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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板
540
:
ゼロと奇妙な隠者
:2008/03/07(金) 02:19:19 ID:k/DuFyLI
ワルドに届いた波紋は左腕を瞬時に爆裂させ、破壊する。劇的な破壊が波紋により起こった事実、それこそが、ジョセフの感じた予感が正しいと証明するものでしかなかった。
普通の人間に波紋を放ってもせいぜい電流が走る程度の影響しか与えられない。狙えば心臓を停止させられるだけのショックを与えられるが、肉体を破壊させるまでには至らない。
波紋でこれほど効果的な破壊が起こせるのは、吸血鬼か、柱の男か。
少なくとも、今のワルドは太陽のエネルギーに酷似した正の力が毒となる存在だという事である。後は走る波紋がワルドの全身を駆け巡り、彼の肉体を破壊しつくすのみ――
「そうはさせるかァァァァッ!!」
左腕を破壊した波紋が全身に伝わろうとする刹那、ワルドは僅かな躊躇さえ見せず左肩を自らの杖で貫き、打ち砕いた。
「何ッ!?」
自分の左腕ごと波紋を切り離したワルドの行動に、さしものジョセフも虚を突かれた。
構えたデルフリンガーで突きを繰り出す動作に移るのに、僅かな……本当に僅かな隙が生まれてしまった。
勝利を確信したワルドの邪悪な笑みを、ジョセフは確かに目撃した。
「私の魔法は貴様には届かない……だが、自然の風ならばどうなのかなガンダールヴ!」
その言葉がジョセフの耳に届いた瞬間、ジョセフの身体はグリフォンが一際大きくはためかせた翼に起こされた突風で弾き飛ばされた。
「うおおッッ!!?」
この場に吹き荒れる風の流れを知り尽くすワルドにとって、自然の風にどう影響を及ぼせば自分の望み得る結果を生み出せるかは、正に手足を動かすのと同じレベルの話。
空中で完全に体勢を崩されたガンダールヴは、正に鷲の前の蛙同然だった。
グリフォンは主の思い通りに空を走り、獲物目掛けて前脚を振りかざし――狙い違わず、ジョセフの胴体に獣の力強い一撃を叩き込んだ。
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