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ゼロの奇妙な使い魔 対サル用書き込みリレー依頼板

161奇妙なルイズ:2007/07/02(月) 23:49:56 ID:???
翌日、非戦闘員が秘密港から避難している頃。
始祖ブリミルの像が置かれた礼拝堂で、ウェールズ皇太子は新郎と新婦の登場を待っていた。
周りには誰もいない、戦の準備で忙しいのだ。
ウェールズも、すぐに式を終わらせ、戦の準備に駆けつけるつもりだ。

礼拝堂の扉が開き、ルイズとワルドが現れる。
ルイズは礼拝堂と、ウェールズの姿を見て呆然としたが、ワルドに促されて、ウェールズの前に歩み寄った。
ルイズは戸惑っていた、朝早くワルドに起こされ、ここまで連れてこられたのだだ。
戸惑いはしたが、深く考えずに、半分眠ったような頭でここまでやってきた。
死を覚悟した王子たちの様子、そして、前日に聞いたメイドとウェールズの会話が、ルイズの頭を混乱させていた。
ワルドは、そんなルイズに「今から結婚式をするんだ」と言って、アルビオン王家から借り受けた新婦の冠をルイズの頭にのせた。
新婦の冠は、魔法の力で永久に枯れぬ花があしらわれ、なんとも美しく、清楚なつくりであった。

そしてワルドはルイズの黒いマントを外し、やはりアルビオン王家から借り受けた純白のマントをまとわせた。
新婦しか身につけることを許されぬ、乙女のマントが、ルイズの背中を包んだ。

しかし、そのようにワルドの手によって着飾られたルイズは戸惑っていた。
確かにワルドはあこがれの人だ、その人から結婚を申し込まれて嬉しくないはずはない。
しかし、何かが引っかかる、ワルドの変わらぬ笑顔が、なぜかとても冷たいものに見えた。
ワルドは戸惑い恥ずかしがるルイズの様子を、肯定の意思表示と受け取った。

ウェールズの前で、ルイズとワルドは並び、一礼する。
「では、式を始める」
王子の声が、ルイズの耳に届く。
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか」
ワルドは重々しく頷いて、杖を握った左手を胸の前に置いた。
「誓います」
ウェールズはにこりと笑って領き、今度はルイズに視線を移した。
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……」
朗々と、ウェールズが誓いのための詔を読みあげる。
相手は憧れていた頼もしいワルド、自分の父とワルドの父が交わした、結婚の約束が、今まさに成就しようとしている。
ワルドのことは嫌いではない、しかし…


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