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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

200ヘビー・ゼロ:2007/07/10(火) 16:57:53 ID:826wy/uY

夜の帳が完全に降りた頃、フーケは一人町の裏路地にいた。
「送金は済ませたし、しばらくはトリステインから離れて情報収集に努めるかな」
あの錆びた剣はインテリジェンスソードだったので売ろうとしたが「出番をください姐さんッ!」と五月蝿くて売る店売る店で買い取り拒否されたのでお金と一緒に送っておいた。暇潰しにでもなるだろう。
町を出ようと歩き出したとき、いきなり目の前に白い仮面が現れた。長身に黒いマントをまとった怪しげな人物だ。
フーケは咄嗟に杖を引き抜いて魔法で攻撃しようとしたが、それよりも早く白仮面が魔法を唱える。強烈な風により杖を弾かれてしまったフーケは手を押さえながら白仮面を睨むしかなかった。
「いきなり杖を抜くとは物騒だな、『土くれ』のフーケ」
白い仮面の向こうから年若く力強い男の声が聞こえた。
「常識のある人間は目の前に仮面被った変態野郎がいきなり現れたら普通攻撃するわよ」
フーケは精一杯虚勢をはった。正直言えば今の一瞬の攻防で相手の実力は見えていた。
(恐らくは『風』の『スクウェア』クラス。しかもかなりの手練れ!)
体術には自信があるが『スクウェア』相手では意味がないだろう。しかもフーケの正体を知っているということは、魔法衛士隊か貴族の刺客だろうと推察できた。一人のところを見ると後者だろう。
悪事に手を染めた時から命を失う覚悟をしてきたが、みすみす殺されてやるつもりはなかった。しかし――
「そう怯えることもあるまい。なあ、マチルダ・オブ・サウスゴータ」
瞬間フーケが男に飛びかかった。杖も持たず、生身で、しかも何の考えもなしに。数多の貴族を翻弄し、冷静に分析し大胆かつ繊細に盗むのを信条としたフーケが、鬼のごとき気迫で白仮面を殺すためだけに躍り懸かったのだ。
彼女がそうなるほどに、その名前は禁忌だった。
常人ならば気迫と速度に気圧されるだろうが白仮面はまるでそうなるのを予想していたかの様に迎え撃った。
呪文を唱えて杖を振るうと、杖の先から空気のハンマーが飛び出し、フーケを壁に叩きつけた。
「やれやれ、穏便にすませたかったがしかたない」
頭を打ったのかぐったりとしたフーケを担ぎ上げて白仮面は笑う。
「我が『世界』の礎となれることを光栄に思いたまえ。マチルダ・オブ・サウスゴータ・・・いや、『土くれ』のフーケ」

アルビオンから強い風が吹き始めた。さらに大きな嵐がやってこようとしているかのように・・・


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