したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

726おれは使い魔になるぞジョジョーッ!:2009/06/24(水) 08:33:25 ID:veVAcdUo
その後もワルキューレの攻撃はことごとく空を切った。
「なに!あの足捌きは!」
「…見たことがない」
キュルケとタバサもその動きに目を丸くしている。
それもそのはず、ディオの取っている行動は20世紀に入ってから発達するボクシングのスウェーイングなどの防御テクニックだった!
余裕の表情で右に左にまた背を反らしてワルキューレのパンチを受け流す。気がつくとワルキューレがもう一体増えていたが、
これも難無くかわすッ!

「…くっ!」
ギーシュは焦っていた。当初の予定では腹に一発当てて動きを止めたあとゆっくりとなぶり殺しにするつもりだった。
だが、あの奇妙な動きの前に未だ一発も当てられない。
だが、ギーシュはまた分かっていた。あんな行動がいつまでも続くはずがない。
一方は生身の人間、もう一方は疲れなどとは無縁の人形なのだ。この勝負、長引けば長引くほど有利ッ!
実際ディオの顔からは段々と余裕が失われはじめている。このままではいずれあの重いパンチを食らってしまうだろう。
と、そこにシエスタが走ってくる。手には何かを持っている。
「ディオさん!頼まれたものを持ってきました!」
シエスタが持っている、メイジには見慣れない手袋のようなものはボクシングなどに使うグローブである。
そう、あの後厨房に入ったディオはマルトーに、拳で殴る為の武器を持っていないか聞いたのだ。

話は少し横に逸れる。
『殴る』というのは人間の基本動作の一つである。最も安易で、かつ相手にダメージを与えられる『殴る』行為は人間社会なら必ず発達する。
よってこのハルケギニアでもボクシングのようなものが平民社会でできていた。
もちろん様々な技術が生まれる前、19世紀イギリスのそれ程度だが。

残念な事にマルトーはグローブを持っていなかった。しかし知り合いに拳闘を好む衛兵がいる事を思い出すと、
シエスタに借りに行かせたのだった。

一瞬の隙をついてディオはワルキューレから離れ、シエスタのところへと後退する。
またディオが離れたのを見てルイズも駆け寄ってくる。
それを見たギーシュはどんな武器なのか興味をそそられて一旦ゴーレムを引く。
「分かってるの!このままじゃ勝ち目はないわ!」
ルイズが叫ぶ。
「あんたはよくやった。だけどそれだけよ!いずれあのパンチを食らって負ける!決まってるじゃない!いい加減に降伏しちゃいなさい!」
「ディオさん、ディオさんがここまでしてくれただけでも私は嬉しいです。だからもう…」
シエスタも『武器』を持ってきたもののディオを心配し、ルイズに合わせる。
ディオもその事はよく分かっていた。だが!ここで引く訳にはいかない!
あんなひょろひょろの少年に敗れる事はディオのプライドが許さなかった。
そしてそれ以上に!この勝負に負けたらディオは一生笑い者になり、計画は破錠するのだッ!

故にディオはシエスタからグローブを受け取ると、腕に嵌めながら二人に言う。
「忘れたのかい?この勝負に負けたらルイズは明日から生活できなくなるんだよ。」
「…あ゛」
「それに…魂が負けたと思った瞬間にもう負けは決まってしまう。だからおれは最後まで諦めないッ!!」
「…ディオ…」

と、その時、ディオは不思議な感覚に包まれた。疲れが吹き飛び、身体中に力が漲ってくるのだ。

ゆらりと立ち上がる。顔が影になっていてよく見えない。
「…ディオ?」
「……フフ…馴染む、馴染むぞォ!この気分!最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ」
反り返って高笑いするディオ。いきなりの変貌に周りはドン引きである。
それを気にする事もなく、ディオはギーシュのもとへと駆け出していく。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板