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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

441仮面のルイズ:2007/12/15(土) 13:42:11 ID:/YCsSzJs



カトレアの部屋に入った二人は、急ぎカトレアの容態を見るべくカトレアに近づいた。
ベッドの上で苦しそうに呼吸するカトレアの姿は、エレノオールとは正反対とも言える容姿だった。
シエスタの胸が高鳴る。
ピンク色の髪の毛はルイズを彷彿とさせる、顔つきもルイズによく似ている、姉妹だから当然かもしれないが、それでもシエスタにとっては大きな事だった。
カトレアの従医が杖を向けて小声でルーンを詠唱しているが、カトレアが落ち着く様子はない、ゼェゼェと息を切らせて苦しそうにしている。

「行きましょう」
シエスタが歩き出した。
モンモランシーが一歩遅れて続き、カトレアの傍らへと立つ。
「君たちがシュヴァリエを賜ったメイジかね?」
カトレアの従医が、杖を引き、二人に向かって問うた。
「「はい」」
男はカトレアに視線を戻すと、左手で自分の頭を押さえた、どうすれば良いのか解らないのだろう。
「今回のは特に酷い、水の濁りが治まらないんだ」

「濁りが?」
モンモランシーが聞き返しつつ、カトレアの体に杖を向ける。
窓から差し込む日差しに、間接的に照らされたカトレアの体は、姉のエレノオールよりもわずかに濁って見える。
それがどれだけ異常なことかモンモランシーにもよく解る。
「シエスタ!波紋を流してちょうだい…体の末端から様子を見るわ」
「はい!」
シエスタがカトレアの手を覆うように握る、そして、深く息を吸い、横隔膜をコントロールし、体の浄化能力を活性化させる波紋を流した。
その上にモンモランシーの杖が触れる、波紋がどういった効果を生み出すのか、水の流れから感じ取るためだ。
結果として、波紋はカトレアの治癒に効果があった、体のほんのわずかな変色と、カトレアを襲っていた強烈な悪寒が治まり、呼吸がだんだんと安定してきたのだ。
その間、モンモランシーはひたすらカトレアの体を観察していた。
『より微細な流れを感じ取りなさい』オールド・オスマンの言葉である。

タルブ村では、主に怪我人を相手に治癒を繰り返していた。
外傷の酷い者もいれば、内臓にダメージを負った者もいる、病人の場合は後者と同じで内臓に目を向けなければならない。
モンモランシーは、波紋によって浄化されていく体から、いくつかの『原因』を抽出していった。


三十分ほどすると、カトレアの体から汗が流れ出す、その汗は脂汗であり、冷や汗でもあった。
人間の体は、少しずつ毒を溜め込み、『水』と共に排出される。
尿や汗がそれだ、だが、カトレアの体は解毒作用が極端に低下している。
シエスタから『波紋』のサポートを受けることで、溜まっていた毒が汗として排出されたのだとしたら、間違いなくカトレアは浄化能力が極端に低下している。
肝臓か、脾臓か、腎臓か、それとも水の流れを生む心臓か。

……モンモランシーは、心を落ち着ける香水を持ってくれば良かったと、頭の隅で考えていた。


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