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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

641ゼロいぬっ!:2008/09/20(土) 18:40:36 ID:hFcPvowI

なんで、と言おうとして必死に飲み込んだ。
そんな事は訊かなくても分かっている。
いつも彼は私の為に戦ってくれた。

あの時と同じだ。フーケのゴーレムに襲われた、あの森と。
泣いていた私の代わりにアイツは立ち向かっていった。
あの頃からずっと変わらずに守り続けてくれた。
でも、もう戦わなくていい。

「タバサ。少しお願いするわ」

喉を震わせながらルイズは彼を託す。
空いた腕で、ぐしっと袖で涙を拭い取る。
ギーシュのブラウスを汚してしまったけど気にしない。
泣くのはもう終わりにしなきゃいけない。
いつまでも泣いていたらアイツは心配する。

「待ってて。すぐに終わらせてくるから」

彼に優しく微笑んでルイズは背を向けた。
もうすぐ彼はいなくなる、そして二度と会うことはない。
最後に憶えているのが私のくしゃくしゃな泣き顔だなんて、そんなの絶対に許さない。
助からないと分かっている。だからせめて最期に安心させてあげたい。
見せてあげなきゃいけないんだ、私が一人でも大丈夫だって。

自慢のご主人様だと、彼が胸を張って言えるように。

「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」

自分の名を誇るように告げて歩む。
頭上には間近にまで迫ってきた無数の艦影。
実感する、私はようやく歩き始めたのだ。
メイジとして、一人の人間として、自らの足と意思で。

「私は背を向けたりしない!」

高々と杖を掲げる。それは宣誓であると同時に詠唱の姿勢。
『始祖の祈祷書』を広げ、そこに書かれたルーンと言葉を注視する。
偉大なる始祖ブリミルよ、きっとこれは貴方が望んだ使い方ではないでしょう。
だけど私は“この力”を使います。自分が正しいと思える事に使います。
彼がそうしたように、そして私もそうありたいから。

「私は自分の運命に背を向けたりはしない!」


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