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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板
541
:
ゼロと奇妙な隠者
:2008/03/07(金) 02:19:57 ID:k/DuFyLI
「ぐうッ――」
ハーミットパープルに残りの波紋を注ぎ込んでしまったジョセフには、最早防御に回せる波紋すら残っていなかった。
胸から脇腹にかけて大きく刻まれた爪痕と口から大きな血飛沫を撒き散らしながら、ジョセフは重力に引かれて先に落ちて行ったニューカッスル岬の後を追うこととなった。
落ちていく中、ジョセフはまたも有り得ないものを見た。
自ら打ち砕いた左腕が、あっという間に再生させるワルドの姿を。
「……ジョセフ……」
見る見るうちに白い雲の合間へ落ちていくジョセフ。しかしタバサはジョセフを追い掛ける事もせず、シルフィードを全速力でこの場から離れさせる。
魔法を吸収できるデルフリンガーを操るジョセフがいない今、シルフィードとグリフォンという乗騎の性能差があるとは言え、肝心のメイジの能力には著しい差がある。
休息もろくに取れていないトライアングルメイジと、正体不明の能力を携えて戻ってきたスクウェアメイジ。
勝ち目も無いのに感情に任せて突き進む愚を、タバサは短い人生の中で理解していた。
だが彼女の中では忸怩たる思いがある。それは手が白くなるほど引き絞られた手綱が証明していた。
タバサが持つ数ある目的に近付く為の不可思議な力だけでなく、様々な卓越した能力を持つジョセフ。ここで彼を失うのは痛恨ではあるが、ここで自分が死んでしまっては元も子もない。
今の手持ちのカードでは決して勝ち目は無いが、せめて何か勝ち目の見えるカードがあれば再びワルドに立ち向かい、ジョセフを救出に向かう事に恐れは無い。
「せめて……せめて何か手立てが……」
ぎり、と歯噛みするタバサ。不意にシルフィードが大きな声で叫んだ。
「お姉様! 前を見るのね!」
竜の口から聞こえた言葉に前を見れば、そこにはキュルケとギーシュに抱えられてこちらへ飛んでくるルイズの姿があった。
彼女の姿を認めた瞬間、タバサはシルフィードに命じた。
「三人を乗せたら急いで反転。反撃に向かう」
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