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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

481名無しさん:2008/01/02(水) 02:07:48 ID:scp3jPHo


ポルナレフが嫌な予感をおぼえ、フーケを追う決心をした頃、ジョルノ達はようやく学院付近へと迫ろうとしていた。
馬車の中は、相変わらずイザベラとテファが応酬を繰り広げていたが、ジョルノは少しそれを止めて小さいケースを二人に見せた。

「所で、こんなものを流行らせようかと思うんですがどう思います?」
「何だいこれは? こんなシンプルな指輪が流行るもんか」

小さい箱に入れた状態で差し出された指輪を見て、イザベラは鼻で笑った。
ジョルノが見せた指輪は、イザベラが言うとおり、いたってシンプルで飾り気などない。
イザベラが見た所純金製らしいが、それだけで貴族に売れるはずもないのだ。

「私も、そう思うけど…ジョナサンはどう売るつもりなの?」

テファも同じ意見だったが、ジョルノの事だから何か考えがあるのだろうと思い、そう尋ねた。
リングのサイズを少し見て、左手の薬指に嵌める。
ぴったり、ではなかったが、一番その指がテファの手にあっているように思えた。
ジョルノはそれを見て、微かに不思議そうな顔を見せて、言う。

「バーガンディ伯のような男性向けの商品です。結婚する男女の、そう、婚約とか、恋人同士の口約束とかの印、とでも宣伝して売ってみるつもりです」
「ふぅん…」

テファはもう一度手を翳して指を眺めた。
恋人同士の、ちょっとした、二人の気持ちを形にした物。
そう思うと、時折目に入るこれは悪くないように思えた。
控えめだから、余り邪魔でもないし…テファだからそう思うのかもしれない、とは考えず「それなら、いいかもしれないわ」とテファは言った。
イザベラはそう言われて、ジョルノがちょっぴりだが、相好を崩したように感じてテファの胸を掴んだ。
意味は特にない。あえて言うと、なんとなくムカついたからだ。案の定テファは嫌がって身を捩ったりするが…

「ほ、本物…」

やっぱり本物でイザベラもちょっぴり衝撃を受けた。
ジョルノはそれを見ずに、そういう方向でちょっと売り出させる指示を出していた。

「ねぇジョナサン、これ…よかったら、くれない?」
「特に高い物でもありませんし、構いませんが…」

手紙を鳥に持たせて、窓から投げようとしていたジョルノは、テファの質問にそう返す。
そしてちょっぴりショックを受けてから手を引っ込めたイザベラに言う。

「クリスもいりますか?」
「え?」

本物…と、ほうけた様に言っていたイザベラは顔を上げ、ジョルノが取り出したもう一つの指輪を見た。
こちらも金で出来ていたが、少しだけラインが入っているタイプだった。テファとは違うタイプの指輪を見ながら、イザベラは少し考えるようなそぶりを見せた。

「そ、そうだね。私も持ってるなんて、いい宣伝になるかもしれないからね!」

ご機嫌取りには引っかからない、とも言って、あくまで仕方なく、気が進まなさそうな態度でイザベラは受け取った。
気のないそぶりで、自分の横にケースを置くイザベラと、面白くなさそうなテファを見て、二人の見えない所で、ジョルノは微かに笑みを浮かべる。
砂糖を吐けそうな顔の馬が引く馬車は、少しずつ学院へと迫っていた。


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