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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

829反省する使い魔!:2010/08/03(火) 00:55:44 ID:cN2.i/sU

音石はどうするか考えていた。
しかし周りが見えない女をうまいこと説得する方法など
はっきり言って容易なことではない。

「フレイムで監視していたのはごめんなさい。
あなたが気になって仕方がなかったの」
「………キュルケ、ひとついいことを教えてやるぜ。
人間、『仕方がなかった』でいくらでも誤魔化せるんだぜ?」

これはつい昨日まで刑務所にいた音石だからこそ言えるセリフだろう。
『仕方がなかった』、どんな奴でも自分の間違いを否定するとき
必ずこの言葉を口にする。間違いの罪が深ければ深いほど
この言葉を口にする。刑務所にいた音石はそんな言葉を
口にする人間を人一倍見てきた。
だからこそ音石は、この『仕方がなかった』という魔性の言葉が
どれほど恐ろしいかよく知っていた。

「……そうね、貴方の言うとおりだわ。
本当にごめんなさい。でもわかって頂戴……、
どうしようもないのよ。恋は突然だし、
『微熱』の二つ名を持つ私のプライドが許せなかったのよ!」
(………これで『微熱』ねぇ〜〜)

音石は完璧に呆れかえっていた。
こんな自分を好きになってくれるのは正直うれしい。
しかし先程も音石が言ったように、昨日今日会ったばかりの相手と
恋人関係になるような観点など音石は持ち合わせていない。


……………………………その時だ。
突然、部屋の外窓を叩く音がした。
音石とキュルケが窓を叩く音に反応し、咄嗟に窓のほうを見る。
すると窓を見ると同時に勢いよく窓が開いた。
開いた窓の外には一人の少年の姿があった。

「キュ、キュルケ……、待ち合わせの時間に来ないから
来てみれば……。な、な、なぜよりによってその男と………」
「ペリッソン!ええと、申し訳ないけど二時間後に…………」
「い、いや……。きょ、今日の約束はなかったことでいいから……
は、はは……そ、それじゃあごゆっくり!」
「え、あ、ちょ、ちょっとペリッソン!?」

(……ここ、たしか3階だよな?……でもまあ、
メイジ相手に今更って感じもするな)

「ふふっ。彼、確実にあなたに怯えてたわね」
「……なあキュルケ、俺が思うに先約があったんじゃないのか?」
「彼の勝手な勘違いよ。私が一番愛してるのはあなたよオトイシ
それにもう過ぎたことじゃない?彼は約束はなかった事でいいって
言ってたんだから………」

(マジでおっかねー女だぜ、こいつの恋愛感情は子供のオモチャと一緒だ。
なにかを気に入ったオモチャを見つけるととことん遊び尽くすが、
また別の気に入ったオモチャを見つけると今まで遊んできた
オモチャは何の迷いもなしに捨てやがる。
ひとつの事に夢中になるが、それ以外のものは
すべてどうでもいいと認識しちまっているんだ。
………ああ、だから『微熱』なんて中途半端な二つ名なわけだ)


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