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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

706ゼロいぬっ!:2009/05/19(火) 21:15:58 ID:04CJGkrk

「すまないがそれは出来ない。軍規には従ってもらおう」
「彼女はラ・ヴァリエールの三女だ!」

ギーシュの言葉に兵士は声を詰まらせた。
こちらを見据えるギーシュの眼差しに曇りはない。
もし、彼の言う事が本当だとしたら……?
顔を強張らせる兵士に畳み掛けるようにギーシュは続ける。

「もし、彼女の身に何かあってみろ!
彼女を見捨てたアンタは間違いなく処刑される!
いや、アンタだけじゃ済まされない! その累は家族や友人にまで及ぶ!
他に誰も乗せられないなら、まずアンタが降りるべきだろう!?」

権威を傘に着た悪辣な笑みを浮かべてギーシュは兵士に迫る。
たじろぐ兵士の姿にギーシュは勝利は確信した。
慌てた兵士が艦長へ伝令を遣すと返事は呆気ないほど早く返ってきた。

「ラ・ヴァリエール嬢の乗艦を認めます。
この艦は間もなく出航します。さあ、こちらへどうぞ」
「ああ、ありがとう」

横に退いて乗艦を促す兵士にギーシュは礼を告げた。
そしてルイズを兵士に預けると安心したように彼は艀を降りていく。
当然ギーシュも乗るものだと思っていた兵士は目を丸くさせて呼び止めようとした。

「“任せとけ”彼女が起きたら才人がそう言ってたって伝えてくれ!」

ギーシュはそう叫んで大きく手を振った。
彼は才人にルイズを託された。
ギーシュが認めた親友の願いだったから、
あの時と同じ様に、また彼を助ける事は出来なかったから、
せめてルイズだけは、彼の一番大切なものだけは守りたかった。
満足げな笑みを浮かべて艦を見送るギーシュに、兵士は心よりの敬礼で示した。

「あ、ちょっと待った! もし僕が逃げられなかったら
“実に勇敢な最期だった”って学院に居るモンモランシーに……」

嵐に紛れて遠ざかっていく軍艦にかけた声はもう届かない。
彼女に格好つけ損なったとギーシュはがっかりしたように肩を落とす。
そんな彼の周囲をトリステイン魔法学院の生徒達が取り囲む。
全員が志願兵としてアルビオンとの戦争に参加した連中だ。
恨みがましい目でギーシュを睨みつけると彼の襟を荒々しく掴む。


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