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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

445仮面のルイズ:2007/12/15(土) 13:48:43 ID:/YCsSzJs
ワルドは、他の店員達に顔を見られぬよう、俯いたまま部屋へと戻っていった。
怒りでも悲しみでもない、目の前の敵を排除するという目的のために、ワルドの表情は凍り付いていく。
その顔を見られたくないのだ。

部屋に入ると、ベッドの上に転がり、目を閉じた。
マチルダ・オブ・サウスゴータは、魔法学院での名をロングビルといい。盗賊としての名を土くれのフーケという。
彼女がどんな理由でラ・ロシェールにいるのか解らないが、とにかく今は彼女を助けるために尽力せねばならない。

ワルドは、トリステインで最も多く、また長距離にわたって遍在を使えると自負している。
『魅惑の妖精亭』で本体は身を隠し、遍在を使って各地の調査に当たらせていたのだ。

だが、遍在ばかりに頼っては居られない、レコンキスタからの暗殺者や、そのあたりのごろつきに『魅惑の妖精亭』が襲撃されるかもしれないのだ。
だから本体にもある程度の精神力を残しておく必要があった。
だが、今はそんなことも言ってられない。
全精神力を遍在に配分し、本体が気絶するまで精神力を使い、全力でフーケを助けるつもりなのだ。


ルイズは、フーケを信頼している。
そしてフーケもまたルイズを信頼している。
仮に、フーケがレコン・キスタに捕らえられたとしたら、水の魔法などで『騎士』の正体がルイズだと知られてしまうだろう。
それを防ぐためには、フーケを殺してしまうのが一番良いのだ。

だが、ルイズは『助けてよ』と言った。

甘い、甘すぎる。
容赦なく敵兵を殺す吸血鬼でありながら、心を許した仲間には甘い。
だからこそ自分はルイズが好きなのだろう。

そんなことを考えながら、ワルドは目を閉じて意識を集中させていった。


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