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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

746ゼロいぬっ!:2009/07/01(水) 23:46:13 ID:fafafQwU

「どうしたんですか、姉さん」
「年上に対する言葉遣いがなってないんでね、ちょっと教育してやったのさ」

心配そうに見つめるティファニア。
その視線に耐え切れずマチルダは捕らえた少年を解放する。
恨みがましそうに見上げる子供を睨みつけながら、
風邪を引かないように自分の着ていたローブを彼女に被せた。
ついでに言うと彼女の着ている服は薄手の布地で、
水に濡れると肌に張り付いて大変な事になる。
少年の情操教育に良くない物を隠していると、
子供達の一人が思い出したかのように声を上げた。

「大変だよ! 森の中に人が倒れてるんだ!
前の、竜のおじさんみたいに凄く血を流してる!」

その言葉に二人はすぐさま行動に移した。
少年の指差す方向へと走り出すと草木を掻き分けて進む。
やがて二人の前に目を覆いたくなるような凄惨な光景が広がる。
大木に寄り掛かる少年は正しく満身創痍だった。
傷口から流れ出た血は服を赤黒く染め上げ、
身体には何本もの矢が突き刺さったまま、
片腕は完全に黒く焦げて今にも崩れ落ちそうだった。

「………………」
「待ってて! 今助けるから!」

すぐに駆け寄るティファニアと裏腹に、マチルダは言葉を失った。
こんな偶然があるものなのかと思わず運命を信じてしまいそうになる。
マチルダにとっては敵同然だが何故か憎しみは湧かなかった。
それどころか、むしろ助かる可能性に安堵さえしている。

ティファニアが詠唱を行うと指に嵌めた指輪が光り、
致命傷と思われた才人の傷が次第に塞がっていく。
ふん、と鼻を鳴らすとマチルダは才人から目を背けた。
甘くなったのではない、ただ堪えられないだけ。
あの時のようにルイズが泣くのを見たくも聞きたくもない。
そんな自分勝手でつまらない理由。ただそれだけだ。


マチルダ・オブ・サウスゴータ(別名:土くれのフーケ)
……タルブ戦後、何食わぬ顔でオスマンの秘書として復帰。
その後、『破壊の杖』を強奪するも才人達に敗れて逮捕される。
しかしシェフィールドの手引きにより脱獄。
その代価としてクロムウェルより奪った『アンドバリの指輪』を引き渡す。
現在、アルビオンの孤児院にて慣れぬ子供の世話を勤める。

ティファニア・ウエストウッド
……孤児院で子供達の世話をしながら過ごしてきた。
今はまだ自分の運命を知らない。


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