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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板
457
:
外伝6 コロネとメロンは世界を救う ラルカス著
:2007/12/17(月) 00:29:48 ID:IK2G2Vw.
「ネ、ネアポリス伯爵…まさか!?」
「はい。カトレア。貴方の治療は完了しました。後は、良い食事と適度な運動を心がけてください」
治ったとジョルノが言うなり、公爵夫人がジョルノ達を押し退けて娘に抱きつき、公爵が他の医者を呼び事の真偽を確かめさせる為に動き始めた。
本当に治っている事がわかるにつれ、彼らの表情が笑顔になる。
「波紋+水のペンタゴン(スクエア+地下水)+水の秘宝…これで効果がなかったらお手上げでしたが、うまくいきましたね」
「うん…」
だが代わりに、テファの母親の形見でもある指輪の宝石はとても小さくなってしまっていた。
台座に残っているのは滴数滴ほどの小さく薄っぺらい塊だった。
喜ぶヴァリエール親子の傍で、ジョルノはテファのほっそりとした指へ台座の先が無くなったせいで印象ががらりと変わった指輪を嵌める。
テファは治った事を喜んでいたが、指に差しなおした指輪の変わりようを見て、テファの顔が微かに曇るのをジョルノは見逃さなかった。
「ネアポリス伯爵! 今日は宴だ。さっ貴殿には私の心からのもてなしを受けてもらわねばならん…覚悟はいいか?私はできている」
既に酔っ払ったようなテンションの公爵はジョルノの手を引いて、連行していく。
テファは夫人やカトレアに捕まっているようだった。
「まずは風呂だ。息子よ! 準備が整うまでそこでゆっくりと語り合おうではないか!」
「いつから息子になったんですか…」
「息子同然だということだ。貴公は野蛮なゲルマニア人だが、娘を治したとあっては息子同然に扱うしかあるまい!」
後で忍び込んでこっそり治した方がよかったかもしれない。
近すぎる満面の笑みを浮かべた暑苦しい顔に、ジョルノはマジでそう思った。
その後一晩で、テファがエルフとの混血であることはあっさりばれてしまったが、カトレアの大らかさと夫人の冷静さに助けられた。
ヴァリエール家はテファへの援助を惜しまないという事を言葉だけでなく書面にまで残してくれた。
だがヴァリエール家を出たジョルノの表情は余りよいものではなかった。
公爵に色々と勧められ、長話にもつき合わされたから、だけではない。
狭い馬車の中、向かいに座るテファの選択が腑に落ちないのだった。
「それでね、昨日はカトレアさんと一緒に眠ったの」
ジョルノはウンザリさせられた昨夜の事を楽しそうに語るテファの顔をジョルノは眺める。
毎日届く報告書を兼ねた手紙を読みながらだが、まだ相手にしてるだけマシだった。
地下水とラルカスは話に相槌を打つのが面倒なのかそれとも昨日飲みすぎたのか馬車に乗った次の瞬間には寝ると言ってうつらうつらしているのだから。
「なんて言ったらいいのかしら。マチルダ姉さん…ううんお母様に似た感じがして、暖かかったわ」
(まだ痩せ細っているが)健康体になったカトレアと過ごした時間はテファにとって楽しいものだったらしく、ちょっぴり興奮した様子さえ窺える。
そのせいで更にテファがここにいるのが腑に落ちないジョルノだったが、一先ず相槌を打つ。
「母? フーン…普通はあぁいう感じがするものなんですか?」
「え、どうして?」
手紙を読みながら返された返事にテファは首を傾げた。
母親に関して、どういう認識を持っているか…テファにとっては優しく暖かく包んでくれる存在だった。
幼少期の頃の記憶の中で、母と過ごしていた時間は大事なものだ。
広い館の中で過ごしたものだけだが、幸福な記憶…それの終わりが母の死であったように、テファにとって母の存在は幸福な時期を象徴する存在だった。
だがジョルノにとっては違うのだろうか?
テファの視線の意味を悟ったのか、ジョルノは顔をあげた。
「あぁ、僕は育児放棄されてましたから」
「育児放棄?」
こちらの世界にはない単語にテファは首を傾げた。
簡単に言うと、とジョルノは手紙を読みながら教えてやる。
「子育てしないってことです」
「そんな…冗談でしょ?」
絶句して聞き返したテファだったが、ジョルノは同じ事は言わなかった。
ばつが悪くなったテファは重くなってしまったように感じる馬車内の空気をどうにかしたかった。
けれど、いい言葉が思いつかない。こんな時何かを言ってくれても良さそうなラルカスはまだ眠ったままだった。
実の所、おきてはいるのだが昨日行ったカトレアの治療で消耗した魔力が完全に回復しておらずラルカスは眠くて仕方が無かった。
車輪が石に乗り上げ大きく揺れる。
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