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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

668ゼロと奇妙な隠者:2008/11/27(木) 23:19:50 ID:9qU/x0Us
 一番手堅いのは、敵艦の頭上を取って急降下掃射を浴びせ反転急上昇、再び急降下掃射、という手を取る事であるが、そんな機動を繰り返せば燃料も弾薬もすぐ尽きる。
 しかしジョセフは躊躇わない。
「ここで引いたら男がすたるッてな!」
 口の端をにやりと吊り上げ、機体を急上昇させていく。
 雲を突き抜けた先で双月に隠れようとしている太陽を横目で見た後、そのまま間髪入れず宙返りして艦隊へと急降下していく。
「行くぞッ!!」
 艦隊の中央に陣取る、周囲の戦艦と比べても一際大きなレキシントン号。
 遥か眼下、照準器に刻まれた十字にレキシントン号を捕らえると、ハーミットパープルではなくガントリガーを力の限り引いて両翼の機関砲に火を噴かせる。
「これでも食らえッッ!!」
 出し惜しみすることをやめた二十ミリ砲弾と七.七ミリ銃弾が空を引き裂き、レキシントン号へと吸い込まれていく。
 元からの火力に急降下の速度と重力、そしてガンダールヴの能力の助けを受けた砲弾は一発一発が必殺の威力を手に入れている。直撃を受けたレキシントン号のメインマストは中程から折れ下がり、甲板を貫いた弾丸は直撃を受けた不幸な水兵を物言わぬミンチに変えた。
 だが、そこまでだった。
「……チッ、ビクともしとらんな」
 アルビオン艦隊の射程から逃れるべく四千メイルの上空で再び急上昇を掛けながら、なおもふてぶてしく空に聳えるレキシントン号を睨み付けて舌打ちをする。
 渾身の斉射は少なからずの被害を与えていたが、レキシントン号ほどの巨艦を大破轟沈させるにはどうしようもないくらいに役者不足だった。
 60キロでなくとも30キロ爆弾があれば、木造のフネなどあっと言う間に炎上させられていただろうし、一機だけでなく複数の僚機がいれば多大な被害を与えられていたはずだ。
 しかし今、ハルケギニアの空を飛ぶ戦闘機はジョセフのゼロ戦一機だけだった。
 二十騎もの竜騎士を容易く屠れはしても、巨大戦艦群を相手取れる性能はない。


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