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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

460外伝6 コロネとメロンは世界を救う ラルカス著:2007/12/17(月) 00:33:35 ID:IK2G2Vw.
それにジョルノは冷静な視線でテファの全身をザッと見てから返事を返す。

「僕は貴女の胸より目が好きです」
「目? どうして?」

疑っているというよりは単純に疑問に思ったらしいテファにジョルノは言う。

「いいですかテファ。『牢獄』で一人の囚人は壁を見ていた。もう一人の囚人は鉄格子から覗く星を見ていた。そんな話が僕の故郷にはあります。貴方は後者だ」

生まれてからは屋敷の中に、エルフと知られた母が殺された後は村にずっといて人を蔑視する事も敵視もしていない、というのはジョルノには見慣れない価値観だった。
ジョルノなら、自分の運命と決着をつける為に兵士達に復讐するだろう。

「貴女の目は、自然と星を見ている。そこが気に入っています…まぁ、どうしても気になるならこの手紙を書いた子達への返事で相談してみたらどうです?」

取り出した手紙を示しながらジョルノが言った言葉にテファは頬を赤らめて手紙を受け取る。
抽象的な言葉だったが、とても嬉しく思いながら目をあわせていられずに受け取った手紙へ視線を移す。
差出人は、ロマリアの孤児院にいる子供達だった。
何人かで一通書いたらしく、名前を書く欄には良く知った名前が並んでいて自然と口元が緩んだ。

「伯爵、馬車が一台立ち往生してますぜ」

馬車内の空気を吹き飛ばすように、御者台から報告があがる。
ガリアで購入したガーゴイルの声だ。
手紙に気を取られているテファから視線を外し、ジョルノは窓から顔を出す。
見ると、少し先で確かに馬車が一台止まっていて…この場所にはいないはずの人が地団駄を踏んでいる。

「イザベラ様。こんな所で何をしてるんです?」
「な、何を言ってるのかねぇ…わ、私はガリア王女なんかじゃ…」

傍に停車した馬車の窓から出たジョルノの顔を見て、特徴的な青い髪をそのままにしているくせにとぼけようとしたイザベラは言葉を失った。
捨て置くわけにもいかぬしと、停車を命じたジョルノは馬車をおりてイザベラの前へと出て行く。

「どちらへ向かわれるんです? よろしかったらお送りしますが」

放っておくって手も無いわけじゃなかったが、ジョルノはそう申し出た。
ここから人のいる所までは歩いていくには聊か距離がある。
見ればイザベラだけでなく足を痛めた馬を労わる御者などもいて、放って置けば彼らが必死で走らされるのは目に見えていたからだ。

「え…そ、そうだね! どうしてもって言うならアンタのその馬車に乗ってやってもいいよ」
「ええ、どうぞこちらへ」

無理をさせられ潰れた馬に一瞬哀れむような目を送り、ジョルノはイザベラを伴い馬車に戻ろうとする。
イザベラはこんな所からはすぐに離れたいのか、駆け足で馬車へと向かっていく。
乗っていた馬車の事など忘れたように見えたので、ジョルノは念のため、残されるものの処遇について言っておくことにした。


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