もそうなんだ。俺も変態的な事をしたくてたまらないんだ』と自分の声が脳髄に響きました。


 その時です。静まり帰っていたこの部屋の扉が、ガラリと開きました。
 清水が現れたのです。


 清水の登場に胸の辺りがキュッと呻きます。その清水は私達夫婦の様子を数秒眺め、そしてニヤリと笑いました。
 「・・・・・・」
 「ふふふ…この暗い雰囲気、俺は好きだぜ」
 そう呟いた清水の視線に、背中が冷たいものを感じます。


 「ふふ…お前ら、今日は楽しみだろ……うん?楽しみにしてたんだろ」
 「・・・・・・」
 「俊也、1号の光司(コウジ)と5号の学(マナブ)から今日のお前らの“役割”は聞いてるよな」
 清水の抉るように見つめる瞳に、私は反射的に首を振っています。
 「ん、そうか。ならいいんだ…まぁ楽しみにしてろや」
 「・・・・・・」

110NT:2018/11/27(火) 21:32:57
それから清水は直ぐに出て行きましたが、入れ違うように川村さん御夫婦が入って来ました。
 「ああ…川村さん……」
 「・・・・・・」
 川村さんはニコリともせず、私達を観察するように見つめてきます。奥様の雅代さんもどこか冷たい感じです。


 「あの…川村さん、今日の私達の…その…“役割”は…」
 言葉は小さくすがるようで、心細さを丸出しにしています。妻は無表情に近く、黙って畏まっているように見えます。


 「さあ、菊地さん。そろそろ着替えましょうか。その前に二人の裸を見せて下さい」
 私のすがるような気持ちをスルーして、川村さんが何か言いました。心細さは大きくなっていくのですが、頭の中では「なぜ改まって裸を」と疑問も感じ、隣の妻をチラリと覗きました。
 妻は無表情のままで、既に上着のボタンに指を掛けています。それを見た私は、恐る恐る自分のシャツに手を掛けたのです。


 脱いだ服を順に置いていきながら、横目に見えた妻の下着姿に、「えっ!?」っと息が詰まりました。
 エロサイトでよく見かける、売春婦が身につけるような卑猥なランジェリーだったのです。
 ショッキングカラーの紫色したハーフカップのブラからは、豊満な乳房が顔を露(あらわ)にしています。下に目を向けますと、ガーターベルトに紫カラーのTバックショーツです。「いつの間にか又、こんな下着を」と頭に過ったのですが、そんな事も一瞬にしてどうでもよくなったのは、股間を覆う小さなショーツの直ぐ上の辺り…陰毛の生え際のところに見た事もない痣(あざ)のような・・・いえ、色が付いていて……花のような……そうです“刺青”があったのです。


 「おっ、おい!」
 言葉は瞬時に口に付きましたが、その続きを遮るように雅代さんの声が聞こえました。
 「あら、“本物”そっくりな出来映えねぇ」
 私は直ぐに“ソレ”が、マーキングされた『華』の事を言ったのだと分かりました。
 目を見開く私の頭の中に、“あの”公園のトイレから私が先に帰った後に行われたであろう出来事を想像していました。妻は股間の翳りを綺麗に整えられ、刺青のように『華』を描かれていたのです。


 「どうしましたか、菊地さん。早く服を」
 川村さんの言葉は落ち着いていて、私だけが“刺青”の事実を知らなかった事が分かります。私はようやくパンツに手を掛けました。


 白い素肌に卑猥なランジェリーをまとった、売春婦姿の妻。その横に立つ私は、オッサンくさいトランクス一枚です。その私に妻が、バックから取り出した小さな布切れのような物を手渡します。手に取って拡げてみれば、同じ紫カラーの男性用Tバックパンツではありませんか。
 下着姿になった私達二人は、直立不動の姿勢で川村さん夫婦にその姿を見せます。お二方はまるで監察官のように、私達を見つめます。商品の検品をしているようにも思えてしまいます。


 「菊地さん、出掛けにシャワーは浴びてきましたか」
 「……………………」
 私は黙って頷きます。横目に映る妻の頭も、軽く下がった気がします。その私達に川村さんが続けました。
 「尻の穴も綺麗にしてきましたか」
 一瞬「えっ?」と、ハテナマークが頭に浮かび、その意味を考えてみました。そして直ぐに「そうか……今日は俺も皆さんの前で尻の穴も見せるのか……」と、武者震いが起こったのです。


 その時、ノックの音が聞こえ、静かに開きました。現れたのは堀田さん夫婦です。二人の姿にホッと息が抜けた気がしたのは、“同類”に対する安心感を思い出したからかもしれません。
 堀田さんは黒いタキシードを着ていて、隣の紀美子さんも正装です。


 「菊地さん、ご無沙汰しています。今日は私達、ホスト役といいますか司会の大役を任せられまして」
 私の硬い表情を察知したのか、堀田さんは落ち着いて声を掛けてきました。

111NT:2018/11/27(火) 21:33:33
 私は堀田さん御夫婦の目を見ながら、尋ねました。
 「あの…清水は、いえ、清水様は…その…今日の私達の役割といいますか………」
 そこまで言った所で、「ふふ、今日は何も心配しなくて大丈夫ですよ」と、紀美子さんが口を挟み、そして妻に向かってウィンクをした気が致しました。
 私は久しぶりに感じる紀美子さんの妖艶な雰囲気に、この夫婦も更に深い淫欲の闇の中を進んでいるのだと思いました。


 「そう言えば今日は20人位のお客様がお見えらしいですね」
 川村さんが堀田さんに向けた言葉は、私に意識付けようとしたのが分かります。
 「それと、会場に行くときは忘れずに免許証と名刺を持って行って下さいね」
 川村さんが続けた言葉に私は恐々頷きましたが、隣から「はい」と小さくですがハッキリとした妻の声が聞こえました。


 「では、浴衣を着ておきましょうか」
 堀田さんの声に紀美子さんが襖を開け、中から浴衣を取り出します。
 それを纏(まと)った私は「ふうっ」と深呼吸を一つ致しました。


 「菊地さん、大丈夫ですよ。今日が終われば菊地さん夫婦は立派な清水様の奴隷仲間ですから」
 そう言った川村さんの口元が淫靡に歪んでいます。私の顔は緊張に引きつっている筈です。


 それから又しばらく、部屋は暗く、重く、静かな空間になりました。川村さん夫婦、堀田さん夫婦、4人が黙り込み、私達の緊張は膨らみます。いえ、実際の所、緊張しているのは私だけで、妻はこれから行われる集いを心待ちしてるのではないかとも考えてしまいます。この空間におりますと、心配と妄想が交互に沸いて来るのです。


 川村さんは今日の客は20人と言ってました。その中に見知った顔がいないか?。本当に自分は免許証や名刺を見せてしまうのか?。客の中に同僚や部下がいたらどうしようか?。近所の知り合いや身内がいたら?。子供の恩師がいたら何と言えばよいのか?。
 ここに来るお客も、後ろめたさや心配も少しはあるでしょうが、それでも私達の立場に比べればどって事のない筈です。
 ここにきて私の頭の中には、色んな事が渦巻き始めました。心臓も高鳴り、発汗を覚え、身体の震えを感じた時です。
 「あなた」
 手首を掴まれる感触に顔を上げますと、妻が覗いておりました。その後方では堀田さん達が立ち上がっているのが見えます。
 「あなた、行かないと…」
 

 私はハッと我に返り、腰を上げようとしました。
 妻の体温を感じたからなのか、少しだけ緊張が解けていく気がいたします。
 私は小さく…本当に小さくですが心の中で「よし」と声をかけていたのです……。

112NT:2018/11/27(火) 21:34:32
32


 遂に、私達夫婦のデビューの時が来てしまいました。
 会場となる部屋では、20人程のお客が私達の登場を楽しみに待っていると言うのです。そこに向かう私の身体は、自分でも強張っているのが分かるのですが、それでも磁力にでも引き寄せられるように前へ前へと進んで行ってしまいます。
 迷路のような廊下をしばらく歩き、突き当たりの所で前を歩く堀田さんが立ち止まりました。そこは狭い空間で、木目調の壁には薄汚れた扉があります。


 「菊地さん、どうか余計な事を考えずに、流れに身を任せて頑張って下さい……。では、後程」
 後ろを歩いていた川村さんが、そう言ってニタリと笑みを浮かべました。
 川村さんは堀田さん達にも軽く会釈をして、夫婦そろって廊下を戻って行ってしまいます。
 残った堀田さんが改まるように、私達に向きました。
 「・・・・・・・」
 しかし、言葉はつかず黙って頷き掛けるだけです。司会をする堀田さん達にも、緊張の色があるようです。
 堀田さんが一人頷き扉に手を掛けますと、私は心の中で「ふうっ」と息を吐いたのです。


 扉の向こうは、想像していた通りの仄暗さでした。大きさは前回のものと同じ位でしょうが、あの時は10人位の男が、今回は倍の20人です。足を踏み入れた瞬間に感じたものは、20人分の暗くて重い眼差しでした。
 部屋は密度が増しているせいか、早くも熱気でムラムラしています。
 仄暗い電球の下からは、男達の顔がボオッと浮かび上がって見えます。その男達の顔つきはどれも、好色で、下品で、厭らしそうな感じです。
 目は直ぐに慣れ、部屋全体の様子が分かってきますと、緊張に膝が震えました。腰を降ろす男達は、私達と同じような浴衣を着ているようです。部屋の奥では清水が、ニヤ付きながら私達を見ているのが分かりました。私は顔を隠したい気分ですが、恐々前を向いているのです。


 「ええ〜それでは……」
 隣に立つ堀田さんからも、緊張を含んだ声が聞こえてきました。
 「み、皆さま……本日は新しい奴隷夫婦のお披露目に御来場頂き誠にありがとうございます。本日の司会を任されました奴隷夫婦5号の堀田学と妻の紀美子でございます。どうかよろしくお願いいたします」
 「・・・・・・・」
 「本日デビュー致します隣におりますこの夫婦は、例のサイトで釣りまして。私達にとっては二組目となり、奴隷全体としましては10番目となる“ツガイ”でございます」
 「・・・・・・・」
 「では最初に、この者達の性癖を軽くお話ししておきたいと思います」
 堀田さんもこの日の為に挨拶を考えていたのでしょう。私達の事をどう話すのか……、私は心臓の鼓動を覚えながらも、堀田さんの口元が気になります。

113NT:2018/11/27(火) 21:35:12
「まず牡(オス)の方でございます。この者はお堅い仕事に就き、世間からも評価を受けてきた人間ですが、それだけにこの男には『あの人に限って』というフレーズがとても似合います……」
 堀田さんの第一声に、私の目が恐々ですが部屋の隅々へと走りました。最初から心配していた事ですが、私の事を正に『あの人に限って』と言う人間がこの場にいないかと気になっていて仕方ないからです。


 「性格は生まれついての小心者で、性癖は典型的な寝取られマゾだと思います。そして隣にいる牝(メス)の方です」
 その言葉に今度は、眼球が妻の方を向こうとしました。堀田さんの言った事は見事に当たっているのですが、夫の事を『寝とられマゾ』と言われ、そして自分自身の事をどう話されるのか………私は妻がどんな気持ちでいるのかも当然気になってしまいます。


 「この牝も牡と同じく堅い仕事をしているのですが、この者も昔から清楚、貞淑と思われながらも卑猥な妄想を溜め込んでいたようです」
 「・・・・・・・」
 「二人は……いえ、この二匹はある時、例のサイトに“出会い”を求めてやって来まして。そして私達と知り合ったのです」
 「・・・・・・・」
 「それでは、このツガイに挨拶をさせたいと思います。皆様、拝聴をお願い致します」


 堀田さんが一息ついたのを確認して、私は意を決して半歩前に踏み出しました。
 一斉に向かってくる視線は、改めて緊張を思い出させます。昔から小心者で、人前に立つ事さえ苦手だった記憶を見事に甦らせるのです。それでも私は勇気を振り絞って…………。
 「み、皆さま初めまして。……奴隷夫婦10号の菊地俊也と妻の浩美でございます」


 発した言葉が自分の耳に、やけにハッキリ聞こえた気が致しました。そして、客座の反応を無意識に探ってしまいます。ですが私は、用意していた言葉を思い浮かべ、続けました。
 「年齢は私俊也が42才。妻の浩美は40才です。……子供は高校1年生の男の子が一人おりまして、現在は静岡県で寮生活をおくっております」
 「・・・・・・・」
 「い、家は東京の杉並区でして、現在の仕事は私は◯◯市役所に勤め、……妻の浩美は◯◯市役所に勤めております……」
 私はそこまで言った瞬間、身体全体に発汗を覚えました。私を見つめる無数の男達はずっと黙ったままなのですが、私の氏名や住所、それに勤務先を聞いて声を上げる者はいないかと身構えてしまいます。


 「それで……私達夫婦は昔から揃ってむっつりスケベでして、子供が地方に行った事を幸いにと、それまで溜め込んできた妄想を実現出来ないものかと、色々やってみようと思いました…」
 「・・・・・・・」
 「とは言いましても、家の中で裸になってエッチなポーズを写真に撮るくらいがやっとの事でして。その後、同じ“癖”の夫婦を探してみようと、皆さまもご存じの“サイト”に行き、そこの掲示板で堀田様と知り合い、そして清水様と出会う事となりました……」
 「・・・・・・・」
 「……今の私達は…」
 と、そこまで話した時でした。客座の真ん中辺りから声が致しました。
 「おいおい、何を勿体ぶった喋り方してんだよ。え?」
 「・・・・・・・・・」
 「そのイライラする喋り方は止めて、清水さんと会ってどんな嫌らしい事をしたか。それと、今はどんな変態的な事をしたいのか、早くそれを言えよ!」
 「!…………」
 男が何を言ったかはよく分かりましたが、私はドスの効いたその声に身体は震え、胃袋の辺りから足元に掛けて力が抜けていくような感じがしました。要はビビってしまったのです。奥に見える清水の表情(かお)は愉快気です。
 頭の中は舞い上がり、それでも何か言わなければというのは分かるのですが、唇はワナワナと震えるだけで言葉は一向に付きませんでした。その時です。
 「申し訳ございません」
 と、隣から声がしたのです。

114NT:2018/11/27(火) 21:38:07
 私は一瞬唖然としましたが、その横で妻が一息ついて続けました。
 「・・・・妻の浩美でございます。あの…主人に代わりましてアタシがお話しさせて頂こうと思います……」
 妻の声も幾分震えてる感じを受けました。そして“何を”言うのか?・・私は耳に神経を集中しました。しかし、私の耳には再び、客座の男の野太い声が届きました。
 「奥さん、エエ心掛けや。けど、先にアンタらの素性の確認をさせて貰えるか?個人情報の提示や」


 関西弁の男の言葉に、他の男達の顔に下卑た笑みが浮かんでいくのが分かりました。私の手はゆっくり浴衣の袖の裾に向かいました。そこには妻から預かった物も含め、私達の免許証と名刺が入れてあったのです。
 私は裾からソレを取出し、手のひらの上で揃えようとしました。しかし緊張のせいでしょうか、それを下に落としてしまったのです。
 それを拾おうとする私の動きはオドオドしていて、手を伸ばしたその横からニュッと別の手が伸びてきました。
 顔を上げると堀田さんが、ソレを拾い上げ、そして揃えながら部屋の奥を見つめた気がしました。清水に確認を取ったのでしょうか。


 「皆さま、間違いなくこのツガイの免許証と名刺です。ジックリ御覧になって下さい」


 私は堀田さんが端に座る男に、ソレを重ねて渡す様子を見ながら、心の中で「ああ…大丈夫だろうか……」と、呟いていました。住所や職場の所属までも書かれた、私そのものを証明するものです。男達がそれを見てどういうリアクションをとるのか…私は目を凝らし客座の様子追いかけました。


 名刺に免許証は、端に座る男から順番に廻って行きます。ソレを手にする男達からは、揶揄(やゆ)する言葉など何も上がりませんが、時々意味深な笑いが溢れます。私に出来るのは、祈る事だけなのですが、胸は苦しくなっていく一方です。もし『アッ』と驚く表情が現れた時は、それは私を知っている……もしくは妻を……。あるいは職場や居住地に馴染みを持った者がいるという事ではないでしょうか。もしそうであれば、その者が私達を訪ねて来るのでは……。とにかく私は祈る気持ちだけで、客座の様子を目で追っておりました。
 列の真ん中辺りまで、回った時です。
 「奥さん、黙ってないで続けろよ」と、前の方に座る男から声が上がりました。隣の妻からは息を整える気配です。


 「は、はい……」
 そう呟いて、妻が本の少しだけ足を踏み出しています。そして静かに喋り始めました。


 「……私達は堀田様御夫婦に“こちら”の世界に導いて頂き、最初の頃はお二人にココのホテルで白黒ショーを見せて頂き、次に相互観賞の相手をして頂きました」
 「・・・・・・・」
 「その次には別室での夫婦の交換だったのですが、その時…………」
 「・・・・・・・」
 「私は……清水様達に……可愛がって頂きました……」
 妻は清水達に“凌辱”された事を“可愛がって”とハッキリ申しました。その声質も無理に言った感じではなく。既にあの日の”痛み”は懐かしい記憶の一部にでもなっているのではないかと思ってしまいました….。


 「その後、清水様は私の職場まで来られ……はい……◯◯市役所です。……そこの男子トイレで清水様に遊んで頂きました……」
 その瞬間、客座でウオオッと、うねりの声が上がりました。
 「奥さん凄いねえ、男便所でオマンコして貰ったのかよ」
 男の一人が嬉しそうに言葉を吐き上げます。
 「ええ……はい。最初は仕事中にと…いう事もありましたし…それに…男子トイレですから……けど、いけない事と分かっていながらも、清水様に…その…キスをされたりアソコを弄られますと…」
 「・・・・・・・」
 私は、妻が『清水』『キス』『アソコ』と口にした時のその表情(かお)の歪みに、言い様のない痺れを感じました。まるでその時の快感を思いだし、それを与えてくれた“男”に媚びを売るような色が、滲み上がった気がしたからです。

115NT:2018/11/27(火) 21:38:47
「奥さん、変態だなぁ。それで、そこでどんな風にオマンコして貰ったんだよ」
 「はい……。狭い個室ですから、こう……壁に手を当てまして……後ろから……」
 妻は無意識にでしょうが、微妙に身体を揺らし喋っております。


 「じゃあ立ちバックかよ」
 「ええ……はい」
 「清水さんの持ち物はよぉ、かなりデカイから奥さんもヒィヒィ言わされただろ」
 別の男の下品な言い方に、所々でこれまた下品な笑いが起こりました。それでも妻は、真面目にと言いますか、恐縮した感じで次の言葉を探しているようです。


 「清水様のアレはとても大きくて。その…入って来ました時は、頭の中が真っ白になって行く感じでした」
 「そうかい、そうかい。それで何回くらい逝ったんだい」
 「ええ……もう訳が分からなくて……何度も何度も逝ったと思います」
 妻が言い終えた途端、そこらじゅうから「うひょ〜」という感嘆が聞こえてきました。


 「奥さん、それでよぉ。清水さんの持ち物と旦那の持ち物とじゃ、どっちが良かったんだい」
 その時、おそらく全員でしょう。男達の視線が一斉に私に向かってきたのです。
 私は震えながら、妻を覗いてみました。しかし、妻は私の様子などこれっぽちも確認する事なく、いや……少しはしたのでしょうか、遠慮気味に「それは……清水様です」と言い切ったのです。
 まさに晒し者の私です。けれど覚醒した変質者の血のせいでしょうか、軽蔑交じりの笑い声を聞き取りながらも、身体が熱くなっていくのが分かりました。


 「奥さん、それで、それ以外にはどんな事をしたんだよ」
 「はい……。清水様にはそれ以外には、生まれて初めての野外露出を経験させて頂きました」
 「ひゃあ〜やっぱり。それで、どこでやったんだい」
 「ああ…はい」
 言葉の節々からは、か弱い嘆きの響きも感じていましたが、それでも妻の高鳴りが増していく気がしてなりません。


 「……清水様には運動公園の駐車場に連れて行って頂きました。…… 」
 「そうかい。どうだったよ、生まれて初めての露出は」
 「あ…いえ、運動公園では、あの…その…露出は車の中だけでして…それで…そこで…精飮を…。初めて男の方の精子を飲みました……」
 その瞬間、又々男達の重い吐息が漏れました。

116NT:2018/11/27(火) 21:39:23
「はい。それで……初めて裸を曝しましたのは、どこかの飲み屋街でした」
 妻の喋りは時系列になっていて、あの夜に聞かされた記憶が甦ってきます。そんな私の事などお構い無く、妻は自分の世界に入ったように続けました。


 「その飲み屋街に行った日は、車の中で着ていた服を全部脱がされまして……。その上からコートを1枚だけ羽織って外に出て行きました……」
 「・・・・・・・」
 「“野外露出”の様子は、エッチなサイトで見た事がありました……けれど実際に野外で肌を見せますと……」
 「肌!?…マンコだろ、マ・ン・コ。それに乳首と陰毛だろ」
 「ああ……そう、そうなんです。飲み屋の前で脱ぎました時は、頭がボオっとしてまして……あまり覚えてないんです……」
 「・・・・・・」
 「ですが、確かその次の日には何処かの商店街に行きまして……。そこで4、5人の中学生の前でこう……バッとコートを開きました」
 妻も手振りとまでは言いませんが、その時の様子を思い出すように喋っております。妻の瞳を横目に覗きますと、妖しい潤いで光って見えます。


 「変態だなぁ奥さんは、中学生の前でなんてよう。それでどうだったんだい、その時の気持ちとかはよう」
 「ああ……車の中で裸になりました時からもう、胸がドキドキしてまして……。けど、服を脱ぎますと何て言うのでしょう……そう……そうです、それまで纏っていた錘(おもり)を外すような感じが致しまして……」
 「・・・・・・」
 「外に出ました時はコートは着てましたが、風が身体に巻き付く感触がありまして……その通りを歩いていますと股間の辺りのスベスベする感じに、アタシは変態的な事をしてるんだって思えて、何だかモヤモヤしてくるのが分かりました」
 「・・・・・・」
 「買い物に来てる方が大勢いらっしゃったと思いますが、その人達がアタシの事をジロジロ見ている気が致しまして……なぜか、その人達に自分がどんな人間なのかを見て欲しくなったんです」
 「クククッ…それであろう事か中学生にマンコを見せたのかよ」
 男の言葉に流石の妻も苦い表情を致しました。けれど直ぐに、妻の瞳はトロ〜ンとしていったのです。


 もう私の考えてきた挨拶など役にたつ気配もなく、いつの間にか妻と男達の卑猥な会話が問答のように続いておりました。それを聞く私は、“情けない夫”としてそこに立ち竦んでいるのでした………。

117NT:2018/11/27(火) 21:40:19
33


 私達夫婦の奴隷としての“お披露目”は、始まって直ぐに妻の調教の履歴の語りとなっていました。
 妻は、堀田さん達との戯れから清水達との淫靡な秘め事を順に話しているのです。


 「奥さん、それでどうだったんだよ、未成年にマンコを見せた時の気持ちはよぉ」
 妻に質問等浴びせていくのは、きまった3、4人ですが、それでも他の男達も満足げに愉(たの)しんでいるのがその表情からも分かります。
 私達夫婦の名刺と免許証も、いつの間にか最後まで回ってしまったようです。


 「ああ…はい…。そうなんです、未成年に不純な行為…しかもこんな変態的な事をしたなんて……。後になってとんでもない事をしたと、胸はとても痛んだのですが……。それでもその時はもう、何て言えば良いのでしょうか…とにかく身体がゾクゾクして自分が自分でなくなっていく感じに興奮をしていたんだと思います…」
 「ふ〜ん、なるほど…。それで他にはどんな事をやったんだ?」
 「はい……」


 その時、「チョッと待ちなよ」と別の男の声が致しました。
 「奥さん、その浴衣を脱いで話しな。その方がもっと気分が上がるだろ」
 「・・・・・・・・・」
 男の声に、堀田さんが奥にいる清水に確認をした気が致しました。そして私達の方を向き直って頷いたのです。


 今日のこの場所で裸を曝す事は言わば時間の問題でして、まして尻の穴まで拡げて見せる事も覚悟していた私達夫婦です。それでも妻は、一旦戸惑った素振りを見せましたが、一呼吸おくと細い指先が浴衣の結び目に向かったのです。
 そして、帯がスルスルと下に落ちていく様子に、私も自分の帯に手をやりました。
 その時また、関西弁の男の声がしました。
 「こらこら、アンタはまだ脱がんでエエよ」
 その男の目が、汚いものでも見るように私を見つめております。
 私の手はピタリと止まり、神経は妻へと向き直りました。


 「そうだ。奥さん、中学生の前で拡げた時の事を思い出してやってみろ」
 男の声に妻は口を噛み、顔全体が刹那そうな雰囲気になっていく感じがいたしました。しかし、両手は浴衣のあわせ衿を掴みますと、ギュッと握り、ゆっくりそのまま下がっていきました。
 浴衣は重ねられたままに、両手がお腹の辺りで止まると、今度は妻の足がその場で足踏みをしました。私の目には男性が小便器の前で立ち位置を整えるように足踏みをしたように見えたのです。そしてチンポを突き出すように股間を突き出し、両膝が外側に開いた気がしました。
 男達の目は「ほら」「はやく」と投げかけている感じがいたします。
 妻の顎が軽く上向いた時です。一呼吸おいて“バッ”とコートが…いえ、浴衣が拡げられたのです……。
 浴衣の中身は中年女の熟した肢体です。脂(あぶら)の乗った膨(ふく)よかな身体は、紫カラーの下着によって卑猥さが増しています。


 妻は両手に浴衣の端を握り、開いた格好のままで固まっています。私は妻の姿を正面からも覗きたく、腰を屈めるとコソコソと男達の側へと身体を動かしてしまいました。
 客座の男達も私の動きなど気にする事もなく、いや、妻の姿に見入ってしまい私の事などどうでもよかったのか、誰一人何も言いません。

118NT:2018/11/27(火) 21:41:18
猥褻な姿態は男達の沈黙の視線に曝されております。その時“ソレ”に気付いた男から声が上がりました。
 「おおっ、刺青かよ!」
 最前列の男が“華”のマーキングに気づいたのです。
 回りの男達もソレに気づき、乗り出してきますと、私もその中に紛れるようにして、妻の姿態を覗き続けたのです。


 「それにしても卑猥な格好だねぇ」
 「奥さん、ひょっとして未成年相手に淫行もやったんじゃないのか」
 「そりゃそうだろう。何でもOKの公衆便所だもんな」
 容赦のない言葉に、妻は口元を閉じたままで、表情(かお)はますます暗身を帯びてきています。その様子は病的な感じで、先日の野外露出の時と同じような雰囲気です。


 「お客様、ちょっと失礼しますね」
 見れば清水の部下の一人が、カメラを抱えております。私は思わず顔を隠してしまいます。
 カシャ、カシャ、カシャと何度かフラッシュが炊かれました。その間の妻は、浴衣を大きく拡げたままで、豊満な乳房、熟した下腹、ムッチリした下半身、それらを曝しておりました。勿論、“華”がマーキングされた辺りも息づいて見えます。


 「奥さん、そろそろ全部脱ごうや」
 関西弁の男のネットリとした言葉に、周りの男もウンウンと頷いております。そして何を隠そう、私も一緒になって頷いているのです。


 細い指先が滑るように浴衣をはだきますと、背中に回ります。ハーフカップのブラが下に落ちたところで、又、部下の男の声が致しました。
 「浩美、Tバックが食い込んでる所もお客様にお見せしろ」
 その言葉に、妻は従順にクルリと背を向け、その巨尻を突き出しました。


 「ああ〜たまんねぇなぁ」
 「匂いも嗅ぎてぇもんだ」
 その変質者のような声質に、私も巨尻の割れ目に顔を埋めたくなってしまいます。私の中からはそんな“高鳴り”と“羞恥”が、交互に湧いてくるのです。


 「奥さ〜ん、突き出したままショーツを脱げや」
 妻はもう男達の言いなりです。両手の白い指がショーツの端を摘まむと、巨尻は更に突き上がります。細い布切れは、菫色の肛門とその下の陰毛にも食い込んでいます。そのショーツは臀部の揺れに合わせるように、脱ぎ下ろされて行くのです。


 全裸になった妻は、言われるまでもなく振り返ります。そのタイミングに合わせるように、又、声が上がりました。
 「奥さん、そのタトゥーをよく見せてくれ」
 男の声に私も、その部分を凝視致しました。記憶にあった妻の股間の翳りも、間違いなく整えられております。そして、ヘソ下何センチ位でしょうか、剃り際の直ぐ上の所にある華は薔薇のようです。


 「奥さんよぉ、その刺青はいつ彫ったんだい?」
 「……実は……」
妻が俯きながら私を覗いた気が致しました。
「つい先日、河川敷の男子トイレで……。そこで清水様の部下の方達に……」
やはり思っていた通り、私が“覗き行為”を終えた後に、清水の部下とあの浮浪者達に弄られていたのです。そしておそらく、妻は私の存在に気づいていたのだと……
その時また、堀田さんの声が聞こえてきました。

119NT:2018/11/27(火) 21:41:51
「み、皆様……あの……ツガイには順を追って話しをさせたいと思うのですが….よろしいでしょうか……」
 客座の男も、勿論私も、事の流れをどこか忘れて、妻の痴態に見入ってしまっていたのです。堀田さんの畏まった姿勢に、渋々なのか納得したのか分かりませんが、男達が座り直していきます。そして私は、コソコソと妻の横へと戻って行ったのです。
 私が妻の隣に立ったのを確認して、堀田さんが「ええっと確か…清水様達と商店街で露出したところでした」と、妻の顔を覗きました。
 「・・・・・・・」
 「・・・・・・・」
 呼吸を整え、履歴を思い出しているのか……勿論それは凌辱、調教の履歴ですが……無言の視線を浴びながら、妻の頬がピクピクと震えました
 「あ…。ええっと、そうでした。商店街で露出をした後の事です」
 妻は我に帰ったように、再び喋り始めたのです。


 「…その後、清水様には河川敷の公園に連れて行って頂き、そこの男子トイレで、あの……ふ、浮浪者の″おチンポ″を…その……シャブらせて貰いました…そして、その方達のザーメンを呑ませて頂きました…」
 「うへぇ〜マジかよ!それで、どんな味だったよ……ん?臭かったかい?」
 男のどこか嬉しそうな声に、妻はその時の″味″を思い出してるのか、私には喉元がゴクリと動いた気が致しました。


 「……に、苦くて……それに、臭くて。……ですが、二人目の方のを咥えました時は……その」
 「・・・・・・・」
 「何故か夢中になっていまして……しゃがんでオシャブリしてたのですが、アソコがジンジンしてきて……一緒になって高鳴りを求めた気が致します……」
 「それで、その浮浪者とオマンコもしたのかよ」
 「ああ……いえ」
 「何だ、マンコはしなかったのかよ」
 「・・・・・」

120NT:2018/11/27(火) 21:42:25
妻の沈黙をどう解釈したのか、男の一人が。
 「ははん、本当は自分からオネダリしたかったんだろ。でもその時は出来なかったんだな……。まぁいいや。それで他にはどんな事をやったんだよ」
 「はい……。その次はこちらのホテルで堀田様達3組の御夫婦の……その……″集い″の様子を見学させて頂きました」
 言い終わると同時に、奥に座る男の一人から声が掛かりました。
 「俺はその時ここにいたぜ。奥さんともマンコ、させてもらったぜ」
 その声に、他の何人かの男の顔や口元が嬉しそうに歪んだのが分かりました。
 ここには清水の客が20人ほど来ているわけです。当然その中には“集い”に参加した者もいるでしょう。そして、妻とセックスをした男が何人もいるはずです。その男達も含め、この場にいる男全てが妻とのセックスを意識し始めたのではないでしょうか。


 「み、皆様……その集いは私達5号夫婦を含め、3組の奴隷夫婦がおりまして……このツガイは言わばゲストだったのですが……その……清水様の御配慮で……はい、参加を許されたのです」
 堀田さんも司会の立場を意識してか、何か気の利いた事を言おうとしたのでしょうが……けれど言葉は緊張に震えている様子です。


 「だいたい、どんな事をしてきたかは分かったわ。それで今はどんな事をしたいんや。ん?今日は“何を”みせてくれるんや?」
 「・・・・・・・」
 「・・・・・・・」
 関西弁の言葉は妻一人にではなく、私達夫婦に向いておりました。男の目が得体の知れない圧力となって向かってくる感じです。
 妻の口もつぐんでしまい、沈黙は確実にプレッシャーになっておりました。私は何かを言わなければと思いながらも、堀田さんの顔を覗いてしまいました。要は助けを願っているのです。


 「あ……あの、皆様……。恒例となっておるのですが、奴隷夫婦のデビューの前に行っている“予行練習”みたいなものがありまして……」
 「・・・・・・」
 堀田さんがそこまで話している途中で「それは前も聞いた事があるぞ!で、奥さんよ、その時はどんな事をしたんだよ?」と、これまた嬉しそうな声が聞こえてきました。
 「はい。その時は先輩奴隷の皆様の前で、その……主人と白黒ショーをお見せ致しました……」
 「へぇ〜なるほどね。じゃあ今日は夫婦でオマンコするところを見せるんだ」
 その男が言い終わるのとほぼ同時に、堀田さんの一際大きい声が聞こえました。
 「は、はい。皆様…こ、ここからが今日の“お披露目”のメインイベントなのです」
 私から見える堀田さんの横顔は、高揚して見えます。隣の紀美子さんは、ここまで何一つ喋っておりませんが、それでもその表情は“何か”を楽しみに待っているような感じに見えます。


 「では、牝(メス)はそのままで……牡(オス)はあちらに………」
 “あちらに”と、堀田さんの目が向いたのは入口の所でした。その扉の横にはいつの間にか、巨漢の清水の部下が腕組みして立っております。
 男の目付きも清水のように鋭く、そして冷たい感じが致します。私の頭の中では「なぜ私だけが」と、不安と心配が膨らみます。


 扉の方を向いた私の足は、誰の目にも震えてるのが分かったと思います。隣の妻に助けを求めるような眼差しにも、怯えの色が見えているはずです。巨漢の男の目が有無を言わさず「早く来い」と見つめておるのです。
 私は想定していなかったこの展開に、不安を覚えながらも巨漢の男の元に向かいました。
 部屋を後にする際、残った妻がこの後どうなるか?……そんな心配も勿論湧きましたが、それよりも我が身を心配してしまう根性なしの私です。


 目的の場所に続く廊下は、来た時よりも一層暗く、重い空気です。やがて着きましたのは、初めて入る小さな部屋でした。
 そして……その小さな部屋で……。
 大変な事が起こってしまったのです………。

121NT:2018/11/27(火) 21:43:29
34


 私は小さな部屋の隅で、素っ裸のまましゃがんでおりました。目の端には、無造作に投げ捨てられた妻とお揃いの紫カラーのパンツが見えております。


 この部屋に来たのは1時間前だったか30分位前だったか、そんな時間の流れも分からなくなっております。残してきた妻の事は気になっていましたが、我が身に恐怖を感じた時には、逆に『助けてくれ』と妻に念を送った記憶が残っています。


 ふう〜ッと溜息を吐いて、この部屋に入ってからの事を思い出してみました………。
 清水の部下の一人、巨漢の男に連れてこられたこの部屋の中には、なんと川村さん夫婦が待っておりました。「なんでここに川村さんが…」と、二人を見つめる私の肩を、男の大きな手がポンポンと叩きました。
 強張る私に男が『あっちの部屋では今頃、アンタらツガイが白黒ショーをやったとして、客の前で旦那の方は“勃つか、勃たないか”の賭けをしてる所だぜ』と、言ったのでした。
 確かに妻との交わりの際に、もし勃起しなければどうしようか…と、心配していたのは事実です。ですが、あのスウィートルームで、川村さん達を前にそこそこの事は出来たと自負もありましたので、心の中では「何とかなるだろう」と思ってはいたのです…。
 黙り込んだ私に、男は下品な口調で続けました。
 『賭けの結果がどうだろうと、みんな、アンタらツガイのショーを楽しみにしてるからよ』


 男が言ってる事と私がこの部屋に居る事がどう繋がるのか分からなかったのですが、そんな私の表情を読み取ったのか、又、男が続けたのでした。
 『そう言えばアンタは、今日の自分の役割を聞いてなかったんだよな……。浩美は知ってるんだがよ』
 “妻は知っている!!”…その言葉に私は、川村さんの顔を覗き込みました。しかし、男の手がすっと伸びたかと思うと、首根っこに物凄い力を感じました。男はそのまま私をうつ伏せに押さえつけ、浴衣を脱ぎ取ったのです。
 私は、黙って脱げと言われれば大人しく脱いだはずなのですが、男はあえて屈辱を与えるやり方をしたのです。そして男は、続けて私の尻を一打ちすると紫カラーのTバックパンツを抜き取ったのです。
 あの客座で男達の前に“尻”を向け、アナルまで曝す覚悟は出来ていた私でしたが、このような暴力的な形で裸にされた事に言いようのない惨めさと不安を感じていました。そして、続いて吐き出された言葉に、天井がひっくり返るほどの衝撃を受けていました。


 『今から浣腸するからよ…。分かったな』
 『!?…』
 その男は愉快気に告げたのでしたが、当然、頭の中には『なに?なぜ!』と、そんな言葉が浮かび、その“浣腸”という言葉からは“アナルセックス”という言葉が連想されていました。そして、頭の中では更に『カンチョウ?…でも、どうして』という言葉に続いておりました。


 先程から黙ったままの川村さん夫婦の前で、私は四つん這いにされ、首根っこを掴まれ、顔は横向きで床に押さえつけられたままでした。尻は突き上がったままで無防備で、その私の目元で男がしゃがみ、雅代さんから“ソレ”を受け取りました。そして、嬉しそうにかざして見せたのでした。
 『えッ!!』
 それはやはり大きな浣腸器で、SMサイトなどでしか見た事がなかった物でしたが、不自由な態勢で見るソレに、言い様の無い迫力を感じていました。
 背中の方では川村さん達の動き回る気配があり、カタカタ鳴る音が聞こえてきた時には又、SMサイトでよくあるシーンを覚悟してしまっていました。
 間違いなくソレは、洗面器と薬液のボトルが触れあう音で、私は心の中で『助けてくれ』と叫んでいたのでした。


 浣腸などをされるのは生まれて初めての事で、アヌスが冷やっとしたものを感じた時は、思わずソコに力を入れました。
 『力を抜いてください。傷がつきますから』
 聞こえてきた声は雅代さんのもので、男から浣腸器を受け取ったのが分かりました。私は身体をひくつかせながらも、尻の穴を恐々と緩めていったのでした。
 それから直ぐに、腹の中が生温い膨らみで満たされていきました。ソレが何本か続きますと、今まで感じた事の無い苦しみが股間の辺りからヘソの方まで広がっていきました。
 意識は抵抗を指示しましたが、恐怖の為か身体も言葉も言う事を利きませんでした。そしてもう、“最悪の瞬間”が近づて来る恐怖に『で、出ます。………出そうなんです………』と、言葉を絞り出しておりました。

122NT:2018/11/27(火) 21:44:18
『あと1本です。もうちよっと我慢して…』
 後ろから聞こえる雅代さんの声に、唇を噛み締めました。それから最後の薬液が腹に侵入してくる時間は、我慢の限界でした。目は涙目で唇は酷く歪んでいた筈です。
 アヌスから器具の先端が抜ける時は、同時に全てが排出される恐怖を感じましたが、最後の力を振り絞ってソレを我慢しました。男の『さあ、もういいぞ』……その言葉を聞きましても、身体は痺れて自分では起き上がれませんで、『仕方のない奴だ』と、舌打ちと共に男の手が脇腹に入って来たのです。


 『おい、絶対ここで漏らすなよ』
 男が真顔で告げると、川村さんも反対の脇腹に手を入れ、私を二人で持ち上げ廊下へと運び出したのです。
 眉間にシワを寄せて運ばれる私は、「まさか、客座で」と、恐ろしい瞬間をイメージしてしまっておりました。けれど連れて行かれたのはトイレで、個室に入った瞬間に涙目のままソレを放(ひ)り出しておりました。


 『終わったら尻(ケツ)の穴をよ〜く洗っておけよ』
 男の声に私は、惨めな我が身を意識しながら、時間を掛けてソコを洗ったのでした。
 そして、トイレを出た後は部屋に戻り、裸のままで部屋の隅に崩れ落ちたのでした………。




 「さあ、これからが今日のメインだな」
 放心状態だった私は、その男の声に顔を上げていました。
 屈強な男の顔は、心から嬉しそうな感じで、改めて清水達のサディステイックな性質を感じてしまいました。しかし………自分のマゾ気質も嫌というほど分かっているつもりでしたが。


 私は紫のTバックパンツを身に着け浴衣を羽織りますと、男と川村さん夫婦に囲まれ、妻が待つ先程の部屋へと向かいました。確かに腹の中はスッキリした感じがあるのですが、この後の展開には不安しかありません。なぜ男の私に浣腸をと………。
 そんな事を考えながら、遂に部屋の前にたどり着いたのです。


 「さあ行こうぜ、色男」
 そう言って男が扉に手を掛けます。
 私はもう生板の上の鯉で、従うしかありません。


 扉が開かれ1歩入りますと、目についたのは熟した裸の背中と浴衣の前をはだけた男達の姿でした。
 その時「あっ、皆様…牡(オス)がやっと戻ってまいりました」と、堀田さんの声が聞こえてきたのです。


 「ありゃま、良いところなのに帰って来たのかよ」
 半裸の紀美子さんにフェラチオさせている男が、私の顔を見ておどけてみせます。


 「旦那さんよぉ、遅いから奥さんの口を使わしてもらってるぜ」
 声の方を向きますと、部屋の後ろ辺りで、全裸の妻が仁王立ちの男の物を受け止めております。
 どうやら私が連れ出されている間に、妻とそれに紀美子さんまでが慰み者として男の精処理をしていたようです。その時又、堀田さんの声が致しました。
 「皆様……まだ“抜いて”おられない方もいると思いますが、牡が戻って来ましたのでツガイのショーの方に移りたいと思います…」
 声を聞いた男達は、各々で元の席へと戻ります。妻達にシャブラせている男も心残りに……いえいえ、余裕の表情で一物を収めております。紀美子さんは唇に付いた残り汁を指でかすめ取り、飲み込んだ様子です。妻はどこか虚ろな感じで、フラフラしながら前方の堀田さんの横へとやってきます。

123NT:2018/11/27(火) 21:45:00
妻が堀田さんと私の間に立ちますと、男達が腰を降ろしていく様子が伺えました。その中の一人の男から「いよいよアンタらツガイのショーの始まりだな。旦那も早く脱げよ」と、刺々しい言葉が飛んでまいりました。
 私は堀田さんの顔を覗きますと帯に手をやり、続けてTバックパンツを脱ぎ取ったのです。
 並んで全裸を晒した私達夫婦は、改めて好奇の視線を浴びる事になります。男達も一度、“精”を放出したからなのか、先程より緊張が解け一層ふてぶてしくなった気がします。


 「で、では……お待ちかのねツガイによる“白黒ショー”の始まりです」
 堀田さんが口にした『白黒ショー』と言う言葉は、しっかり耳に届いておりました。“浣腸”が白黒ショーとどう繋がってくるかは今だ分かりませんが、頭の中はとにかく「上手くやらなければ」という焦りが生まれていたと思います。


 妻の手を取って一歩前に出ようとした時です。
 「えっ!?」と、その手が妻に弾かれてしまいました。見ますと妻は振り向き、堀田さんから“何か”を受け取っております。
 ソレは………。


 呆然とする私の横で、妻がソレを履き終えると振り返りました。
 私の目に映ったもの………。
 妻の股間には黒くて長く、そしてグロテスクな形………。妻はぺニスバンドを身に付けていたのです!!。
 妻の股間から伸びるソレは、それなりの大きさで、見事に天を向いております。


 唖然とする私を見つめる妻はやはり病的な感じで、清水からは『M』『変態』『重度のマゾ』と呼ばれ続けた妻ですが、目の奥にはサディステイックな色が浮かび、淫揚な香りで私に覆い被さって来る感じなのです。その気圧に後ずさりしますと、川村さんがこちらに向かって来る姿が見えました。
 川村さんが私の腕をとりますと、その反対側には堀田さんの腕が絡んできております。
 有無を言わさず私をしゃがませようとする二人。私はもう、事の成り行きを悟っておりました。今日の“白黒ショー”とは、妻の“ぺニス”で私のアナル処女を散らすショーだったのです。
 ほぼ無抵抗で、川村さんと堀田さんに導かれるように四つん這いの格好になった私。今度は雅代さんに紀美子さんまでが寄って来ました。
 四つん這いの状態から首だけを捻りますと、雅代さんの手にローションの容器が見えました。頭の中ではソレが、何に使われるかは分かっておりました。
 紀美子さんがしゃがむと、私のアナルをグイっと拡げます。そして間髪いれず、ヌルっとした感触がありました。ローションが着いた雅代さんの指が、侵入してきたのです。


 「菊地さん、力を抜くんですよ」
 この場にいる私達にだけに聞こえるような声が、紀美子さんから致しました。そうなのです、奴隷夫婦だけでショーの仕込みをしているのです。
 そして今度は「たっぷりとローションを塗りますから安心してね」と、雅代さんの声がしました。


 紀美子さんが私のアナルを拡げ、雅代さんがローションを塗り込む。それが何度か続きました。アナルから雅代さんの手が離れますと、又、「菊地さん、こっちを御覧になって。とても立派な“ぺニス”よ」と、紀美子さんの声です。
 四つん這いの体勢から再び首を捻りますと、雅代さんが今度は妻の疑似ぺニスにローションを塗りたくっております。


 「さぁ皆さん、ご注目下さい」
 堀田さんの声に川村さんに雅代さん、それに紀美子さんがサッと私達から離れます。私達夫婦がショーの主役だと、改まってアピールなのです。今、その中心……男達の視線は間違いなく妻のペニスと私のアナルに向いておるのです。
 私は客座に向かって尻を突き上げ、顔はもう泣き笑いで床に埋めています。その私の尻の横に、妻がしゃがんだ気配がありました。
 「皆様、アタクシの主人のアナルでございます。醜くみっともない物ですが、どうかご注目下さい」
 妻が言い終わると同時に、尻タブからアヌスに近い辺りに指が食い込み、そしてネチャッと一気に開陳されてしまいました。

124NT:2018/11/27(火) 21:45:30
「…皆様、主人はアタシと同じで、四つん這の格好で見ず知らずの人達に自分の性器や排泄器官を見て貰いたい人間なんです…どうか遠慮なく、罵(ののし)りの言葉を浴びせてあげて下さい」
 妻が言い切った後は、沈黙の空気が流れ始めました。羞恥と不安に震える私ですが、妻に言われた通り股間から腹の辺りがサワサワと不穏な高鳴りでセリ上がって行くような感じです。普通に考えれば男が男の性器や排泄器官を見て、喜ぶ筈は無いのですが、見られる私は不思議な気持ちになっていたのです。


 「……しゅ、主人は覗きの趣味もあるのですが、覗かれる方も好きな変態なんです」
 と、妻が言ったところで、それまで黙っていた客座から声が上がりました。
 「変態なのは奥さんも一緒で、アンタもさっき言ってたよなぁ、スーパーの踊場で下半身を曝したって。しかも一人で」
 「それに、夫婦だけで深夜の公園や住宅街で露出プレーもしたってなっ。確かにお前らは超変態夫婦だわ」
 聞こえてきました男達の言葉からも、私が別室で浣腸をされている時に、妻が先日の露出行為の事などを赤裸に告白していた事が分かりました。それをこの格好で聞く私も、改めて興奮を覚えてしまいます。


 「さぁ奥さん、進めてくれや」
 関西弁の男をはじめ、隅々から淫揚な空気が身体全体に振り掛けられる感じです。
 妻は立ち上がり、ムチでも入れるように私の尻をバシリと打ち付けます。思わず私はグッと気を張りました。
 それからアナルの入り口にネッチャッと侵入を感じ受けました。そしてソレは、徐々に厚みを増していきます。妻の指が1本2本と増えていってるのです。


 「ア、アナタ…行きますわ」
 私にだけに聞こえる声が致しました。


 アナルが妻の左手にでしょう、グイっと引っ張られるように拡がりを感じた瞬間は、思わずソコに力を入れていました。しかし、「力を抜いて下さい」との声に、フーと息を吐いております。
 アナルの周りにはピタピタと侵入を試みようとする感触があり「ああ…コレが疑似ぺニスか…」と、何か不思議な感じです。
 そして遂に、妻のぺニスが私を犯し始めました……。
 ググッと凹凸を感じた時は、一瞬光が弾ける感じでしたが、「はぁ〜」っと息を絞り出しますとブルブルっと身体が震えました。
 ソレの侵入は浅く深く、入って出て、また入ってとユックリながら確実に中へ奥へとやってまいりました。恐れていた痛みなどはさほど感じずに、けれど性的な快楽もないのですが、このような変態的な行為、しかも人知れずではなく大勢の前で行っている事こそに、言い様のない快感が湧いて来るようでした。そして妻と一緒になって、犬の格好で股ぐらを曝している事に至福の悦(よろこ)びを感じ始めたのです。そんな私達に、ザワザワと足音が近づいて来ました。


 「旦那さんよぉ、どうだい気持ち良いのかよ」
 「奥さんも、もう少し激しく突いてみろよ」
 気が付けば、男達がニヤニヤしながら私達を至近距離から覗き込んでおります。


 その時です。「おおっ、コイツ…やっぱり勃(た)ってきてやがるぞ」
 甲高い声が上がったのです。それは、 “勃つか、勃たないか”の賭けの結果が出た瞬間でした。そして直ぐに、他の男達も私の股間を覗き込んできます。
 妻は腰を打ち付けながら、時おり私の尻タブを擦ったり、乳首に手を伸ばしたり、そして袋から竿へと指を絡めていたのです。いつの間に身に付けたのか、妻は娼婦の小技を披露していたのです。


 「お客様、チョッと失礼しますよ。牡が牝に突かれて、おっ勃(た)ってるところを撮っときますか」
 ぶっきらぼうに聞こえて来た声の主は、清水の部下の一人でした。
 男は私の…いや、私達の姿や結合の部分、そして反り勃った一物をあらゆる角度からカメラに納めていったのです。
 そして最後に…お決まりの事です、名刺と免許証を私の背中に置いたりだとか、妻の腰辺りに貼ったりだとか、そして私達の口に咥えさせたりだとか、とにかく見世物としての被写体を演じさせたのです。勿論、妻との結合が解かれる事はありませんでした。


 私達は…素性をあかし、好き勝手な事を言われ、そして決定的な写真を撮られ、それでも変態チックな営みを披露する正真正銘のショー芸人でした。
 けれど、この姿こそ……世間体を気にして体裁を繕ろいないがら何とか社会的地位を得た私の裏の顔であり、真実の姿なのです。そして間違いなく、妻も同類なのです。
 私は見世物扱いされているこの状況に、得体のしれない高鳴りを覚えておりました……。

125NT:2018/11/27(火) 21:46:23
35


 私達夫婦・・牡と牝・・白と黒は、妻が夫を犯(や)るという奇妙な交わりを、客の男達、そして奴隷仲間の前で披露しておりました。
 妻の“ぺニス”は果てるはずもなく、小刻みに私のアナルを犯し続けていたのです。


 もどかしい呻きを漏らす私達に、嬉しそうな声が聞こえてきました。
 「俊也よぉ、お前も満更でもなさそうだなぁ」
 それは、私達夫婦を罠にかけ、たぶらかし、そして迷わせながらも堕としこんだ清水の声でした。


 「んんっ?初めてのアナルじゃ逝けそうで逝けないか?」
 清水の声は憎らしいほど落ち着いていて、その目は私の心の奥を覗き込んできます。
 「浩美もどうだ?お前もその格好じゃ逝けないかよ」
 清水の表情は改たな企てに、喜びを隠している顔です。その清水がうんうんと頷きながら部屋中を見渡しました。
 「では皆様方、このツガイをこの格好のまま逝かせてやりたいと思います。ご協力をよろしく」
 そう言って清水が、妻の臀(しり)をひと打ちしてから、割れ目の辺りを持ち上げるように開きました。
 四つん這いの私は、前屈みになった妻の身体…その重みを受け止めます。私の腰は妻の両腿に挟まれ、尻はぺニスに引き上げられるように更に上向きです。結合の部分がこれまで以上にクッキリと見える筈です。


 「さぁ、どなたから行きますか。この格好のまま、牝にぶちこんでやって下さい」
 「!!・・・」
 衝撃は頭の先から尻の穴にまで一瞬にして伝わりました。
 清水は、私を後ろから突く妻…その妻のマンコを、後ろから犯させようとしているのです。けれど当の妻は、さほどの驚きもなく、私に馬乗りになった体勢から更に股ぐらを拡げた感じです…私の背中がそう感じるのです。


 「じゃあ、俺から行かせてもらいますわ」
 関西弁の男の声が聞こえてまいりました。
 男の手が妻の背中や腰を押すと、その重みが私の方にも伝わって来ます。男が妻のソコを拡げますと、妻の緊張が私の緊張になります。男が挿入しますと、妻の吐息が背中に掛かります。そして、男の律動に妻の腰は揺れて踊ります。その振動はそのまま私の尻穴に、そこから身体全体へと快感となって拡がっていったのです。
 私のアソコは信じられない硬さに、信じられない反り上がりを見せ始めていました。先っぽからは、ガマン汁がヌルヌルと溢れ出てきております。
 男達もこんな奇妙な格好(かたち)での交わりは、初めての事だったのでしょう。最初の男の射精が終わると、物珍しさもあってか直ぐさま次の男が犯(や)りに来るのです。それが次から次へと続いていきました。
 やがて私も、絶頂の予兆を感じておりました。そして妻の肢体も、その兆候が繰り返されておりました。
 そして……。


 「あっ!」
 「んあっ!」
 「あぁッ!いっ、逝くッ!」
 「んあっ!あっアタシも又!」
 「で、出る!あぁっ、いい!いっ逝きます!」
 「アタシもーーー!!」


 遂に私達夫婦は、同時に果てました……。
 それは、夫婦が初めて経験する奇妙な射精とアクメでした。


 射精の後の脱力感を覚えながらも、私の意識の中には変態チックな格好(かたち)で高見を経験した自身に喜びも感じていたと思います。私は妻の重みを感じたまま、その自分の表情が厭らしく歪んでいるのが分かりました。そして、再度の射精を味わいたく早くも尻穴に気を張っています。そんな私の気持ちなど関係なく、男達は男達で射精を終えると次の者へと持ち場を譲るように代わっていきます。私は便器にでもなった妻、そしてそれを支えている自分に言い様のない喜びを噛み締めておりました。
 清水の言葉にはウソはなかったのです。“清水様”の見立てに間違いはなかったのです。私も妻も重度のマゾで生粋の変態で間違いなかったのです。


 「皆さん。さぁこっちにも肉の便器を用意しましたよ」
 清水様の声に両横に目を向けますと、右側に雅代さんが、左側には紀美子さんが、いつの間にか全裸になり四つん這いになって服従の格好です。私は笑みを浮かべ、そして親しみを覚え、一緒に快楽を得たいと心から思いました。勿論、妻も一緒に、そして永遠にと・・・・・・。

126NT:2018/11/27(火) 21:46:55
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 私達夫婦が奇妙な白黒ショーでデビューをはたしてから、半年近くが経っておりました。
 その後は定期的に清水様が開催される“集い”に呼ばれ、その時に与えられる役割を何とかこなしておりました。一番多いパターンは、妻が、四つん這いになった私のアナルを犯す、例の格好(かたち)のものでした。時おり、私が妻を犯す従来の白黒ショーを行う事もありましたが、お客様のウケが一番良かったのは、妻が責めるパターンだったのです。
 夫婦の交わりを披露した後はきまって、妻の輪姦に調教でした。私は、アナル体験をした事から、いつか男性客のぺニスもソコに受け入れる時があるのではと、心配する事もありましたが、今のところソレの気配はありません。
 妻の下腹に描かれた華のマーキングは、いつの間にか薄くなり消えていきましたが、いつか本物の刺青になったら…などと想像しては又違った妄想をするようでした。


 何度と“集い”で経験を積みますと、日常の変態行為にも拍車が掛かるようになりました。
 堀田さん御夫婦に呼ばれて奴隷仲間と“交換プレー”をしたり、野外露出をする事もありましたが、それよりも夫婦だけで公共の場所や深夜の住宅街などに出没してアソコを曝したり、未成年をつかまえてソコを見せつける行為は異様に興奮するものでした。又、職場の男子トイレに妻のアソコの無修正写真を貼り付けに行く行為にも興奮を覚えていました。妻の目線の部分は黒マジックで塗り潰していましたが、その横線を日に日に薄く細くしていく自分が怖くもあり、嬉しくもありました。
 妻は妻で、私の知らない所・・と言いましても、私は探偵気取りで後を尾(つ)けたりする事があるのですが、妻が一人で野外露出、ソレを覗き見する自分自身に悦楽を覚えておりました。


 デビューから3か月位たった頃には、清水様から改なミッションが与えられました。
 それは・・・人様に言えない後ろめたい願望を持った夫婦を探し、コンタクトをとり、誘い出し、そしてさりげなく引き込む事……そうです、私達のような夫婦を探し、私達のような夫婦に堕とす事でした。
 川村さんや堀田さん達からいくつかのサイトを教えられ、巧みで功名な文章やその言い回しを教授され、仕掛けをするのです。“初めての夫婦”を暗い闇の中に堕としこむ瞬間を妄想しますと、それだけでまた違った黒い悦(よろこ)び覚えるようでした。
 いつの間にやら何人かの夫婦ともコンタクトが取れるようになり、実際にその中の何人かと会える事が出来ました。真面目に“夫婦交際”を考える御夫婦を罠にかける時には心苦しさを覚える事もありましたが、黒い欲望には勝てず。また、真面目な仮面を着けた夫婦の裏の顔を、覗きたくて覗きたくて仕方なかったのだと思います。
 いつしか私達夫婦は、新しい奴隷夫婦を造り上げる事にも喜びを感じるようになってしまったのでした……………。


 エピローグ


 私は隣に妻を乗せ、車を走らせておりました。
 もう、会話が少ない事も当たり前のようで、けれど互いの変態度は認めあっている仲は間違いありませんでした。


 今日はサイトで引っ掛かった同年代の夫婦を、“奴隷夫婦15号”に仕立てる為の第一歩でした。その初めての顔合わせを、堀田さん達と一番最初に会ったホテルで行う為に向かっているのです。


 ホテルはいつもより盛況な感じで「ああ、今日は大安か。披露宴があるんだなあ」と、礼服を纏った人だかりを見つめておりました。


 ごった返すロビーの人波を横切りながらも、顔はしっかり俯いておりました。遠方のホテルではありますが、知人、友人、職場仲間、それとまさかではありますが長男とも会う事がないようにと祈りながらです。そして妻も、私と同じ想いで化粧室に向かっている筈です。


 私も化粧室に滑り込みますと、鏡の前で容姿を確認致しました。胸ポケットには、見せるかどうか分かりませんが名刺に免許証を準備しております。


 初めての顔合わせの時にはいつもこのホテルを使っていますが、この化粧室で、この鏡に映る自分の顔を見ると一瞬心苦しい感情が沸き上がります。しかし、妖しい高鳴りにかき消されていくのもいつもの事なのです。
 妻も今頃、きっと同じような心境の筈です。


 化粧室を出て待ち合わせのエレベーターボールの前に来ますと、妻が先に来ておりました。
 目が合いますと心の中で…「マンコが濡れてるんだろ?真面目な夫婦を堕とす事に黒い悦びを感じて濡らしてるんだよな」と、問いかけるのです。
 妻の目の奥で淫靡な光が瞬き、口唇が歪むのがその答えです。私達はもう、迷いのない夫婦なのです。


 そして、私達は頷き合うと肩を寄せ、“ある夫婦”が待つ喫茶室へと向かうのでした・・・・・。


 〜おしまい〜


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