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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

357ゼロいぬっ!:2007/10/05(金) 21:17:02 ID:D5yGqZ.o

「い…いや、馬車と言われても日に何台も通ってるからなあ…。
せめて特徴があれば話は別だが」
男達の鼻の下が伸びる。
町の警備と違い仕事帰りに一杯とはいかない国境の仕事である。
そんな所に痴女めいた格好の麗人が現れたのだ。
それはもう下心満載。仕事そっちのけで彼女を食い入るように眺める。
そして彼女の機嫌を損ねないように質問に答える。
「うー、お姉さまはこーんなメガネ掛けてて、それでいつも本を読んでいるのね」
指先で丸を作って眼鏡のフレームを真似て顔を近づける少女。
その際に張った胸が大きくたわんで弾む。
彼女の胸の動きを衛兵達が目線で追いかける。
「えーとねー、お姉さまはシルフィと同じ髪の色してるのね」
「同じ色……ああ、そういえば」
彼女の話す特徴に当て嵌まる人物は覚えがあった。
しかし、すぐに思い至らなかったのも仕方ない。
“お姉さま”と言われて彼女より年上の人物を想像したのだ。
あんな少女が彼女の探してる人物だったとは…。
同じ髪とはいえ実の姉妹ではないだろう。
もしかしたら、そういう意味での“お姉さま”なのか…?
一見して大人しく見える少女が夜になると豹変し、目の前の女性を攻め立てる。
そんな倒錯的な光景が思い浮かび、男達は鼻に熱い物が込み上げるのを堪えていた。
確認の為に自分が覚えている特徴を少女に語る。
「あの長い杖を持った…」
「そう! そうなのね!」
「犬の使い魔を連れている少女だろう?」
「…………!」
あの犬が使い魔かどうか聞いた訳ではない。
他に使い魔らしい物がいなかったので勝手にそう思っただけだ。
しかし、その彼の返答が思わぬ勘違いを生むなど誰が予想しただろうか。
「……ふぇ」
「お、おい! どうした嬢ちゃん?」
「ふぇえええええん!! シルフィ、お姉さまに捨てられたのね!」
突然、雷が落ちたかのように泣き始める少女。
衛兵が呼び止める間もなく彼女はそのまま走り去った。
その速度ときたら暴れ馬にも匹敵する。
まるで現実から逃げ出すように駆ける彼女の背が見えなくなっていく。
唖然とした表情のまま、衛兵達はそれを見送った。
その日の定期報告の際に彼女の事をありのままに伝えた彼等は、
医師の診察を受けた後、神経症と診断され念願の城下町の警備に転属となった。
そこでアニエスに徹底的にしごかれて本当に神経症になりかけるのだがそれは別の話。


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