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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

556ヘビー・ゼロ:2008/03/20(木) 22:51:35 ID:YWphJUIk
 そして見えなくなる。ゼッサールが敬礼を解くのに合わせて隊士たちも下ろす。と、一人の隊士がゼッサールに声をかけてきた。『組織』とフーケの関係をゼッサールに伝えた隊士だ。
「隊長、女王の近衛である魔法衛士隊が平民に敬礼を取るということは女王の権威が取ったというのと同然です!こんなことが上に知れたら……」
「せっかくのチャンスがダメになる……か?」
 ゼッサールの言葉に隊士がギョッとなる。
「な、何を言って……」
「あまり私を見くびるなよ。モット伯を絞ってみたら吐いたぞ。今回の事件と貴様らとの関連などをな」
 脂汗がとめどなく溢れてくるらしく、しきりに額を拭いてはいるが動揺は隠し切れていない。しどろもどろに何事かをいうがもはや言葉にもならないようだ。
「黙れ。言い訳は取り調べで聞く」
「そうかよ。じゃあもういいよ」
 言うが早いか杖を引き抜く。魔法衛士隊は魔法の威力だけではなく、詠唱速度や咄嗟に杖を引き抜く速度と言った目立たないところから鍛え上げられている。ブツブツと呟いていたのは言葉ではなく呪文。
 同じ衛士隊同士なら先手を打った方が勝つ!
「アンタの首を手土産にすりゃあこの失態も帳消しだッ!」
 そう言った瞬間隊士の意識は飛んでいた。壁に叩き付けられたことに彼は気付けていないだろう。
「見くびるなと言ったはずだ。先手を打てば勝てるとでも思ったのか?修練が足らん。これが隊長である私とお前との差だ」
 いつの間に抜いていたのか、ゼッサールの手には杖が握られていた。何十年という鍛錬に裏打ちされた純粋な技量である。
 隊士たちが息を呑んだ。それほどの力量を見せたのだ。絶大なる力でもって隊の統率を図る。かつての師の教えを実行した。
 数名の隊士に後始末を任せると、残りの隊士に指示を飛ばす。この熱帯夜にゼッサールの忠実な部下たちは飛び出していった。


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