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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

618ポルナレフ+ジョルノ_第二章_3-3:2008/08/24(日) 22:00:10 ID:8QeVE4.A
「始めて見たね。間違いないよ、魔法を吸収する能力だ」
「…やっと自分の能力だけは思い出したってわけか」

杖を仕舞いながら結論したマチルダに、ポルナレフは真面目な顔で応じた。
火で炙られたり、これをやる前にも風の刃で刻まれたりしたデルフリンガーは、大慌てでその姿を変える。
一瞬でその変形は終わり、ぼろぼろに錆びた剣だったことが嘘のように…柄まで含めると150cm余りもある片刃の大剣がジョルノの手の中に出現していた。

「アンタどうやってこれに気付いたんだい?」
「いつまで経っても記憶喪失のままなんで、ちょっぴり折ろうとしてみたら途端に…「無茶しやがって…頑丈な俺様じゃなけりゃポッキリ逝ってるぜ!」

刃の根元についている金具を口のように動かしながら叫ぶデルフリンガーを見るジョルノの目は彼の愛鳥ペットショップが生み出す氷のように冷ややかだった。
ジョルノから、ゴールド・エクスペリエンスとは明らかに違う太く逞しい腕が出現するのを見て冷や汗を垂らしながら、ポルナレフが言う。

「ま、まあいいじゃねぇか。これで戦闘では切り札になるかもしれねぇぜ」
「そうですね。デルフのことは今は保留しましょう」

あっさりと同意して、ジョルノはデルフリンガーを鞘に仕舞い喋れないようにする。
そうしてジョルノは少しポルナレフ達に顔を寄せて本題に入った。

「ここに集まってもらったのは他でもありません。実は、ワルド子爵が裏切り者の可能性が高いです」
「なんだと…? そりゃどういうことだ」

マチルダが表情を鋭くさせて、背もたれへと体を押し付ける。
バスローブが少し肌蹴たが、残念ながらポルナレフは気づかなかったしジョルノはスルーして話を続けた。

「マチルダさんを助けに行った時に現れた仮面の男。今日の昼頃、ラルカスから彼がワルド子爵であるという情報をレコンキスタから寝返ったトリスティン貴族から得ました」

マチルダは胸元を直し、向かいに座るポルナレフの足を踏んだ。
名前が出たことで、一瞬向けられた目がどこへ向いていたか…マチルダにはお見通しだった。
ばれていないとでも思っているのか痛みを堪えながら、しかし涙を浮かべた目でポルナレフが叫ぶ。

「待ってくれ…奴がそんなはずはない! 俺と語り合った奴のあの目に、嘘偽りはなかった。信じられる紳士の目だったぜ!」
「その語り合った内容とは?」

熱く弁護しようとしたポルナレフは、その問いに色を無くしてそっぽを向いた。

「…さ、さあて。そこん所は忘れちまったな」
「その態度だけで何話してたか検討はつくけどねぇ…どうすんだい?」
「ポルナレフさんは彼が味方である可能性も信じたい、ということですね?」
「ああ。奴は紛れもないトリスティン紳士だ。それは俺の新しい友も賛同してくれるはずだぜ」

確認するジョルノに、ポルナレフは頷いた。
迷いのない、相手への厚い信頼を感じさせる言葉だった。
「男って馬鹿だねぇ」と、マチルダが微かに哀れんだように言い、どちらの言葉にかはわからないがジョルノは頷き還した。

「わかりました。保険をかけ、今は様子を見ることにしましょう」

喝采をあげ、ポルナレフは朗らかに笑った。


「わかってくれたか! だが、保険ってのは?」
「僕のゴールド・エクスペリエンスは既に彼の杖に触っています」

初めて聞く単語に内心首を傾げたマチルダは、説明を促そうとポルナレフに視線を向けた。
ポルナレフは苦い表情をして、「まぁ、仕方ねぇか」と自分に言い聞かせるように呟いていて、視線には気付かない。
無視されたことが面白くないのか、マチルダは鼻を鳴らして、亀から出て行った。


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