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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

734ゼロいぬっ!:2009/07/01(水) 23:35:41 ID:fafafQwU

トリステイン魔法学院の広場に一人の少女が立っていた。
夜の帳が下り、赤と青の月明かりが彼女を照らし出す。
月光を浴びて彼女のトレードマークである金色の巻き髪が一層鮮やかに映える。
舞台の主役のように一人立つモンモランシーは複雑な表情を浮かべていた。
時には憂鬱に、または不満げに、ともすれば心配そうに、その表情を百面相の如く変えていく。
冷えた夜風に当たっても気分は一向に晴れない。
理由は分からないけれど何故だが不安が治まらないのだ。
心がざわついて部屋に篭ってなどいられなかった。

原因は分かっている。あのバカの所為だ。
別に正式に付き合ってるわけでもないのに、
どうして私がアイツの事で悩まなくちゃいけないんだろう。
安否を気遣うこっちの気持ちを少しは分かりなさいよ。
どんなに格好つけても死んだらただのバカなんだからね。
頭の中が思いつく限りの愚痴に埋め尽くされる。
よし、戻ってきたら殴り飛ばそう。
勲章なんて付けていても全然関係ない。
それだけの権利はあると思うから思い切ってやってしまおう。
……だけど、もし戻って来なかったら。

直後、草を踏み締める音に彼女は現実に引き戻された。
寮の明かりも消えた宵闇の中でも、2つの月が訪れた人影を映し出す。
踏み出した足に、赤く艶やか髪が炎のように舞い踊る。

「……キュルケ」
「夜更かしは美容の天敵よ。あまり感心はしないわね」

ちっちと指を左右に振りながらキュルケは冗談めいた口調で話しかける。
キュルケの暢気な態度に声を荒げようとするも、それこそ恥を晒すだけだと彼女は抑えた。
ここでそんな姿を見せれば一生ギーシュとの仲をからかわれるだろう。
ぐっと言葉を飲み込むモンモランシーを見つめながらキュルケは明るく接する。

「大丈夫、大丈夫。実家の伝手でアルビオンの戦況を知らせてもらっているの。
上陸してからも連合軍は連戦連勝。もうしばらくすればギーシュも帰ってくるわよ」

“ま、勝ってるのは連合軍じゃなくてゲルマニア軍なんだけどね”
とついでにお国自慢をしつつ、その豊満な胸を見せびらかすように大きく反らした。
平時と変わらない彼女の図太い神経に、全くと呆れつつも感謝する。
これじゃあ取り乱している自分の方が馬鹿らしい。


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