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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

712ゼロいぬっ!:2009/05/19(火) 21:20:51 ID:04CJGkrk

「無理に決まってるんだろ! 敵は七万だぞ!
そんな大軍相手に足止めなんて奇跡でも起きない限り……」
「奇跡なら起きただろ、あの時もよ」
「……タルブの戦いか!」

ニコラの言葉にハッと思い出したかのように傭兵達は顔を上げた。
このアルビオン戦に参加している傭兵の中にはタルブの戦いを経験した者も多かった。
正に奇跡というべき逆転劇を目の当たりしていた彼等に一筋の光明が差す。
それを眺めながらニコラは楽しげに話を続ける。

「そうだ。憶えているだろ、公の記録から消されちまった『ラ・ヴァリエール嬢の使い魔』。
そのたった一匹で大軍を蹴散らした怪物がよ、今度は七万相手に一騎駆けしてるんだとよ」

吹き荒ぶ嵐にも似たざわめきが傭兵達の間に広がっていく。
実際にその光景を目にした者も、また風聞でしか知らない者も、
また奇跡が起きるかもしれないと信じ始めていた。
全てを倒せなくとも統制を乱した相手ならば足止めも不可能ではない。

「上手くすりゃあ楽して大手柄だ。一生使い切れないぐらいの恩賞に与れるぜ」

親指と人差し指で輪を作りながらニコラはにやりと笑みを浮かべる。
その一言で傭兵達の腹は決まった。次々と自分の傭兵団へと指示を下していく。
せっせと作業に取り掛かる彼等を眺めながら、
ニコラは雨に濡れた自分の頭をがしがしと掻いた。
(まあ、嘘は言ってねえよな、嘘は)
たとえばラ・ヴァリエール嬢の使い魔が犬から人に代わってたとか、
そういうのは聞かれたら答えればいい事であって説明の必要はないだろう。
ガキの頃、神父に口酸っぱく『嘘だけはつくな』と叱られたので言いつけは守っている。
地獄に落ちると脅されても、これっぽっちも信じちゃいないが神父との約束だから仕方ねえ。
もちろん、神様も始祖も英雄も奇跡だって信じちゃいねえが。

「……大将、アンタの幸運に賭けてみよう」

平民の少女に助け起こされるギーシュを見つめながらニコラはそう呟いた。

ニコラ
……タルブ戦後、ギーシュの副官としてアルビオン戦役に参加。
戦闘経験のないギーシュを補佐し、彼にサウスゴータ一番槍を取らせる。
撤退戦では傭兵部隊を指揮し、アルビオン軍の追撃を押し留めるも包囲されて逃げ場を失う。
もはやこれまでと覚悟を決めて一人でも多く敵兵を道連れに……とは露ほども考えず直ちに降参。
鉱山で仲間に愚痴を聞かされながら強制労働に勤しむ。


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