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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

241ヘビー・ゼロ:2007/07/13(金) 21:04:45 ID:4CYzC2CM
朝霧の中、ルイズ、ウェザー、ギーシュ、キュルケ、タバサ、シルフィードが正門に集まった。ルイズ、キュルケ、タバサがシルフィードの背に乗り先行する。ウェザーとギーシュは馬だ。
「あなた馬に乗れないんじゃないの?」
「尻の下にクッションを敷けば問題ない」
空気のだが、とルイズに答えた。話によるとかなりの距離を行くらしく、しかもいつアルビオン王家が敗れるかわからないので急がなければならなかったがこれで何とかなるだろう。
「でも今日に限ってスゴい霧ね。幸先悪いわ」
「ああ、それは俺だ。あくまでこれは隠密だから姿を隠せる。誰が見てるか分からないからな」
ルイズ以外の三人はへ〜と驚いていた。
「ねえやっぱり先住魔法なの」
「・・・さあな」
出発の準備を着々と進める中でギーシュが困ったように言った。
「僕の使い魔を連れていきたいんだ」
「連れてくればいいじゃない」
ルイズの言葉に笑みを浮かべたギーシュが地面を叩くとそこが盛り上がり巨大なモグラが現れた。
「ヴェルダンテ!ああ!僕の可愛いヴェルダンテ!」
モグラに抱きつくギーシュに周りは引いた。
「ジャイアントモールじゃない。ダメよギーシュ。私たちの目的地はアルビオンなのよ。地中を掘り進む生き物を連れてはいけないわ」
それを聞いたギーシュはがくりと両膝を地面についた。
「絶望した!使い魔に冷たい世界に絶望した!」
両手を持ち上げて何か言っているが気にしない。するとモグラが鼻をひくつかせながらルイズを押し倒したのだ。
「ちょ、ちょっと!や!どこに触ってるのよ!」
ルイズは必死に抵抗するが、何かの遊びと勘違いしたシルフィードがダメ押しとばかりに混ざり出してなすすべがないようだ。モグラはルイズの右手に光るルビーに鼻を擦り付けている。
「ほう、ヴェルダンテは宝石が大好きなんだ」
ルイズはルビーを守るために必死だが、相手は小熊くらいのモグラと竜だ。勝ち目はない。
しかしこのままでは出発できない。キュルケもタバサも見ているだけなのでウェザーが止めるはめになった。
一陣の風が二匹を吹き飛ばす。その際ルイズのスカートもめくれたが見なかったことにした。
「遊んでないで行くぞ」
「遊んでんのはこいつらでしょ!」
憤慨したルイズが二匹の額に大きなたんこぶを作った。
シルフィード組と馬組に別れ、シルフィードが羽ばたき霧の外を目指して飛び立ったのを合図にウェザーとギーシュが正門を出た。しかしウェザーはすぐに止まって後方を見つめる。
「どうしたんだねウェザー?」
「・・・いや何でもない」
何か帽子を被った長身の人影が霧の中をさ迷っていてすれ違った気がしたが、ギーシュにせかされて先を急いだ。

アンリエッタは学院長室から霧を抜けて走り去る一団を見つめると、目を閉じて祈った。
隣ではオスマンがその尻を撫でるかどうするかで真剣に迷っていた。やれば罰が、やらねば今まで築き上げてきた全てが崩れる気がした。
「見送らないのですか?オールド・オスマン」
「いや、見るだけでは惜しい尻ですからな・・・」
「お尻?」
「いやいやなんでもありませんぞ!」
「心配はないのですか?」
「すでに杖は振られたのですぞ。それに若い者のすることに老人は口を挟むものじゃありませんでな」
その言葉にアンリエッタは頷いた。災厄を被せた以上彼女にできることは全ての結果を受け入れることだけだった。
「なに、心配せんでもあのミス・ヴァリエールの使い魔がおれば大丈夫じゃて」
アンリエッタはあの無口な横顔を思い出す。
「彼は・・・そんなにも?」
「ギーシュ・ド・グラモンとの決闘を軽く制して『土くれ』討伐も彼がいなければ成功しなかったという。雲のように捉え所のない男じゃがただの平民ではあるまい」
「そうですか。ならば信じましょう。その雲がみなを優しく包んでくれると」

アンリエッタが窓から見上げた空には黒い雲が迫っていた。どうか彼らの道が暗雲に覆われることのないようにと祈った。


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