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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

707ゼロいぬっ!:2009/05/19(火) 21:16:36 ID:04CJGkrk

「どうして“ゼロ”だけ行かせたんだ!
上手く言えば俺達も乗せてもらえたかもしれないだろ!?」
「そうだ。いくらラ・ヴァリエールだからって特権を振りかざしていいものか!」

貴族として特権を振りかざす人間の言う事か、そう言おうとしてギーシュは口を噤んだ。
どうも悪友と付き合いだしてから口が悪くなったような気がする。
だが気分は悪くない。ああいう風に生きられるならどれほど楽だろうか。

「僕達にあの船に乗る権利はない」

神経を逆撫でると知っていてギーシュは平然と口にした。
激昂する彼等を見上げながら、それだけはどうしても譲れなかった。
ルイズを船に乗せたのは、彼女を守る為に残った才人の『権利』。
命も名誉も何も残らない戦いに望む、彼の当然の権利だ。
それを知っているからこそギーシュは船には乗らなかった。

鈍い音が響きギーシュの身体が投げ出された。
頬に走る痛みと熱。それを実感して初めて殴り飛ばされたのだと理解した。
拳を鳴らしながら志願兵達が倒れたギーシュへと詰め寄る。
その眼には憎悪の炎を灯し、まるで親の仇にでもあったかのような殺意を滾らせる。
否。正確には自分達の仇だろう。ギーシュが助かるかもしれない望みを断ち切ったのだから。

「てめえ、もしも逃げ遅れたら俺達は……」
「間に合うさ」

再び殴りかかろうと拳を振り上げる男を前に、ギーシュはさも当たり前のように呟いた。
彼だって命は惜しい。本当に危険なら我先に逃げ出していただろう。
だけど彼は知っていた。アルビオン軍は追いつかない。
七万だろうが百万だろうが、そんなのは関係ない。
走り出したアイツを止められる奴なんていやしない。

「アイツが“任せとけ”って言ったんだ、間に合うに決まってるさ」

なあ、そうだろう……才人。


ギーシュ・ド・グラモン
……タルブ戦後、すっかりやさぐれるものの、
モンモランシーの香水を巡り才人と決闘、前任と同様に彼を認めるようになる。
今ではすっかり気の合う悪友として無理やり遊びに付き合わせている。
サウスゴーダでは一番槍を果たし精霊勲章を授与される。
後に水精霊騎士隊の隊長に就任し数々の武功を立てる。


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