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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

187Start Ball Run2/3:2007/07/05(木) 15:19:25 ID:???
あの、とき。
ジャイロがルイズを見て、彼女に襲い来る破片を防いだから。
彼が、その代わりに、――致命的な傷を負う契機を作ってしまった。
それに、我慢できなかった。
それが、許せなかった。
自分の命令を無視する使い魔も許せなければ。
魔法が使えない、未熟なメイジである自分も許せなかった。
もし魔法が使えたなら、自分に飛んできた破片くらい、自分でどうにかできただろうに。
だから、ルイズは。この決闘を、ここで決着させたいと、思った。
終わりにしたかった。
これ以上、使い魔が傷を負う姿を――見たいと、思わなかったから。
「ここで死ぬっていうの!? 何よそれ!? こんなところで死んで、あんたに何の得があるっていうのよ!?」
その答えに。……ジャイロは、腕で見えない何かを、どかすような、仕草をした。
「……ど、」
「もう止めるの! ここで終わりにして!」
「……け。……どけ、おチビ……そこに突っ立ってると、ヤベェ、ぞ……」
そいつ……、槍を、突き出す気だ。と、咳篭りながら、ジャイロが言った。
はっと目を開いて、ルイズはギーシュを見つめた。
彼の使役する青銅の騎士が――今にも、その槍を、ジャイロの盾となっているルイズごと、貫こうとしていた。
「ギ、ギーシュ! もう決闘は終わったの! バカな真似は止めて!」
「ルイズ! どくのは貴方のほうよ! 早く逃げて!」
ルイズに、そう叫んだのは、ギーシュの後方から成り行きを見守る、……モンモランシーだった。
「な、何を言ってるのよ?!」
「ルイズ! ギーシュは! そこにいる彼は! 私達が知っている彼じゃないわ! 今の彼には! やると言ったら“やる”! 凄味があるのよ!」
『決意』と『決断』そのどちらもが、かつての彼には未熟な部分であったのだが。
今の彼はそれが、心で理解できているのだと。
モンモランシーは、それを――誰よりも彼を知るが故に、理解してしまった。
「ギーシュは止めない! 貴方がそこにいようと! いまいと! 彼が今見ているものは! 貴方の後ろしかない!」
貴方は助かる――後ろにいる彼の前に、立ちふさがらなければ。と、彼女は言ったのだった。


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