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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

662名無しさん:2008/11/27(木) 23:16:01 ID:9qU/x0Us
 その奇妙な竜に向かっていくアルビオンの竜騎士達は、竜の翼や頭から発せられる白い光に貫かれた。ある竜は空中で爆発を起こし散華し、またある竜は減速することもなく地面へ向かって墜落していった。
 昨日の戦いを辛くも生き残った兵達は、自分の正気を疑った。
 トリステインの竜騎士達に圧勝した竜騎士隊が、たった一騎の竜に立ち向かうことも出来ず、ただ止まっている標的であるかのように撃ち抜かれて行く。
 奇妙な竜は天高く空へ向かって上昇したかと思えば、すぐさま急降下して竜騎士の背後を取る。背後を取られた竜騎士は間髪置かず白い光の洗礼を浴び、空から脱落する。
 トリステイン軍の中で、あの奇妙な竜が何であるかを知る人間は、一人しかいなかった。
 ルイズである。
 つい一週間前、タルブの村に置いてあった飛行機。
 とても空を飛ぶとは思えなかった代物が、今、現実に空を飛んでいるばかりか、天下無双と謳われるアルビオンの竜騎士隊を歯牙にもかけていない。
「……ジョセフ、ジョセフ、なの?」
 あの飛行機を操れるのは、この世界には一人しかいない。
 だがルイズの中に、この絶望的な戦況を覆せるかもしれない手段を引っ下げて来た使い魔を誇る気も、主人のピンチに駆け付けて来た忠義を喜ぶ気も、一切なかった。
「……あの、バカ犬ッ!」
 思わず漏れた声に、空を呆然と見上げていたアンリエッタが思わずルイズを見た。
「どうかしたの、ルイズ」
 アンリエッタが掛けた声で、自分の中で膨らむ感情が思わず口に出ていたのが判ったルイズは、慌てて首を横に振った。
「い、いえ、なんでもありません、王女殿下」
 そしてまた、二人の少女は空を見上げた。
 アンリエッタは、謎の竜が繰り広げる空中戦に目を見開き。ルイズは、コクピットの中にいるだろう使い魔への心配に満ちた目を眇めた。
(……ジョセフのことだもの。きっと、戦争やってるって聞いて……居ても立ってもいられず飛行機に乗って来たんだわ)


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