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テスト2

100モントゴメリー:2023/07/26(水) 23:09:13 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
10mm Auto弾

【概要】
10x25mm フランセーズ・オート弾(10x25mm Français Auto)、もしくは10mm オート弾(10mm Auto)は、フランス連邦共和国(FFR)で開発された拳銃用弾薬である。呼称としては、後者の方が一般的である。
自動拳銃用としては世界最大級の威力を誇る弾頭であり、新時代を迎えたFFRの象徴する品の一つである。


【開発】
1980年代に入り、「暗黒の30年」の夜が明けたFFRでは軍備の更新が盛んであった。
主力戦車に始まり自走砲や歩兵戦闘車がその代表である。
歩兵用装備も例外ではなかったが、その中で最も急がれたのは拳銃用弾薬の更新であった。
これは基本的な軍事的知識を有する者には意外に感じられるだろう。
正規軍において拳銃弾とは「おまけ」のようなものなのだから。
しかし、FFR特有の事情がその常識を破壊するのである。
まず、小銃及び使用弾薬は当面MAS50と7.5×54㎜弾を使用し続けることになった。
(MAS50bisの記事を参照の事)
当然、機関銃用弾薬もそれに準じる。
しかし拳銃弾弾薬に関しては、然しものFFR兵士たちからも引続きの使用は嫌だという声が噴出したのである。
それも当然である。
現場の将兵たちは「暗黒の30年」の間、常に7.65x20mm Longue弾の威力不足に悩まされていたのであるから。
7.65x20mm Longue弾の運動エネルギーは約300ジュール。OCU標準拳銃弾の9x19mmパラベラム弾の6割前後しかない。
その威力不足を「Appuyez trois fois」というエラン・ヴィタール溢れる射撃法で補ってきたのである。
しかし、エラン・ヴィタールは無敵であっても無限ではない。
使い続けてしまえば枯渇してしまうのである。
エラン・ヴィタール節約のためにも、大威力弾頭への更新は焦眉の急であった。
候補として真っ先に上がったのは.45ACP弾であった。
自動拳銃用としては最大級の口径であるため威力も保証されている。
また北米動乱の結果、アメリカ合衆国から独立しFFRの盟友となったテキサス共和国にはその在庫も製造設備も豊富に存在しており、彼らの力を借りれば早急な更新も可能であったからだ。
しかし、この提案は却下された。
.45ACP弾は、弾薬自体のサイズから装弾数は少なくなってしまう。またグリップが太くなりすぎて扱いづらくなると前世紀から欧州の者らには不人気だったのである。
…「ヤンキー共が信仰する弾薬を使うなんて真平御免だ」という感情論で否定されたわけではない。決して。
そこで9x19mm パラベラム弾を上回る強力な阻止力(ストッピングパワー)を備えることを目標とし、
かつ.45ACP弾薬よりマガジンの装弾数を多く出来る様な弾薬が求められたのだった。
そしていくつかの試作を経て開発されたのが10㎜オート弾である。

101モントゴメリー:2023/07/26(水) 23:10:33 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【性能】
本弾薬は、テキサス共和国と共同開発となった。
そのため、フランス系統のみならず、アメリカ系統の弾薬の知見も含まれている。
運動エネルギーは約900ジュールから1000ジュールを有する。
これはあの7.65x20mm Longue弾の3倍以上であり、それほどフランスの将兵たちが大威力を求めていたことの証左である。
別の弾薬と比較すると、9x19mm パラベラム弾の約2倍であり、.357マグナム弾の平均値よりもやや高く、.41レミントン・マグナム弾よりは低い程度である。
装薬の多さに由来して非常に高圧である事から拳銃用弾薬としては強力なパワーと初速性能を有しており、弾道に関してはあまり弧を描かずフラットな弾道を描く。
具体的には、約100mの距離を飛翔しても.45ACP弾よりも多くの運動エネルギーを維持出来る性能である。
これは遠距離射撃でも偏差が少ないということであり、精度と命中率の向上に寄与した。
しかし、その利点の裏返しとして反動が大きく射撃時の保持が難しいという欠点を有している。
もっとも、それを指摘したテキサス共和国関係者に対してFFR側は
「(再充填が完了した)エラン・ヴィタールで補うから大丈夫」
と全く問題にしていなかったが。

【運用】
本弾薬は、制式採用後即座にFFR各国軍に普及した。
その威力はアフリカ州の治安戦はもちろん、対BCや対OCUの正規戦でも通用するレベルであり、新世代の断薬の名に相応しいものとなった。

またその高い威力と精度から、中型動物に対する狩猟用としての需要も高く、特にテキサス共和国では多くの州で狩猟に合法的に使用出来る。

102モントゴメリー:2023/07/28(金) 23:28:40 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——ポテ 75——

乗員:2名
全長:9.09 m
全幅:13.00 m
全高:2.64 m
翼面積:23 ㎡
空虚重量:1,674 kg
全備重量:2,400 kg
エンジン:ポテ 8D-32 8-気筒 倒立-V 空冷エンジン1基(450 馬力)
最大速度:約270 km/h
巡航速度:約240 km/h
航続距離:750 km
武装: 7.5 mm 機関銃×4(機首)
ロケット弾×8(主翼下)

【概要】
ポテ 75(Potez 75)はフランス連邦共和国(FFR)で開発された軽攻撃機である。
FFR体制になって以降初の制式採用機として歴史に名を残している。
「生まれた時から旧式機」と他国から揶揄されることもあるが、「暗黒の30年」初期の近接航空支援の主役として任務を全うした名機である。

【計画】
本機は戦前に国営化され、戦後に復活したポテ社が最初に開発した機体である。
当初は、ついに完成した国産対戦車ミサイルのノール SS.10の発射母機とする計画であった。
つまり、本機は対戦車攻撃機として設計されたのである。

103モントゴメリー:2023/07/28(金) 23:29:22 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
本機の外見は異様とも評せる。
機体こそ全金属製と近代的であるが、ミサイルの射線を確保するためにプロペラとエンジンは機体後部に設置された所謂「推進式」配置となった。
水平尾翼と2枚の垂直尾翼は後部胴体下部から延びるブームにより支持され、首車輪式の固定降着装置を装備した。
ミサイル操作員用座席は機首にあり、その背後の高い位置に操縦席があった。
なお、当初はミサイル操作員席には風防が装備されていたが、操縦席の方は開放式であり体で風を感じることができるというエスプリにあふれたレイアウトであった。
しかし、テストパイロットたち主催の親「撲」会の後に操縦席にも風防が取り付けられ、さらにミサイル操作員席は全面ガラス張りとされ視界が改善された。

【運用】
技術的な冒険を犯していないため設計は滞りなく終了し、試作機が完成した。
(「技術的に見るべき所がない」とは言ってはいけない)
試験の結果、ノール SS.10の空中運用は十分に可能であると判明したが、その母機として本機は力不足であると判断された。
当たり前な話である。
最高速度が300km/h未満でかつ満足な装甲も無い航空機が正規軍同士の大規模戦闘で活躍できる余地など最早この世界には存在しない。
しかし逆に言えば、正規戦以外ならばまだ使い道があった。
そして、当時のFFRは正にその「不正規戦」の真只中だったのである。
そこでFFR空軍は本機を『軽攻撃機』として採用、『ポテ 75』と命名された本機はFFR初の制式採用機となった。
その後はエストシナ植民地やアフリカ州における治安維持戦に従事し、地上部隊への近接航空支援に活躍することとなる。

104モントゴメリー:2023/08/01(火) 21:13:01 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日本大陸SS——東京山手急行電鉄——

【概要】
東京山手急行電鉄とは、東京都に存在する私鉄路線であり都民からは「第二山手線」として親しまれている。
その愛称の通り、山手線のさらに外側に敷設された環状線であり帝都東京の交通網の一角を担う重要路線である。

【計画】
計画は大正15年にさかのぼる。
当時は既に山手線は環状運転を開始していたが、沿線のさらなる発展を見込んで私鉄によってその外周にもう一つの環状路線を形成することが考え出されたのである。
鉄道省による審議では十分な需要があるか疑問として難色が示された。
しかし、政府より「強い要望」が発せられたことによりこの計画は了承された。

【路線】
起点は、品川駅から現在の京浜東北線で1駅目の大井町に設定された。
そこより現在の駅名で自由が丘—梅ヶ丘—明大前—中野—江古田—板橋—駒込—田端―北千住—鐘ケ淵—平井などを経て江東区の洲崎まで合計36駅、山手線の外側をぐるりと回るものであった。
なお、当時は東京湾の埋立てが完了しておらず洲崎—大井町間は未開通であったが、埋立て完了後この区間にも路線が敷設され完全なる環状線となった。
この路線の特色として、既に存在していた各路線をつなぐ様に設定されている点が挙げられる。
具体的には、池上電気鉄道線の雪ヶ谷駅、東京横浜電鉄東横線の自由ヶ丘駅、玉川電気鉄道線の駒沢駅、小田急線の梅ヶ丘駅。
そして当時計画中であった渋谷急行電鉄と京王電気軌道線が交差する明大前駅、中央本線中野駅、西武鉄道村山線の新井薬師前駅、武蔵野鉄道武蔵野線の江古田駅、東武東上本線の下板橋駅と山手線支線の板橋駅。
さらに私鉄のみならず山手線・東北本線の田端駅と常磐線・東武伊勢崎線の北千住駅とも接続されている。
(私鉄会社名は当時のもの)
つまり、本路線は山手線という環状線の能力強化のみならず、東京に放射状に存在する各路線を接続するという役目も担っているのである。
また洲崎は当時吉原とともに遊郭のあった繁華街として有名であり、高い需要が見込まれた。
のみならず日本橋方面からの東京市電のほか、亀戸から延びる城東電気軌道(現在の都電)と乗り換えができ、更に当時の東京市が市営地下鉄として東京駅〜洲崎間を計画していたこともあって起点駅とされた。

105モントゴメリー:2023/08/01(火) 21:14:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【技術的特徴】
本路線で特記すべき点として、開通当初から踏切が一切存在しないことが有名である。
その構造は当時の宣伝文句をそのまま使えば、「塹壕式」と呼称できる。
すなわち、路線の大部分を掘割し半地下状態で線路を敷設したのである。線路と交差する道路はその上を通るため踏切は必要ではないのだ。
昭和初期頃の東京の私鉄では踏切のない路線など存在しなかったので、これだけでも最新式の路線として評判となった。
(ただし国有鉄道に目を向ければ、当時も東京市内の山手線や中央線、総武線には踏切が無かったので完全なオリジナルとは言えない)
また、当時の一般路線としては高速であったことも評価すべき点である。
そもそも、路線名の「東京山手急行電鉄」とは

『山手線の少し外側を急行(高速度)運転する電車』

という意味が込められており、高速運転は至上命題でもあったのである。
本路線は「塹壕」の中へ全線複線電化、最急勾配25‰、最小曲線半径12鎖(約240m)の規格で第三軌条式の線路が敷設されていた。
(後に架線式に変更)
第三軌条式とは、レールのすぐ脇に給電用のレールを設けるもので、浅草〜上野間に開業した日本初の地下鉄、東京地下鉄道(現・東京メトロ銀座線)と同じ方式であるがこちらの方が採用は早い。
これも本路線が最新鋭といった印象を与えた要因である。
具体的にどれほど高速なのか?
当時の山手線との比較では一周に要する時間が1割ほど少ない。
全長も約1割短い(まだ全周開通してない)ので当たり前のように思えるかもしれない。
しかし、山手線の駅数が28なのに対し、本路線の駅数は36なのである。
それだけ列車の最高速度及び加速・減速機能が強化されているということである。

【運用】
本路線は鉄道省の予想をいい意味で裏切り、開通直後から大盛況となった。
山手線の混雑率は当時から猖獗を極めるものであったが、本路線の登場により幾分か緩和されたのであった。
また私鉄会社らしく、沿線開発にも力を注いでおり路線掘削で生じた土砂を下町の低湿地の埋立てに使い、そこを住宅地にして売り出すなどもしている。
このように本路線は帝都東京の発達に多大な貢献を成し、21世紀においても欠くことのできない首都の大動脈として動き続けている。

106モントゴメリー:2023/08/07(月) 21:26:14 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
Yukikaze氏支援ネタ——アメリカ陸軍M2自走砲「スコット」——

車体長:約4.4m
全幅:約2.5m
全高:約2.7m
重量:約14t
速度:約50km/h(整地)
行動距離:約100km
主砲:M2 75mm榴弾砲1門
副武装:M1919A4 7.62 mm 機銃1挺
装甲:6.35mm -25.4mm
エンジン:コンチネンタル W-670-9 空冷星型7気筒ガソリン・エンジン(出力262馬力)
乗員:4名

【概要】
M2自走砲は、アメリカ合衆国が開発した戦闘車両である。
M3軽戦車の投入により余剰となったM2A3軽戦車の車体を再利用する形で設計された。
主砲は非力な山砲であるが、その扱いやすさと機動性の高さから兵士たちに親しまれた。
なお、愛称のスコットは米墨戦争の英雄である「ウィンフィールド・スコット」将軍に因んでいる。

【開発】
時は1939年も後半、米中事変は相変わらず泥沼であったが現場の将兵たちはまだ絶望していなかった。
既存のM2軽戦車を全面的に上回る新型戦車、M3軽戦車が前線へ投入されたからである。
M3はその重装甲(当社比)で歩兵の盾となりつつ、M2以上の機動力でどこにでも駆けつけてくれる正に歩兵の守護神となった。
しかし、万能と思えたM3にも欠点があった。
「火力」である。
37㎜砲は野戦においては十分な威力を発揮するが、敵が塹壕などの陣地に籠ると途端に威力不足を露呈した。
それは砲兵の仕事だろうとお思いだろうが、牽引式砲ではM3の機動力について行けず、しばしば連携が破綻をきたしていた。
そこで、「M3の機動に追従できる砲兵火力」として自走砲の開発が決定された。

107モントゴメリー:2023/08/07(月) 21:26:52 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
車体はM3の投入により旧式化し余剰となったM2軽戦車を使用する。
(主にM2A3)
M2の特徴であった双砲塔を取り払い、単一の大型砲塔を設置した。
M3のような回転砲塔形式が理想であったが、現地の整備工場の設備を用いた改装であったためそこまで複雑な工程は不可能であった。
また砲塔は重量軽減のため天板を廃したオープン・トップ形式であり、後々に問題視されることになる。
しかし少なくとも開発当初は重量軽減と作業スペース拡大が達成できる一挙両得の手段であると好評であった。
また、砲塔正面の装甲厚さは1インチ(25.4㎜)であり、少なくとも当時としては防御を軽んじていた訳ではない。
エンジンもM2A3と同一であり、改装により重量増の後でも整地で最大速度50㎞/hを発揮できた。
これはM3の機動戦に十分について行ける数字である。

【火力】
主砲として、M2 75mm榴弾砲を装備している。
これは、山岳部で使用する山砲として開発された砲であり軽量であることが持ち味であり、Pack Howitzer (パックハウザー)の愛称で親しまれた。
それでいて最大射程は9000mに届かんとする優秀な砲であり、本車両の主砲とするのに最適であった。
しかし、問題は継戦能力であった。
本車両の砲弾搭載量は約45発であり、ある程度以上の戦闘では最後まで火力を発揮することが出来ず弾切れとなってしまう。
対策として弾薬を搭載したトレーラーを牽引するという案が考案され実行されたが、機動力が下がるのはもちろん、誘爆の危険があり現場からは不評であった。

【運用】
本車両は改装され次第、順次前線へと派遣された。
そして想定通りM3の機動力に追随でき、的確な火力支援を実施したのである。
主砲の75㎜砲は、直撃すれば野戦陣地程度ならば粉砕できる火力であり中国兵からはある意味ではM3よりも恐れられた。
しかしながら、オープン・トップ形式のため敵歩兵に肉薄されると手榴弾の投擲などで容易く撃破されてしまう事もしばしばであった。
しかし、それは運用で補える範囲だとして現場の将兵たちからの信頼は揺るがなかった。
本車両は現地改装品であり、制式名称はなかったが、前線での活躍を受けて急遽制式化。
M8自走砲「スコット」と命名されることになる。

108モントゴメリー:2023/08/11(金) 00:34:47 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『フルール・ド・リス』世界支援ネタ——リベイロールス1921小銃——

口径:8㎜
全長:1090㎜(銃身長さ450㎜)
重量:約5㎏(本体重量のみ)
総弾数:25発(箱型弾倉)
想定射撃距離:400m


【概要】
リベイロールス1921(Ribeyrolles 1921)は、フランスで開発された小銃である。
世界で初めて中間弾薬を使用した「突撃銃(fusil d'assaut)」である。
仏独戦争やイタリア戦線で活躍したことから、『西欧を平定した銃』とも呼ばれている。

【開発】
本銃の源流は、第一次世界大戦時に設計されたRibeyrolles 1918までさかのぼる。
グラディエートル社のポール・リベイロールス技師が開発したそれは、8x35mmSR弾という新規設計された中間弾薬を使用し、フルオート射撃が可能という後の突撃銃に求められる要目を備えていた革新的な銃であった。
しかし、その革新的思想に技術が追いついていなかった。
トライアルでの成績は惨憺たるものであり。特に指摘されたのは信頼性の問題だった。
75発のセミオート射撃で53回の不良が発生すれば、そうなるのは当然である。
当然、この時のトライアルは落選であった。
しかし、ポール技師は諦める事なく改良を試みた。
そこへ、彼に協力を申し出る者たちが現れたのである。
彼らの助言は的確であり、まるで「未来を知っているかのよう」であったという。
そう、彼らは後の世に「委員会」と呼ばれる総統を補佐し、フランスを導いた者たちであったのである。
彼らの助言の下、Ribeyrolles 1918の改良は続けられ何とか実用に耐えられるだけの信頼性を確保できた。
そして1921年のトライアルに参加し、見事合格したのである。
なお、当初は「短機関銃としては重すぎる、そして小銃や軽機関銃としては射程が足りない」としてあまり評価されなかったが最後には逆転勝利を収めた。
言うまでもなく、こちらにも「委員会」の手が伸びていたのである。

109モントゴメリー:2023/08/11(金) 00:36:09 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
基本構造はRibeyrolles 1918を踏襲している。
使用弾薬は8x35mmSR弾であり、これは大戦中アメリカから輸入した.351SL弾を8mmにネックダウンし、徹甲弾用の弾頭を取り付けたものである。
従来の小銃弾と拳銃弾の中間程度の威力であることから「中間弾薬」という区分が新設された。
作動方式はシンプルブローバック方式を採用している。この方式は短機関銃などで採用されることの多いその名の通り単純な方式である。
しかし単純とは言っても欠点もあり、ボルトに十分な質量が求められ、さらにそのボルトが十分に減速しつつ後退できるだけの長いレシーバーも必要になってしまう。
そのため、本銃の重量は5kgを越え、全長は1090mmという、後に日本や英国が開発した突撃銃と比較すると重く・長くなってしまっている。
(もっと言うと突撃銃という範囲にとどまらず、大戦中のフランス軍主力小銃であったルベルM1886小銃より1割以上も重かった)
しかし、これは先駆者の宿命と言うべきものであり恥じることではない。
技術の世界の於いて、後発者が先発者よりも優れているのは当然なのであるから。
更に言うならこの重量もデメリットばかりという訳ではなく、フルオート射撃時の安定性が向上している。
また遠距離射撃においても有利であり、本銃の有効射程距離は400mとルベルM1886小銃に匹敵する程となった。

【運用】
本銃は1921年に制式採用され、翌年から各部隊に配備され始めた。
戦後ということもあり、予算面で苦しいやり繰りが求められたが1926年の対独懲罰戦争ではギリギリで第一線部隊への配備が終了していた。
戦場では事前の評価をひっくり返す大活躍を見せ、フランス軍の勝利に貢献した。
そして1936年のイタリア戦役では陸軍のほぼ全部隊への配備が完了していた。
こちらの戦場でも八面六臂の大立回りを見せ、歩兵火力においてイタリア軍を圧倒することになる。
両戦役での働きから、本銃はフランス国民より「西欧を平定した銃」として誇りと共に語られることになる。

110モントゴメリー:2023/08/16(水) 23:37:36 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
MAS50 mode Citoyen

テキサス共和国のM36A1狙撃銃の成功を後ろから眺めていたフランス連邦共和国(FFR)が試作した小銃。
MAS50bis小銃のボルトを“ストレート・プル”方式に変更したものである。

まず、ストレート・プル方式とはボルトハンドルをそのまま後方に引き、また前方に戻すことで開放・排莢・装填・閉鎖の全ての動作が成立するボルト・アクション方式である。
従来の回転式ボルト・アクションと比較して動作時間が短くなり、発射速度が向上する利点がある。
そのような利点があるのに、何故発射速度にあれほどこだわるFFRがこれまで採用してこなかったのか?
それは、ストレート・プル方式の欠点に由来する。

まず一つ目に「信頼性が低い」というのがある。
従来のボルトは人間の手で直接回転運動を与えていたが、ストレート・プル方式は直線運動を機械的構造で回転運動に変換しなければならない。
当然、部品点数は増え機構は複雑になる。
訓練場でならばともかく、劣悪な環境の戦場でかつ連続で射撃すると破損や動作不良の発生確率が無視できない高さとなってしまう。
いくら早く装填できても、撃てなければ意味はない。

二つ目は「整備性が悪い」という点だ。
これも一つ目と関連するが、部品点数が増えれば分解清掃の手間が増えてしまう。

三つ目は「高コスト」である。
やっぱり一つ目が原因であるが、機構が複雑となれば製造単価が上がるのは必然である。
これではボルト・アクション式小銃を採用した意味がなくなってしまう。

上記の如き欠点を考慮した結果、FFRは開闢以来ボルト・アクション小銃でかつ発射速度を重視しつつもストレート・プル方式を採用してこなかったのである。
しかし、テキサス共和国がM36A1狙撃銃でストレート・プル方式を採用したことでその歩みを再考しようとする流れが生まれた。
狙撃銃という発射回数が少ない銃器とは言え、実戦での使用に耐え得る信頼性を証明したストレート・プル方式ライフルが誕生したのである。
もしかしたら、我々の要求に応えられる小銃も開発できるかもしれない。
そう考えたFFR陸軍では、M36A1狙撃銃の設計に協力したサン=テティエンヌ造兵廠に対し、MAS50bisを基にした試作銃の製造を指示したのである。

111モントゴメリー:2023/08/16(水) 23:38:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
試作銃は程なく完成し、試験に供された。
結果………「採用するに及ばず」という評価が下されたであった。
確かに発射速度は向上した。
されど、それも1割前後と期待したほどではなく、上記の欠点2、3を鑑みれば採用するほどのメリットとはならないのだ。
そもそも、MAS50系列の小銃はMAS40の頃よりボルト閉鎖機構はロッキングラグをボルトフェイス側ではなくボルト本体の後方に配置する方式を採用している。
これは薬室側にラグの噛合部を切るモーゼル系と比較して薬室内にボルトが入り込む設計ではないためボルトの移動距離も短く、さらに回転角も少ないためより速射性がある構造となっている。
なので、元々MAS50系列のボルトは速射を考慮した設計なのでストレート・プル方式との差異があまりないのである。
その上で、信頼性や各種コスト面でも上であるならば、変更する意味はなかった。

しかし、開発してしまったからには投資を回収したいと考えたサン=テティエンヌ造兵廠は、これを民間市場へと持ち出した。
FFRの国民は、その全員が生まれ出た瞬間から霧の向こうへ転属するまで「我らが指揮官」隷下の兵士にして戦争資源である。
なので、正規軍であらずとも最低限(FFR基準)の軍事教練は義務教育で履修しているし、社会人となっても継続している。
とは言え、時間的・物理的制約から当然ながらその練度は正規軍所属の者から見ると低い。
そんな彼らから見たら、この機構は十分に魅力的であった。
ボルト部分だけ購入すれば既存のMAS50系列の小銃に適合できる設計なので、発売以降順調に売り上げを伸ばしている。
この様な経緯により、このストレート・プル方式のMAS50系列のことを

“MAS50 mode C(Citoyen=市民)”

と呼称するようになった。

112モントゴメリー:2023/08/21(月) 23:34:01 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
リシュリュー級戦艦(yukikaze先生支援B案)
全長:285m
全幅:37.9m
基準排水量:約5万5000トン
速力:最高32ノット
機関出力:29万馬力(公称)
装甲:舷側350㎜+補助装甲70㎜
   甲板200㎜

武装:50口径381㎜4連装砲4基
50口径127mm両用砲連装10基
54口径37mm連装機銃14基
65口径20mm単装機銃30挺

【概要】
フランス新型戦艦案。その中の一つであり、A案に続いて技術的・予算的難易度の低減を図った案である。
一言で言うならば「超アルザス(史実第3案)級」である。
史実アルザス級第3案である“380㎜4連装3基12門”の強化型である。
主砲はA案と同じくリットリオ級からの流用であるが、主砲塔はエラン・ヴィタールを隠し味に加えて4連装としている。
4連装主砲4基というレイアウトは、史実1915年度建造計画における「リヨン級(34㎝4連装4基、2万9000トン)」で試みられたことがあり、その際の設計データが活用された。
副砲や対空火器はA案に準ずる。
装甲配置も同様である。
(主砲が同一なのだからある意味当然である)
航続性能は史実リシュリュー級の“15ノットで9500海里”を目標とする。
381㎜砲16門の火力は、1斉射当たりの投射弾質量では史実大和型を凌駕する。

113モントゴメリー:2023/08/31(木) 23:26:40 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『フルール・ド・リス』世界支援ネタ——A-20攻撃機——

全長:約14.6 m
全幅:約18.7 m
全高:約5.4 m
エンジン:ライトR-2600-23空冷14気筒エンジン(離昇出力1,600馬力)×2
最大速度:510km/h(高度3,260m)/巡航速度: 412km/h
実用上限高度:約7,200m
航続距離:約3,400km
爆装:約900㎏(標準)
   約1800㎏(最大)
銃装:G-1タイプ
20mm機関砲×4(機首固定)。ソリッドノーズ型
12.7mm機銃×2(後方銃座)
7.62mm機銃×1(下部トンネルガンポート)
G-2タイプ
12.7mm機銃×6(前方固定)。ソリッドノーズ型
12.7mm機銃×2(背面動力機銃塔)
12.7mm機銃×1(下部トンネルガンポート)
G-3タイプ
7.62mm機銃×15(前方固定)。ソリッドノーズ型
7.62mm機銃×2(背面動力機銃塔)
12.7mm機銃×1(下部トンネルガンポート)
G-4タイプ
7.62mm機銃×8(前方固定)。ソリッドノーズ型
75mm砲×1
7.62mm機銃×2(背面動力機銃塔)
12.7mm機銃×1(下部トンネルガンポート)

乗員 3名

【概要】
A-20は、アメリカ合衆国のダグラス・エアクラフト社が開発した双発攻撃機である。
米中事変の前半から一貫してアメリカ陸軍航空隊の主力攻撃機として活躍。
特に対地攻撃に猛威を揮い、「ガンシップ」として運用された機体は“弾丸の雨”と形容する他ない攻撃で中国兵から特に恐れられかつ恨まれた。
【計画】
本機の源流は1936年にまで遡る。
あの倉崎重工初代社長をして

「アメリカに、過ぎたるものは二つあり。北米の大地とエド・ハイネマン」

と言わしめた航空機設計の鬼才、エドワード・ヘンリー・ハイネマンを中心とするグループにより、ベンチャービジネスとして研究が開始された。
当初の機体はモデル7Aと呼ばれ、エンジンにP&W-985ワスプジュニア(離昇出力425馬力)を双発で装備し、前脚式構造を持つ最高速度402km/h、爆弾倉内へ40発の17ℓb爆弾を搭載する攻撃機として計画されていた。しかし、この案は実物大モックアップまで製作されたものの中止となった。
より強力な機体が1937年に米陸軍より求められたためである。
米陸軍が各航空機メーカーに要求した新型攻撃機の仕様は、1,200ℓbの爆弾を搭載して1,930kmの航続距離を持つことであった。
ダグラス社はモデル7Aの発展型をこれに充て、引き続きハイネマンをリーダーにエンジンをパワーアップさせた大型の機体、モデル7Bを開発することとなった。
こうして開発は進み、1938年には初飛行に成功。米陸軍航空隊にA-20攻撃機として採用された。

114モントゴメリー:2023/08/31(木) 23:27:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
ハイネマンの設計哲学である「強力なエンジンに小さい機体」というポリシーはこの頃には既に確立されており、本機もその哲学に則って設計されている。
それによって得られた速度性能と運動性は双発機、それも攻撃機としては一線を画すものであった。
特に500km/hを越える最高速度は当時の戦闘機と比べても遜色ないレベルである。
爆撃兵装は標準で900㎏と双発機としては少々物足りないが、爆撃機ではなく攻撃機なので問題とはならなかった。
逆に、多数の固定機銃から発揮される射撃火力が本機の特色となることになる。

【運用】
本機は制式採用後、直ちに米中事変の最前線へと投入された。
そしてその優れた能力を十全に発揮し活躍することになる。
対地攻撃は勿論であるが、特記すべき事項として、迎撃に上がって来た中国軍の旧式戦闘機を空中戦で逆に撃墜するという快挙も成し遂げている。
それは正に、WW1後半で提唱された「双発機万能論」を証明するかに見えるほどの働きであった。
そして戦争の中盤以降では運用に変化が生まれて来た。
爆撃よりも機銃掃射による対地攻撃が増えたのである。
爆弾は1回程度の攻撃で終わってしまうが、機関銃であれば反復攻撃を加えることが可能である。
爆弾後に機銃掃射を加えるために上空にとどまり続けられると、襲われる方からして見ればきわめて厄介な敵となるのだ。
元々本機の機首には20㎜機関砲が4門装備されており、その威力は中国軍が使用する軽戦車程度なら撃破可能なほどであり近接航空支援では重用された。
しかし、戦争後半になると目標となる戦車が減少してきたため、一発の威力よりも弾数を優先した方が良いという判断が下る。
そして生まれたのがG-2タイプであり、12.7mm機銃を6丁装備している。
そしてその12.7㎜機銃でも対人には過剰と言われ(戦争末期はゲリラ狩りがほとんどとなったため)、G-3タイプではついに7.62mm機銃15丁を装備するまでになる。
7.62㎜機銃の発射速度は毎分600発前後であるから、1分間で9000発の弾丸を発射する計算だ。
実戦では超低空で攻撃中に10数秒間だけ射撃するので、1回の斉射で撃つ弾数は1500から2000発ほどだが、受ける側からすれば「弾丸の雨」としか言えない状況となった。
更に、地上においてM2スコット自走砲が活躍し始めると、本機にも75㎜砲を搭載しようという話が生まれた。
そこで、75㎜野砲を基に新設計の75㎜砲が開発されて搭載された。
(なお同砲は、小型軽量に設計されていたため、後にM24軽戦車の主砲に転用された。)

このように本機は米中事変のほぼ全期間に渡り運用され奮戦した。
その活躍は特に前線の将兵から称賛されたという。
また、本機の性能を認めた海軍でも採用され、基地航空隊の雷撃機として運用された。

115名無しさん:2023/09/02(土) 20:37:35 HOST:ah140048.dynamic.ppp.asahi-net.or.jp
どうなるん?

116モントゴメリー:2023/09/18(月) 01:01:53 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『フルール・ド・リス』世界支援ネタ——クールベ級戦艦(近代化改装後)

基準排水量:約22,000トン
全長:168m
全幅:27.9m
喫水:9.0m
機関出力:100,000馬力
速力:約30ノット
兵装:45口径30.5㎝砲   連装4基
   50口径9.0cm高角砲 連装6基
60口径7.5cm高角砲 単装12基
   60口径3.7cm機関砲 連装10基
装甲:舷側270㎜(最大)

【計画】
第一次世界大戦の影響で更新が停滞していたフランス海軍の潮流が変わったのは1929年であった。
同年に政権を取った『フルール・ド・リス』は海軍の拡張も実施したのである。
しかし、彼らが海軍に求めたのは空母とそれを守護する巡洋艦や駆逐艦、植民地航路を守るフリゲート艦であり、戦艦の新規建造は計画されなかった。
これは、“ワシントン軍縮条約の制限である3万5千トンではまともな16インチ砲戦艦は建造できない”と彼らが判断したからである。
しかし、海軍主流派である大艦巨砲主義者たちはこの方針に不満であり『フルール・ド・リス』もそれはわかっていた。
そこで妥協案として既存戦艦の改装が提案された。
(大型艦の建造ノウハウ維持という観点もある)
コンセプトは建造中の空母(後のリベルテ級)に追随可能な速力をもつ中速〜高速戦艦化であり同級の護衛を果たすというものであった。
これは、リベルテ級が航空機運用能力及び長期航空攻撃に特化した設計となっており、水上戦闘ともちろん対空能力も非常に低い艦となっていたのが原因である。
彼女を護るために一定以上の水上砲戦能力と強力な防空能力を持つ艦が必要であると考えられたのである。
当初はプロヴァンス級が改装候補に挙がっていたが、フランス海軍最強の打撃力を持つプロヴァンス級の長所を削ってしまうことに海軍主流派が難色を示して結果、クールベ級が改装されることとなった。

117モントゴメリー:2023/09/18(月) 01:03:25 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【改装】
まず外見上で最も識別できる内容として、船体中央部の舷側に配置されていた3・4番砲塔が撤去されている。
そして後述するように空いたスペースを利用して機関を増設し速力を強化した。
次に見て取れる点は、舷側ケースメイト(砲郭)配置で両舷にあったModel 1910 13.9cm(55口径)速射砲は全て撤去されている。
また艦上構造物にも手を加えられており、船体中央部にあった前部マストは操舵艦橋の背後に移設され、単脚型から三脚型へと更新された。
さらに遠距離砲戦を考慮し頂上部に指揮所を設けられ、三角形状の艦橋フラット部も二層から三層構造に変更された。
そして本級の竣工当時から指摘されていた欠点である凌波性の低さも改善されている。
これの原因は艦形の小型さに起因する艦首の浮力不足であり、外洋航行時の高波に艦首が突っ込んでしまうのであった。
このため、艦首を軽量化するために副砲を撤去、さらに艦首側の180mm装甲板も一部撤去した。
これと機関増強により本級の機動力は劇的に改善することになる。
ただし、某世界線の日本戦艦の様な船体の延長は実施されていない。
(そこまで凝った改装をする余裕はなかった)

機関部は、石炭・石油混燃型ボイラーを石油専燃へ換装させて効率を上げ、さらに3・4番砲塔を撤去したスペースを利用して増設を実施している。
この結果、最大出力は28,000馬力から100,000馬力へと飛躍的に強化された。
また、本級の機関部はボイラーと機関が前後で分離した缶室分離配置方式(いわゆるシフト配置)を建造当初より採用しておりそれは踏襲されている。
そのため被弾時の生存性は同世代の戦艦の中では高い。
実際、第一次世界大戦時に三番艦「ジャン・バール」がアドリア海にてオーストリア=ハンガリー帝国海軍のUボート(潜水艦)「U-12」の魚雷2本受けても沈没を免れている。
機関部の強化の結果、最高速力は30ノットの越え、「高速戦艦」と呼ぶに相応しい脚力となっている。
(ただし、航続性能は速力10ノットで4,200海里と大西洋で運用するには少々心細いものとなっている)

防御面に関しては、装甲の強化はなされていない。
(むしろ前述した通り一部とはいえ逆に撤去までしている)
水雷防御も速力を重視するためにバルジの装備は見送られた。
しかし、燃料を重油に統一した際、液層防御帯を追加したので、ある程度は魚雷への対策は行われている。
また、注排水用ポンプの強化や消火設備を増強など、応急修理面の強化は実施されている。

118モントゴメリー:2023/09/18(月) 01:04:35 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【兵装】
主砲は45口径30.5㎝のままであるが、装填装置の改良により発射速度が改装前の1.5発/分から3発/分に強化された。
これにより、主砲塔を減らしながらも単位時間当たりの投射弾質量は艦首尾方向で同等、舷側方向ではむしろ強化されている。
また、最大仰角も28度まで強化され最大射程は3万メートルを超えた。
これは水上戦闘というより対地艦砲射撃を意図したものである。
この射程を活かすべく、測距儀や射撃管制装置も新型に換装されている。
副砲の13.9㎝単装砲は全て撤去され、空いたスペースと浮いた重量を対空火器へと振り向けている。
まず、3番・4番砲塔を撤去した箇所を中心にModel 1926 9.0cm(50口径)高角砲を搭載。
これは9.51kgの砲弾を仰角45度で15,440m、対空榴弾を最大仰角80度で10,600mの高度まで到達させることが出来る。
旋回と俯仰は電動と人力が併用され、俯仰は仰角80度、俯角5度で発射速度は毎分12〜15発である。
また船体全域にかけて、より軽量のModel 1927 7.5cm(60口径)高角砲を配置。
こちらは重量5.93kgの砲弾を仰角40度で14,100mまで、最大仰角90度で高度8,000mまで届かせることが可能である。
砲身の俯仰能力は仰角90度、俯角10度で、装填形式は自由角度装填であるが人力装填である。
(発射速度は毎分8〜15発)
さらに60口径3.7cm連装機関砲を装備しており、本級の防空火力は「アルザス級」が就役するまでフランス海軍で最強であった。

【運用】
本級は1930年代に相次いで改装が施され、イタリア戦役までには4隻全てが戦列に復帰していた。
この内“フランス”と“パリ”は“リベルテ”、“エガリテ”を中心とする空母機動部隊に配属され、艦隊旗艦とリベルテ級の護衛の任に就いた。
そして“クールベ”と“ジャン・バール”はそれぞれ高速機動部隊を編成し遊撃戦を展開。
リベルテ級の一撃離脱戦法を警戒し分散して哨戒行動を取っていたイタリア艦隊を奇襲し後世の教科書に載るような各個撃破を実施した。
また陸軍の支援や陽動を兼ねてイタリア半島各地への艦砲射撃も行っている。
イタリア戦役後にはアルザス級が順次就役するが、本級の健脚は有用であるとしてプロヴァンス級の方が先に退役することになる。
本級が退役するのはノルマンディー級が就役してからとなるが、その際も解体されることなくナポリ共和国やポーランド、ウクライナなどのユーロ加盟国へ同盟国価格で売却されることになる。
(各国から資金を巻き上げる口実として利用されたという側面はあるが)

119モントゴメリー:2023/10/09(月) 18:00:41 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
ДB-1 120㎜迫撃砲

口径:120㎜
重量:150kg
有効射程:約2000m
発射速度:20発/分

ДB-1 120㎜迫撃砲はロシアで開発され欧州広域支援機構(略称EORS)各国で採用された迫撃砲である。
その特徴は火薬ではなく空気圧で砲弾を発射すること(ДBは「空気圧」のロシア語の頭文字)であり、構造の平易さと軽量さからEORS軍正規軍のみならず民兵や町の自警団などでも活躍した。

リベラル革命諸国の脅威にさらされることになった欧州広域支援機構加盟国にとって、軍事力を強化は喫緊の課題であった。
それも従来もてはやされたステルス戦闘機などのハイテク兵器ではなく、単純で安価、それでいて敵(ホモ・サピエンス)を確実に粉砕できる火力を併せ持つ…そんな兵器である。
このドクトリンを基に開発されたのがBRDM-Uであるが、本兵器もその系譜に属するものである。
革命軍が使用すると想定される戦法は“人海戦術“であるが、それへの対応策は既に確立されている。
それは砲兵や機関銃、すなわち「火力の壁」を以て粉砕することである。
しかし、対応策を「知っている」事と「準備できる」事は=ではない。
EORS加盟国の多くも致命傷とはならずとも革命の余波により傷ついており、それ以前に世界的なサプライチェーンの崩壊により工業生産力は大きく低下していた。
そんな状況であり、一番マシなロシアを筆頭に何とか兵器生産体制を再構築していたがとてもではないが要求量を満たすことはできなかった。
そこで、砲兵火力の不足を補うための簡易迫撃砲として計画されたのが本兵器である。

120モントゴメリー:2023/10/09(月) 18:01:23 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
本兵器の最大の特徴は、発射機構に空気圧を用いていることである。
これにより構造が単純となり、極論すれば鉄パイプと圧力容器、エアコンプレッサーがあれば完成してしまうのである。
これにより、いままで兵器製造に関わっていなかった家電メーカーや町工場でも生産することが可能となった。
欠点としては射程が短いことである。
最大2000mという数字は同じ口径のロシア軍の2B11 120mm迫撃砲の1/3未満である。
(最大約7000m)
されど生産性では大きく上回っている。そしてそれ以外にも利点はあった。
まず「軽量」である事。
150㎏という数字は2B11(210kg)の7割程度でしかない。
また、発射時の音と閃光が非常に小さいため敵に発見される可能性が低い。
(革命軍が対砲兵レーダーなどという高性能機器を装備している可能性は低いから尚更である)

本兵器は設計され次第、即座にEORS各国で量産体制を整えられた。
その主役になったのは、前述した通り家電メーカーや町工場である。
生産されたものは順次前線に配備された。
やはり2000mという射程の短さは問題となったが、その軽さから陣地変換が容易であるため、射撃後即座に後退するという運用法が確立された。
それは奇しくも、BRDM-Uと同じ運用であった。同じドクトリンに則って開発された兵器であるため当然かもしれないが…。
また、見つかりにくいという特性を利用し主防衛陣地から外れた側防陣地や遊撃部隊などにも活用されたという。
また、正規軍のみならず民間人の自警団などにも提供され貴重な火力として重宝された。

121モントゴメリー:2023/10/10(火) 23:57:02 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
あげ

122194:2023/10/12(木) 19:56:57 HOST:KD106154150213.au-net.ne.jp
ポセイドン・CIC


EDFの軍服に身を包んだ見慣れない艦娘。彼女はこの艦の艦娘・ポセイドンだ。
指揮棒代わりのトライデント(刃は丸めてある)を握りしめ、どう猛な笑みを浮かべながらエクス・グラウコスを睨み付けていた。


ポセイドン「煉獄の果てから飛来した害鳥め。我々の攻撃の前にひれ伏させてやる。艦長、ゲシュテーバーの準備を」

艦長「・・・・・了解」


若干(大本営発表)厨二病入っている彼女に内心で辟易しながら、部下達に命令を下す。
程無くエネルギー充填率が100%に到達。射撃可能となる。

123194:2023/10/12(木) 19:57:29 HOST:KD106154150213.au-net.ne.jp
オペレーター「発射準備完了!何時でも撃てます!」

ポセイドン「よろしい。煉獄の王よ、海神たる我らの前にひれ伏せ!ゲシュテーバー、シュート!!」


ポセイドンの号令と共に、ゲシュテーバーが発射される。僚艦であるエーギル・ネーレウスも同時に射撃を開始。極超低温の奔流が、エクス・グラウコスに叩き込まれる。
先程の攻撃よりはややマシとはいえ、体の熱を急激に奪い取るこの攻撃に、再び苦悶の表情を浮かべる。

124194:2023/10/12(木) 19:59:42 HOST:KD106154150213.au-net.ne.jp
そこに、

125名無しさん:2023/10/19(木) 23:33:58 HOST:FL1-133-202-74-57.kng.mesh.ad.jp
test

126名無しさん:2023/10/22(日) 15:34:08 HOST:119-171-251-4.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの向こうには(ry・超大陸日本クロス 神崎島おウマさんVS日本ウマ娘 第二十二話「ウマと馬の濃い一日だそうですその7」


姉と話し合い、両親と話し合い決めた。
あの子が居るのかどうか、私をどう思っているのか…怖いけれど聞こうと思った。
家族に支えられ彼女、全て知るだろうメジロマックイーン号への下へと歩みを進める。
すると向こうから誰か走ってくる。


「フツーのウマ娘あたしにG1なんてムリー!!」

「自覚しなさい!トレセン入れる時点で普通なわけないでしょう!!
私だって宝塚でシンボリクリスエス号やネオユニヴァース号とやり合えたんだから出来ないと言わない!!」


途中、泣きながら走るヒシミラクルとそれを座った目で追う彼女のウマソウルとすれ違った。何かあったのか。
そのまま見送ると見事な差しでヒシミラクルを捉えるとそのまま小脇に抱えて来た道を戻ってきた。


「た、助けて〜。」

「「「………。」」」

「貴女…いい差ししてるわね…。」

「それはどうも…でも精々G1三勝しかしてない私など貴女からすればまだまだ…。
この子の根性叩き直さなきゃならないので失礼します。では…。」


姉は相変わらずマイペースだった。




未確認飛行物体もとい見るからに妖精の國焼いた厄災なドラゴンが現れてJアラートが発令されたけたりした超大陸日本は府中のトレセン学園。
夕暮れを迎えたトレセン上空の惑星工作艦デメテル内部の一室。
そこではメジロマックイーン号がポチポチと手元のゼルモニターを操作してはネットの掲示板とかを見ていた。


「『プルルプルル』あら通信…?はいメジロマックイーン号…ルドルフ号さん?
京都の大学生寮でそっち系の方が持ち込んだ呪物の呪詛返し原因で怪異発生?
京都競馬場所縁のヒシミラクル号さんに急遽行って貰ったって…えええ…あの方、ヒシミラクルさんに発破かけてた所では?」

「しかしこうも集まると壮観だねえ」

127名無しさん:2023/10/22(日) 15:34:39 HOST:119-171-251-4.rev.home.ne.jp


そんな通信聞きながらメジロマックイーン号の背に貼り付いたアグネスタキオンは周囲を見回しそう呟く。
メジロマックイーン号にあやされてるスペシャルウィーク、マックイーン号により掛かるマンハッタンカフェ、反対にはアドマイヤベガが居場所確保している。
その他にもゼンノロブロイが近くでマックイーン号から借りた向こうの小説呼んだり、フジキセキがマジックの練習したり、マーベラスサンデーがマーベラスしてたり他にも無数のウマ娘がいる。
なお部屋の扉の一つからはゴールドシップ号とゴールドシップが縦に並んで顔を覗かせている。

ダブルゴールドシップ ゚д゚) ゚д゚)<このドロボウネコ!!


「しかしなんだねえ。君の近くはどうしてこう落ち着くのか…。」


アグネスタキオンは再びメジロマックイーン号の背中に張り付く。


「ウマソウルの影響によるものでしょう。私は貴女方のウマソウルの御父上とは特別親しくさせて頂いておりましたので。」

「ああ、私のウマソウルとなった競走馬の来歴にあったが運命に噛み付いたとか言われてる馬の事かい?」

「ええ。」

「ウマ娘にはなっていないようだが…。」


何処で何をしているのやらと呟くアグネスタキオンを見て自身の頭上に視線を移動させ何か見つめるとビミョーな表情をするとため息をつくメジロマックイーン号。
なおマンハッタンカフェの目には抱きつくどころか噛みつきそうな感じの姿あってハラハラしていたとか。
その部屋の扉が開き誰かが来た事に気づきメジロマックイーン号は耳をピクリとさせ顔を上げた。


「メジロマックイーン号…いらっしゃいますか?」

「あら?メジロアルダンではありませんの、ああラモーヌも…。」


その人物、ウマ娘の名家メジロ家の令嬢メジロアルダンとメジロラモーヌ、そしてその両親が入ってくると一斉に視線が集中しメジロアルダンはたじろぐ。
見ればクスンクスンと鼻を鳴らしながらマックイーン号に撫でられ涙目でこちら見るスペシャルウィークやマックイーン号の背中に張り付きぼけ〜とした表情のアグネスタキオン、
マックイーン号に寄りかかるマンハッタンカフェ、他にも周囲にいるゼンノロブロイやフジキセキ、マーベラスサンデー等々がこちらを見ている。
そしてメジロアルダンらの視線はマンハッタンカフェの反対に座るアドマイヤベガ…そして彼女とアドマイヤベガ号に挟まれてるマラトノカノチウ号で目が留まる。


「ああ…。」


それだけでメジロマックイーン号は察した。
マラトカチノウ号の存在で思い至ったのだろう。


「メジロアルダン。彼…或いは彼女ならば居りますわ。こちらには来ていませんが。
双子故か容姿はアルダン、貴女にそっくりですわね。」

「あの子は…あの子は元気なのですか…?」


メジロマックイーン号の言葉に反応するメジロアルダンの母。
元気にやっているとのメジロマックイーン号の言葉に安堵の息を吐き閉じた瞳から涙を流す。


「それでマックイーン号、それであの子の名は?」

128名無しさん:2023/10/22(日) 15:36:09 HOST:119-171-251-4.rev.home.ne.jp


「私や他のメジロを冠とする馬と違いメジロの冠は頂いておりませんわ。
生まれ出ず地に降りた時は既にメジロ牧場はなく。その看板を降ろした後でしたもの。
なので、広義でのメジロの馬とは言い難いかもしれませんわね。」

「そんな…。」


メジロアルダンの母親がその場に崩れ落ちた。





「貴重品以外あれもこれも持ってく必要はないか、ホントPVMCG様々だね。」

「機嫌がいいな。」


ガサゴソと鼻歌さえ歌い何やら準備をする飯崎鈴夏に声を掛けるのは数少ない親類であるJRA理事。
理事の言葉に手を止める。


「うん、憑き物が落ちたってこういことなのかなって。」

「セントライト号とシンザン号に殴りかかった時とはエラい違いだ。」

「あの時のことは言わないでよ、もう…あの二人がゴースト号にしたことは怒ったけど…。」


そんな事を言う飯崎に対し理事は同じ部屋のゴースト号とゴースト&その他にに目を向けるとワチャワチャと騒いでいる。


「東日本の時に行方不明になったあいつが帰ってきたからか?」

「それもあるけどそれだけじゃいないよ…キャンペンガール号さんにも怒られたし。」


久々に年上に怒られたと苦笑いする。
愛する子を残して逝った親がどれ程心配するか、自分が逝ったことで残された子供が投げやりな生送る様にどれ程心が痛むかとこんこんと語られたという。
その言葉に理事はキャンペンガール号が飯崎の母と同じ様に子を残して逝ったことを思い出す。


「さてとこれで準備完了。後は会場入りの時間待つだけだね。」

「そういえば何の準備を?」

「電ちゃんから明日に東京競馬場で急遽開催されることになった特別レースをヤルバーンでのフェスで告知するから…その司会をしてくれってそれに…。」

「それに…?」

「『ゴーストウィニング号も久々の出走発表ならば馬主さんがその場に居るのは当たり前なのです!』って。」


飯崎は笑った。理事が随分と久方振りに見た何の曇りもない笑顔だった。

なお…ワチャワチャしてた連中。


ダブルゴースト ゚д゚) ゚д゚)<うぉぉぉぉぉ!目指せ会場入りまでに電ちゃん公式MAD作成!
ナイスネイチャ -ω-;)<なんか駆り出されたけど何やってんのこの子ら?
ツインターボ `・w・´)<電から罰として電達の紹介動画みたいの作成しろって言われてた!
トリプルターボ `・tri・´)<なんか素材として記録映像渡されたけど時系列とか結果わかんないように加工して混ぜ混ぜしろとの仰せ
カナリハヤイネン ゚д゚)<後、電ちゃんのトーラルシステム?っての貸して貰ってるんやけど…実写映像がポチーだけでアニメになるんや…
ツインターボ `・w・´)試したらターボ達の映像が一瞬でプリティーダービーの絵柄になったぞ!
ナイスネイチャ -ω-;)<MAD作成にトーラルシステム貸し出すって…期限会場入りまで!?
イクノディクタス ^0_0^)<そんなことは言ってないそうですが…間に合えばそれでいいかと
ダブルゴースト ゚д゚) ゚д゚)<うぉぉぉぉぉ!
ナイスネイチャ Σ-ω-;)<なんか凄い勢いで出来上がっていく!?
イクノディクタス ^0_0^)<歌とか付けたくなりますね…どうせならウマ娘集めて音声付けましょう
ダブルゴースト ゚д゚) ゚д゚)<採用!
ナイスネイチャ Σ-ω-;)<イクノ!?なんで可燃物をさらに投下するの!?
ツインターボ `・w・´)<ターボ誰か呼んでくる!
カナリハヤイネン ゚д゚)<自分らも行こか?行くでトリ
トリプルターボ `・tri・´)<了解

129 ◆ZOyuaUaHes:2023/11/03(金) 22:17:19 HOST:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
テスト

130名無しさん:2023/11/04(土) 04:56:42 HOST:bai859b0aa9.bai.ne.jp
阪神電鉄・西宮市内線
【概要】
阪神電鉄が運行していた軌道線(路面電車)のうち、西宮市内部分を市内交通として再編成した路線網。鉄道路線である武庫川線も運行形態としてはこの一部である。

【路線】
武庫川線(鉄道線) 甲子園口―武庫大橋―武庫川―武庫川団地東(※1)―武庫川団地西

国道線 武庫大橋―上甲子園―国鉄西ノ宮―阪神西宮―夙川公園
甲子園線 上甲子園―甲子園―甲子園球場南口―浜甲子園
阪神今津浜線 浜甲子園―中津浜―今津港―今津
鳴尾浜線(虎姫線) 浜甲子園―記念艦虎姫―武庫川団地西―鳴尾浜

(駅名は主要駅のみ掲載)
甲子園線直通列車は武庫川線の途中駅(桜づつみ駅)を通過する。

【沿革】
大阪府大阪市に本社を置く大手私鉄である阪神電鉄は、大阪市と兵庫県神戸市の間に鉄道線である阪神本線を運行しているが、かつては国道2号線(第一阪神国道)上の路面電車として大阪市の野田(現・大阪市電 野田阪神駅)から神戸市の東神戸(現・神戸市電 脇浜町駅)に至る、路面電車としては常識外に長大な路線である阪神国道線を保有していた。

路線延長がおよそ80kmにも及ぶ国道線はその長さゆえに全線で5時間以上という非効率な運行を強いられ、太平洋戦争終戦後のモータリゼーションの進行が非効率性に追い打ちをかけて阪神電鉄の負担となっており、沿線自治体からの撤去要請にも特に反発が生じないありさまであった。
しかし、風前の灯であった国道線の廃線に待ったがかかる。
幹線道路の混雑緩和には、路面電車の撤去は逆効果となるという見解が複数の都市計画の研究者から提示され、早くに廃線が行われたいくつかの都市において実際に渋滞が激化するなどの弊害が発生し始めていたのである。

多くの都市で路面電車を排除する論調は下火となってゆき、国が法整備を進めたこともあり既存の路面電車を有効活用することも考慮した交通網の整備が盛んに研究されるようになった。
一例として、大阪府大阪市において大阪市電のうち、地下鉄で置き換えられない部分の全面廃止とバス移行が土壇場で撤回された例がある(流石に路線の新設はバスと比較した優位性に問題があり、一部を除いて低調であった)。

この流れにおいて国道線も先述の廃止要請は一旦白紙撤回され、存続の可能性を考慮して阪神電鉄と地方自治体などが慎重に協議を重ねた。
結論として、阪神電鉄の路面電車路線のうち西宮市内部分は引き続き阪神電鉄が運営し、それ以外は芦屋市内は廃線となったが大阪市・尼崎市・灘市(※2)・神戸市の部分は各市の公営交通の路線に編入(尼崎市は新設)されることとなった。分割によってスリム化した各市の路線は市内の鉄道と接続するなど地域輸送・フィーダー路線として歴史を刻んでいくこととなる(大阪市電 西淀川線/大淀線(※3)・尼崎市電 国道線・神戸市電 灘線)。

さて、阪神電鉄が運営すると決定した西宮市内であるが、国道線の上甲子園駅から分岐して海岸方向に向かう、途中の甲子園駅で阪神本線と接続する甲子園線が存在していた。
この甲子園線は沿線の団地の足となっているなど国道線と異なり経営状態は良好であり、これが西宮市内部分が阪神電鉄に残る理由の一つでもあったのだが、この甲子園線に加えて阪神の鉄道線の支線である、西宮市東端を走る武庫川線も連携して西宮市内南部の交通網としての再編成が行われた。

余談ながら、上記の西宮市内が阪神電鉄に残った理由のうち最大のものは、西宮市は阪神電鉄が保有する職業野球チームである阪神タイガースの本拠地である甲子園球場の所在地であり、元来阪神電鉄との結びつきが強かったためである(阪急電鉄の球団である阪急ブレーブスも宝塚市の新球場に移転するまでは西宮市が本拠であり、ブレーブス人気も根強いのだが)。

131モントゴメリー:2023/11/08(水) 21:27:43 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——café express(コーヒー急行)——

グアテマラ共和国、アンティグア。
世界遺産に数えられる古都を有するこの地方は、良質なコーヒー豆の産地としても知られている。
3つの火山に囲まれたが故に豊かな火山性土壌であり、標高も高く温度が低いにも関わらず日照時間が長い。
更に昼夜の寒暖の差が激しいなどコーヒーノキの栽培に絶好の自然条件が揃っているのである。
グアテマラは国内に8カ所ものコーヒー産地(いずれも世界に誇る一級品)を有する一大コーヒー生産国であるが、その中でもこのアンティグア産のコーヒーは特に有名である。
そんなアンティグアに冬がやって来た。他の地方はいざ知らず、グアテマラでは冬はコーヒー豆の収穫期である。


「父さん、こっちは終わったよ」
「ああ、ありがとう。すまないな、せっかくの休みなのに」

とあるコーヒー農家では一家総出で豆の収穫を行っていた。
完熟している実のみを選別しなければならないので機械化は困難な作業である。また、仮に機械で選別できたとしても実を傷つけてしまっては意味が無い。
この農園が機械に支配されることは当分無いだろう。

「毎年のことだからもう諦めているよ。これも俺の運命さ」
「そんな歳で人生を悟ったような事を言わんでくれ。今年に続いて、来年度の取引単価も上がるはずだから、大学にだって行かせてやれるぞ?」
「ハイハイ、期待しているよ」

全く期待していない声色で応じながら青年たちは収穫した豆をトラックの荷台に積んでいく。
この後、脱肉や乾燥を施し(最後はまた手作業で)選別して、ようやくコーヒー豆は出荷されるのである。

「一難去ってまた一難だよね。いつものことだけど」
「そうは言うが、昔はもっと大変だったぞ。商品として売れる状態にしたとしても、ここから運ぶのがもっと苦労したんだ」

前述したようにアンティグアは山地に囲まれており標高も高い。もっと言うとグアテマラのコーヒー産地はみな高山地帯にある。
コーヒーの栽培には理想的な立地であるが、輸送という工程を考えるとその理想は悪夢へと変わる。
詳細を省いて乱暴に羅列するだけでも

トラックに載せる

山道を下る

港へ運ぶ

船へ載せる

という手間が必要である。
そして手間がかかるほど時間が必要となりコーヒー豆は劣化する。生産者としては忸怩たる思いだ。
さらに言うなら、時間に比例して輸送コストも増大するので販売価格は上がり、利益率は下がる。
まさに踏んだり蹴ったり「だった」

「今は『アレ』に載せるだけいいからね。明後日には海の向こうだ」
「昔は大西洋を越えるだけで1週間はかかったからなぁ…。楽になったものだよ」



———一か月後

彼らの農園で収穫されたコーヒー豆は同じ地区の他農園のものと共にある場所へと集められた。
そこは山地では貴重な平地であり、舗装もされているがその大きさは一辺が500mほどしかない正方形であった。
しかし、「アレ」には500mの直線があれば十分なのである。

「……何度見ても信じられないくらいデカいな」

青年がボヤくのを他所に「アレ」は着陸する。
アレ——往年の弩級戦艦に匹敵する200mという全長。100mという水上船ではあり得ないL/B比の幅がよりその巨躯を強調する。
エールフランス航空が運用する複合飛行船、「café express(コーヒー急行)」である。

132モントゴメリー:2023/11/08(水) 21:30:29 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
———さらに3日後、フランス連邦共和国、パリ7区サン=ドミニク通り14番地「ブリエンヌ館」
フランス連邦共和国の国防参謀総長たるアナイス・ベルナルドは勤務前の一服を満喫していた。
コーヒーカップに満たされたカフェオレを堪能しつつ朝のニュース番組を流し見る。
丁度エールフランス航空の今季初のコーヒー急行が、昨日パリのル・ブルジェ空港に到着したことを報じていた。
アレのおかげで、毎日のコーヒーがより安く、より美味しくなったわね。とアナイスは回顧した。
従来はそのほとんどが海上輸送で運ばれていたコーヒー豆であるが、例えばグアテマラから欧州大陸へは一般的なコンテナ船でおよそ1週間を要した。
その間直射日光を浴びるコンテナの中にある訳であるから、コーヒー豆の劣化は無視できないレベルなのだ。
しかし、コーヒー急行は同じ道程を48時間ほどで踏破してしまう。それも低温な高空を通って。
品質だけでなく価格にも好影響を与える。船舶輸送は時間だけではなく手間もかかる。
船を載せるまでは先述した通りであるが、消費地の港に着いてもそこで終わりではない。
荷下ろしし、トラックに載せ、各都市へ輸送してようやく食卓へ届くのである。
しかし、コーヒー急行は生産地から直接消費される都市へ輸送できるため効率は遥かに高い。
とある試算によれば、複合飛行船の積載量が500トンを超えるとコンテナ船の輸送効率を上回るという。
そして、コーヒー急行に使われる我がFFRが誇るデヴォアティーヌDi1500はその名の通り1500トンの貨物を積載できる。
これにより単位重量当たりの輸送コストは海上輸送の1/2、輸送機を使った空輸の1/10以下にまで圧縮できた。
それでいて品質も維持できるのだから、まさにコーヒー業界の革命である。
一杯のコーヒー!
フランス人の「日常」を象徴するイコンに、これ以上相応しいものはそうそうない。
アナイスは確信している。
だからこそ、Di1500をエールフランス航空を始め民間へも採用できるように大統領に働きかけたのだ。
フランス人にとってコーヒーは欠かせない。
平均的なフランス人は1日3杯のコーヒーを飲むと言う。まさに日常の一コマだ。

“日常”

それは普段は気にも留めないが、何よりも尊いものだ。
アナイスは断言する。
これがあるからこそ我らフランス人は…否、人間は『死地』に飛び込める。
“前線”とは“銃後”がなければ存在できない相対的であやふやなものなのだ。
毎朝のカフェオレの味を思い出し、もう一度飲みたいと考えるとき、兵士は弾雨の中を疾駆できる。
他国のある者は我々を「正気と狂気の境界線上でワルツを踊っている」と表現することがあるが、正気(=日常)がなければ狂気もまた存在せずワルツは成立しないのである。
またある者は「現代によみがえったスパルタ人」とも呼ぶが、我らFFRは『全てのフランスの後継者』だ。
フランスが積み上げてきた文化を、歴史を継承する義務がある。
スパルタ人の尚武の気風と、アテネ人の文化を尊ぶ精神を両立させなければならない。
そういう意味では、コーヒーは立派な戦争資源。必須栄養素なのだ。
イギリス人にとっての紅茶、ドイツ人にとってのビールに等しい——。

「閣下、間もなく朝の会議でお時間です」

副官の声によりアナイスの思索は終了した。

「わかったわ。ちょっと待ってて」

アナイスはいそいそとコーヒーカップを“ひっくり返した”。
そして底のくぼみに琥珀色の液体を注ぐ。
アナイスは一呼吸おいてからその液体を飲み干した。

「…文化はしっかり継承しないとね♪冬の朝はこれがないと目が覚めないわ」

——コーヒーを飲んだ後のカップを裏返し、その余熱で酒精を温めてから飲む方法を「ブリュロ(brulot)」と言い、18世紀フランスが生んだ偉大な文化である。

133ナイ神父Mk-2:2023/11/24(金) 00:52:17 HOST:p475167-ipngn2701akita.akita.ocn.ne.jp
テスト


ttps://i.imgur.com/egU44o8.jpg

134モントゴメリー:2023/11/29(水) 20:26:01 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
モントゴメリー企画(株) 新商品企画書
部署名 技術開発部、仮称アラスカ級建造委員会
氏名 モントゴメリー
作成日 R5年  11月  29日

商品説明
商品名 アラスカ級巡洋戦艦
販売価格 未設定
コンセプト レキシントン級巡洋戦艦の後継にして蔵王型キラー。
船体を小型化しつつ浮いた重量を装甲に回しつつ、必要十分の火力を有する
詳細・仕様
基準排水量:28,000トン
全長:215m
全幅:32m
主砲:50口径16インチ砲三連装2基(前部集中)
(その他武装は企画案承認後に詳細検討)
速力:32ノット
装甲:舷側300mm
    甲板150mm
(その他箇所は企画案承認後に詳細検討)

差別化ポイント
主砲を既存規格から流用することによりコスト圧縮。蔵王型へのカウンターパートとしての役割のみならず、戦艦相手でも最低限戦える能力を付与。

提案の背景
レキシントン級が巡洋戦艦として誕生している世界では、アラスカ級は史実の様な形では生まれないという判断

商品開発
予算 史実アラスカ級未満(8割程度)
期間 応相談
販売開始日 応相談

販売戦略
ターゲット ウィリアム・ハルゼー合衆国大統領及び合衆国海軍
販売ルート 掲示板に投稿
販促活動 設定せず
広告・パブリシティ 設定せず

添付資料・その他
ハルゼー氏より、「蔵王クラスと同数を配備できる艦」という要望を受けております。

135モントゴメリー:2023/12/02(土) 14:05:27 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
age

136モントゴメリー:2023/12/02(土) 14:08:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
モントゴメリー企画(株) 新商品企画書
部署名 技術開発部、仮称ミッチャー級建造委員会 氏名 モントゴメリー 作成日 R5年  12月  2日

商品説明
商品名 ミッチャー級嚮導駆逐艦
販売価格 未設定
コンセプト 駆逐隊旗艦にして、敵駆逐艦の警戒線を突破し駆逐隊を突入させる破城槌。
詳細・仕様 基準排水量:3,800トン
全長:130m
全幅:12.4m
主砲:47口径15.2cm砲連装3基
(その他武装は企画案承認後に詳細検討)
速力:32ノット
装甲:機関部及び弾薬庫側面50mm
    砲塔防盾50mm
(その他箇所は企画案承認後に詳細検討)
差別化ポイント 駆逐艦でありながら敵駆逐艦を圧倒するために15cm級主砲を搭載。また敵駆逐艦の5インチ砲の弾幕を突破するための対5インチ砲防御を装備。それでいて駆逐艦としてギリギリ「量産」できる排水量に抑えた。
提案の背景 蔵王型はアラスカ級が、神通型はボルチモア級が抑えている間に、敵駆逐艦の警戒網を破壊し駆逐隊を直接援護する艦が必要だと判断

商品開発
予算 史実トロンプ級軽巡洋艦程度(量産効果により削減可能)
期間 応相談
販売開始日 応相談

販売戦略
ターゲット ウィリアム・ハルゼー合衆国大統領及び合衆国海軍
販売ルート 掲示板に投稿
販促活動 設定せず
広告・パブリシティ 設定せず

添付資料・その他
本艦が率いる主力駆逐艦についても鋭意設計中です

137モントゴメリー:2023/12/02(土) 14:10:42 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
モントゴメリー企画(株) 新商品企画書
部署名:技術開発部、仮称ミッチャー級建造委員会
氏名:モントゴメリー 作成日 R5年 12月 2日

商品説明
商品名: ミッチャー級嚮導駆逐艦
販売価格: 未設定
コンセプト: 駆逐隊旗艦にして、敵駆逐艦の警戒線を突破し駆逐隊を突入させる破城槌。

詳細・仕様
基準排水量:3,800トン
全長:130m
全幅:12.4m
主砲:47口径15.2cm砲連装3基
(その他武装は企画案承認後に詳細検討)
速力:32ノット
装甲:機関部及び弾薬庫側面50mm
    砲塔防盾50mm
(その他箇所は企画案承認後に詳細検討)

差別化ポイント
駆逐艦でありながら敵駆逐艦を圧倒するために15cm級主砲を搭載。また敵駆逐艦の5インチ砲の弾幕を突破するための対5インチ砲防御を装備。それでいて駆逐艦としてギリギリ「量産」できる排水量に抑えた。
提案の背景 蔵王型はアラスカ級が、神通型はボルチモア級が抑えている間に、敵駆逐艦の警戒網を破壊し駆逐隊を直接援護する艦が必要だと判断

商品開発
予算: 史実トロンプ級軽巡洋艦程度(量産効果により削減可能)
期間: 応相談
販売開始日: 応相談

販売戦略
ターゲット: ウィリアム・ハルゼー合衆国大統領及び合衆国海軍
販売ルート: 掲示板に投稿
販促活動 設定せず
広告・パブリシティ: 設定せず

添付資料・その他
本艦が率いる主力駆逐艦についても鋭意設計中です

138モントゴメリー:2023/12/02(土) 14:11:52 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
モントゴメリー企画(株) 新商品企画書
部署名:技術開発部、仮称ミッチャー級建造委員会
氏名:モントゴメリー 作成日 R5年 12月 2日

商品説明
商品名: ミッチャー級嚮導駆逐艦
販売価格: 未設定
コンセプト: 駆逐隊旗艦にして、敵駆逐艦の警戒線を突破し駆逐隊を突入させる破城槌。

詳細・仕様
基準排水量:3,800トン
全長:130m
全幅:12.4m
主砲:47口径15.2cm砲連装3基
(その他武装は企画案承認後に詳細検討)
速力:32ノット
装甲:機関部及び弾薬庫側面50mm
    砲塔防盾50mm
(その他箇所は企画案承認後に詳細検討)

差別化ポイント
駆逐艦でありながら敵駆逐艦を圧倒するために15cm級主砲を搭載。また敵駆逐艦の5インチ砲の弾幕を突破するための対5インチ砲防御を装備。それでいて駆逐艦としてギリギリ「量産」できる排水量に抑えた。

提案の背景
蔵王型はアラスカ級が、神通型はボルチモア級が抑えている間に、敵駆逐艦の警戒網を破壊し駆逐隊を直接援護する艦が必要だと判断

商品開発
予算: 史実トロンプ級軽巡洋艦程度(量産効果により削減可能)
期間: 応相談
販売開始日: 応相談

販売戦略
ターゲット: ウィリアム・ハルゼー合衆国大統領及び合衆国海軍
販売ルート: 掲示板に投稿
販促活動 設定せず
広告・パブリシティ: 設定せず

添付資料・その他
本艦が率いる主力駆逐艦についても鋭意設計中です

139名無しさん:2023/12/03(日) 17:13:35 HOST:p6fd8d2fe.kngwnt01.ap.so-net.ne.jp
テストします。

140名無しさん:2023/12/03(日) 17:15:10 HOST:p6fd8d2fe.kngwnt01.ap.so-net.ne.jp
ゴジラ-1.0×提督たちの憂鬱 
改阿賀野級巡洋艦 相模級

本級は海神作戦後の対ゴジラ戦に備えて、GHQが限定的に許可した再軍備の一環として建造された巡洋艦である。
米軍からの供与も計画されたが、軍事ケインズ効果と既存艦艇のゴジラへの有効性の疑問から、日本国内における域外調達となった。

船体・機関は基本的に阿賀野級そのままであるが、本級では武装は一新されており、
主砲として380mm61式ロケット臼砲(38cm Raketenwerfer 61 L/5.4)を連装4基搭載している。
高雄の対ゴジラ戦の戦訓である
①水上砲戦において20㎝砲でもダメージにはなるが撃破は不可能
②水中に潜水しての突撃を阻止することは91式徹甲弾による水中弾効果では不可能
という二点を軽巡洋艦において解決するべく採用されたのがロケット臼砲である。
元々、ドイツ海軍の爆雷投射機からシュトルムティーガーの主砲となったロケット臼砲が先祖帰りした形である。

141名無しさん:2023/12/11(月) 18:00:43 HOST:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
test

142earth(スマホ):2023/12/27(水) 23:39:37 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
書き込みテスト。

143モントゴメリー(リハビリ中):2024/01/04(木) 00:17:40 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
フロレアル級護衛駆逐艦

基準排水量:2,000トン
全長:96m
全幅:14m
高さ:33.4m
機関:ディーゼルエンジン(6,470 kW/8,680 hp) 4基
   可変ピッチ・プロペラ 2軸
   バウスラスター(200kW) 1基
速力:最大20ノット(公称)
航続距離:11,000海里(14ノット巡航時)
電力:ボードワン12 P15 2SR ディーゼル発電機 (590kW) 3基
乗員:約90名(航空要員含む)
兵装:50口径127mm単装砲      1基
37mm単装機関砲       1基
20mm単装機銃        2基
SIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機    2基
   エグゾセ対艦誘導弾連装発射機  2基
   533mm連装魚雷発射管    2基
艦載機:汎用ヘリコプター        1機
C4I:シラキューズ衛星通信システム
GFCS:ナジール 主砲用   1基
レーダー:DRBV-21対空・対水上捜索用   1基
     DRBN-34 航法用         2基
ソナー:スフェリオンB 艦首装備式   1基
    ATAS(V)2(後日装備)      1基
電子戦装備:ARBG 1A 電波探知装置
DAGAIE Mk.2デコイ発射機   2基


【概要】
フロレアル級護衛駆逐艦(destroyer d'escorte type Floréal)はフランス連邦共和国(FFR)海軍の艦級である。
1980年代初頭より同海軍で整備されて来た新型艦——「新世代(nouvelle generation)」と呼称される——の一翼である。
小型にして軽武装ながら、対潜・対空・対艦(及び対地)の各能力を最低限ながら全て保持しており海上交通線の守護者として国民からは親しまれた。

【計画】
FFR海軍では従来、「通報艦(Aviso)」という艦種を整備してきた。
これ自体は戦前から存在するものであり、海外県・海外領土での洋上警備・救難など領海・排他的経済水域保全を主任務としてきた。
しかしFFRの御代からはそれに「一定程度の対艦戦闘能力」が追加されることになる。
これはあのアムステルダム条約の“基準排水量2000トン以下の小型駆逐艦、植民地通報艦の保有数に制限は設けない。”という項目が原因であり、この「抜け道」を利用して艦隊戦力を少しでも増強しようとしたのである。
その結果、FFR海軍黎明期から初期——いわゆる「暗黒の30年」時代——の通報艦は小型の船体に重武装という特徴を持つようになり、当然安定性を始め様々な問題が発生することになる。
そこで1980年代初頭、「暗黒の30年」を乗り越え余裕が出来たFFR海軍は艦隊の一大刷新を決意、新艦艇の整備を開始する。
代表的なのは『我らが指揮官』の第一次再構築改装であるが、計画されたのは本級が最初である所にFFR海軍の意気込みが見て取れる。
計画の骨子としてはアムステルダム条約の制限一杯まで大型化した船体で航続性能を確保しつつ、通報艦から移管した対艦戦闘能力を付与するというものになった。
簡単に言えば「対艦戦闘能力を強化したフリゲート」を欲したのである。
FFR海軍は各種正面装備を整備しつつも海軍の存在意義——自国海上交通線の保護——を忘れてはいなかった。
「大陸軍(Grande Armée)」の栄光は忘れじとも、“海から資源を輸送しなければ立ち行かない”という点では、FFRは既に立派な「海洋国家」なのだから。
なお、艦級については当初「フリゲート(Frégate de surveillance)」とする予定であったが、条約的に面倒になるので「護衛駆逐艦(destroyer d'escorte)」となった。

144モントゴメリー(リハビリ中):2024/01/04(木) 00:20:06 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
フロレアル級護衛駆逐艦

基準排水量:2,000トン
全長:96m
全幅:14m
高さ:33.4m
機関:ディーゼルエンジン(6,470 kW/8,680 hp) 4基
   可変ピッチ・プロペラ            2軸
   バウスラスター(200kW) 1基
速力:最大20ノット(公称)
航続距離:11,000海里(14ノット巡航時)
電力:ボードワン12 P15 2SR ディーゼル発電機 (590kW) 3基
乗員:約90名(航空要員含む)
兵装:50口径127mm単装砲      1基
37mm単装機関砲        1基
20mm単装機銃         2基
SIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機    2基
   エグゾセ対艦誘導弾連装発射機  2基
   533mm連装魚雷発射管    2基
艦載機:汎用ヘリコプター        1機
C4I:シラキューズ衛星通信システム
GFCS:ナジール 主砲用   1基
レーダー:DRBV-21対空・対水上捜索用   1基
     DRBN-34 航法用         2基
ソナー:スフェリオンB 艦首装備式   1基
    ATAS(V)2(後日装備)      1基
電子戦装備:ARBG 1A 電波探知装置
DAGAIE Mk.2デコイ発射機   2基


【概要】
フロレアル級護衛駆逐艦(destroyer d'escorte type Floréal)はフランス連邦共和国(FFR)海軍の艦級である。
1980年代初頭より同海軍で整備されて来た新型艦——「新世代(nouvelle generation)」と呼称される——の一翼である。
小型にして軽武装ながら、対潜・対空・対艦(及び対地)の各能力を最低限ながら全て保持しており海上交通線の守護者として国民からは親しまれた。

【計画】
FFR海軍では従来、「通報艦(Aviso)」という艦種を整備してきた。
これ自体は戦前から存在するものであり、海外県・海外領土での洋上警備・救難など領海・排他的経済水域保全を主任務としてきた。
しかしFFRの御代からはそれに「一定程度の対艦戦闘能力」が追加されることになる。
これはあのアムステルダム条約の“基準排水量2000トン以下の小型駆逐艦、植民地通報艦の保有数に制限は設けない。”という項目が原因であり、この「抜け道」を利用して艦隊戦力を少しでも増強しようとしたのである。
その結果、FFR海軍黎明期から初期——いわゆる「暗黒の30年」時代——の通報艦は小型の船体に重武装という特徴を持つようになり、当然安定性を始め様々な問題が発生することになる。
そこで1980年代初頭、「暗黒の30年」を乗り越え余裕が出来たFFR海軍は艦隊の一大刷新を決意、新艦艇の整備を開始する。
代表的なのは『我らが指揮官』の第一次再構築改装であるが、計画されたのは本級が最初である所にFFR海軍の意気込みが見て取れる。
計画の骨子としてはアムステルダム条約の制限一杯まで大型化した船体で航続性能を確保しつつ、通報艦から移管した対艦戦闘能力を付与するというものになった。
簡単に言えば「対艦戦闘能力を強化したフリゲート」を欲したのである。
FFR海軍は各種正面装備を整備しつつも海軍の存在意義——自国海上交通線の保護——を忘れてはいなかった。
「大陸軍(Grande Armée)」の栄光は忘れじとも、“海から資源を輸送しなければ立ち行かない”という点では、FFRは既に立派な「海洋国家」なのだから。
なお、艦級については当初「フリゲート(Frégate de surveillance)」とする予定であったが、条約的に面倒になるので「護衛駆逐艦(destroyer d'escorte)」となった。

145モントゴメリー(リハビリ中):2024/01/04(木) 00:22:21 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【船体設計】
本級ではコスト低減を目的として、積極的に商船の建造技法が導入されており、フランスの船級協会であるビューロー・ベリタスの規則に準拠して設計されている。
艦型としては長船尾楼型が採用されヘリコプター甲板の高さと船内容積を確保している。艦内にはコマンド部隊25名分の待機スペースがあり、また350立方メートルの物資を搭載できる。

【機関】
航続距離は『我らが指揮官』と同じ数値である14ノットで1万1000海里が設定された。
これはマルセイユ—エスト・デ・パリ間を無補給で航行できる数字であり、戦略的環境が同じであるため同じ数字になるのは必然であった。
この長足を実現するために、ディーゼル主機とされているが通報艦と異なり船型の大型化に伴い巡航用と高速用二つの主機を搭載することが可能となった。
主機は直列6気筒の高速ディーゼルエンジン、両舷2基ずつ計4基の主機は、減速機を介して両舷各1軸の推進器(可変ピッチ式プロペラ)に接続される。
抗堪性よりは整備性を重視して、主機室は1室構成とされている。
これに関しては異論も出たが、本級は艦隊決戦が主任務ではないため看過することになる。

【兵装】
主砲に50口径127㎜速射砲を装備。これは、『我らが指揮官』にも搭載された65口径127㎜砲を軽量化のため短縮したものである。
このため初速が低下し威力も射程もそれに準じるが、対地攻撃には十分な威力を発揮するとして問題にはならなかった。
(対艦戦闘能力は後述する誘導弾が主役である)
対潜兵装は533㎜誘導魚雷を装備しており、ソナーであるスフェリオンBは、6〜8 kHzの周波数を使用して2〜24 kmの距離を探知可能である。
正直、これは大洋では物足りない性能であるが、追加装備としてATAS(V)2曳航型ソナーが配備されたことで対潜能力は飛躍的に向上した。
本級の運用としては、複数艦で対潜警戒線を作成し、発見した潜水艦は陸上航空隊の対潜哨戒機や本職の艦隊駆逐艦に対処してもらうのが基本となる。
対空装備としては船体両舷に20㎜機銃を1基ずつと、艦後部の艦載機格納庫上部に37㎜機関砲が1基配備されている。
そして本級の目玉である対艦誘導弾として国産のエグゾセ発射管を前部マスト直後に配備している。

【船体軽量化】
ここまでお読みなった諸兄はこうお思いだろう。
「これ、2000トンに収まる?」
と。
実際、この規模の艦を従来通り建造すると基準排水量は3000トン前後となってしまう。
そこでFFR海軍技術部は材料的手法と構造的手法、二つのアプローチからこの問題に対処した。
まず材料的手法であるが、上部構造物に鋼材ではなくガラス繊維強化プラスチックを採用した。これを可能な限り使用し重量を低減している。
次に構造的手法として、船体構造物各所にハニカム構造を採用し必要な鋼材を削減、軽量化に成功している。
こうした努力の結果、見事基準排水量を2000トンに収めることに成功した。

【運用】
本級は『我らが指揮官』再就役に先駆けて就役し、「新世代たち」の先駆者となった。
名前はフランス革命暦に因み命名され、1番艦のFloréal (花月)から第一期組としてGerminal (芽月)まで12隻が建造された。
その後は第二期組としてフロレアルの第一日目Rose(薔薇)から三十日目のHoulette(牧杖)までの30隻が、その後も30隻ずつが建造され最終的には同盟国へ販売された分も含め132隻が就役し、FFRの海上交通線を守り抜くことになる。
なお新素材は新工法を採用したため、建造コストは当初それほど圧縮できなかったが、量産が進むにつれ予想以上の低減に成功した。

146モントゴメリー:2024/01/08(月) 23:38:28 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp

 ス
  ト

147モントゴメリー:2024/01/08(月) 23:57:52 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——練習巡洋艦ジャンヌ・ダルク(第一次再構築改装後)——

全長:238m
全幅:24m
喫水:約11m
基準排水量:1万6000トン(公称)
      約2万2000トン(実数)
兵装:60口径15.5cm連装砲 4基
65口径12.7cm速射砲 6基
   60口径7.6㎝速射砲  10基
70口径3.7㎝機関砲  8挺
   90口径2㎝機関砲   12挺
 61㎝3連装魚雷発射管 2基

マズルカ艦隊防空誘導弾連装発射機  2基
   クロタル個艦防空誘導弾8連装発射機 2基
   SIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機 4基
エグゾセ対艦誘導弾連装発射機  10基

533mm連装魚雷発射管    4基
6連装380㎜対潜ロケット砲 2基
ミラス対潜誘導弾発射機       4基

艦載機:各種ヘリコプター        5機
装甲:対15.5㎝集中防御(公称)
   対20.3㎝全体防御(実際)
機関:ディーゼル・ガスタービンエンジン混載
   最大出力11万馬力(公称)
        22万馬力(実際)
速力:最高27ノット/時(公称)
      34ノット/時(実際)
航続力:14ノット時1万1000海里
乗員数:1500名+士官候補生700名+指導教官60名



1. 概要
フランス連邦共和国(FFR)海軍の練習巡洋艦、ジャンヌ・ダルクの再構築改装後の姿である。
一度は退役しながらも数奇な運命と執念によって現役復帰した『先生』の勇姿である。
基本的には先に改装されていた「リシュリュー」の経験を踏まえて手堅くまとめられている。

2. 計画
広く膾炙されているように、彼女の再構築改装は本来予定されていなかった。
しかし運命のいたずらと彼女自身の執念によって予定が書き替えられたのは周知のとおりである。
これだけならば叙事詩の一編として受け入れられるが、建艦計画を司る現場の混乱は相当なものであった。
本来の練習艦は廃艦となり、ジャンヌ・ダルクの再就役にはまだ時間がかかる。
その間の士官教育はどうするのだ、と関係各所は喧々諤々の議論と調整に追われた。
結果、当面は陸続と就役が行われているフロレアル級に分乗させ教育を続行。
その間に可及的速やかに彼女の再就役を実行するという運びとなった。
そのため、ジャンヌ・ダルクは改装期間を短縮するためリシュリューで培われた改装知見を活用しつつ奇をてらわない改装となった。

148モントゴメリー:2024/01/08(月) 23:58:33 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
3. 船体全景
 リシュリューの時と同じく、艦首から前半部分の印象は変わっていない。
 連装2基の主砲から艦橋へと至る配置はそのままである。
 また、彼女の外観の特徴である艦橋後部から3番砲塔にかけて設けられたプロムナード
デッキ(遊歩甲板)も健在である。
この客船を思わせる優美な姿こそ、彼女が練習巡洋艦である証なのだ。
しかし、4番砲塔以降の艦後部の印象は大きく変化している。
ここには延長された船体を活かして飛行甲板と格納庫が配置され、5機の回転翼機が搭載
されている。
これにより航空科の教育も可能となった。
また、上部構造物も新造時の面影を残しつつレーダー反射率を抑えるために垂直部分を可能な限り排している。

4. 兵装
4.1主砲
主砲として60口径15.5cm砲を連奏4基8門搭載されている。
これは、「シャトールノー」級軽巡洋艦に搭載されたものと同一である。
船体規模としてより多数の砲を搭載することも可能であったが、彼女の本分は練習巡洋艦であるため改装前と同等で抑えられた。
(あまり火力を強化するとOCUから非難される恐れもあった)
しかし門数を抑えられたとはいえ、その性能は恥じるところは無い。
発射速度は最短2.4秒/発。1分間に25発発射する事が可能であり、全門斉射で1分間
に200発を投射できる。
また、砲弾はリシュリュー改装時に開発された対地・対空用の榴弾、対艦用の超々大質量砲弾、そしてロケットアシスト付き誘導砲弾の3種類を搭載している。
射程は以下の通りである。

榴弾:対空15km、対地30km
超々大質量砲弾:40km
ロケットアシスト付き誘導砲弾:80km

4.2対空火器
対空火器もリシュリューに搭載されたものを踏襲している。
まず長距離用に12.7cm速射砲を6基(片舷3基)、中距離用に7.6㎝速射砲を10基(片舷5基)装備している。
兵站的にはどちらかに統一した方が良いのであるが、練習巡洋艦としては多彩な兵装を装備している方が有意なのでこの配置となった。
(彼女の兵装が多彩なのはこの思想に則っている)
機関砲もリシュリューに準じ、37㎜と20㎜を搭載している。
各火器の諸元は以下の通りである。

12.7cm速射砲:射程10km(対空)、発射速度毎分40発
7.6㎝速射砲:射程7km(対空)、発射速度毎分70発
20㎜機銃:射程1.5km(対空)、発射速度毎分900発
37㎜機関砲:射程4km(対空)、発射速度毎分400発

4.3誘導弾
誘導弾に関しては既存品を組み合わせている。
(「既存」と言いつつ全て最新鋭であるが)
まず艦隊防空用にマズルカ艦隊防空誘導弾を連装発射機で2基、次に個艦防空用にク
ロタル個艦防空誘導弾を8連装発射機2基搭載している。
   さらに近接防御としてSIMBAD近距離対空誘導弾連装発射機を 4基備えている。
そして敵艦を貫き槍であるエグゾセ対艦誘導弾を連装発射機10基装備している。
  このようにFFRが実用化した艦載誘導弾はほぼ全て網羅しているのである。

4.4対潜兵装
近距離用に533mm誘導魚雷を連装発射管で4基、遠距離用にミラス対潜誘導弾発射機も4基装備している。
さらに6連装380㎜対潜ロケット砲も装備しているが、こちらは主に訓練用装備であり、実戦時にはリシュリューの時と同じくチャフやフレア、(赤外線妨害を目的とした)煙幕弾射出機としての能力を期待されている。

4.5水雷兵装
新開発の61㎝スーパーキャピテーション魚雷を3連装発射管で2基搭載している。
性能は有効射程約40㎞で最高速度は約360㎞/時である。
これも主に訓練用装備であるが、実戦となれば彼女は躊躇わずこれを使うために敵艦に突進するであろう。

4.6その他兵装
対小型艇用に13.2㎜機関銃を艦内に格納しており、艦載機にも搭載できる。また艦内での白兵戦装備としての側面もある。

149モントゴメリー:2024/01/09(火) 00:00:00 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
5. 電波兵装
こちらも基本的にリシュリューに準じている。
特記すべきは国産防空システム「アッキヌフォート」であろう。
これによりジャンヌ・ダルクの防空能力はFFR海軍で最高水準となっている。
なおフェイズド・アレイレーダーの配置もリシュリューと相似である。

6. 航空艤装
艦載機として、各種ヘリコプターを5機格納庫に搭載可能である。また、教練用装備を撤去することによりさらに5機搭載することも可能である。
この航空機運用能力はクレマンソー級航空母艦の次に強力な数字となっている。

7. 航続力
こちらもリシュリューやフロレアル級と同等の14ノットで1万1000海里まで延長された。
理由も両者と同様である。

8. 防御力
防御力に関しては一切の妥協も加えられていない。
(実質的に)排水量制限が無いので、構造上可能な限り強化されている。
8.1船体防御
新造時のジャンヌ・ダルクの装甲は、弾薬庫部分に20㎜の装甲板が張られていたのみであった。
よくぞこれであの戦争を生き抜いたものだと、関係者たちは改めて驚嘆したのであるが、今回は“奇跡”に期待するわけにはいかない。
よって彼女には硝煙弾雨をくぐり抜けるに足る「甲冑」が用意された。
ここでもリシュリューの改装が踏襲され、リシュリューで言うところの”第二種防御区画”の構造が採用された。
具体的には舷側装甲に傾斜した180㎜装甲板を主装甲として装備し、その外側に対誘導弾を主眼とした鋼板・セラミック複合装甲が垂直に配置されている。
そして更に外側に弾片防御と空間装甲を兼ねた船体外板が緩やかな傾斜を描きながら存在している。
  甲板装甲は中甲板部分に120㎜の主装甲を装備し、上甲板は30mmの補助装甲である。

8.2. 水雷防御
やはりと言うべきか、こちらもリシュリューの模倣である。
(設計する時間が無いのである!!)
つまり、舷側装甲を艦底部まで延長することにより耐久力を確保し、その外側にバルジを設置している。
そして、それらが突破された時のために、水雷防御隔壁(厚さ80㎜)が4重(機関部は5重)に渡って設置されている。また、それら隔壁と交互になるように燃料タンクと何もない空間が存在している。これにより、液層防御と空層防御を構成している。
艦底部は3重底となっている。最外部はそれほど強固ではないが、第2部と第3部は装甲化されている。構造的には「2重底にバルジを追加した」と言えるかもしれない。
これにより、魚雷の艦底爆発に対する抗堪性を確保した。

8.3. 主砲塔
何度でも言うがリシュリューの設計を流用している。
すなわち、リシュリューの3連装副砲を連装に再設計したのである。
具体的な数値は

正面防楯:200㎜+複合装甲
側面及び天蓋部:100㎜+複合装甲
後面:50㎜+複合装甲
バーヘッド:150㎜

となっている。

8.4. 対NBC防御
こちらもリシュリューで確立された防御手段に則っている。
具体的な内容なリシュリューの第一次再構築改装の項目を参照の事。

8.5. その他防御
ダメージ・コントロール能力においても、リシュリューに準じている。
こちらは候補生の訓練も兼ねているため、常に最新の知見が反映されることになる。

150モントゴメリー:2024/01/09(火) 00:00:46 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
9. 機関
言うまでもないことであるが、機関もリシュリューと同じ構造が採用された。
機関には、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの混載方式を採用している。
低速・巡航時はディーゼルエンジンにより航行を行い、高速航行時にはガスタービンエンジンに切替える方式である。
これにより、航続距離と加速/高速性との両立を図っている。
問題としては、低速・巡航時にはガスタービンエンジンが、高速走行時にはディーゼルエンジンがデッドウェイトになってしまうという点がある。
しかし、あまり軽量化してしまうと現状の攻防性能ではトップヘビーの問題が出て来てしまうため
むしろ好都合ととらえられた。
機関出力は公称11万馬力とされ、最大速力は約27ノットと発表された。
しかし、実際には22万馬力を発揮でき、34ノットまで出すことが可能である。
これはリシュリューと艦隊を組む事を想定した数字である。
リシュリューを基準とするならば、その僚艦はリシュリューより2ノット優速でなければならないという艦隊運動の法則に則っている。

10. 指揮統制機能
艦中央部には「戦闘指揮所」が存在する。
ここもリシュリューに準じているため、ジャンヌ・ダルクの指揮能力はFFR海軍ではリシュリューに次いで高いものとなっている。
流石に「戦略指揮所」は設置されていないが、士官候補生たち講義所が設置され戦略次元の討議が行われる。

11. 教練設備
ジャンヌ・ダルクは練習巡洋艦である。
そのため、士官候補生たちを鍛えるための各種教練設備が装備されている。
その能力は一度に700名の候補生を訓練できるものであり、『海の士官学校』の名に恥じないものとなっている。
特記すべき点として、水陸両用作戦の訓練のために上陸用舟艇3隻の運用能力を有している。
また、FFR各軍の統合運用に鑑み、海軍のみならず陸軍・空軍の士官候補生も短期間ながら彼女の下で学ぶことになる。

151モントゴメリー:2024/01/15(月) 23:17:49 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
La marche Jeanne D'Arc(ジャンヌ・ダルク行進曲)

ジャンヌ・ダルク行進曲(La marche Jeanne D'Arc)はフランス連邦共和国(以下FFR)の行進曲にして聖歌(軍歌)である。
その名が示す通り、『先生』こと練習巡洋艦ジャンヌ・ダルクを題とした行進曲だ。

この曲の来歴は少々複雑である。
この曲は本来、「ロレーヌ行進曲(La marche Lorraine )」と呼ばれるものであった。
フランスが誇る偉大な劇場指揮者にしてオペラ作曲家ルイ・ガンヌが1892年に作曲した行進曲であり、メロディの一部は、古いフランス民謡『ロレーヌを通って(En passant par la Lorraine)』から採られているのが特徴である。
普仏戦争の結果、ドイツ帝国に割譲されたロレーヌ地方の復帰を願い作られたこの曲の歌詞は、ロレーヌ出身の英雄であるジャンヌ・ダルクを称揚しフランス人の愛国心を鼓舞するものであった。
結果、この曲は第一次世界大戦前から第二次世界大戦期に至るまでフランス人に広く親しまれた愛国歌となった。
しかし第二次世界大戦の敗戦後、FFR体制が発足してからは公の場でこの曲が流されることはほぼ無くなってしまった。
ロレーヌ(及びアルザス)地方はドイツ帝国領土となって久しく、フランス領へ復帰することはほぼ絶望的となった。
そんな状況でロレーヌの復帰を願うこの曲を流すことはドイツと、その後ろ盾である日蘭両国との要らぬ軋轢を生む事になってしまう。
また国民感情の面でも厳しい点があった。
第二次世界大戦中、自由フランス軍はロンドンからのラジオ放送をする際、このロレーヌ行進曲をテーマソングとして流したのである。
よって、ロレーヌ行進曲=自由フランス軍=ド・ゴール将軍というイメージが付いてしまい多くのFFR国民から拒否反応が出るようになってしまったのである。

こうして「暗黒の30年」期を通してロレーヌ行進曲はほぼ闇に葬られてしまったが、この状況を良しとしない者たちも音楽関係者を中心に存在した。
ロレーヌ行進曲はフランス音楽史を語る上で欠かせない名曲であるし、作曲者のルイ・ガンヌは間違いなくフランス音楽界の巨匠である。
そんな曲を「汚点」とし続けるのはフランス音楽界として看過できない問題であったのだ。
また政治面からも是正しようとする流れが存在した。
FFRの軍隊は『元帥』のエストシナ植民地軍と『鉄人』たちのフランス本国軍が中心となって建設されたものであるが、自由フランス軍も歴としたその構成要素なのである。
彼らの蔑ろにすることは、軍内部に致命的な断絶を生みかねない危険なものだったのだ。
更に言うならば『我らが指揮官』は『提督』の下、自由フランス海軍としてあの戦争を戦い抜いたのである!!
『我らが指揮官』と共に戦った者たちを“賊軍”にするわけにはいかなかった。

そのような状況に転機が訪れた。『先生』の現役復帰である。
政府と音楽会はこの機会を逃さずこの行進曲を「ジャンヌ・ダルク行進曲」として再発表したのである。
元々歌詞は(英雄)ジャンヌ・ダルクを謳ったものであるので、それに手を加え(『先生』)ジャンヌ・ダルクを称賛する歌詞に書き換えたのである。
そうしてジャンヌ・ダルク行進曲は『先生』の再就役式でお披露目された後、政府の行事で積極的に演奏されることになる。
そして『暁の20年』を経て21世紀に入る頃には、再びフランスを代表する行進曲の一つとして返り咲いたのだ。

152モントゴメリー:2024/01/15(月) 23:19:49 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以下に歌詞を示す。

1.
歌え魂よ  永久に歌を     
不滅の羊飼いよ サン=ナザールの地より
北から南へと 声を合わせ
永く歌い継がるる この響きよ

ジャンヌ・ダルクは舞い戻り
教鞭(むち)鳴らして羊を慣らす
新たな衣を身に纏い教鞭(むち)鳴らす
オーオオー 教鞭(むち)鳴らす

『母』の子らへ 山へ平野へと
不屈のジャンヌ・ダルクより 光は射す
『指揮官』の兵らよ 勇姿見せつけよ
国土フランスの 守りに就くは 我らぞ

2.
若き兵を 育て抜かん
朽ちる事の無きこの フランスの花
数多の苦難にも 光る眼
永く歌い継がるる この響きよ

ジャンヌ・ダルクは舞い戻り
新たな剣(つるぎ)を身に戦う
偉大な我が『先生』剣(つるぎ)を手に
オーオオー 剣(つるぎ)を手に

ついに時の手に  『先生』捕まれり
霧の向こうへと『先生』の 光は失す
されど魂尽きず ジャンヌ力尽きず
あの日『提督』に 託された 使命果たすために

3.
フランスの子らの 誉れ尽きず
脈々流れ続く   ガリアの血よ
明日の勝利へと  歩み止めぬ
『指揮官』の兵士たちの この響きよ

我が女神を汚せし 敵は
銃撃つことなく 逃げ惑う
我が精鋭に 恐れをなせ
オーオオー 恐れなせ

『母』の子らへ 山へ平野へと
不屈のジャンヌ・ダルクより 光は射す
『指揮官』の兵らよ 勇姿見せつけよ
国土フランスの 守りに就くは 我らぞ

ついに時の手に  『先生』捕まれり
霧の向こうへと『先生』の 光は失す
されど魂尽きず ジャンヌ力尽きず
あの日『提督』に 託された 使命果たすために

153モントゴメリー:2024/01/22(月) 00:04:46 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『数多の世界線の皆さん、こんばんわ!!今夜も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
本日も生放送です!司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントのジギーこと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
 社長、今日の商品は何ですか!?」

『本日の目玉商品はコチラ!? “SU-107”でございます!!』
「これは、突撃砲ですか?」
『そうです!!
 こちらは弊社のベストセラー商品である“KV-3”の後継機種となっております』
「ええ!?あの“スターリン・ラインの怪物”の改良版ですか!!」
『いかにも。
KV-3は弊社が自信をもって生み出した重戦車であり、お客様——特に無幻世界のソビエト連邦の皆様から特に篤いご愛顧を賜った商品であります』
「お便りも沢山きましたからね。
 ペンネーム“鋼鉄の人”さんなんて、『これを見た瞬間、担当者にハグしちゃったよ』なんて言ってくれるほど気に言ってもらえましたし」
『実際にお使いいただいた戦車兵の方たちにも満足していただきました』
「大活躍でしたもんね。『おかげで、優秀な戦士の魂が沢山ゲットできたわ』ってドイツ担当のブリュンヒルト姉さまが喜んでました」
『そちらに関してはノーコメントといたしますが(笑)
しかしながら、弊社としては心苦しいのですがこのKV-3も完璧ではありませんでした。
改善を求める声も多くいただいたのが事実です』
「例えばこのお便りですね」
 
ペンネーム:トゥ!ヘァ!さん
重量60トンって嘘やろ?めっちゃ重くて操縦しづらいぞ!!
これなら、無砲塔の突撃砲にした方が軽いし安く作れるぞ。

『トゥ!ヘァ!さま以外からもこのような声が届いたのが正直な所であります…』
「実のところ、どうなんですか社長?」
『確かに、KV-3は開発期間と生産性を重視いたしまして重量の方は二の次となった面はございます。
そこで開発いたしましたのが今回のこのSU-107でございます』
「具体的にはどんな改良がされたんですか?」
『では順を追ってご説明いたします』

154モントゴメリー:2024/01/22(月) 00:05:56 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『まず一番分かりやすい変化が見た目です』
「砲塔が無くなって、車体正面が傾斜した一枚板になってますね」
『はい、お客様から特にご要望が多かった傾斜装甲を実装いたしました。それに伴いまして、正面装甲は120㎜に変更しております』
「え!?KV-3は150㎜でしたよね?薄くしちゃって大丈夫なんですか??」
『御安心ください!! 避弾経始の効果でKV-3と同等かそれ以上の防御力を確保しております。
こちらが実験映像でございます。』
「ホントだ、ティーガーのアハト・アハトを弾いてますね!!これなら安心です」
『また無砲塔化に伴い、車高も2.5mから2.3mに削減することに成功いたしました。これらの改良によって、重量は約55トンまで抑えることに成功しております』
「ティーガーと大体同じくらいですね。これなら運用も楽ちんですね♪」
『まあ楽ちんと言えるほど軽くはできませんでしたが、機動戦にも投入できる重さにはなったと自負しております』


「その機動力はどうなんですか?」
『最高速度に関しましては、路上で40km/hを確保しております』
「40km/h!? KV-3の3割増しじゃないですか!!
 すごいです!! エンジンを換装したりしたんですか?」
『いいえ、エンジンはKV-3やT-34と同じV-2 12気筒液冷ディーゼルですので生産ラインがそのまま活用できます』
「同じエンジンなら交換部品の確保とかも色々楽ですね♪」
『“兵器は運用できなければ意味がない”が弊社のモットーでございますので、ここはこだわっております』


「火力に関しては何か変わったんですか?」
『申し訳ございませんが、主砲はZiS-6 107mm砲をそのまま使っております。しかし、運用上は問題ないと弊社は自信をもって断言いたしましょう』
「距離1500mでティーガーの正面を撃ち抜きましたもんね。たしかにこれなら十分ですか」

155モントゴメリー:2024/01/22(月) 00:06:49 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『以上がこのSU-107の性能となります』
「すごいですね。これならドイツ軍がやって来ても安心です!!
…でも社長。大事なのはお値段ですよ?そこのところはどうなんですか〜?」
『はい!今回の商品、SU-107のお値段ですが、弊社の各部門が材料の調達から製造までとことん追求して少しでもお安く提供するために奔走いたしました。
その結果、こちらの値段でご提供いたします!!!』

———ババン!!

「え?これKV-3の半額じゃないですか!! すごいです社長⁉」
『それもこれも、お客様の笑顔のためでございます。』
「…で〜も、社長!! ここはもう一声! もっとお得にしてください!!!」
『うーん……。わかりました!!
 今回この放送をご覧になっている方に限り、SU-107のオプションパーツである新型徹甲弾の設計図を無料でお付けいたします!!』
「オプションの無料で!?キャーッ社長、ありがとうございます!!」
『こちらの新型徹甲弾、大砲研究で有名なアメリカ海軍さまとの共同開発で完成した自信作でございます。』
「あの大艦巨砲主義の大手、アメリカ海軍さんとのコラボ商品ですか!?
 これなら大活躍間違いなしですね!!
 もうこのSU-107は無敵ですね」
『…残念ながら、弊社の力不足により“無敵”とまでは言えません』
「え?そんなこと言っちゃっていいんですか社長?」
『商売の基本は“誠実”です。私はその掟を破ることはできません』
「具体的にはどんなところが弱点なんですか?」
『まず、これは突撃砲の宿命なのですが、回転砲塔ではないため側面の敵に対応するのが困難です』
「でも、そこはあのソ連軍の皆様ですから上手くフォローできるのでは?」
『もちろんお客様の技量は疑っておりません。しかし、お客様に負担を強いることは忸怩たる思いです』
「大丈夫ですよ社長!元気出して!!」
『また、重量削減のため側面装甲も薄くしております。』
「どのくらいですか?」
『150㎜から100㎜に削減しました』
「それでもティーガーの正面と同等じゃないですか。十分です!!」
『そうですかね?』
「そうですよ、もっと自信もってください社長!!
はい、締めに行きますよ!?」
『わかったよジギー。
 はい、今回の商品SU-107
 完璧ではございませんが、それでお客様のお役に立つと確信しております。是非ともお買い求めください!!』
「分割払い、ボーナス一括払いにも対応しておりますので、皆様ドシドシご連絡ください!!
 お電話待ってまーす!!!」

156モントゴメリー:2024/01/22(月) 00:07:34 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
——商品詳細です
SU-107自走砲

車体長:約7.2m
全幅:約3.4m
全高:約2.3m
重量:約55t
速度:約40km/h(整地)
行動距離:約300km
主砲:ZiS-6 107mm砲
副武装:7.62mm車載機銃DT 3挺
装甲:120mm - 30mm
エンジン:V-2 12気筒液冷ディーゼル(500馬力)
乗員:5名

157モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:15:05 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
M1974 50mm狙撃擲弾砲CaGreT

口径:50mm
全長:約1500mm
重量:約15kg(二脚)
     27kg(三脚)
初速:400m/s
有効射程:約1000m(直射)
      2500m(曲射)
      8000m(面制圧、三脚使用時)

【概要】
M1974 50mm狙撃擲弾砲とは、フランス連邦共和国(FFR)で開発された携行擲弾発射器である。
他国で運用されている同種兵器との最大の違いは、その高初速による長射程と高精度である。
FFR兵士からはCaGreT(カグレ)と呼ばれ親しまれた。なおCaGreTとは砲(canon)・榴弾(grenades)・狙撃(tireur d'élite)の頭文字である。

【計画】
「M1970 65mm携行擲弾砲」の実用化により、ようやくFFR陸軍の歩兵直協火力は大砲ではなく個人で運用出来るものとなった。
しかしこのM1970は世界でほぼ唯一の携行“反動”砲であり、扱うには多大な苦労を必要とした。
(日本人からは『珍兵器』なる奇妙な名称を付けられる始末である)
現場では将兵たちのエラン・ヴィタールにより赫々たる成果を上げているが、改善要求が連日山の様に来ているのも事実である。
勿論上層部としてもこの問題は認識していたが、いまさら無反動砲を採用するわけにも行かないので更新機材の開発は遅々として進まなかった。
しかしソ連内戦により、FFRに亡命してきたソ連技術者が携えてきた技術を解析した結果、事態は動き出した。
FFR陸軍上層部はその技術を用いての新型携行火器の開発を決定、その結果生まれたのがこのM1974である。

158モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:16:06 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【構造】
見た目は銃身部分を除き一般的な小銃からそれほど乖離していない。しかし全長は約1500㎜とMAS50の4割増しであり、重量に至っては約15㎏と4倍弱となる。
されど第二次世界大戦期の狙撃銃にはこれよりも長く重かった物も多いため兵一人で運用するのは十分に可能である。
口径は50㎜、そこから重量570gの榴弾を400m/sで発射できる。
他国の敵弾発射器の初速が100m/s前後であることを踏まえると、これは驚異的な数字である。
その初速の結果、有効射程は直射で1000mを越えるとされる。しかし照準装置の問題で狙撃手ではない一般兵が扱った場合は800m前後が限界である。
曲射の場合は2500m先まで照準でき、目標を定めない面制圧ならば8000m先の地点まで擲弾を飛ばすことができる。
(その際は三脚を使用する)
弾頭の種類は通常の榴弾と成形炸薬弾、及び近接戦闘用のフレシェット弾がある。
榴弾には着発信管の他に時限信管が用意されており、塹壕や障害物に隠れる敵兵の頭上で炸裂させることも可能だ。
(どれだけ正確な場所で炸裂させられるかは兵士のエラン・ヴィタールに依存するが)
また成形炸薬弾は距離に関わらず最大で115㎜の装甲板を貫通可能である。
これはドイツ帝国軍が第二次世界大戦で使用したパンツァーファウストに匹敵し、主力戦車を除く全ての陸戦兵器を撃破可能である。
主力戦車であったとしても側面や背面を狙われた場合は油断できない。
弾倉は4発の箱型弾倉か10発装填のドラム型弾倉を選択できる。また弾種を変更したい場合は、上部から1発ずつ装填することも可能だ。
装填方法は信頼と実績のボルトアクション式である。
半自動式や自動式も考慮されたが、後述する理由で発射速度を一定以上には上げられないのでこの方式に落ち着いた。

159モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:16:49 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【構造】
見た目は銃身部分を除き一般的な小銃からそれほど乖離していない。しかし全長は約1500㎜とMAS50の4割増しであり、重量に至っては約15㎏と4倍弱となる。
されど第二次世界大戦期の狙撃銃にはこれよりも長く重かった物も多いため兵一人で運用するのは十分に可能である。
口径は50㎜、そこから重量570gの榴弾を400m/sで発射できる。
他国の敵弾発射器の初速が100m/s前後であることを踏まえると、これは驚異的な数字である。
その初速の結果、有効射程は直射で1000mを越えるとされる。しかし照準装置の問題で狙撃手ではない一般兵が扱った場合は800m前後が限界である。
曲射の場合は2500m先まで照準でき、目標を定めない面制圧ならば8000m先の地点まで擲弾を飛ばすことができる。
(その際は三脚を使用する)
弾頭の種類は通常の榴弾と成形炸薬弾、及び近接戦闘用のフレシェット弾がある。
榴弾には着発信管の他に時限信管が用意されており、塹壕や障害物に隠れる敵兵の頭上で炸裂させることも可能だ。
(どれだけ正確な場所で炸裂させられるかは兵士のエラン・ヴィタールに依存するが)
また成形炸薬弾は距離に関わらず最大で115㎜の装甲板を貫通可能である。
これはドイツ帝国軍が第二次世界大戦で使用したパンツァーファウストに匹敵し、主力戦車を除く全ての陸戦兵器を撃破可能である。
主力戦車であったとしても側面や背面を狙われた場合は油断できない。
弾倉は4発の箱型弾倉か10発装填のドラム型弾倉を選択できる。また弾種を変更したい場合は、上部から1発ずつ装填することも可能だ。
装填方法は信頼と実績のボルトアクション式である。
半自動式や自動式も考慮されたが、後述する理由で発射速度を一定以上には上げられないのでこの方式に落ち着いた。

160モントゴメリー:2024/01/28(日) 01:17:39 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【反動制御】
以上のように、M1974は満足できる性能を有していた。
しかし、その性能に比例して発射時の反動もまた増大していた。
考えてみたら当然であるが、50㎜もの大口径擲弾を400m/sなんて非常識な初速で撃ちだせば人間が制御できる範囲を逸脱する反動が発生してしまう。
そこで登場するのが亡命してきたソ連技術者である。
彼がFFRにもたらしたのは、M1944空挺砲の技術であった。
これは空挺部隊用の37㎜砲で、大威力の37×252㎜SR弾を使用し45㎜砲と同等の装甲貫通力を有しながら重量は半分以下の約200㎏という軽さだった。
それを実現したのが反動制御装置であり、その原理は反作用錘を砲身外周部に装備して反動を軽減するというものであった。
残念ながらM1944が完成した時点でソ連は条件付き降伏してしまい実戦に出ることは無く、戦後には忘れ去られてしまったが技術者たちの記憶までは消え去っていなかった。
こうしてソ連で生まれた技術はフランスで受け継がれたのである。
これにより生身の人間が扱える水準まで反動は低下したが問題も確認された。
反動制御装置の限界により発射速度が制限されてしまうのである。
試験では毎分30発までは可能とされたが、その発射速度を維持すると高確率で故障が発生するため、実際には毎分15発前後の発射速度が推奨された。

【運用】
M1974はその名の通り1974年に制式採用され、順次陸軍の各部隊に配備された。
その運用は歩兵部隊の直協支援であり、アフリカ州では反政府勢力が立て籠もる建物の窓を「狙撃」し、エストシナではセクト共を接近する前から隊列ごと粉砕した。
また国境紛争ではBC陸軍の装甲車を破壊し、歩兵の頭上で炸裂した。
また海軍でも採用され、海賊対策で活用されただけでなく艦内用白兵戦装備に加えられている。

161モントゴメリー:2024/01/29(月) 22:38:51 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
——発泡金属複合材——

フランス連邦共和国(FFR)で開発された新素材。
その名の通り発泡金属を主成分としており、優れた衝撃吸収能力を有する。

まず、発泡金属そのものについて説明しよう。
発泡金属とはガスによる小さな空間を多量に有する、金属(アルミニウムのものが多い)のセル状の構造物であり、気孔を大量に保有していることが特徴である。
ざっくり言うと諸兄の台所にもあるであろうスポンジと同じ構造を金属で構成しているのである。
(その体積の75から95%までは空洞である)
“スポンジ”という例えから連想できるように、この素材は優れた衝撃吸収性を持つ。
なそのため義肢などの民生品への適応のために各国で研究が進められてきたが、どのような技術でも軍事転用してしまうのが人類の叡智であり宿業である。

FFRもその例に漏れず、装甲材としても利用を模索して研究が進められてきた。
彼らが採用した構造は発泡金属をセラミックとジュラルミンで封入し、それを一個の部材とするというものだった。
サンドウィッチの「具」が発泡金属で、「パン」がセラミックとジュラルミンと言えば分かりやすいであろうか。
実験の結果、厚さ25㎜の部材で速度800m/sで突入して来たMAS50の7.5x54mm弾を粉砕してしまった。
防いだのではない、「粉砕」したのである。
複数回の実験の末、複合材は通常弾の75%、徹甲弾では80%の運動エネルギーを吸収したことが判明し開発陣を歓喜させた。
厚さ25㎜で7.5㎜弾を防ぐのは普通では?と諸兄は思うかもしれないが、この複合材の主成分は空洞だらけの発泡金属である。
その重量は同じ厚さの均質圧延鋼鈑の半分以下となった。
つまりは戦車の装甲に使用すれば同じ重さで2倍の防御力を持たせることも可能である。
しかし、歩兵用の防弾装備とするならこれでも十分であるが、戦闘車両に使用するのはまだ不満な点もあった。
現代の戦闘で戦車が最も恐れるべきは敵戦車の徹甲弾——装弾筒付翼安定徹甲弾である。
これに対して、本複合材は厚さに比例する効果は発揮できないと考えられた。
装弾筒付翼安定徹甲弾は超高速で突入してくるため発泡金属が変形する前に貫徹してしまうと予想されたのである。
また成形炸薬弾に関しても従来のセラミック複合材ほどの耐久性は無かった。
成形炸薬弾については本複合材の後方にセラミック材を追加するだけで良いのであるが、装弾筒付翼安定徹甲弾についてはこのままでは対処できない。
いっそ戦車への搭載は諦めて、各種装甲車用にするという意見も出たが、それは技術的敗北である。
袋小路に入った開発陣を救ったのは、別部門の成果であった——。

完成した発泡金属複合材には、「具」が追加された。
FoDi(悪魔の分岐路)とPeRo(ロランの皮膚)である。
各々の詳細は専門記事を参照して欲しいが、これにより装弾筒付翼安定徹甲弾についても対処の目途が立った。
まず、侵徹してきた装弾筒付翼安定徹甲弾はFoDiにより横向きの力が作用する。
これにより侵徹体は横倒しになるか、最悪破断する。そうして侵徹速度を大幅に低下させれば、発泡金属は本領を発揮できるのである。
また衝撃吸収能力そのものもPeRoにより強化されたので、重量比での強度は均質圧延鋼鈑の3倍となった。

162モントゴメリー:2024/01/30(火) 21:26:13 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
——発泡金属複合材——

フランス連邦共和国(FFR)で開発された新素材。
その名の通り発泡金属を主成分としており、優れた衝撃吸収能力を有する。

まず、発泡金属そのものについて説明しよう。
発泡金属とはガスによる小さな空間を多量に有する、金属(アルミニウムのものが多い)のセル状の構造物であり、気孔を大量に保有していることが特徴である。
ざっくり言うと諸兄の台所にもあるであろうスポンジと同じ構造を金属で構成しているのである。
(その体積の75から95%までは空洞である)
“スポンジ”という例えから連想できるように、この素材は優れた衝撃吸収性を持つ。
そのため義肢などの民生品への適応のために各国で研究が進められてきたが、どのような技術でも軍事転用してしまうのが人類の叡智であり宿業である。

FFRもその例に漏れず、装甲材としても利用を模索して研究が進められてきた。
彼らが採用した構造は発泡金属をセラミックとジュラルミンで封入し、それを一個の部材とするというものだった。
サンドウィッチの「具」が発泡金属で、「パン」がセラミックとジュラルミンと言えば分かりやすいであろうか。
実験の結果、厚さ25㎜の部材で速度800m/sで突入して来たMAS50の7.5x54mm弾を粉砕してしまった。
防いだのではない、「粉砕」したのである。
複数回の実験の末、複合材は通常弾の75%、徹甲弾では80%の運動エネルギーを吸収したことが判明し開発陣を歓喜させた。
厚さ25㎜で7.5㎜弾を防ぐのは普通では?と諸兄は思うかもしれないが、この複合材の主成分は空洞だらけの発泡金属である。
その重量は同じ厚さの均質圧延鋼鈑の半分以下となった。
つまりは戦車の装甲に使用すれば同じ重さで2倍の防御力を持たせることも可能である。
しかし、歩兵用の防弾装備とするならこれでも十分であるが、戦闘車両に使用するのはまだ不満な点もあった。
現代の戦闘で戦車が最も恐れるべきは敵戦車の徹甲弾——装弾筒付翼安定徹甲弾である。
これに対して、本複合材は厚さに比例する効果は発揮できないと考えられた。
装弾筒付翼安定徹甲弾は超高速で突入してくるため発泡金属が変形する前に貫徹してしまうと予想されたのである。
また成形炸薬弾に関しても従来のセラミック複合材ほどの耐久性は無かった。
成形炸薬弾については本複合材の後方にセラミック材を追加するだけで良いのであるが、装弾筒付翼安定徹甲弾についてはこのままでは対処できない。
いっそ戦車への搭載は諦めて、各種装甲車用にするという意見も出たが、それは技術的敗北である。
袋小路に入った開発陣を救ったのは、別部門の成果であった——。

163モントゴメリー:2024/01/30(火) 21:27:10 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
完成した発泡金属複合材には、「具」が追加された。
FoDi(悪魔の分岐路)とPeRo(ロランの皮膚)である。
各々の詳細は専門記事を参照して欲しいが、これにより装弾筒付翼安定徹甲弾についても対処の目途が立った。
まず、侵徹してきた装弾筒付翼安定徹甲弾はFoDiにより横向きの力が作用する。
これにより侵徹体は横倒しになるか、最悪破断する。そうして侵徹速度を大幅に低下させれば、発泡金属は本領を発揮できるのである。
また衝撃吸収能力そのものもPeRoにより強化されたので、重量比での強度は均質圧延鋼鈑の3倍となった。
さらに発泡金属本体にも改良が加えられ、素材にステンレスとタングステンが追加された。
これによりX線やガンマ線、さらには核分裂の際に放出される中性子線に対する耐性を確保することに成功した。

こうして完成した発泡金属複合材はFFR各軍に採用され、陸軍では戦車のモジュール装甲に使用され、宇宙軍ではその軽量さと耐放射線特性を利用して艦艇の主装甲として採用されている。

164トゥ!ヘァ!スマホ:2024/02/04(日) 17:18:45 HOST:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp
テスト

EDF大戦 

21世紀の地球。インドの山岳部にて謎の円盤が黄金発掘される。
人類はにわかに地球外生命体の存在を知ることとなる。

21世紀後半。太平洋に外宇宙から謎の宇宙船が墜落。
マクロスと命名される。

同時期の火星においても異星文明の物と思われる宇宙船の残骸が発見され、火星自治政府に接収される。


異星人技術の扱い、来たるべき異星人への対応の違いを巡って各国の対応が紛糾。

人類統一政権の樹立を望む統合派と、それに反発する反統合派に分裂。
ここに地球からの独立を望む火星自治政府も参戦。

対話による解決は限界を迎え、太陽系全土を巻き込んだ統合戦争が勃発する。


戦いは地球全土を巻き込んだ第一次統合戦争。
地球上を統一した後に反統合同盟残党を吸収した火星自治政府との対決となる第二次統合戦争。
二度の対戦を経て人類は一つと政府へと統一されることとなった。

人類統合政府と地球圏防衛軍(EDF)誕生である。


統合政府とEDF誕生の数年後。
遂に危惧していたことが起きた。
異星人の襲来である。

第一の異星人ことウルガルの襲来であった。

これに対して統合政府とEDDは持ち得る戦力の全てを使い反撃。
地上、宇宙問わず激戦が続く。

そんな中で外宇宙から追加の異星人までもがやってきた。
第二の異星人サンドロット連合である。

太陽系は地球人類、ウルガル、サンドロットが混じる三つ巴の様子を呈してきた。

その後数年に渡る戦いの後に人類は見事ウルガルとサンドロットを撃退。

第一次地球防衛戦争と呼ばれる戦いにどうにか勝利した。


その後の人類はウルガルとサンドロットの技術を解析。
想像以上の速度で復興と発展が始まる。

第一次地球防衛戦争から数年。
人類は改めて繁栄を噛み締めている最中で新たな異星人が襲来する。

165トゥ!ヘァ!スマホ:2024/02/04(日) 17:19:26 HOST:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp
マクロスの持ち主か、それに近しいとしか思われる種族ゼントラン。
その艦隊が襲来したのだ。

時を同じくして太陽系外縁部に未知の艦隊が出現。
一方的な勧告の後に地球艦隊へ攻撃を仕掛けてきた。
彼らの名はガミラス。遠くマゼラン銀河からやってきた軍事国家である。


第二次地球防衛戦争と名付けられるこの戦いは以外にも人類が優位に戦えていた。

決して敵が弱いわけではなく。それどころか前回のウルガル、サンドロットの艦隊より数も質も上であった。

しかし統合戦争からこの方ずっと戦い続けていた地球人類は彼らが驚くレベルで高い質を備えており、更にサンドロットやウルガルから解析した技術を携え迎撃してきたのだ。

きっと異星人がやってくる順番が逆…ガミラスやゼントランが先に来ていたら地球人類は滅んでいたかもしれない。

だが現実は先に比較的戦いやすい方と打ち合い、そして勝利した。
それらの技術を解析した、改めて吸収。戦後の復興に役立てることができるくらいな時間的猶予もあった。

つまるところ地球人類は以前にも増して万全の体制で迎撃準備完了していたのであった。


このため前述したように以外にも地球人類ことEDFは非常によく善戦していた。

ゼントランの数にもビビらす突撃しては戦略兵器を打ち込み。
ガミラスの機動力にも平気な顔してついてきては至近距離から致命打を浴びてくる。

こいつら戦いに慣れすぎてね!?というのがゼントランやガミラスの正直な感想であった。

また当のゼントランとガミラス同士も太陽系外縁部でバチバチやりあっており、太陽系内へ送り出している戦力は限られていたのだ。


様々な要因がありながらもEDF艦隊、部隊は善戦。

外縁部でも競り合いで疲弊したゼントラン艦隊相手にミンメイアタックを仕掛け幾つかのゼントランを寝返らせた挙げ句に旗艦を隙を見て打ち倒し。

減るどころか増えた戦力を持って残りのガミラス艦隊も蹴散らした。

第二次地球防衛戦争は割りと人類優位で決着したのである。


その後の地球人類はゼントランやガミラスの技術も取り込み、遂に太陽系の外に飛び出し始めた。
大宇宙移民時代の幕開けである。


第二次地球防衛戦争から半世紀。

人類は天の川銀河の1/4を有する巨大勢力となっており、ガミラスやボラー相手にも競り合うような銀河を代表する立派な宇宙大国と化していた。

166トゥ!ヘァ!スマホ:2024/02/04(日) 17:20:08 HOST:FL1-60-237-167-215.kng.mesh.ad.jp
◯簡単な設定

・サンドロット連合
多種族による宇宙連合組織。
EDD敵役詰め合わせパック。

プライマーもいるが残念ながらタイムマシンは持っていない。

遺伝子や権威ではなく共通の技術体系を持つものたちによる連合。

科学者または技術者的な側面の強い勢力である。

複数の銀河にまたがる規模の非常に強大な組織。
しかし多種族連合故にまとまりに欠け、艦隊は各種族ごとに独自に整備されている。

防衛では強いが、攻勢では足並みが今一揃わず、攻撃の機会を逃すことが多い。



・ガミラス
旧版寄りのリメイク版設定込み。

原作より少し早く地球に来てしまった。

このため地球が大勢力となる50年後でも大凡復活篇くらいの時系列。



・ゼントラン
いつもの人達。
天の川銀河どころか周辺銀河にも散らばっているので原作より生息範囲が広い。

彼らの主であったプロトカルチャー文明は古代イスカルダルなどとバチバチやりあっていたらしい。



・ウルガル
天の川銀河の列強国。
遺伝子的に限界集落になってきているが国力という意味ではまだまだ強い。

50年後の天の川銀河は地球、ウルガル、ボラー、サンドロットが1/4ずつ領土を持って日夜ドンパチしている銀河として有名。
周辺銀河の中でも指折りの修羅の巷と認識されている。

167モントゴメリー:2024/02/09(金) 23:28:34 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、こんばんわ!!今夜も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
本日も生放送です!司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントのジギーこと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
 社長、今日の商品は何ですか!?」

『本日は日英蜜月()世界のアメリカ陸上自衛隊さまからご要望のあった商品が完成いたしましたので、そのお披露目をさせていただきます』
「日英蜜月()世界のアメリカ陸自さまから?新型ライフルとかですか?」
『いいえ、“戦車”です』
「…シャーマンの改良型とかですか?」
『いいえ、時代設定は第3世代戦車で、“日英の主力戦車を撃破可能なもの”というリクエストを承っております!!』
「……社長、それ、無理難題では。日英蜜月()世界のアメリカさんって、戦後は国産戦車開発してないでしょう?」
『ジギーの言う通り、日英蜜月()世界のアメリカさまは第二次太平洋戦争で敗北後、陸軍は解隊され戦車はおろか小銃の設計も長らく行われなかった時代がございます。』
「それに、国産開発しようにも、自動車産業も壊滅状態になりましたよね?」
『はい、いわゆるビッグ3と呼ばれる自動車会社は消え去るか日英資本の傘下に入り、往時の面影などありません』
「やっぱり無理ゲーじゃないですかー!やだー!!」
『いいえ!?“お客様が望むものを望む時代にお届けする”のが弊社の企業理念でございます。この程度で折れる弊社ではございません!!
かつてはもっと厳しい条件の案件もございました。それに比べればなんてこともございません』
「…そこまで言うのなら信じますが、本当に大丈夫なんですか社長?」
『もちろんです!ではお披露目と行きましょう。こちらがM1戦車(仮称)です!!』

——ババン!!

「……しゃ、社長?これ、何ですか?」
『ですからM1戦車(仮称)です』
「どう見ても街中や高速道路で見かけるトレーラーなんですが(汗)
 貨物部分が砲塔になってますけど…」
『流石ジギー!!一言でこの商品の特徴を言い表してくれましたね。
おっしゃる通り、この車両は“牽引ブロック”と“砲塔ブロック”で構成された世界に類を見ないものとなっております』
「どうしてそんな奇天烈な構成になったんです?」
『では、順を追ってご説明いたしましょう』

168モントゴメリー:2024/02/09(金) 23:29:37 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『今回の商品は、オートカー・カンパニー様との共作でございます』
「オートカー?そんな会社ありましたっけ??」
『何を言いますかジギー。オートカー・カンパニー様は1897年創業の北米…否、新大陸最古の自動車メーカーであり、21世紀現在も健在な一流の自動車会社なんですよ』
「その割には知名度が低いですね」
『まあ、20世紀初頭には乗用車の分野から撤退して農業用トラクターや、各種トラックの専門になってしまいましたから、北米以外ではほとんど名前を聞かないのは仕方がないことですが…。
でも、専門分野では強いのです。アメリカのごみ収集車などは基本的にオートカー・カンパニー製の車両です』
「ああ、ハリウッド映画に出てくるあのバカでかいごみ収集車ってオートカー・カンパニーさんの製品だったんですね」
『いかにも。
そして今回の商品は、そのオートカー・カンパニーさまが培ってきた技術を活用させていただきました』
「どういう意味ですか?」
『そのままの意味です。
このM1戦車(仮称)、牽引車もトレーラーの基本部分も全てオートカー・カンパニーさまの既存製品を流用しております』
「え?民生品をそのままですか!?」
『逆転の発想です。戦車も運搬できる車両ならば、そのまま戦車と同じくらい重い巨砲や砲塔も搭載できるということです!!』
「無茶苦茶ですね…」
『無理をしない堅実な設計が弊社商品の売りではございますが、時には蛮勇も必要なのであります。
それに民生品の採用は珍しいことでは無いでしょう?』
「電子部品とかならいざ知らず、車体そのものを流用は無茶ですよ!!それも第一線の装甲車両で⁉」
『無茶でも抹茶でもありません!!さあ、商品説明に戻りますよ』

169モントゴメリー:2024/02/09(金) 23:30:24 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「じゃあまず主砲について聞きますが…これ、120㎜じゃないですよね?もっとデカいですよね?」
『よくぞ見抜きましたねジギー!!
このM1戦車(仮称)最大の特徴はその構造ではなく、激烈なる威力を発揮する155㎜カノン砲を装備していることです⁉』
「某重力な戦線風に言わなくても分かりますよ社長…。で、どうしてこんな不釣合いな巨砲を選んだんですか?」
『これもお客様であるアメリカ合衆国さまの現状を考慮した上での選択です』
「というと?」
『現在のお客様の工業力では、装弾筒付翼安定徹甲弾を安定した品質で量産することは不可能だと判断いたしました。
その条件で日英の第三世代主力戦車を撃破するというのならば、大口径に頼る他ございません』
「なるほど、ちゃんと考えてあるんですね。てっきり大艦巨砲主義の発作が出たのかと思いましたわ(笑)
この主砲は新規設計ですか?」
『いいえ、こちらはアメリカ海軍さまの軽巡洋艦用主砲を50口径に短縮し、給弾システムと共に採用しております』
「あれ、アメリカ海軍さんの中口径主砲って152㎜じゃありませんでしたか?」
『おっしゃる通りです。そのまま採用しても良かったのですが、その場合米陸自さまの備蓄弾薬が使用できなくなりますので、155㎜まで砲身をボーリングいたしました』
「また手間のかかることをしましたね」
『しかしご安心ください。このボーリング費用は弊社で負担いたします!!』

——“砲身ボーリング代不要!!”のテロップ

「おおっ、太っ腹ですね社長!」
『これも全てお客様の笑顔のためでございます』


「次に機動力についてですが、どんな塩梅です?」
『最高速度は路上で40㎞/hを保証いたします!!』
「……遅くないですか?(汗)」
『“内線の利”を活かした機動防御ならば十分に対応できます。日英蜜月()世界のアメリカさまは外征を考慮しておりませんので、これで十分なのです!!』
「ホントかなぁ?……ん?“路上で”ということは、路外機動はどうなるんですか?不整地対応能力は??」
『…えー、車輪の数が多いので接地圧も意外と低く抑えられております。なのである程度の不整地突破能力もございますが、そちらはメーカーサポート外となりますのでご了承ください』
「不整地を走れない戦車ってそれ戦車じゃないでしょ!!これ“装輪自走砲”ですよね社長!?」
『いいえ戦車です!?今回のお客様からの要望項目に“不整地突破能力”は記載されていないのでセーフ、セーフです!!』
「詭弁ですよ社長……」
『ではこれが戦車であるという証明、防御力の説明に移りましょう!!!』

170モントゴメリー:2024/02/09(金) 23:31:09 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「この見た目で防御力なんてあるんですか?」
『当たり前です!!戦車の一義は装甲にあり、です!?
このM1戦車(仮称)にも戦車の名に足る装甲が施されています』
「どのあたりですか」
『砲塔正面には複合装甲を採用しております』
「えっ、劣化ウランですか?」
『残念ながら、日英の原子力への監視の目が厳しいと予想される世界ですのでそちらの採用は見送られました』
「じゃあセラミック?」
『史実のアメリカさまも難渋する素材を持ち込むほど耄碌はしておりません』
「…じゃあ、何ですか?」
『今回は“ラミネート装甲”を採用いたしました。強度が異なる複数の金属を重ね合わせ、その強度の違いにより侵徹体を破断いたします』
「ああ、史実フランスがAMX-40で採用した装甲ですね。」
『こちらにより、80㎜の厚さで均質圧延鋼鈑換算で450〜500㎜に匹敵する強度を確保しました。
105㎜級の戦車砲には十分な抗堪性を確保しております!!』
「おおっ!…って、第三世代戦車って基本120㎜砲じゃありませんか?」
『そこは、基本的に155㎜砲によるアウトレンジ射撃で対応していただきます』
「やっぱりこれ自走砲ですよ社長〜(泣)」
『戦車と言ったら戦車なんです!!』

『さあ、締めに入りますよジギー!!』
「はーい…。
で、お客様が一番気になるのはお値段だと思うのですが、そこの所はどうなんですか社長?」
『抜かりはございません!!
今回の商品は既存品の組み合わせで製作いたしました結果、開発コストを大幅に圧縮することに成功いたしました。
また、オートカー・カンパニーさまと粘り強く交渉した結果、こちらのお値段で提供できることになりました!!』

———ババン

「うーん。大体第三世代戦車の相場の半額くらいですかね?」
『さらに、この放送をご覧の方に限り!牽引車をもう1両お付けいたします!!』
「おお〜、いいですねぇ!!(こっち単体の方が色々使いやすそう…)」
『運用に多少のクセがございますが、その打撃力は保証いたします。日英蜜月()世界以外のお客様も是非お買い求めください!!』
「分割払い、ボーナス一括払いにも対応しておりますので、皆様ドシドシご連絡ください!!
 お電話待ってまーす!!!」

171635:2024/02/12(月) 10:04:58 HOST:119-171-251-139.rev.home.ne.jp

日蘭ネタ 戦艦松島の生涯 Act.1


「香港にはコロラド達が行っているし…Meのお役目ももう少しで終わり…かしら…ね…。」


白煙立ち昇る街を己のマストから見下ろしつつ”元”アメリカ合集国海軍戦艦アイオワの船魂はそう呟く。
そんな彼女の眼の前に広がるのは上海の街、己と姉妹の砲撃によりそこかしこに自慢の16incの主砲による破壊の後が見受けられるが、
彼女は知る由もないが鹵獲され日本仕様に改装された際に搭載された電子機器の差で香港にて戦艦コロラド、メリーランド、オレゴンらが行った全力艦砲射撃を行う必要がなく砲撃要請によりピンポイントで砲撃を行った為に驚く程に被害が少ない。

未だ散発的な爆発の発生する戦場より流れる土埃の混じった風にたなびく旗を見ればそこに自分が仰いだ旗は、自分の生涯を掛けて守る筈の存在はもうない。
意匠化された光を放つ太陽、己の仰ぐ筈だった旗よりも古い栄光(Old Glory)がそこにある。

旭日旗、即ち太陽の帝国たる大日本帝国、それが現在彼女が仰ぐべき旗の名前。

そんな現在の彼女…松島の姿はハワイ沖で鹵獲された時から大きく様変わりしている。
合衆国のそれを超えるレーダーや無線機電子機器に火器管制装置がそこかしこに設置され、換装可能だったので取り替えた対空火器も比べるまでもない。
まだ合衆国海軍在籍時だった自分には影も形も無い自国製の高角砲用の高精度近接信管まで用意されて泣きたくもなる。

まあそれでも、鹵獲されようとも大義を持って巨悪と戦っていると戦後のアメリカの為に戦っていると胸を張れる自分はまだマシだ。マシなのだ。
中央共産党による侵略受けた米植民地の解放作戦にも従事、
燃やされ崩れ落ちた自分の家を前に呆然と座る民兵、尊厳を奪われ壊された家族を前に泣き叫ぶ兵士も居た。
だが、脱出した家族との再会を喜ぶパルチザンや家族とともに家に帰れた植民地軍の将校もいた…自分は彼らの為に戦いその戦後を見送るのだ。
故国守りきれず散った姉妹や同胞達に比べれば遥かに有意義であろう。

そんなことを船魂の彼女…特設砲艦松島の船魂はマストに座り込むと戦意高揚の為に印刷されたアメリカの象徴の様なピンナップガールの絵にも似た豊満で露出の多い姿はそのまま、
右足のサイハイソックス…星条旗より取られた紅白のストライプは新たなる母国の言語が書き込まれた黒いものに変わっている…に書き込まれた非理法権天の言葉を撫でながら考えた。


「Unjustis(非)はJustis(道理)に劣り、Justis(道理)とLaw(法)は等しくし在らねばならず、Law(法)をAuthority(権威)が保証し、Authority(権威)をGod(天)は見ていらっしゃる…。」


松島が呟くこの鉄血溢れる世界でのその言葉の有り様。
非は道理に劣り、道理とは法はと同じ方向でなけれならず、その法は権威が保証し守らなければならない…そしてその権威はお天道様がいつも見ている…という考えだ。
元は違った意味がその様に再構築されたのはやはり蘭帝本土防衛線での経験が大きいだろう。
非は道理に劣っただから日蘭は勝った、道理と法は同じ方向を向いただから日蘭は発展した、その法を権威が保証し今の繁栄した日本と蘭帝が存在する。
翻って他国はどうか?フランスは革命に倒れ、世界帝国であった沈まぬ国の太陽は沈んだ…まあつまりはお天道様は全て見てたと当時の者らは思ったのだろう。

そしてそれは今の時代にも当て嵌まる、正義の日蘭は勝利し連合は負けた今後は日蘭に準ずる国家体制になっていくだろう…かつての祖国含めて…。


「まあ今のMeには関係のないことね。」


どの道、自分の槍働きは支那鎮定が終われば終了し退役であろうと松島は考えながら立ち上がると再び上海の街に目をやれば爆発や銃声は途切れ歓声が上がっていた。
日差しを手で遮り松島が目を凝らし外灘…所謂バンドを見るとゴシック様式の建物、上海の象徴とも言うべきその建物の頂上によじ登った人がいる。
軍服を着用せず仏軍所属を示す腕章をするので仏植民地軍の民兵かパルチザンであろう。
彼、或いは彼女は立ち上がると何かをその頂上で掲げ振り上げた。

172635:2024/02/12(月) 10:07:55 HOST:119-171-251-139.rev.home.ne.jp


「Tricolore…。」


青、白、赤の三色の旗。
彼、或いは彼女は自分が…自分らがこの地に戻ったのだと示したかったのであろう。
その気持は痛いほど分かる。まあ、それを気にする余裕も周囲の人間にはないのだが…。
その光景を認めると両手の人差し指と親指でフレームを作り旗を振る人物を収めると言葉を紡ぐ。


「Hi!Cheese!」


松島は他の人が知らずとも自分らはフランス人はここにいるとフランスは健在なりと知らせようとした人間がいたと示した人物の存在を己だけでも心の中に焼き付けようと記念撮影で日本人が口にする言葉を紡ぐ…何故に乳製品出るのか分からないが。

それを終えるとその後も暫くその人物は旗を力一杯振っていたが誰も気づかないことに気づいたのか肩を落とすと国旗を建物の頂上、通りから見える場所に掲げるとトボトボとその場を後にした。

それから暫くだった、掲げられた三色旗にフランス軍が気づき歓声を上げたのは。
戦後長らく、誰が掲げたのかも分からない三色旗はこう呼ばれることとなった…フランス人の三色旗、と。












なお、戦後数十年経ての写真、文書などの資料整理にて砲艦松島の保存資料の中からその建物の屋上で旗を振る人物を撮影した写真が発見され人物も特定。
あの時、旗を振る自分を見ていてくれたのは松島(アイオワ)だけだった…とか日記に残してたのが判明大騒ぎとなったとか。

173モントゴメリー:2024/02/18(日) 00:28:32 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日本大陸連合 Strong Style

列島日本、皇居松の間

——これは本当に現実なのだろうか?もし夢ならば早く覚めてくれ…!!

内閣総理大臣は胸中で叫んでいた。
「妖怪の孫」などと(敵味方を問わず)呼ばれることもあった彼でさえ、そんな弱音を吐きたくなる光景がそこには広がっていた。
そこにいるのは妖怪などという生易しい存在ではない。「魔王」たちであった。

事の起こりは、2019年。
東京湾の入り口に巨大な「何か」が何の前触れもなくそびえ立った。
現在では「ゲート」と呼ばれるソレから出てきたのは「鏡の中の世界」——平行世界の住民たち。
幸いにも彼らは映画やアニメにあるような即時攻撃してくる蛮族ではなく、対話と友好を求めて来た。
しかし相互理解が進むにつれ、その方針に暗雲が垂れ込めて来る。

——「鏡」の向こうは未だに大日本帝国が存続している。

さらに厄介だったのは、列島沖に存在する「鏡」は“ターミナル駅”と呼びべき存在であり、数多の平行世界へと繋がっていたのである。
そしてそのほぼ全てが「帝国」であるというのが知れ渡ると、“ある種の”人間たちは正に発狂状態となっていった。
列島の住民たちにとってはいつもの光景なのだが、「帝国」たちにとっては面白いはずも無い。
自然、態度が硬化していくのもむべなるかな。
それでも「帝国」たちは理性的だった。
“誤解”を解こうという機運が上がり、とある世界から特使が列島にやって来た。
それが両者を引き裂く決定打になるとは、神ならぬ身ではわかろうはずも無かった……。

174モントゴメリー:2024/02/18(日) 00:29:39 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「帝国」特使夫妻暗殺事件発生。
犯人は民間人の単独犯であり、「あいつらは侵略者の一味で、虐殺者なんだ」などと意味不明の供述を繰り返した。
これだけでも驚天動地の出来事なのに、暗殺された特使の人選がまた悪かった。
その特使は派遣した世界の皇族であり、国民からの人気も高い人物だったのである。
さらに言うなら、同時に凶弾に斃れた夫人も平民出身者(ただし実家は鎌倉時代まで遡れる武門の家系)だったためこれまた国民人気は天井知らず。
特使夫妻の出身世界の国民感情がどうなるかは語るに及ばないだろう。

政府も怒り狂ってはいたが、まだ冷静であった。
列島日本がきちんと対応してくれるのならば、軍事侵攻まではしないつもりだった。
(逆に言うなら、それ以外の手段は選ばないつもりだったが)
しかし、列島側の対応はそんな「帝国」側の思惑とは正反対であった。
警察の捜査は杜撰としか言いようのないものであり、それどころか捜査情報を意図的に漏洩し世論を操作しようとする始末。
マスメディアや知識人たちは犯人を擁護し、列島の国民たちもそれに流されるままに見えた。
これには「帝国」政府も啞然とし、腹をくくった。
全面核攻撃の準備を始めた彼らを止めたのは、他の帝国たちであった。
より正確に言うならば、各世界線の夢幻会たちである。
“故郷”をガラスの大地に変えられるのは流石に看過できなかったのだ。
しかし、彼らでも列島日本を擁護することは不可能であった。
特使暗殺事件は各世界線でも知れ渡っており、各々の国民たちも列島日本へ非難の矛先を向けていた。
そうは言っても「ターミナル駅」を放射能汚染されるのは色々不都合なので、核攻撃は思いとどまってもらった。
代案として通常兵力での列島占領作戦が提案され、各世界が戦力を供出するという形で落ち着いた。
この連合軍を運用するために生まれた連絡機関が、後の「日本連合」の母体である。

各世界連名の「宣戦布告」文書が交付されてから6時間後、ゲートから戦闘艦が現れミサイルと電磁投射砲による攻撃が始まった。
目標は列島各地の自衛隊基地と在日米軍基地であり、特に空港設備は真先に破壊された。
制空権を確保した大陸連合軍は上陸作戦を開始。
彼らの兵力は、陸上戦力だけで300万名を超えていた。
これは“敵地を占領する場合は、住民50人に対し兵士1人が必要”という用兵学の原則に則った数字である。
列島日本の人口はおよそ1億3000万人。
50で割れば260万人となるが、不測の事態に備えた司令部直轄予備を含めてキリの良い300万名となったのである。
大陸連合の面々は怒りで頭に血が上っていたが、理性まで投げ捨ててしまったわけではない。
例え技術力で大幅に優越していたとしても、敵を侮ってはならないという闘争の基本に忠実であった。
この大兵力が揚陸艦で、航空機で各地へと陸続と揚陸されていく。
ここに至り列島政府は無条件降伏を宣言。
戦闘自体は10時間以内に集結した。

そして舞台は最初に戻る。
今、松の間では降伏文書調印式が執り行われており、彼——内閣総理大臣は政府を代表してその文書にサインする役目を担っていた。
そこにいるのは各世界線の代表たち。彼らの表情はとことん冷淡であった。
彼はこれから祖国が味わうであろう苦難を想像し、恐怖した。
「魔王」たちは我々列島の民に慈悲も、温情も示さないことが分かるのである。
降伏文書調印式が行われているのが国会議事堂でも首相官邸でもないのがその証拠である。

——我々は貴様たちの政府も、国民も、一切考慮しない。気を配るのは唯一、こちらの世界の皇室のみである。

彼らは言外にそう語っているのである……。

175モントゴメリー:2024/02/24(土) 17:21:27 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
『フルール・ド・リス』世界支援ネタ——アメリカ陸軍航空隊 カーチスP-40 S「スーパー・ウォーホーク」戦闘機——

全長:約10.2m
全幅(翼長):約11.4 m
全高:約3.8m
総重量:約3000kg
エンジン:アリソン V-1710-127(高度3000mで出力2900馬力、高度8800mでの戦闘出力1550馬力)
最高速度:約800km/h
行動半径:約1200km
武装:12.7mm機関銃6挺、もしくは20mm機関砲4門
   爆装約750㎏、またはロケット弾
   (その他、現地改修が複数)

【概要】
アメリカ合衆国陸軍の戦闘機。
P-40「ウォーホーク」がたどり着いた極致であり、機体設計のカーチス社、エンジン製作のアリソン社など当時合衆国で健在だった航空機メーカーたちの意地の結晶である。
初期型と比して3倍近いエンジン出力を以て得た高速性能は日英仏の“レシプロ”戦闘機に対して決して劣らず、「最強のレシプロ戦闘機」候補の一角として後世まで語り継がれる存在である。
戦争中盤に完成し、後期には主力戦闘機となったが、惜しむらくは時代の主役は既にジェット機に移りつつあったことである。

【開発】
開戦時に(ようやく)主力戦闘機となったP-40Q型は、確かに初期型のE型から大幅な強化が成されていた。
同世代の各国戦闘機と比べても、少なくとも同程度の性能を有していたのは間違いない。
しかし、それらの戦闘機は日英仏各国では既に「旧式機」であり後継機が主力となっている現実の前ではそんなことは慰めにもならなかった。
もっと強い戦闘機をくれ!!というホワイトハウスや前線の将兵から催促の十字砲火を航空機メーカーは食らうことになる。
しかし戦前の航空行政失敗のツケは大きく、新型機を作りたくともそのための設計能力は非常に乏しく、遅々として進まなかった。
結局のところ、彼らにはP-40しかなかったのである。
しかし諦めを知らない不屈の男たちは、そのP-40に全てを託すことにしたのだ。
そして、彼らの努力はこのS型という形に具現化することになる。

176モントゴメリー:2024/02/24(土) 17:22:14 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
S型の最大の特徴は、激烈なる出力を発揮するアリソン V-1710-127エンジンを搭載している点である。
その最大出力は2900馬力と、初期型のE型と比較して3倍弱を誇る。
その馬力を活用したことにより試験飛行では最高速度800km/hを記録する。
実戦環境下であっても750㎞/hは無理なく発揮できた。
しかし逆に言えば、他の構成要素はQ型からほとんど変化していない。
機体形状はQ型の時点でE型から多くの点で改良されており、弄る必要が無かったのである。
(弄る余裕が無かったとも言うが)
武装もQ型とほぼ同等である。ただしロケット弾の生産が軌道に乗ったので順次配備されるようになった。
しかし変化が無いということは、その利点も引き継いでいるということでもある。
その堅牢性はエンジン馬力に負けることはなく全速力での機動戦も可能にし、生産性や整備性の良さは様々なものが不足し始めていた戦争後期〜末期の合衆国でも大量生産・運用を可能とした。
正にこの機体は、合衆国の意地の結晶なのである。
ただし欠点もある。高空性能の不足である。
これはV-1710系列エンジン共通の弱点なのであるが、高空では性能が大幅に低下するのである。
もちろん対応策もあるにはあるが、それを実施すると最高出力が低下してしまうのである。
事実、S型のアリソン V-1710-127は高空では1500馬力前後の出力となるが、Q型に搭載されたV-1710-121では1700馬力を発揮する。
この点は頭痛の種となったが、仮想敵は日英仏海軍の艦載機であるため低空性能を取ることとなった。
(戦争後半には戦略爆撃機が高高度からやって来ることになるのだが…)

【運用】
S型はロールアウトされた後、量産体制が組まれた。それは合衆国の底力の具現化であった。
パイロットの方も、大量育成方式が導入されたことで確保できる目途がたった。
しかし、その質は「離陸して、飛んで、着陸できる」という本当に最低限度であり複雑な空戦機動など望むべくもなかった。
そこで、「ホーク・ライダー」こと、クライブ・コールドウェル以下開戦時からの生き残りである熟練パイロットたちは
「戦闘機の相手は俺たち大人がやる。お前ら子供たちは爆撃機を狙い、とにかく生き残れ!!」
と訓示することになる。
主な戦法は、まず敵編隊に対空ロケット弾(信管は着発及び時限信管。近接信管は海軍の対空砲に優先して回された)を発射。
敵編隊をバラけさせた後に一撃離脱戦法を仕掛けるというものであった。
そしてこの戦法は有効であり、日英仏各国も無視することができない損害を強いることになる。
一日も早くジェット機を持ってこい、東西両戦線の担当者は異口同音に本国へそう陳情したという。
カリフォルニア沖海戦・ニューファンドランド沖海戦でもS型は奮戦し、合衆国の航空機メーカーの意地を日英仏海軍に刻み込むことになる。

177モントゴメリー:2024/02/26(月) 21:41:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
使うのでage

178モントゴメリー(オルタ):2024/02/26(月) 21:51:50 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日本大陸連合 Strong Style②

時は“連合”による列島日本総攻撃が行われた時までさかのぼる。
場所は日本海南西部、「竹島」

「班長!レーダーが使用不能になりました!!」
韓国国家警察、独島警備隊のレーダー手がそう叫ぶ。
それを聞いた指揮官が総員配置を下令しようとした時には、全てが遅かった。
レーダーと対空機関砲、警備隊宿舎に小型極超音速ミサイルが直撃し、指揮官以下警備隊40名のほとんどがその一撃で蒸発する。
灯台と気象観測台は無傷であったが、無線設備も吹き飛んでいたため本国に連絡することはできなかった。
もっとも、仮にアンテナが無事だったとしても妨害電波によって無意味となったであろう。
また、竹島沖合に遊弋していた韓国海軍警備艦艇も同様の運命をたどっている。

それから10分も経たずにこの世界の住民には見慣れない航空機が竹島上空に飛来した。
パニック状態になる観光客(日本人から見れば信じられないが、韓国では竹島は観光名所なのである)が逃げ惑うのを尻目に、その航空機はヘリポートに垂直に着陸する。
その中から出て来るは、SF映画でしか見たことがないようなロボットスーツを装着した兵士たち。
彼らの肩には、太陽の紋章が刻まれていた——。

独島占領さる!!
その報に韓国国内は激震が走り、民衆は狂乱した。
政府(というより大統領)も同様であり、日本を占領している“連合軍”に対し「謝罪と賠償」を要求する。
しかし、彼らは失念していた。
今度の相手はあの弱腰の日本ではない。彼らが魂の底から憎み、かつ恐れている『大日本帝国』たちなのである。
“連合軍”からの返答はにべも無かった。

——我々は列島日本の無条件降伏を受諾し、『列島日本の領土』の治安維持を行ったまでである。

そして逆に韓国に対し、これまで列島日本の領土を不法占拠していたことに対する賠償を要求したのである。
こうなったら、もう韓国政府として後には引けない。
大統領は独島奪還を軍に命令するが、まだ理性が残っていた軍部は翻意を促す。
何せ“連合軍”は陸上戦力だけで300万名の大軍なのだ。
これだけで中国軍の総数を越えてしまう。はっきり言って勝負にならない。
されど、そんなことは正気を失った大統領にはどうでもいいことであった。
改めて命令が下され、海兵隊が竹島へと投入される。

——ここからのことは語るまでもないだろう。

1000機を越える航空機の攻撃により韓国海軍及び空軍は3時間で組織的抵抗力を損失し、韓国沖に集結した“連合”海軍の戦艦群による艦砲射撃と他艦艇からのミサイルの雨により韓国各地の軍駐屯地は月面の如きクレーターとなる。
民間施設への攻撃が控えられたのがまだ慰めになるが、例外もある。
首都ソウルには“連合軍”司令部直轄予備の内の10万名が投入され大統領以下政府要人を生きたまま確保した。
また、釜山港は“連合”海軍による徹底的な艦砲射撃が加えられただけでなく、そのご地上部隊までが投入され、港があったという痕跡すら残らないほど破壊された。
その後、大統領が講和文書に署名。
後世「日韓8時間戦争」と呼ばれる戦乱は終結した。
なお、在日米軍及び在韓米軍がどうなったかはまたの機会に語ることになるだろう。

179モントゴメリー(オルタ):2024/02/26(月) 21:53:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「…しかし、これで良かったのでしょうか?」
“連合軍”の統合参謀本部(仮称)に属するまだ若い少佐がそう苦言を呈する。
しかし、それは道義心や博愛精神から発せられた言葉ではなく、純粋なる戦略的観点からの疑義であった。
「北方領土は確保せず、竹島は確保しそこを占領していた韓国は“敵国”として殲滅したが,
ロシアには手を出さなかった。
ここまで対応に差をつけては、この世界の諸外国に“北方領土は列島日本の固有領土とは認めない”ということだと誤解されるのではないでしょうか?」
「それに関してはいくつか理由がある」
心配げな部下に対し、若者を指導してやろうとでも言いたげな大佐が“講義”を始めた。
「まず前提として、北方領土も竹島と扱いは変わらない。純然たるこの世界の日本の領土であると我ら“連合”は定めている。ここはわかってるな?」
「勿論です」
「ならば“この世界の諸外国”がどのように考えるかなど、どうでもよろしい。我々は粛々と列島領土の“治安維持”を続けるだけだ。
近いうちに連合からの公式発表もなされるだろう」
大佐は“ロシアもいずれ攻撃する”という、この世界の住民が聞けば卒倒するような事実を夕食の献立を告げるかのように平然と吐き捨てた。
「ならば、何故今回は竹島だけだったのですか?
戦力的には北方領土と同時進行も可能だったはずです」
「理由はいくつかあるとあっただろう、最後まで聞きたまえ。
二正面作戦も可能だったという君の判断は間違いではない。しかし、上の連中はあくまでも用兵学の基本に忠実であろうとしたんだ。
“我の戦力は集中せよ、そして敵の戦力は分散させよ”というね。異世界での軍事作戦なんてどこの世界線でも初めてだったからな。
だがそれだけじゃない」
大佐はやや表情を硬くしつつ続ける。
「上の連中、北方領土の回収を“彼ら”にやらせるつもりらしい」
「……列島日本軍、自衛隊にですか?」
「正確には新規に創設される国軍にだな。自衛隊とやらは一度完全に解体する方針らしい」
「たしかに、あれは軍隊と呼べる存在ではありませんからね。装備や練度も問題ですが、それ以前に関連の法制度の整備がほぼ皆無です」
そう言った少佐は呆れを含んだ溜息を吐いた。
「まあ、要するにだ。
この狂った世界の日本人に“血を流す”こと、国土の防衛するというのはどういうことかを思い出させるための舞台として北方領土はロシアにあずけてあるのさ」
「意図はわかりましたが、“練習台”とするならばロシアより韓国の方が難易度は低かったのでは?
なぜロシアの方を後回しにしたのでしょうか」
「それにも理由がある。
…『釜山港を破壊するため』だよ。」

180モントゴメリー(オルタ):2024/02/26(月) 21:54:12 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「はい?」
少佐は大佐の発言の意図を掴みかねていた。
「まあ、これだけ言ってもわからないだろうな。…これを見てみろ」
大佐は手元の端末を操作して少佐にデータを見せる。
そこに表示されていたのは列島日本の貨物取扱量…具体的には「主要5港」と呼ばれる東京・横浜・名古屋・大阪・神戸、各港湾の年間コンテナ取扱量であった。
「……少なすぎやしませんか?如何に列島日本の人口が我々の1/5以下とはいえ、これでは輸入も輸出も全く足りません」
「その答えがこれだよ」
大佐が端末を操作し次のデータを示す。
「こっちは釜山港のコンテナ取扱量——えっ⁉」
そこに表示された数字は、先の5港を合計したそれよりも大きかったのである。
「正気とは思えんが、この世界の日本は自国の主要港——ハブ港だけでは海上輸送を統制できないらしい。
その代わりに、他国のハブ港を間借りしているのさ」
「それで釜山港は韓国の国家規模と比べて過剰なほど大規模だったのですね…」
「無論、この数字全てが日本向けではない。韓国自身の分は勿論、支那大陸分も含まれている。
しかし、釜山港がこの列島の海上物流の要であるという事実は揺るがない」
「…兵站部門が顔を青くして走り回っている理由がわかりました。
釜山港が消滅した分の肩代わりを我々“連合”がやるんですね、これ」
「ご名答。近い将来にはゲートの沖合にメガフロートを複数建造してハブ港として運用する計画も既に出来ている」
「つまり、この列島は我々から独立しようとすれば、もしくは我々が手を引いたら海上輸送網が麻痺して飢餓地獄となり果てる訳ですか。
……ひどい話ですね」
「恨むなら国内の港湾設備の強化を怠った前任者か自分自身を恨んで欲しいね」
大佐は侮蔑すら含んだ声色で話を締めくくった——。

181モントゴメリー:2024/03/18(月) 23:58:21 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——とある田舎娘の物語(前編)——

『フランス連邦共和国(FFR)の三女神』という言葉がある。
かの国には数多の女神が存在するが、この言葉が用いられる時はリシュリュー、オセアン、ジャンヌ・ダルクの三隻(柱)を指す。
リシュリューは言うに及ばすFFR国教の主神であり、オセアンは死を司る女神でありリシュリューと対となる存在であるので全く以て異論はない。
されど、何故そこにジャンヌ・ダルクが入るのであろうか?
無論、彼女が“先生”として成し遂げた業績は何人にも否定できるものではない。だがしかし、主神と冥界神と同列に座するのはどういうことであろうか?

この疑問への答えは、やはり歴史の中に存在した。
FFR黎明期の記録文書には、ジャンヌ・ダルクを指して“海軍席次第三位”と称する文言が複数確認できるのである。
これこそが彼女が三女神に数えられた直接の要因であった。
では、この「席次」とは何を指す呼称であるのか?
それは、【戦闘可能な大型艦艇の順位】である。
本職は練習巡洋艦であるジャンヌ・ダルクが3番目に大きい艦であったという事実から、どれだけ設立当初のFFR海軍が困窮していたかが見て取れる資料である。
そして、当然ながら席次第“三”位ということは、一位と二位も存在する。
一位は言うまでもなく戦艦リシュリューである。
臨時政府時代には最低限の応急処置しか施されなかった彼女であるが、この頃にはほぼ修理が完了していたようだ。
では第二位は?
オセアンはありえない。確かの彼女は艦籍上では現役であったが、それは書類の中の話でありとても“戦闘可能”とは言えない。
FFR海軍席次第二位、その称号を持つものの名は戦艦『ロレーヌ』。
今宵は彼女の物語を語ろう。

182モントゴメリー:2024/03/18(月) 23:59:47 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
第二次世界大戦前夜、旧四ヶ国同盟陣営が主力艦の設計を統一し量産性を追求したことは人口に膾炙している。
「ビンソン計画」として知られるこの計画に則って生み出された戦艦が前期・後期サウスダコタ級である。
そして、当時四ヶ国同盟に参加していたフランス共和国においてもその建造は行われ、「アルザス」級戦艦として生を受けることになる。
されど当時のフランス共和国は造船設備の更新に失敗しており、まずはアルザス級を建造可能な船渠を用意するところから始めなければならなかった。
そんな状況では予定されていた開戦に間に合わないとして、アメリカ側から代理建造の話がもたらされる。
こうしてアルザス級3隻の内、2番艦のロレーヌは新大陸のブリックリン海軍工廠で建造されることになった。
なお余談であるが、ブリックリン工廠は開戦後自由フランス海軍に譲渡された「ダンケルク(旧名ルイジアナ)」の建造も担当しており、フランスとは何かと縁が深い。
そんな紆余曲折を経て建造されたアルザス級の3隻であるが、現場での評価は芳しいものではなかった。
これについては読者諸兄も御承知のところと思うが、アルザス級=サウスダコタ級戦艦は欠点の多い艦である。
41cm12門の火力は申し分ないが、速力は最高23ノット前後と、はっきり言って“鈍重”である。
また量産性を追求した「無駄のない」設計とは、裏を返せば「余裕がない」という事であり、改装の自由度が低かった。
改装の余地はともかく、速力に関しては生まれ故郷のアメリカのドクトリンに則った数値でありアメリカ海軍は特に問題とは感じなかった。
しかし、欧州には欧州の流儀がある。
程なくしてフランスは独自設計の高速戦艦の建造を決断し、これがかのリシュリュー級戦艦となるのである。
(これと時を同じくして、イギリスもキング・ジョージ五世級戦艦の建造を決定している)
こうして国民の期待を一身に背負って新大陸からやってきたアルザス級たちは、一転して厄介者のような扱いを受ける事になる。
特に、生まれも育ちもアメリカであるロレーヌは『田舎娘(Fille de la campagne)』と呼ばれ蔑視された。
しかしこの田舎娘、周囲の予想とは裏腹に“祖国”フランスのために獅子奮迅の働きをするのである。
さながら、彼女と同じくロレーヌの地と縁がある「乙女」の如く——。

183モントゴメリー:2024/03/19(火) 00:00:33 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
彼女の戦歴を列挙すると以下のようになる。
開戦時はリシュリューと共に仏本国艦隊に所属し、蘭本土侵攻作戦(イギリス海軍作戦名:オーバーロード)に参加。
主力艦の一角として蘭帝海軍の戦艦たちと干戈を交えた。
オーバーロード作戦は失敗し、ロレーヌは控えめに言っても中破判定の損害を受ける。
シェルブールでは修理不可能と判断され、リシュリューの護衛の下ブレストまで撤退している。
これが功を奏した。
彼女たちが出港してまもなく、蘭本国艦隊の機雷敷設潜水艦によってシェルブールは閉塞されてしまったのである。
これが、「傷だらけの不沈艦」ロレーヌ伝説の始まりとなる。
ブレストに入港し修復作業に入ったロレーヌだが、すぐにフランス本土に蘭・独・伊陸軍が報復攻撃のために侵入してきた。
ビンソン計画に予算を奪われた仏陸軍や米英の大陸派遣軍にこれを押しとどめる力はなく、
西フランス、南フランスに相次いで撤退。
西フランスに撤退した部隊はサン=マロからチャンネル諸島などの航空戦力の支援を受けつつ英本土への脱出(イギリス側作戦名:ダイナモ)。
そして南フランス側はラ=ロシェルからアフリカへと脱出した。
ブレストの行動可能なフランス艦隊はそちらに割かれ、ロレーヌも損傷したままアフリカへ脱出する。

脱出後はダカールにてアメリカ海軍の工作艦の支援を受けつつ修理を再開、戦闘航海に支障がないレベルまで回復する。
ビンソン計画の恩恵はここにも表れていた。
同盟共通規格で建造された彼女は、交換用部品の調達が容易だったのである。
(フランス独自の部品を多用したリシュリューが大戦を通じて整備や修理に苦労したのと対照的だ)
修理が終わったと言っても、足の遅さからリシュリューやジャン・バールと異なり高速輸送船団の護衛には加わらなかった彼女だが、出番はやってきた。
大洋連合による蘭領ケープ上陸作戦(麦風(タロウェウインド)作戦)に伴う第二次ケープ沖海戦に参戦したのだ。
この戦いで英アフリカ艦隊と仏アフリカ艦隊の高速水上打撃戦力はほぼ壊滅するのであるが、ロレーヌはまたもや生き残ることになる。
プリンス・オブ・ウェールズやジャン・バールはその健脚を駆使して自力で脱出したが、低速艦のロレーヌにはそれは不可能。
もはやこれまでと覚悟したが、後世「ケープ沖のランス・チャージ」と称えられる軽巡バーミンガム以下イギリス海軍水雷戦隊の突撃により啓けた血路により虎口を脱することになる。
海戦後はジャン・バールたちの後を追いリシュリューが停泊していたフランス領ギアナに逃亡、再びリシュリューがアメリカ本土まで護衛し、生まれ故郷のブリックリン工廠で修復作業に入る。
当時はアメリカ本土にも戦略爆撃の魔の手が迫ってきていたが、やはりビンソン計画の効果により何とか復旧に成功。
リシュリューたちが身を寄せていたカナダのニューファンドランドに退避した。

184モントゴメリー:2024/03/19(火) 00:01:55 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
そして運命の第二次ゼーラント沖海戦(大洋連合側呼称:グレートブリテン島沖海戦)の時がやってくる。
海戦終盤、リシュリューがマストに“我に続け”の旗旒信号を示し蘭帝戦艦戦隊へ舳先を向けた時、ロレーヌが掲げた信号は「不関旗」であった。
すなわち“旗艦の命令を実行することはできない”と宣言したのである。
その直後に送られた発行信号を読んだジャンスール提督は、一度ロレーヌのいる方向を向き敬礼を送った後、即座に指揮に戻ったと伝えられている。
信号の文面は以下の通りであった。

——田舎娘は舞踏会への参加を謝絶セリ。これより現海域に留まり能う限り遅滞戦闘を実施ス。

ロレーヌのこの自己犠牲精神の発露を目撃した日本海軍の某士官は、
「お株を奪われたな。“捨て奸”は我ら帝国海軍の、それも薩摩閥のお家芸ではないか」
と感嘆したという。
その後、「死のブルックリンダンス」と称された彼女の遅滞戦闘によって稼がれた時間は30分にも満たなかった。
しかし、その30分が無ければリシュリューは脱出出来なかったであろうことは疑いない。
踊り果てた後、全ての火器を失ったロレーヌは半ば漂流状態であったが、追撃を優先した大洋連合艦隊は彼女を無視した。
そしてイギリス艦隊旗艦であるプリンス・オブ・ウェールズの降伏と時を同じくしてロレーヌも白旗を掲げた。
こうして“田舎娘”は奇跡的に世界大戦を生き延びることになる——。

185モントゴメリー:2024/03/31(日) 00:52:58 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——とある田舎娘の物語(中編)——

第二次ゼーラント沖海戦終結後、洋上降伏したロレーヌは大洋連合海軍に鹵獲される。
されど抑留されることなく、戦争終結後はすぐさまフランスに返還された。
これは、蘭帝にしてもその他構成国にしてもサウスダコタ級に対して何ら興味も脅威も抱いていなかったという証左である。
(松島こと旧アイオワを運用している某国は例外)
なお返還された際のロレーヌは、武装の修復こそなされていなかったが通常航行に支障が無い状態まで応急修理が施され、塗装も可能な限り再塗布がなされていたという。
これは大洋連合の騎士道精神の発露として後々まで語り継がれ、FFRとOCU両陣営の信頼関係構築に多大な影響を及ぼした。
(同時に、イル・ド・フランスやノルマンディーへの仕打ちと対比され英米陣営への敵愾心を醸造する土台にもなった)
さらに、日本からサウスダコタ級の各種部品について提供の用意があるという話までが出た。
こちらに関しては流石に有償だったが良心的な価格であり、当時のフランス臨時政府はこの申し入れを受諾。
これによりロレーヌはリシュリューよりも先に修復作業に入ることになる。
この取引については流石に気前が良すぎるという声が日本国内からも出たが

「松島のために専用の生産ラインまで新設したんです。少しでも投資を回収しないとやってられませんよ」

という『大蔵省の魔王』の言葉に沈黙することになる。
こうしてFFR発足時点ではロレーヌは修理を完了し戦力化されることになる。
その際、艦名を変更するか否かの議論が持ち上がったが、ドイツ帝国から“武勲艦に敬意を表す”という声明が公式に出されたため終息した。
ただし、ドイツから同時に将来については「配慮」を望むという一文も添えられたため、ロレーヌという名の艦は彼女が最後となっている。

186モントゴメリー:2024/03/31(日) 00:53:46 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
その後はリシュリューと交互に任務と休息を取りつつ「暗黒の30年」期のFFR海軍を支えることになるが、評価はリシュリューと明暗を分けた。
理由は、第二次世界大戦時の大量損失によりサウスダコタ級=アルザス級そのものの評価が地に落ちていたのがまず一つ。
(彼女たち、ひいてはビンソン計画の再評価が進むのは21世紀を待たねばならない)
そして、大戦の大半を自由フランス海軍所属で戦ったのも大きい。
彼女の奮闘は知名度が低く、大多数の国民にとってはロレーヌのイメージは戦前から続く『田舎娘』のままであったのだ。
さらに言うなら、米国への感情が悪化していくにつれ、この田舎娘という異名は蔑称の色合いが強くなっていった。
しかし、自由フランス海軍所属であったのはリシュリューも同じである。
何故、そこで評価が分かれるのであろうか?
それは、リシュリューが神格化されていった事への副作用とも言える現象であった。
リシュリューが第二次ゼーラント沖海戦で成し遂げた敵艦隊中央突破は『未来への脱出』とFFR国民たちに呼称されていることは以前述べた。
そして、その“脱出”に同行出来なかったロレーヌは

「時代に取り残された者=旧時代の象徴」

とされてしまったのである。
この構図が定着した原因は“鉄人”ことジョルジュ=ビドーFFR初代大統領にもある。
彼は、リシュリューを称揚するために敢えてロレーヌと対比するような発言を複数回行っている。
彼は既にフランスを救うために無二の友の名誉を闇に葬っていた。
これから更に1隻の戦艦の名誉を否定することを彼は躊躇うことはしなかった。
それがフランスの救うためならば…。

187モントゴメリー:2024/03/31(日) 00:54:49 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
時は流れ「暗黒の30年」が終わり、リシュリューの再構築改装が計画された際、ロレーヌの退役もまた決定された。
理由はリシュリューが改装された場合、維持コストが増大するため、戦艦戦力を2隻から1隻に削減することになったからだ。
しかし、その後のFFRの高度経済成長を知る後世の我々から見るとこの理由は不自然に思える。
実際は、ロレーヌの改装は国民の賛同が得られないと判断されたのである。
こうしてロレーヌは役目を終え、解体される——ことはなかった。
政府に、鉄人に反旗を翻す集団が現れたのだ。
誰であろう、FFR海軍自体である。
彼らはロレーヌに対する国民の評価に納得してはいなかった。
街中で水兵がロレーヌをバカにした市民に殴りかかるなどといった事件は枚挙にいとまがない。
そして、この傾向は時代が下るにつれ海軍全体の総意になっていく。
考えて見れば当然だ。
この頃の海軍上層部の者たちは、第二次ゼーラント沖海戦に“参加できなかった”あの士官候補生たちである。

——ロレーヌが無価値ならば、『先生』に逃亡者の汚名を背負わせてまで生き残ってしまった我々はどうなるのだ…!!

彼らの思いは吹きこぼれ、海軍と言う組織全体を上げた抗議運動へと発展した。
これに対し、鉄人も負い目があったためか、あっさりと妥協し、ロレーヌは記念艦として保存されることが決定した——。

188モントゴメリー:2024/04/12(金) 00:08:12 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
ネタSS——未知との遭遇です!!②


『…アカンなぁ。完全に迷ったわ』

所は変わり、こちらはアンツィオ高校学園艦。
脂の乗った中年の伊達男が一人途方に暮れていた。
彼の口から出たため息には酒精の香りが混ざっている。

『いつも通り仕事抜け出して、ワイルはんの店で昼飯を食って帰るだけやのに、何で道に迷っとるんや?まだワイン1杯で酔っ払うほど衰えてないでワイ…』

独り言を言いつつ歩を進める彼の足取りは確かにしっかりしていた。されど脳内は混乱の極致であった。
行けども行けども、街並みが記憶にあるどの地区とも合致しないのである。
ローマ市内は自分の庭と呼んでも良いくらい知り抜いているはずなのに!!(主に仕事サボって散策した結果である)
もしかしてボケた?と軽く絶望しかけてる彼の嗅覚センサーが突如反応した。そして彼は瞬時に判断し決断する。
——これは、何かはわからないが料理の匂いだ。それも、間違いなく美味いやつ!!
先ほどまでの狼狽など無かったかのように彼は力強く匂いが指し示す先に足を進めた。
さっき昼食を取ったばかりであるが、美食と出会える機会を逃したとあっては浪速(ローマ)の男の名が廃る。
少しばかり歩くと大通りに出た。そこから見えた光景に彼は驚愕した。

『コロッセオやと⁉そんなアホな、あの辺りなら目隠しされても迷わんわい!!!』

しかし目の前に見えるのは間違いなくローマのシンボルである円形闘技場である。だが、その周囲の建物に全く見覚えが無いので混乱に拍車がかかっている。
それによく見るとコロッセオ自体も何かがおかしい。何というか、“新しい”のである。

189モントゴメリー:2024/04/12(金) 00:08:53 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「おじさん、そんなとこで突っ立ってどうしたんですか?」
「道に迷ったんですか?」

そんな彼に声がかかる。イタリア語ではないその声に我に返った彼が振り向くと『イタリア少女隊』の制服を着た少女たちが立っていた。

『おお!ええ所にいたでお嬢はん方!!ここはどこや?恥ずかしいけどワシ迷子になってしまったんや』
「うわっ、イタリア語だ⁉どうしよう、私この前のイタリア語のテスト赤点だったんだよ!!」
「取り敢えず挨拶しよう!ちゃ、Ciao!!」

アンツィオ高校はイタリア文化に対する教育が盛んであり、そこには当然語学も含まれる。
しかし当然ながら、生徒全員がその教育を理解できているわけではない。

『Ciao!
 あー…イタリア語わからんかぁ。ん?キミたち、どこの子や??』

改めて見ると顔立ちは東洋人のそれである。しかし、『イタリア少女隊』に外国人の入隊を許可した覚えはない。

「少し、待ちます、ください。“ドゥーチェ”、呼びます」
少女たちは片言のイタリア語で男に語り掛けたあと、走り去ってしまった。

『あ、ちょっと待ってやお嬢はん!!
…“ドゥーチェ”を呼んでくるなんて、ワイの他にどこにドゥーチェがいるんや』
まあ単語を間違えたのだろうと自己完結した彼は、おとなしく待つことにした。

待つことしばし、先ほどの少女たちがもう一人の少女を連れて戻ってきた。

「お困りですか、お客人。後輩が失礼を働いたようで申し訳ありません」

今度の少女は少女隊どころか王国陸軍の制服?を着て、それなり以上に流暢なイタリア語を話してきた。
だがそんなことはどうでも良い。

『(おお、けったいな髪色と髪型しとるが中々の美人やないか。もうちょい大きなったらローマ中の男が声をかけるで)』

改めて見れば、先ほどの少女たちも中々に美形である。
不覚!!
美女や美女になるであろう少女を前に取り乱すとは浪速(ローマ)の男の恥である。

『いやいや、失礼なんてされてへんで。むしろこっちが申し訳ないわ。本当ならみんなをお茶にでも誘いたいんやけども、道に迷ってしまったんや』
「ははは…。(流石は本場のイタリア人だなぁ。こんな時までナンパなんて)
 やはり道に迷われましたか。サンダースほどではありませんが、我がアンツィオの学園艦も大きいですからね。初めての方は仕方がありません。」
ツインテールを黒いリボンで結んだ少女は苦笑しつつ応える。

『ん?今“アンツィオ”と言うたかお嬢はん?…ここ、ローマと違うん?』
「え?確かに我がアンツィオは“ローマよりもローマらしい”と言われますが……。
あ、申し遅れました。私“安斎”と申します。失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか」
『ああ、ワイの名前か…』

自分から名乗るのは久しぶりだな、と彼は思いつつ名乗り始めた。

『ベニート。ベニート・アミルカレ・アンドレア・ムッソリーニや』

190モントゴメリー:2024/04/13(土) 00:58:20 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
ネタSS——未知との遭遇です!!①

『さて、どうしたものか…』
「申し訳ございません、閣下……」

ここは大洗女子学園の学園艦。そこで壮年の男性が疲れたようにつぶやき、青年と呼んでいい若者がそれに応える。
2人は森?の中を歩いている。2人にはそれがまず理解できない。自分たちは帝都のど真ん中にいたはずなのだ、と。

ここで時系列は少しさかのぼる——。
『彼』は夢幻会の会合を終え、首相官邸に戻るところであった。
会合の性質上、護衛は連れておらず運転手として若い海軍士官が一名付いているのみである。
車に乗り、いつものように帰路に着いたのであるが、普段使う道路が事故で通行止めとなっていた。

「申し訳ございません、迂回路を使うため少々遅れます」
『かまわんよ、落ち着いて行きなさい』

若者の言葉に『彼』はおだやかに応える。『彼』としては、仮眠が取れるとむしろ喜んでいた。
2人が乗る乗用車は帝都の街並みを進んでいく。

「ん?こんな所に隧道があるなんて珍しいな…」
若者の眼前に、突然隧道(トンネル)が現れる。しかし、彼はさほど気にせず車を乗り入れた。
確かに帝都でトンネルは珍しいが皆無というわけではない。まぶしく感じるほど“照明”がついているのが不思議だが、戦争が終わったことによる反動だろう——。

「—うわっ!?」

されど、トンネルを抜けると若者は驚愕することになる。
先ほどまでの街並みは消え、山中としか思えない道に出たのである。

『どうした!?』
「わかりません、急に道が——!!」

『彼』も目を覚まし若者に問いただす。しかし若者が応える暇もなかった。
カーブを曲がり切れず車は脱輪、木にぶつかった。
緊急事態であるが、2人は共に軍人であったため即座に体が動き乗用車から脱出した。
幸い、火災は発生しなかったが救援が来ないと動かすことは困難である——。

191モントゴメリー:2024/04/13(土) 00:59:07 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
ここで舞台は冒頭に戻る。
『彼』と若者は取り敢えず山?を下ることにした。
どれほどかかるか不安だったが、10分ほど歩くと開けた場所に出た。
一見すると学校の運動場のようであるが、それにしては大きすぎる。それに、併設された建物は、まるで航空隊や陸軍の機甲部隊の格納庫のようだった。

『帝都にまだこんなデカい駐屯地があったかな?』
「自分も記憶にありません。しばしお待ちを、誰か呼んでまいります。
——おい!誰かいないか!?」
若者が格納庫?へと走る。『彼』も他にすることが無いので歩いて続いた。

「はーい、どうかしましたか?」

扉が開き、返答と共に人が出て来た。
しかし、若者はそれにまた驚愕する。

「貴様、こんなところで何をしている!!何故婦女子が軍の敷地にいるのだ!?」

出てきたのは女性、それもセーラー服を来た少女であったのだ。

「ふぇぇっ!?」

突然怒号を浴びせられた少女は混乱し、若者の質問に答えられない。若者がさらに言い募ろうとするが、

『君、止めたまえ!!』

『彼』が静止した。『彼』はそのままゆっくりと歩き少女に近づき、穏やかに話しかけた。

『驚かせてしまってすまないね。おじさんたち道に迷ってしまったんだ。
ここはどこかな?あと、お嬢さんのお名前を教えてくれないかな?』

穏やかに、されど堂々と少女に語りかけている『彼』であるが、内心では焦りまくっていた。
『彼』は少女に見覚えがあったのだ。そして、もし『彼』の記憶に間違えがなければ——

「…えーと…。ここは戦車道用の練習場です。
 わ、わたしの名前は“西住みほ”です。……お、おじさんたちは…?」

やっぱりガルパン世界かよぉぉぉぉぉ!!!!
『彼』は内心絶叫しつつ、無礼だぞ、といきり立つ若者を静止しつつ名乗り出た。

「おじさんは嶋田、嶋田繁太郎というんだ」

192モントゴメリー:2024/04/14(日) 00:09:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
age

193モントゴメリー:2024/04/14(日) 00:12:26 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
ヴァレ155㎜簡易自走砲

全長:約7.5m
全幅:約2.5m
重量:約13トン
運用人員:5〜7名
射撃速度:毎分6発(最大)
毎分3発(持続射撃)
射程:約25㎞(通常砲弾)
   約30km(ロケット補助砲弾)

【概要】
ヴァレ155㎜簡易自走砲はフランス連邦共和国(FFR)が開発した自走砲。
名前は、ナポレオン時代に砲兵の機動力向上を目的に策定されたヴァレ・システムの生みの親であるシルヴァイン・シャルル・ヴァレ(Sylvain Charles Valée)に由来する。
その軽量さによる扱いのし易さから前線部隊の直協火力として用いられている。

【開発】
本砲の開発経緯は、“砲兵の高機動化”の追求であった。
当時大洋連合では陸軍を筆頭に戦力投射の迅速化が模索されており、この流れを無視した場合は大洋連合の作戦速度に対応できず、成す術なく敗北するという予測が立てられていた。
そのため、陸戦の要にして機動力が低い兵科の代表である砲兵の機動力向上が真っ先に提案されたのである。

194モントゴメリー:2024/04/14(日) 00:13:01 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【設計】
本砲の外観を一言で言うならば、6輪のトラックの荷台に大砲が載っている、ただそれだけで表せる。
本砲の最大の特徴はその約13トンという軽さである。
それだけならば、1990年代に実用化されたカエサル装輪自走砲から2割前後軽量化されただけに思われるだろう。
しかし、カエサルは射撃の反動を吸収しきることが不可能であり、射撃時には車体後部に牽引式榴弾砲などで利用される脚を地面に食い込ませ、車体後部を持ち上げる必要がある。
さらに、砲の旋回は左右15度ずつしか行えない。
それに対して本砲は、射撃時には工事車両に見られるようなアウトリガーを展開するだけで済み、かつ360度全周への射撃が可能である。
これを実現できたのは、新開発の反動軽減装置の成果である。
反動軽減技術は当時世界各国で研究されており、大洋連合では従来の延長線上である油圧を利用する方式で、最大60%の反動を削減することに成功していた。
これに対してFFRでは、特許問題を回避するためにPeRo(ロランの皮膚)を採用。
構造が若干複雑化してしまったが、大洋連合と同等の性能を獲得している。
軽量化と同時に追求されたのは、迅速な展開と陣地変換能力である。
試験時の記録では、停車から初弾発射まで80秒以内、射撃から撤収までを50秒以内という短時間に成し遂げている。
1発でも撃つと数分以内に対抗射撃が飛んでくるのが現代の砲兵戦である。
砲兵の生存率を上げる鍵は、射程よりも機動性となったのである。
装輪車両であるので戦略機動性も良好である。道路上ならば100km/h、不整地でも50km/hの最高速度を有している。
また、民生車両を基礎としているため製造費用や維持費用も低減に成功している。
射撃速度は最大6発/分、持続射撃3発/分とされているが、これは人力装填であるため、操作人員が機動装甲服等を着用していた場合はこの数字は増加する。
射程は約25㎞で、ロケット補助砲弾の場合は約30㎞まで延伸する。

【運用】
本砲の開発は21世紀初頭に終了し、特に問題も無く実戦配備された。
15㎝級としては射程が短いという意見も出たが、軽量さから来る機動性と等価交換であるため看過される。
FFR陸軍においてはH型(Hexagone:六角形=FFRヨーロッパ州)編制師団隷下の連隊に連隊砲として各18門が配置されている。
射程は短いが砲弾そのものは師団砲兵の155㎜砲と互換性があるため兵站面での負担も許容範囲内に収まっている。
また財政に余裕がある地方自治体が管理するフランス国内軍では砲兵の主要装備となっており、FFR同盟国にも採用されている。
特にウルグアイやグアテマラなど財政的に厳しい国家では師団砲兵として運用される。

195名無しさん:2024/04/25(木) 15:25:15 HOST:sp1-75-239-189.msb.spmode.ne.jp
7.5〜7.8
5.5~5.8

196635:2024/04/26(金) 07:14:22 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
テスト

197635:2024/04/26(金) 07:15:28 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一〇


銀河連合日本<ゲート日本はナヨ様の血を引いてるんだよ!!ついでにフェルさん日本人の血引いてます。
Ω ΩΩ< な、なんだってー!!


ナヨ様が明かした驚愕の真実()がゲート日本内閣総理大臣の胃壁を破壊し、
ゲートイゼイラ人の情緒と感情を破壊し脳を焼いてから更に数週間、十月も半ばに入った頃のこと。
世の中では日本人排斥論が幅を利かせ日本人を狙った犯罪やテロが増加、
日本企業の工場や会社が襲撃受けるなど銀河連合世界より帰国した各国首脳はその対応に手を焼かれていた。
銀河連合日本の国力と軍事力の差を並行宇宙の自国から懇切丁寧かつ決して敵に回すなよ!!振りじゃねえからな!?と念を押され、
実際にその差感じとりゃそら保護(穏当な表現)しているゲート日本の人間を排斥するの止めようとする。
同じ西側でもドイツは行ったの国防相な上に上が止める気なく寧ろ助長しているので他のEU加盟国が※をこめかみに浮かべている。
そのドイツ市民(違法移民含)は隣の悪魔に魂を売った(彼ら主観)のフランスと小競り合いを毎日の様に続け、
その度にフランス軍、そして善良なフランス国民(転生者)の皆様に叩き返されているが。

加え暴走止めようと奔走しているのは国力や技術格差だけではない。
日領独逸…銀河連合日本領となった旧ドイツ連邦が言語から文化民族的にも徹底的に民族浄化を受け、
日本化を推し進めるられていれば顔を青くするというもの。
意趣返しの有無はともかく好き好んでやっている訳ではなく霊脈から霊的防御までズタズタになった当地を霊的に鎮定を可能にするのに完全に日本にするしかなかいからだ。
無論日本地方の日常文化レベルのものは存続を許されているがキリスト教は兎も角、
リベラルだの環境保護だのといった戦前からの続く日本に仇なす政治的活動は全て禁止されている。
すればどうなるか…逮捕拘禁ならば良い方、テロとしか思えぬ行動を取らば死刑も行われた。
最悪の場合では艦娘…それも守護天使となった彼女らが出張り塩の柱だけが残ったケースもある。



その10月のある日のゲート日本の地方都市の喫茶店、子供から老人まで幅広い世代の客がいる。
常連客はふと天井を見上げると吊り下げられた灯りが微かに揺れる。
最近地震が多いなと呟く。

198635:2024/04/26(金) 07:17:05 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp

カランカランと鐘が鳴り喫茶店のドアが開く。

199635:2024/04/26(金) 07:21:21 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
その音に常連客が視線を向ければ皆あっけに取られる。

200635:2024/04/26(金) 07:22:01 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
幼いと言っていい容姿の少女とそれより幾分年上と思しき少女、二人とも街を歩けば十人が十人振り返る美少女、しかも白い髪。

201635:2024/04/26(金) 07:22:35 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
老人の黒髪混じりの白髪と違う真っ白な髪だ。

202635:2024/04/26(金) 07:23:13 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
それよりも視線を集めるのはその頭から垂直に伸びる笹穂の様な耳

203635:2024/04/26(金) 07:24:19 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
ティ連

204635:2024/04/26(金) 07:25:10 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
なったティ連のどの種族にも当てはまらない。

205635:2024/04/26(金) 07:25:47 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
それよりも視線を集めるのはその頭から垂直に伸びる笹穂の様な耳だがティ連のどの種族にも当てはまらない。

206635:2024/04/26(金) 18:16:11 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
テスト


銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一〇


銀河連合日本<ゲート日本はナヨ様の血を引いてるんだよ!!ついでにフェルさん日本人の血引いてます。
Ω ΩΩ< な、なんだってー!!


ナヨ様が明かした驚愕の真実()がゲート日本内閣総理大臣の胃壁を破壊し、
ゲートイゼイラ人の情緒と感情を破壊し脳を焼いてから更に数週間、十月も半ばに入った頃のこと。
世の中では日本人排斥論が幅を利かせ日本人を狙った犯罪やテロが増加、
日本企業の工場や会社が襲撃受けるなど銀河連合世界より帰国した各国首脳はその対応に手を焼かれていた。
銀河連合日本の国力と軍事力の差を並行宇宙の自国から懇切丁寧かつ決して敵に回すなよ!!振りじゃねえからな!?と念を押され、
実際にその差感じとりゃそら保護(穏当な表現)しているゲート日本の人間を排斥するの止めようとする。
同じ西側でもドイツは行ったの国防相な上に上が止める気なく寧ろ助長しているので他のEU加盟国が※をこめかみに浮かべている。
そのドイツ市民(違法移民含)は隣の悪魔に魂を売った(彼ら主観)のフランスと小競り合いを毎日の様に続け、
その度にフランス軍、そして善良なフランス国民(転生者)の皆様に叩き返されているが。

加え暴走止めようと奔走しているのは国力や技術格差だけではない。
日領独逸…銀河連合日本領となった旧ドイツ連邦が言語から文化民族的にも徹底的に民族浄化を受け、
日本化を推し進めるられていれば顔を青くするというもの。
意趣返しの有無はともかく好き好んでやっている訳ではなく霊脈から霊的防御までズタズタになった当地を霊的に鎮定を可能にするのに完全に日本にするしかなかいからだ。
無論日本地方の日常文化レベルのものは存続を許されているがキリスト教は兎も角、
リベラルだの環境保護だのといった戦前からの続く日本に仇なす政治的活動は全て禁止されている。
すればどうなるか…逮捕拘禁ならば良い方、テロとしか思えぬ行動を取らば死刑も行われた。
最悪の場合では艦娘…それも守護天使となった彼女らが出張り塩の柱だけが残ったケースもある。



その10月のある日のゲート日本の地方都市の喫茶店、子供から老人まで幅広い世代の客がいる。
常連客はふと天井を見上げると吊り下げられた灯りが微かに揺れる。
最近地震が多いなと呟く。

カランカランと鐘が鳴り喫茶店のドアが開く。
その音に常連客が視線を向ければ皆あっけに取られる。
幼いと言っていい容姿の少女とそれより幾分年上と思しき少女、二人とも街を歩けば十人が十人振り返る美少女、しかも白い髪。
老人の黒髪混じりの白髪と違う真っ白な髪だ。
それよりも視線を集めるのはその頭から垂直に伸びる笹穂の様な耳だがティ連の何れの種族にも当てはまらない。
二人が何かを探すようにキョロキョロと店内を見渡すとお座敷からおーいとこっちだと手を振る人物が一人、
幼い方の少女と同じ年代と思しきサンバイザーを被り水干を着た少女。
その周囲にはこの辺の人間も慣れてきたゼルモニターが幾つも浮かんでいる。
その少女の下へ白い髪の二人は歩みを進めると隣に座る弓道着を着た女性が目に入りその前には大量の食器がうず高く積まれている。
白い髪の二人は靴を脱ぎ座敷に上がると水干と弓道着の二人組の前に座る。


「リューちゃんに赤城、待たしたな。」

「待っとらんでこちとら報告纏めんのと赤城の腹満たすのに時間使とったからな。」


水干と小さい方の白い髪の少女二人が口を開くと出てくるのはコテコテの関西弁。
もうお解りだろう、艦娘の龍驤とおウマさんのタマモクロスだ。
もう片方の白い方オグリキャップは弓道着の方の赤城の方を指差し店員に同じものを同じ量でと言って店員の目を白黒させていた。
その間にタマモクロスは出されたお手拭きで手を拭くと軽いオススメをとオグリのついで店員に注文、店員が下がると声を低くし龍驤に問う。


「で、ここいらの元締めの山の社の方どやった?」

「ここは大元やなかったんやけどあんまよろしくない…これやったら祓戸抱えとる金剛辺り連れて来るべきやった。」

「さよか…。」

「で、タマちゃん達が調べた周辺の社は?」

「県社もとより主だった村社や郷社、行けるトコは無格社まで回ってみたんやけどこれトーシロの仕業やな…。」

「素人の仕業やて?」

「せや、カレンのやつにSNS調べてもろたらそこ経由で広まった平和主義共のお遊びやった。」

「お遊びでやっていいことちゃうやろ?」

207635:2024/04/26(金) 18:18:30 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp


龍驤が眉を動かしせやなとタマモクロスは答えると店が先ほどより大きく揺れる。
嘆息しながらタマモクロスは話を続ける


「呪術とか風水だとかの意味合いない配置な上、龍穴だとかの位置関係無く無差別に置かれて神域穢しとる。
全く関係のない寺社仏閣にまであったからな…。」

「その素人のせいで地脈が汚染されて大変なことになっているんやけど…。」

「過疎やら観光やらでそれら社の祭りも長らくご無沙汰やら儀式として成り立ってないやらでなあ…それ以前のも溜まりに溜まって祓えとらん…。
デメテルのおかんはもう少し早ければと言うべきか間に合ったと言うべきか。」

「そこは間に合った言うべきやろ。秘技で世界樹なんて特級の楔を日本列島にブチ込んだお陰で今のトコ安定してるんやから。」

「小さいけど地震て形で影響出とるしなんとかってレベルやけどな…。」


タマモクロスと龍驤は溜息を吐き、その背後にはつけられたテレビのニュースがBGM代わりに流れる。
内容はゲート日本の内閣総理大臣始め使節団が本日帰国の途についたという内容だがまあ御高説という名ばかりの便所の落書きにも劣るものを垂流足ている。
それをオグリキャップはぼんやりと眺めながら一心不乱に眼前の料理を掻き込む赤城に問う。


「提督らも帰国の途についたが向こうで何か問題は無かったのか?」

「パクパクムシャムシャズズズ……けふ……問題というレベルではありませんがカルデアのサーヴァントの幾人かが有志によって祀られたそうですよ。」


事も無げにとんでもないことを言う赤城、カルデアのサーヴァントの一部は神であるために荒ぶる前にと日本式に祀り鎮められたとか。
その話を聞いて微妙な顔をするタマモクロスと龍驤。


「ホント日本人は日本人やな…。」「ま、いつものことやな。」

「えっと…モルガンさんが養子迎えたとか、ナヨクァラグヤ帝の脳ニューロン入った…っ!!」


言いかけた赤城と龍驤がほぼ同時に外に視線を向け、タマモクロスとオグリキャップの耳と尾がゾワゾワと逆立つ。
赤城とタマモクロスは瞬間的に近くに居た客を全員無理矢理頭を下げさせ、
龍驤は幼い子どもらを抱きかかえ床に倒れる。


「全員伏せろぉぉぉぉ!!」


龍驤が叫んだ次の瞬間喫茶店の窓ガラスが割れ何かが放物線を描き何かが入ってくる。
その何かをオグリキャップは受け止め抱え込むとそのまま蹲る。
そして蹲った次の瞬間、喫茶店内を襲う轟音と爆風。
発生源はオグリキャップの居た所だった。


「ぺっぺっぺー…何なんや一体…?」


電灯が落下し窓ガラスが吹き飛び酷い惨状になった店内。
龍驤が口に入ったものを吐き出しながは子供を抱えたまま立ち上がる。
赤城とタマモクロスも同様に立ち上がるとその体から電灯のガラスの破片やらが大量に落ちるが二人に怪我をした様子はない。
そして発生源のオグリキャップだが…大した怪我もなくけほっと煙吐き出し身体中煤だらけにしながら立ち上がると手の中の筒状の物体を見る。


「これはパイプ爆弾か…。」


オグリキャップが呟くとタマモクロスが指差す。


「リューちゃんアレや。」


タマモクロスが指差す方向を龍驤が見る。
あそこには確かこの辺での共産主義だか社会系だかの市民団体の支部があった筈だが煙が上がり人だかりが出来ている。
人だかりからは石や瓶が投げられ、瓶が建物に当たると火柱が昇る。
そして中からは慌てて人が出てくるが足が縺れ倒れ取り、火達磨になったらしている。
そんな者らを周囲の人間は下碑笑みでゲラゲラと笑っている。
明らかに日本人ではない容姿。


「まーた外国人か…。」


呆れた表情で見つめる龍驤、周囲の一般人もまたかという表情をしている。
慣れたくはないがあの衝撃の発表からこっち数週間に渡り日本国内での一部の外国人や活動家による暴動や犯罪が連日の様に発生している。
まあ大体は不法滞在者とかその辺であるが…。
あの日本でと衝撃と共に日本の失敗と諸外国のマスメディアは喜々として取り上げたがその諸外国内でも日本排斥運動と連動して暴動が発生している。
なお、対象は一般人だけでなく不法滞在者側だった筈の日本人活動家や運動家にも向けられ、寧ろそちらの方が凄惨を極めた。
外国人参政権だの外国人の権利だの訴えて自分等側だったのが日本政府側の立場のイゼイラが国政に影響力出そうだからとあっっさりと反対側に鞍替えしたからだ。
活動家らにとっては日本政府に反対するならば主張正反対に変えるのは立派な理由なのでたちが悪い。

208635:2024/04/26(金) 18:19:11 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp


「龍驤、鎮圧しますか?」

「いや、押っ取り刀で警察来る前に自警団がどうにかするやろ。」


その光景に赤城はどうするかと龍驤に問うが龍驤は介入を否定する。
すると直ぐに明らかにやたらゴツイ軍用車両みたいな自動車やエアカーがやって来ると中からゴツイロボットスーツ着た者らが何人も降りてくる、ここら辺の自警団だ。
それを見ると外国人らは蜘蛛の子散らす様に逃げ出していく。

一部では重装備化が成されたが日本の警察に対応しきれる訳もなく警察だけでは足りぬと日本人とイゼイラ人からなる自警団が結成され活動、それらとの衝突が活発化しつつあった。
参加する日本人には若者も多く己等にイゼイラ人の血が流れるという事実に熱狂している。
現在まで夢も希望も無かった所に宇宙の大国の血を引くというか実質現在まで続く帝政イゼイラという誇れるものが現れればそうなるもの。
ある種の民族主義の隆盛であった。
そんな彼らに感激したゲートイゼイラやヤルバーンは彼らを支援、日本の法規制の枠内で運用出来る装備などを提供され、
一部では地方自治体の警察組織より良い装備をしていたりする。

そんな自警団の手で外国人犯罪者らは次々に捕縛されたいく。
自警団は火器やスタン兵器など持たないが防御力や機動力、力の差で勝てる筈もない。
ついでに火達磨になった人間や建物の消火もしているが取り敢えず火を消すことや周囲の延焼防ぐの優先したりして些かぞんざいな扱いと言わざるを得ない。
それでも一命は取り留める程度の処置はしているが。


「辛うじて生きてるレベルの処置やなあれ。」

「奴さんらがそもそもの遠因やし適当になる気も分からんでもないからなあ。」

「まあ、ティ連基準の救命処置行うと罪に問われる可能性ありますし。」


それらを聞いたオグリキャップの感想。


「そこら辺全て込みでしているのでは?」


オグリキャップの言葉に龍驤達は同意する。
民族の迫害とナショナリズムの高揚…さしもの日本人といえ半世紀以上かけて抜いてきた牙が再び生えるというもの。
いや悪辣さ加減では敵に手加減するは無作法というもの…と戦前どころか大陸と事を構えた千年前に遡るやもしれない。

海外からの日本人や日系企業の引き上げでは、
足元を見られ工場やらが安く買い叩かれてはいたが帝政イゼイラの血を引く己等と違う者らに全て渡す必要はないと日本からの部品や他国からの輸入ルートも全て断った上で工場も何もかも売払いっていたりする。
悪人顔で手に入れた者らが悟っても後の祭り以前と同じ操業など出来るはずもない。


「急激な民族主義の発揚…あの頃思い出すわ。」

「あの頃と違いマスメディアは煽ってませんが…ね。そういったことの中心はSNSでしょう。」

「寧ろ別方面であの頃と変わらんわ。無責任な政治家もな…。」


龍驤と赤城の会話を聞きながらタマモクロスは天井を見上げると半分だけ残った電灯が地震で揺れた。


「はあ…デカいことおこらないんやけど…。」

209635:2024/04/26(金) 18:20:38 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp







「うん…うん…そう、ゴースト号が…ゴースト号行った世界と違うけど主さんも気を付けて…。」


それから二月後…学校の校舎と思しき場所でヒトと異なる耳と尾を持った少女が深刻そうな顔でゼルモニターに話しかけている。


「おりょ…?ゴーストじゃん。」「なにかあったのかしら?」


そこへ通り掛かった白い髪と茶色い髪の少女が通信の途切れたゼルモニターの前で溜息を吐いている少女に声を掛ける。


「ゴーストどうしたん?」「何かがあったの?」

「あ、ネイチャにスカイ…。うん…主さんから。」

「あれ?飯崎さんてたしか…。」

「うん、電ちゃんからの連絡でゴースト号のことで向こうに渡ってる。」

「それでなんの連絡?」

「ゴースト号が軍から招集受けたって。」

「「招集!?」」


戦争、二人は最悪の事態を想像する。


「ううん…主さんやネイチャ達も経験したっていう東日本…あれ程じゃないけどゴースト号のいる世界と繋がった世界の釧路で大地震が起きたから少しの間釧路に災害派遣されたって。」

210635:2024/05/04(土) 11:13:09 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp

635 ゚д゚)<説明!!ウマ娘が出てこない場合作中でおウマさんへの号付けはしないのであしからず!



銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一一



「警察官僚の奴ら顔真っ赤にしていたな。」

「ですが現状、自力救済無くば治安維持に支障が出るのも事実…。
警察の重武装化と自動人形の配備までの繋ぎとして飲んで貰わなくては困ります。」


ゲート日本の総理と副総理は料亭で席を囲んでいた。
総理を乗せ護衛艦グレイファントムが帰国したゲート日本は混迷を深めていた。
ゲート日本排斥による海外からの企業、人員の撤退、国内での活動家、外国人による犯罪、テロ…それによる治安悪化。
物資の輸入こそ主力をゲート世界から銀河連合世界へ切り替えることで問題なかったが輸出の減少による輸出の赤字はどうにもならず国内では物資の強盗などによる被害が相次いで居た。
それに対し警察は何もしていなかった訳では無いが急速に拡大する犯罪に反応の遅い巨大な組織では追いつかず後手に周り、
都市部以外では自警団や一部の逞しい有志らによる運び屋などによる自力救済が拡大しつつあった。
そんな自力救済を法的よりもメンツ的に警察は認めることなど出来なかった…しかし警察単独による治安維持が不可能なのも事実。
政府からそこを指摘されれば苦い顔せざるを得ず一部では国外勢力いるのだからと自衛隊の投入まで議論される始末。
暴力装置たる自衛隊を投入することなぞい彼らからすれば未だ露呈していないと思っている警察の無能を決定するに等しく認められる訳が無い。
結果、警察は苦虫を潰しながらも自警団は時限立法により暫定的にその立場を公に認めることを飲ませられた。
無論、そこらの基準は厳しく市民団体や外国人らのものの大半弾かれた。
加え警察の自発ではなく政府主導により治安維持能力の刷新が図られる。
ロボットスーツの装備や人員不足への対応として大日本帝国製機械式自動人形の導入。
政府主導に警察官僚などはいい顔をしていない他、自動人形は悪しき帝国製な上に女性型とフェミニストと平和主義の皮を被った者らをが声高に女性の権利云々を訴えている。
女性の権利から言えば女性が必要なれど危険な場所へ女性警察官投入する必要なく、人員の不足補えると現場からは歓迎されているのだが…。
実際の現場とそれ以外の剥離は世の常である。


「いい加減官僚にも国民は従うだけの存在ではないと認識して欲しいものだが…。」

「溜まる一方の国民の不満。日本民族主義の隆盛とイゼイラというバックの存在…。
沖縄見ての最悪ならば見限った国民による日本民族大移動による日本という国家の崩壊。
改新か乱か維新か…後に何と付くかわかりませんが令和の革命による日本政府の打倒も考えつきますからね。」

「一部の官僚はそれでも国民の締め付け強化しようとしてるしなあ…。」


溜息をつく二人、そんな日本の舵取りを必死でする者達を嘲笑う様に二月経った年末の師走に発生したのが釧路、根室中心に北海道東部で発生した地震である。 
震度6を超え各地に大きな被害を出したが津波が発生しなかったこと、ロボットスーツ装備した自警団の存在になどより物的被害は兎も角人的な被害は殆ど存在しなかった。
これに対しゲートイゼイラ、銀河連合日本は直ちに支援を開始。
銀河連合日本は主だった物理的な支援はゲートイゼイラに任せ民心の慰撫に注力。
おウマさんらを派遣するなどしていた。







( ゚д゚)→( ゚д゚ )→(゚д゚ )→(   )→( ゚д゚)→( ゚д゚ )→(゚д゚ )→(   )→( ゚д゚)…→( ゚д゚ )彡


雪の降りしきる瓦礫の街の交差点、その真ん中でくるくると周りながら周囲を見回す栗毛の少女が一人。
2、3周回るとピタリと止まりその近くで後頭部に汗を掻く者の方をさっと向くとガクリと膝をつく。


「何の…成果も…得られません…「このヘッポコォ!!」ゴハァ!?」

「何やってんのよ…。」

「アハハハハ…。」「Ghost、そのJokeは余りGoodとは言えないわね。」

211635:2024/05/04(土) 11:14:26 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp


調査兵団のマネしてスパーンとキングヘイローの真空波動ハリセンかまされ見事な車田落ちを披露する栗毛の少女…もとい元競走馬ゴーストウィニング。
それを見ながら頭抱えるのはナイスネイチャ、乾いた笑いを浮かべるのはジャービスとジェーナス姉妹。
姉妹はあいも変わらず頭にあの大戦以降欧州艦娘標準装備と成りつつあるヘイローが浮いてと白い翼が生え、
ネイチャの肩には何やら小さな人の様な存在が居る…コロポックルのイッスンだ。
おウマさん以外の二人は12.7mm口径自動小銃で武装し他にも自動人形や数体のカルバレータ兵器、所謂ドーラを率いている。
ゴーストはウマ娘となった己の片割れとの涙の離別…ではなく就職の為の上京みたいなノリで元いた世界を離れ並行世界へ。
そこからさらに大地震発生した別の世界線の釧路へとお仕事で遠路遥々やってきたのである。
ちなみに初の軍務は避難所でのプリファイのヒーローショーとライブだったそうな。
その後、見回りの為に被害を受けた地域までやって来た。


「死者も驚く程少ないしそりゃ遺体出ないとか当然でしょ。」


キングはハリセンを肩に乗せ半眼でゴーストを見る。
その光景を見て溜息吐いたネイチャはジャービスに話す。


「実際の震源地は根室の方なんだっけ?」

「そうよNature。ネムロ沖のチシマ海溝…正確には海溝沿いに伸びるLeylineが呪いで汚染されたのが原因よ。」


ゴースト ゚д゚)<トイウカジャービスネイチャノコトバスゴクネイティブ
ネイチャ ?ω?)<ソラテンカノエイコクカンヨ


のそりと起き上がり話に加わるゴーストその身にダメージはない。


「実際、Man-madeもいい所よ。」

「マーマイト?(突発性難聴)」

「亡霊の嬢ちゃんクソボケの主役みてえなボケは止めとけ。人災のことだ。」



ゴーストのボケを窘めイッスンだがその時ジェーナスは手に持っていた自動小銃の引き金を引いた。
するとなんとも形容し難い獣と人が混ざった様な叫び声がして何か巨大な存在が倒れる音がした。
銃口から立ち上る熱の揺らぎ、その黒い穴の見つめる先には巨大な体毛のない巨大な動物らしきものが額に風穴を開け倒れている。
ゴーストはそれに近づくとそこら辺に落ちていたパイプでツンツンと突いてみる。


ゴースト ゚д゚)ツンツン→超大陸にも存在しない様なナゾ生物

ゴースト ゚д゚ )彡<ナニコレ?

「焼け爛れた肌をしていますが…体毛のない熊…でしょうか…?」「斯様な生物…BETA、いえヂラールにも存在しません。」


こちらを向くゴーストの言葉に自動人形らも困惑を隠せない。
彼女らの知る化け物、ヂラールとも違う謎の存在、しかし知る知恵者がここには居た。


「こいつァ…アラサラウスだな。」

「イッスン知ってるの?」

「あァ亡霊の嬢ちゃんに理解出来るように言うならアイヌの怪異の一種だ。」


イッスンは語る。


「カムイに属する熊の奴らの中でも特に人間に悪さする奴さァ。元来こいつァイザナミの母ちゃんの領域…根の国の存在なんだがなァ。」

「それが何故ここに?」

「自動人形の嬢ちゃんそいつァ簡単な問いだィ。龍脈の汚染進んでるんだ異界との境界が薄くなってんだろうよ。」

「「………。」」

「爛れた肌は呪いの影響だろう。これらが居るから俺らが出張ったんだよォ。」


魔力とも呼ばれるが科学的に実証された生体波動を用いる自分ら自動人形や位相違えど観測可能で実在する時空間接合帯。
それらとも違う古来から存在する、怪異・異界。自動人形らからすれば良くわかからない存在だ。


「畏れるべきだが恐がる必要なないぜェ。大抵のは嬢ちゃん達の生体波動でブン殴りゃ嬢ちゃん達の敵じゃねえ。」

「大抵の…大抵でないのもいると?」

「嬢ちゃん、英霊や艦娘の嬢ちゃん達はおろか幻想種の連中にサシで勝てるか?勝てんだろ?まァ、そういうことだよ。」


イッスンに実例を挙げられれば口を閉じるしかない。
その時、彼女らに上空から影が落とされる。
見上げれば肩に日の丸を付けたオリーブドラブの人型がゴースト達の上を通過した。この世界の陸上自衛隊初の実用型人型ロボット兵器。
初公開時は困惑と批判、嘲笑に溢れてたがその性能が白日の元に晒されると陸自の志願者が激増したという。

212635:2024/05/04(土) 11:15:16 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp


「あれもコレと戦闘に?」


ゴーストが怪異を指差すがジャービスが首を横に振る。


「怪異相手にJGSDFは動けないわ。ヂラールの時と違って国外勢力でないもの。」


他国への抑えとジャービスは続ける。


「防衛省内部のバカがJGSDFのハイクァーンが地震への対応で根室で稼働してるの暴露したもの。
それを狙って国外勢力動かないとも限らないわ…まあ現状戦闘案件無いでしょうから案山子程度にはなるかしらね。」


そんなことをゴーストに言いゴーストの方を見るジャービスだがゴーストは既に目の前にいない。


『キング!ネイチャ!なんかいっぱいおるー!』

『全くちょっとは落ち着き…って…。』

『んー…これはさっきのに襲われたっぽいですなあ。』

『あ、なんか一人だけ辛うじて生きてるわね…。』


何かを発見したのかゴーストはキングとネイチャを呼ぶ、ジャービスは溜息を吐きながらその下へと向かう。






空気が開いたビニール袋に空気を入れる様な音と時折咽る様な音だけが聞こえる。
それは必死に空気を取り込もうとするが開いた肺からは空気が漏れるばかり…心臓は必死に脈打つが送り出した血は端から失われていくばかり。

やることは簡単なことの筈だった。唯一の真なる主を信じ祝福された自分たちが得る筈だっら筈の”箱”を返して貰うだけの。
この国の悪魔の民族が奪った”箱”がこの国の最北の大地にあることを突き止め奪い返すだけだった。
そして何人か悪魔の民族を殺したが…女教皇を詐称する存在が主の名を語る悪魔の言葉を語ったが悪魔の言葉に耳を傾ける必要は無かった筈だ。


その筈だ…それなのに…。
神を信じる自分ら悪魔に襲われ壊滅し自分も致命傷を負った…負って良い訳が無い。


「あらいるのね…不心得者が…異端が…。」


ザ、ザ、ザ…降りしきる銀の雫を踏む音が聞こえる。


「異端…?」

「ゴースト、コレとかこの世界で過激なのは向こうで大体認定されてるわよ。」

「その信仰されてる当人は自立してるんだからと干渉はしないけど責任は自分で取れって言ってるわね。」

「責任とらせるとも言うわね。」

「我らは神の代理人で神罰の地上代行者?我らの使命は我が神に逆らう愚者をその肉の最後の一片までも絶滅すること…?」


顔を上げると獣の耳持つ人外の悪魔達の姿が見え、主の名と名代を語る。


「死ね…悪魔どもめ…!」


血を吐きながらな叫ぶ。


「いやここまで来るともう…。」「どう見ても創作の悪役です。」


生命を創る…主の御業を模倣した悪魔の国の兵器が呆れた表情でこちらを見る。


「主の教えに背く者ど…コフッ…。」


声を荒げ様とするが吐き出した血に咽る。




「本当に不心得者はどちらかしらね?それにあの天使長とか元女神とか悪魔の方が貴方達より遥かにマシよ?」

「Luciferに至っては逆らったことすら主の御心だったみたいだしね。」


光の輪を頭上に浮かべ純白の翼を生やした少女が二人、片方は呆れ返りもう片方はクスクスと笑う。
その光景に歓喜を浮かべるが…。


「まあいいわ…貴方達の最期を教えてあげる。」

213635:2024/05/04(土) 11:15:54 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp




「Havenに行けるとでも思ったのかしら?主の御心に背いたのに?」「自らの信じる偶像に縋る不信心者め。Hadesにも貴方に居場所はないわ。」




「呪いに穢れきったその身体は地上に残すこと能わず。」「燃やし尽くすわ跡形も無く。」




「復活?ある訳ないでしょ?その資格があるとでも?」「身体は焼き尽くされるんだから。復活のしようもないわね?」




「犯した罪はその当人が払うべし。」「Johannaを通し、それを仰てたの知らないとは言わせないわよ?」




「貴方が堕ちるのはこの国の母の領域にしてYamaの裁きを受ける場所。」「この国のGehenna…罪人の在処。」




白い翼の片方がカチャっと何かを取る音がすると片方が何かを放り投げ…青い炎が上がりその炎に包まれる。



熱い!熱い!あつい!アツい!アツイィィィィィィィ!?





燃え盛るそれを見ながら自動人形らは後頭部に汗をかく。


「あの…使ったあれは…?」

「どう見ても手榴…「問題ないわ。ハトさんから頂いた硫黄と油その他諸々込めた焼夷ゲフンゲフン…浄化用の装備よ。」

214陣龍:2024/05/05(日) 23:20:08 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp



 時が経ち2060年に入ると、日本勢力圏以外で燃料が高等化し過ぎた事によって道路から自動車が消え去り、
今まで踏ん張っていた筈のアメリカ経済も代替品として生産開始された電子・核融合自動車も工場の燃料事情から供給台数は少なく、
結果自動車流通が停止した事で破綻目前に成り果て、中東は石油枯渇により戦争終了となっても紛争は終わらずに壊滅状態と化し、
欧州側も連邦が崩壊して残った資源を奪い合う戦国時代へ突入。日本とその同盟国たちは、加速度的に悪化し続ける世界情勢に対して
マトモにアクションを取れず、唯々守りを固め、殻に閉じこもる様にして必死に自分達の生存権を守り続けていた。
豊富な電力資源を活かし、宇宙開発の技術から転用された超高性能バッテリー搭載の電気自動車が俄かに激増して普及し、
次々と開発される新エネルギーとそれらを活かす生産施設、そして全てを守る為の多種多様な軍事兵器を、
国家国民一致で邁進する総力戦状態。筋道を付けた夢幻会の転生者達も、過去の無邪気な希望や転生にて感じた一時の万能感等欠片も無く、
必死に日本を、東南アジアを、オセアニアを駆けずり回っていた。最早、技術的優位に驕り、斜に構えている暇など何処にも無かった。
奇跡的バランスで維持されている日本勢力圏の自然環境や資源の供給体制は、いかなる手段を用いようとも
絶対に保持され続けられなければ成らなかった。それが例え、核融合炉の完全実用化と言う異次元の成果を達成していたとしても、
安心できる要素は何処にも無かった。……恐ろしかったのだ。



 2066年。日本勢力圏全域で必死に行われていた軍事力の増強と多方面への威嚇を続けた事から、石油資源を巡る米中の争いは、
中国軍による米国領アラスカへの侵攻と言う形で開幕する。難き敵より易き敵を撃つべし。古代より伝わる戦争の基本原則に則り、
レーザー砲やレールガンの大規模配備すら見せていた日本帝国とその一党よりも、未だアメリカの方が中国軍としては倒し易い敵だった。
実際、戦争中の冒頭でアメリカ海軍の巡洋艦が自軍の原潜に敵艦と誤認されて核魚雷を誤射され被弾、
一撃蒸発すると言う無様を晒していたのだから侮り易い部分も有ったし、それに米中開戦の引き金の一つでもある
アメリカ製の核融合炉セルの発表は、困窮するエネルギー事情を改善させる大きな一手にもなる事が予想出来た。
半導体等と言う未知の技術満載な日本からは大規模支援されない限り日本産核融合炉は入手不可能と
冷静に判断した中国上層部は、未だ複製し易いアメリカ製核融合を手に入れるのが先決であった。

215モントゴメリー:2024/05/06(月) 01:00:23 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
陣龍さま

いつも大変お世話になっております。
モントゴメリー企画
代表のモントゴメリーです。

大変長らくお待たせいたしました。
陣龍さまに大陸スレ203>>512にて『リシュリュー級コンペティション』への招待状を受け取りましてから10か月もの時間を頂戴してしまいましたが
ようやく弊社案をお届けできるように相成りました。
(「期限は15か月」という陣龍さまの寛大なお言葉に甘える形となってしまい、申し訳ございません)

先行している「タンクマン・エンタープライズ」様の作品に劣らぬように、弊社の持てる全力を注ぎこんだと自負しております。

今回の作品は分量がかさんでしまいましたため、分割した状態で納入させていただきます。

以上、ご査収の程よろしくお願いいたします。

——————————————————————
モントゴメリー企画
代表 モントゴメリー
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216モントゴメリー:2024/05/06(月) 01:04:24 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
リシュリュー級(陣龍氏支援 建造当初)

全長:275m
全幅:36.6m
基準排水量:約6万トン
最高速力:32ノット
機関出力:24万馬力(公称)
航続距離:16ノットで1万浬
乗員 約2,300名
装甲:舷側370㎜(15度傾斜)
   甲板200㎜
武装:50口径41㎝4連装砲3基
52口径15.2㎝3連装2基
45口径10㎝連装高角砲12基
37mm連装機銃14基
25mm単装機銃30挺
水上機:3機

同型艦:「リシュリュー」「ジャン・バール」「ダンケルク」「バレンシア」「バスク」「カタルーニャ」
準同型艦:「シャルンホルスト」「グラウゼナウ」「リットリオ」「ローマ」

1. 概要
フランス帝国が建造した最後にして最強の戦艦である。
WW2開戦前は4連装3基という他に類のない特徴的な主砲配置から、そして戦後は1番艦リシュリューが挙げた空前絶後の戦果から各国の注目の的となりフランス国民からは信仰に近い感情を向けられるまでになった“海の女王”たちである。

217モントゴメリー:2024/05/06(月) 01:05:09 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
2. 背景
第一次大戦が終結した時、フランス海軍は控えめに言っても半壊状態であった。
世界最大と呼ばれる英国海軍に対し、終始防勢でありながらも正面から殴り合ったのであるから当然といえば当然である。
そして、海軍の再編成は思うようには進まなかった。
これもやはり当然の帰結として、戦争の終結により民生部門の復興に予算が優先されたがためである。
結果、フランス海軍は戦艦の新造を諦め、巡洋艦以下軽快艦艇の整備に注力せざるを得ない状況が10年ほど続いた。
しかし、歩みを止める訳には行かない。
フェルディナン・フォッシュ元帥が言った「第一次大戦の終わりは高々20年ほどの休戦に過ぎない」という言葉はフランスの政府及び軍上層部の共通見解となっており
事実、大英帝国ではリターン・マッチを望む声が民衆の間で湧き起こり、政府も軍備拡張を止める気配はなかった。
第一次大戦では本格参戦しなかった日本やイタリアが世界平和に向けた軍縮会議の開催を提案したが、英国はそれを拒絶している。
この状況にフランスも腹をくくり、海軍の一大再建案を開始することになる。

3. 戦略案
再建案の柱となったのは戦艦の新造計画である。
フランスは、次の戦争も戦艦を主軸として戦う事を決断したのである。
同盟国である日本からは空母を主力とした航空兵力を主力とした戦略案が提案され、日本海軍もそちらに移行しつつあったが、フランスは熟慮の末に航空主兵主義を捨てた。
確かに航空機の発展は日進月歩であり、空母の価値は年々増大している。
しかし、航空機を主力兵器とすることは、それ即ち国力が直接反映される戦いとなるのである。
新大陸の北半分を独占する大英帝国の工業力は強大であり、航空機生産競争となったら勝ち目は薄い。
更に言えば、航空主兵主義はパイロットになり得る人口も大きなファクターとなる。
先の大戦で痛手を受けたフランス帝国は人口面でも大英帝国に不利であった。
単独で4億の人口を有し、工業力もそれに比例している日本ならば正面から航空主兵主義で対抗できるかもしれないが、欧州にはもはやそのような余裕はないのである。
一部から日本と共同戦線を張れば問題ないとする声も上がったが、初めから他国を当てにした国家戦略など意味は無いのである。
それに対して戦艦を主力とした場合、生産力の差は航空機ほどには現れず、必要人員についても空母よりマシであった。
ここにフランス海軍の方針は決した。
空母の整備も進めるが、主任務は味方艦隊の防空であり攻撃の主役は戦艦以下水上打撃部隊が務めるという“制空権下での艦隊決戦”である。

218モントゴメリー:2024/05/06(月) 01:05:54 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4. 欧州標準型戦艦計画
海軍の戦略が戦艦を基幹としたものに決したのと同時期、政治面でも特記すべき事が定められた。
フランスのみならず、長年の宿敵でありながら同盟国であるドイツ帝国と、地中海の覇者を自称しているイタリア王国も大英帝国との正面対決を選択したのである。
これは、西欧3ヵ国が団結しなければ大英帝国には勝てないという危機感を共有したが故の快挙である。
この同盟をフランス人は“現代に蘇ったフランク王国”と称賛したが、某統領が「何でや!この面子なら“現代の西ローマ帝国”やろが!?」と猛反発して正式名称とはならなかった。
とにかく、次の戦争はこの三国同盟に極東の巨竜こと日本を加えた「枢軸陣営」と大英帝国とソ連を中核とする「連合陣営」の対決となった。
そして枢軸陣営で推進されたのが兵器の共通規格化である。
しかし、同じ枢軸陣営と言っても欧州と日本の距離は遠すぎたため、実質的に“欧州規格”と“日本規格”の2系統並立状態となる。
(それでも航空機、特に空母艦載機に関しては多くが日本製のライセンス生産となった)
そしてこの共通規格化の中で最大となったのが『欧州標準型戦艦』である。
航空機生産競争には乗らないと先述したが、そうであるからこそ戦艦に関しては建造競争に真正面から対抗しなければならない。
しかし、航空機よりマシとは言え、こちらの分野でも国力の差は如実に表れる。
その“差”を少しでも埋めるためには、西欧3ヵ国の国力を可能な限り効率的に活用する以外に活路は無かった。
こうした背景の下で、欧州標準型戦艦計画は始動し、コンペティションの結果フランス帝国が設計したリシュリュー級が採用された。
リシュリュー級が6隻、準同型艦を含めると10隻も“量産”されたのはこの計画の恩恵である。
なお、“標準型”とは言いながら各国の事情を反映した改設計はある程度容認されていたため、3ヵ国の特色を持つ個性豊かな淑女たちが生まれている。
更に、「フランスの風下に立つのは嫌だ!奴らよりスゴイ戦艦が欲しい!?」と叫んだ軍艦大好き皇帝と、大きいもの大好きなちょび髭宰相閣下の決断によりドイツ帝国独自設計の『ビスマルク』級が
「百歩譲ってガリア共に従うのはエエ、しかし、フン族にまで負けるのは我慢ならん!!浪速(ローマ)の漢(おとこ)の意地見せたるで!?」と奮起した統領閣下の激の下イタリア王国では『コンテ・ディ・カブール』級が建造されることになる。
この光景を見た日本海軍関係者は「標準型戦艦策定した時の連帯感はどこ行った?」と呆れたと伝えるが、両級共にリシュリューに負けず劣らず大活躍したため戦後には「英断」とされた。
(更に言えば、独伊共に最低限の理性は残っていたため各種構成要素は可能な限りリシュリュー級のものを流用している)

219635:2024/05/11(土) 09:12:51 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
テステスマイクテスだおらー!



銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間 カオスなゴーストとゴースト号のLANE





ゴースト号今何してる?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ボランティアで来てた友人と昼食摂って分かれて別の仕事場へ


有人?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ムジンキナラツレテルゾ、一般常識課程ガッコで一緒に学んでるクラスメイトでゴザル。
ゴースト号 ゚д゚)<その御母堂のモルガン陛下と主さんママ友?になり申した


あ、そうなの(興味薄)学校とか何してるん>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<友人が廃校対策委員会なるもの立ち上げ巻き込まれますた


?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<自分らの教育終わるとガッコ終わるらしいので折角出来た母校がそれは嫌だと友人らがゴネまして
ゴースト号 ゚д゚)<生徒数両手で数えられる数でおすし


友人is誰?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<カルデアのマスターさんやキャストリアとかである


アルキャスではござらんのか?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<鯖缶加工済みではなく妖精國原産産地直送である


あの名誉妖精國妖精なる言葉のオリジナルの伝説の地…!>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<然り!

然り!>(゚д゚ ゴースト

ゴースト号 ゚д゚)<然りィ!!

で、お仕事は何を?(唐突な話題変換)>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ネイチャ号やキング号と怪異とか神秘の類出てるとこ巡回と避難所の幼稚園とかでプリファイショーを少々
ゴースト号 ゚д゚)<しかし話分からんしニチアサを参考にし申した


以外…!それは肉弾戦…!>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<残念ながら特撮の方である。でもプリティでキュアな方に見られる悲しみ


 力のゴースト号であるか?>(゚д゚ ゴースト

ゴースト号 ゚д゚)<プリファイゴースト号(黄色)である

 戦隊モノ…そして亡霊なのに黄色…>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<どう見てもムードメーカー(強制)で沈着冷静ってキャラじゃないから黄色ねと言われた悲しみ


 大食いじゃなくムードメーカーだからまだマシ?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<これが大食いでもライス号だと黒でも青でも良いとは差別ではないか?


 ゴメンそこは他の人に同意する>(゚д゚ ゴースト

ゴースト号 ´;ω;`)ブワッ

220635:2024/05/11(土) 09:14:09 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp
                           ゴースト号今何してる?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ボランティアで来てた友人と昼食摂って分かれて別の仕事場へ


                           有人?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ムジンキナラツレテルゾ、一般常識課程ガッコで一緒に学んでるクラスメイトでゴザル。
ゴースト号 ゚д゚)<その御母堂のモルガン陛下と主さんママ友?になり申した


                           あ、そうなの(興味薄)学校とか何してるん>(゚д゚ ゴースト


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                           ?>(゚д゚ ゴースト

221635:2024/05/11(土) 09:17:57 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp



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                           ゴースト号今何してる?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ボランティアで来てた友人と昼食摂って分かれて別の仕事場へ


                           有人?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ムジンキナラツレテルゾ、一般常識課程ガッコで一緒に学んでるクラスメイトでゴザル。
ゴースト号 ゚д゚)<その御母堂のモルガン陛下と主さんママ友?になり申した


                           あ、そうなの(興味薄)学校とか何してるん>(゚д゚ ゴースト


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                           あの名誉妖精國妖精なる言葉のオリジナルの伝説の地…!>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<然り!

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ゴースト号 ゚д゚)<ネイチャ号やキング号と怪異とか神秘の類出てるとこ巡回と避難所の幼稚園とかでプリファイショーを少々
ゴースト号 ゚д゚)<しかし話分からんしニチアサを参考にし申した


                           以外…!それは肉弾戦…!>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<残念ながら特撮の方である。でもプリティでキュアな方に見られる悲しみ


                           力のゴースト号であるか?>(゚д゚ ゴースト

ゴースト号 ゚д゚)<プリファイゴースト号(黄色)である

                           戦隊モノ…そして亡霊なのに黄色…>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<どう見てもムードメーカー(強制)で沈着冷静ってキャラじゃないから黄色ねと言われた悲しみ


                           大食いじゃなくムードメーカーだからまだマシ?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<これが大食いでもライス号だと黒でも青でも良いとは差別ではないか?


                           ゴメンそこは他の人に同意する>(゚д゚ ゴースト

ゴースト号 ´;ω;`)ブワッ

                           はっ!?そういえばセンター(赤)は…>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<無論プリファイネイチャ号…!つ画像(赤系の色のフリフリなヒロインなネイチャ号)

222635:2024/05/11(土) 09:19:12 HOST:119-171-251-20.rev.home.ne.jp


                           すっごくリーダーです…(戦隊レッド波感)必殺技は?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<初代よりハリケーンである!子供から当時生放送世代まで大興奮!
ゴースト号 ゚д゚)<ちな我ら以外の色は背中で魅せるRPGな自動人形さんとヘイロー被った方でお送りしておりまする


                           揺れる(意味深)ガンガールと青春グラセフだーコレ!?>(゚д゚ ゴースト
                           キング号は?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<悪の幹部アクヤクレイジョキング号である
ゴースト号 ゚д゚)<なんかオーホッホの高笑いを真似する子が続出であった。アトヘイローアルケドソノヒトカンムスゾ


                           マジデ!?やっぱりキング号の面倒見の良さは小さい子分かんだね!>(゚д゚ ゴースト
                           そいや北海道怪異とかゴースト号知識あんの?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<引率のイッスン先生はチャキチャキのコロポックルぞ


                           まじかあ…そいや戦えないけどそこら射影機なん?>(゚д゚ ゴースト


ゴースト号 ゚д゚)<ヘイロー艦娘師匠とガンガール自動人形パイセンが片っ端から風穴開けて出番がねえ!
ゴースト号 ゚д゚)<ソイヤナゼレンラクヲ?


                           ターボがこの話聞いちゃって>(゚д゚ ゴースト
                           ターボがゴースト号徴兵&戦場へと触れ回って学園大混乱どすえ>(゚д゚ ゴースト
                           どうしたものかと>(゚д゚ ゴースト

ゴースト号 ゚д゚)<どうにもならんなあ…

                           ならんかあ…>(゚д゚ ゴースト





ネイチャ ―ω―;)<それでゴースト号何やってるって?ミンナカラノツイキュウヤバイノヨ
スカイ ´∀`;)<シンボリルドルフ会長からもガッツリ聞かれたしねえ…ネットニモレタシ
ゴースト ゚д゚)<モルガン陛下と主さんママ友でゴースト号は廃校対策委員会入ってイッスン先生引率で必殺技がハリケーンなプリファイショーとかやりつつヘイロー被った人と背中で見せる人造人間の人が銃を撃ってるらしいです(事実の羅列)
ネイチャ・スカイ ―ω―;)´∀`;)???

223モントゴメリー:2024/05/12(日) 11:17:13 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
5. 設計
5.1. 船体全景
リシュリュー級戦艦の艦首はシアーとフレアが付いたクリッパー型の優美な姿であり、少し進むと波除けが配置されている。
波除けの直後には1番主砲塔があり、その後方に一定の間隔を開けて2番主砲塔が鎮座している。
その後方には1番副砲塔が配置されており、そこから艦中央部には艦橋が置かれている。
艦底部に設置されたビルジキールの先端は2番砲塔の下にあり、そこから後部艦橋直下まで続いている。
また、艦首部の錨鎖庫の後方にワイン専用倉庫というフランス艦らしい区画も存在する。
後部艦橋は煙突と一体化したMACK型となっており、後部射撃指揮所もここに位置する。
これら艦橋を囲む様に、高角砲塔群が配置される。
そこから艦尾へ進むと2番副砲塔があり、その先に3番主砲塔が存在する。
最後にカタパルト2基と飛行甲板という配置である。
また、全体を通して生産性向上のための工夫が見て取れる。
例えば高角砲や機銃のスポンソンは従来の円形から直線を組み合わせた多角形型に変更されている。
また船体そのものも、性能に悪影響を与えない範囲であるが極力直線化がなされている。
このような措置は駆逐艦などにはよく見られるが、戦艦ではリシュリュー級以外にはほとんど見られない。
欧州標準型戦艦として量産が前提だったリシュリュー級の特色と言える。

5.2. 船体規模
欧州標準型戦艦計画が策定された際、決定された要目は以下の通りである。

・基準排水量6万トン前後
・主砲は41㎝砲9門から12門
・最高速力30ノット以上

生半可な航空攻撃など跳ね返すほどの基礎体力は必要であるが、“量産”を前提とするならば野放図に巨大化させる訳には行かない。
その相反する2つの要素を可能な限り両立した結果の船体規模が基準排水量6万トン前後である。
主砲に関しては、情報部から大英帝国の新造戦艦が16インチ砲9門前後という報告がもたらされたため、それに優越する性能が求められたが故である。
なお、主砲に関しては日本より技術協力として45口径46㎝砲の設計図を提供可能であるという提案がなされた。
戦艦が『最終兵器』と信仰されたいたこの時代に、フランスがこの申し入れにどれだけ衝撃を受けたかは後世の人間には想像し難いかもしれない。
しかし日本側からしたら、既に主力は空母機動部隊への転換を半ば終えている状態であったためそれほどの覚悟があった訳では無かった。
(さらに言うなら、既により大威力の51㎝砲の開発が試作段階まで進んでいた)
しかしフランス側は、この申し入れに関しても熟慮の上で謝絶している。
46㎝砲の威力は絶大である。それ自体は喉から手が出るほど欲しい。
しかし、事前検討の結果46㎝砲を導入すると費用が莫大なものとなり“量産”に支障が出るほどだという予測が導き出された。
何せ砲そのものの製造設備から用意しなければならないし、砲弾などの消耗品も同様である。
それに対して、41㎝砲は「ノルマンディー」級戦艦の近代化改修を目的に既に製造が開始されており、製造設備も消耗品もそのまま活用できる。
そして、決め手となったのが検討会議においてとある出席者が放った

「『宰相』閣下には、祖国が鍛え上げた剣こそが相応しい」

という言葉だった。
こうしてリシュリュー級の主砲は決定された。
そして、「フランスより大きい主砲を積め!!」という軍艦大好き皇帝の厳命の下「ビスマルク」級には43㎝砲8門が
「フン族共に負けてたまるかい!!イタリアはモノ作りの国やで!?」と咆哮した某統領の指導で「カブール」級には46㎝砲6門が搭載されることになる。
速力については、大西洋上での機動戦を考慮しつつ、艦隊決戦時には敵艦隊を優越できることを念頭に設定された。
即ちリシュリュー級は、決戦時の主力となる「戦艦」としても、空母や巡洋艦と共に行動する「巡洋戦艦」としても運用できる「高速戦艦」となるべく誕生したのである。

224モントゴメリー:2024/05/12(日) 11:19:20 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
5.3. 主砲
主砲は、50口径41cm砲が搭載された。
本砲の砲弾重量は1112㎏で、初速は830m/sと英国海軍の50口径16インチ砲よりも1割以上高速である。
これにより射撃精度と射程が向上し、装甲貫通力も強化されている。
無論完全無欠ではなく、落下角度が浅くなることで遠距離射撃時の貫通力が低下してしまうという欠点が存在する。
しかしこれに関しては運用で十分補える範囲だとして特に問題視はされなかった。
フランス海軍はドクトリン的に近距離射撃を重視していたからであるが、それはそれとして向上した射撃精度を活用して距離3万m前後での砲撃戦の研究も盛んに行われた。
なお日本からは、全長を拡大した大質量砲弾の採用が勧められたが、やっぱりここでもフランスは謝絶している。
理由はフランス海軍が重視する近距離砲戦では逆に威力が下がることと、折角向上した射撃精度が低下してしまう点が嫌われたからである。
また、国産砲弾の時点で初期型の16インチ級砲弾よりも1割弱は重量を拡大させてあるのでこれ以上は過剰だとも判断されたのである。
なお、ここまで幾度も「近距離射撃を重視している」と述べたが、高初速の恩恵により最大射程は4万mの越え、大和型戦艦と比肩する能力を持っている。

5.4. 主砲塔
主砲塔は4連装方式とし、これを3基搭載している。
4連装砲塔は「ノルマンディー」級戦艦(34㎝12門)から「リヨン」級戦艦(38㎝16門)と発展してきたフランスの伝統的な方式である。
その構造は「連装砲塔を2基組み合わせて、その中間に被害抑制用の仕切り板として装甲板を設置した」と言うものである。
この方式は同格の連装砲塔2基を搭載するより重量がかさんでしまうが、通常方式の4連装砲塔よりも信頼性が高くなる。
その他機構は基本的に同時代の各国戦艦と同様であるが、特筆すべき点として、他国では0度から5度程度の仰角範囲でのみ装填が可能であるのに対し、リシュリュー級は全仰角範囲(-5〜+35度)での装填が可能である。
装填速度は就役時点で30秒、戦中の改装で20秒まで短縮された。
砲塔防御は全面530㎜、側面375㎜、後面330㎜、天蓋部は最大250㎜と41㎝級戦艦としては最高水準の防御力を誇る。
またバーベット部は500㎜であり、弾薬・装薬庫も弾薬を上層の甲板に配置し、装薬を下層甲板に配置するという誘爆時の抗堪性を考慮した配置となっている。

225陣龍:2024/05/14(火) 21:14:29 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp


『……ガチなんすか、宇宙人とか、その他色々』『残念ながら……』
『……どうやって国民や友好国へ誤魔化して米本土に行けって言うんですか……しかも宇宙人と戦争の可能性とかに備えつつで……』
『……為せば成る、為さねば成らぬ、何事も。先ずは、情報収集に努めましょう』
『……そうですね。どんな政策になるにしても、正しい情報が無ければ失策しか出来ませんから』
『因みに、その宇宙人は日本の戦国時代から日本人を拉致してるそうです』
『聞きとう無かった、そんな事……』



 中国海軍強襲揚陸艦の天津でグール化しつつ生き残った艦長の趙大佐は何とか正気を保ったままで、
日本軍に捕虜と言う形式で保護されたが、フィリピンとニュージーランドが確保したアメリカ海軍空母の生きていたグールは、
初乗艦した任務で最終戦争に突入し、味方艦が次々撃沈されて乗艦している空母も核兵器を被弾した挙句、
死んだと思っていた同僚や上官が暫くして化け物化した中逃げ回り、フィリピン海軍陸戦隊の隊員に保護された時には
自身も化け物になっていた事を鏡で見て発狂寸前となっていた、米海軍の新米通信女性士官であったと言う情報を確認しつつ、
半信半疑と言いつつ本当は信じたく無かった有様の救いのない世界に、夢幻会は新旧問わずに溜息を吐いていた。

226635:2024/05/18(土) 07:14:13 HOST:119-171-249-59.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間 母と娘と




ゲート世界首脳が銀河連合世界へ渡って暫くのこと。
ゲート日本、西日本の陸上自衛隊の駐屯地を抱えたとある街のマンションで少女は目覚めた。


「どうして…私はあの時撤退戦に志願して確かに…食べられ…いえ私はこの国に生まれ…ッあああああああああああああ!!」


ブツブツと呟いていた少女は突然頭を抱えるとその身に降り掛かる痛みからベッドの上で転げ回る。
どれだけ転げ回っただろう、漸く声も消えると少女は虚ろな瞳で起き上がる。
着の身着のまま靴も履かず少女は外に出た。

裸足のまま外に出た少女は周囲を信じられないものを見た表情で固まる。
日本語の看板と溢れんばかりの人混み、裸足で着の身着のままの少女などその中に埋もれ誰も気にしない。
それはいい…それ以上に少女の瞳を惹きつけるのは皆笑顔。今日という日を祝福しているかのように…その表情には見覚えがあった。
祝祭の日の表情…少女の敬愛する彼女が生まれた日の家族の、初めて剣を拝領した日の学友の、初めての実戦を生き残った日の戦友の表情に似た…。
少女は空を見上げる。今日という日の空は記憶と同じくそんな日に似合う程憎たらしい程に青く澄んだ空。
暫し佇んだ少女の耳に遠くからキュラキュラと聞き慣れた音が響く。


「戦車の行進が始まるんだって!」「うん!急ごう!」


少女の脇を少女より幼い少女達が笑いながら走り抜ける。その瞳は明るく未来を映している。
その姿にかつてを重ねると少女たちが歩いた方へ、戦車の履帯の音がする方へと歩みを進める。


「ごめんなさい!通して下さい!」


少女は人混みを掻き分ける。時折裸足の少女にぎょっと目を開く人物もいたが気にせず人混みを縫っていく。
そして人混みを抜け視界が明るく開かれる。


「chars…。」


少女の口から遠い国の言葉が漏れる。
眼前にあるのは戦車、それも最期の記憶にある様な高い技術を使いながらも不完全な急造品ではない。
最初の記憶にあるものと似た長い期間と経験により洗練されたもの。
だが違う所も多い、些か滑らか過ぎる履帯の動きに機械式ではないでは?と少女の中の軍人の部分が囁くがそれも直ぐに霧散する。

目を見開く、視界に入るのは戦車の側面に掲げられた三色の旗。
敵への最後の突撃に掲げた摩耗し折れかけた己等の精神の様に薄汚れ色褪せ縋ったものと違う鮮やかさ。
思い出すのは今の己の始まり旗の下の記憶。死の女神の御下へ逝くまで守り抜くという誓い。
しかし自分はそこへ逝けず多くの人々を取りこぼし、多くのものを失った。
それを突き付けられる様で目に痛く下を向く。
下を向いたのはそれだけが理由ではない戦車兵らの瞳だ。
前を、未来だけを見据えた希望に満ちた光、彼女には眩しすぎた。

そうして下を向く彼女に周囲の歓声が聞こえる。
あれがフランスの司令官、指揮官だと話す声が聞こえ見上げ大きく目を見開く。
開かれた瞳に映るのは白金色、その色は周囲に敬礼を送りつつ周囲を見回すと少女と目が会った。


『Marie…?』


白金の色そのものである存在の口が確かに言葉を紡いだ瞬間、少女は駆け出していた。








それから数日、銀河連合世界フランス王国ヴェルサイユ宮殿の噴水庭園で軍服を纏った一人の若い女性が項垂れていた。
ゲート世界のフランス大統領の側近…正確には同士としてフランス王国に来訪したフランス共和国陸軍機甲部隊の若きエースであり、
軍の始めゲートフランス各界で急速にその影響力を増している指揮官派と呼ばれる派閥のトップ(自称代理)でもある。
そんな彼女が項垂れている理由であるが、
先日、仏大統領の随伴としてフランス女王マリー・アントワネットとの会食の際にとある艦娘らと遭遇し気絶してしまったのだ。


「日の当たらぬ者らの母や女神オセアンや女神ノルマンディーの実在…、
即ち女神リシュリューが存在するという証拠…!その余りの歓喜に気絶してしまうなんて…!」


まあ彼女にも色々とあるらしいがそれ以降も彼女は何やら百面相をしている。
ニヤけたり、眉をひそめるたり…それでも周囲の人間や神崎島の仏系妖精達…このフランス王国総督府の者ら平気でスルーしていく。
正直な話、リシュリューや元王妃現女王や聖女関係でフランス王国民が突飛な行動するのは今に始まったことではない。
つまる所この若い女性は王国民と見做されているのだ…史実フランスの人間なのに。


「ああ…でもあの女神リシュリューが我らが指揮官であることには…。」

227635:2024/05/18(土) 07:15:08 HOST:119-171-249-59.rev.home.ne.jp

で、何やらマイナスな思考に至ったのか項垂れブツブツと呟き始めた。
暫しそうしていると十代のフランス人と思しき少女ら…それも軍服を着た…が何やら悲痛かつ不安そうな持ちで周囲を伺いながら女性の方に近づいて来る。
この場所は市民にも開放されており少女らがここに居ても不思議ではない。
そして彼女らは女性の存在に気づく。


「どうしました?気分でも悪くされましたか?」


少女の一人が女性が気分が悪いのかと尋ねその声に気づいた女性はハっと顔を上げ互いに顔を見るとキョトンとした表情をする。


「若いけどベルナルド参謀総長…?」

「最後に別れたあの時のままだけど…もしかして貴女達…マリーの所の…?」







「そう、貴女達は学生でありながら志願、民間人脱出の為の遅滞戦闘で…殿を努めそこから気づいたらここに…。」

「はい…気づいたらこのヴェルサイユ宮殿の森で気を失ってました…参謀総長は…?記憶通りならばブレストで…。」

「ええ、私は…最後はブレストのドックにBETAを誘引、自爆して果てたわ…。
そしてフランス共和国…別世界のフランスで転生して目覚めてFFRから共和王国経た他の転生者と共に共和国内で勢力を立ち上げていたわ。」


噴水庭園より少し離れた小さな休憩所に女性と少女達は移動した。
そして女性の口から出たフランス共和国の言葉が出ると少女らをピクリと反応、震える声を出す。


「ここは…幾人かのあの共和国からの転生者が言っていた…セクト思想に汚染されたフランスなのですか?」


恐る恐ると言った様子の少女の一人が問うその恐る恐るといった様子に女性は吹き出とその問いに答えた。


「大丈夫。向こうのフランス共和国にはもうセクトは居ないわ。
フランス共和国はそれまでの自分達の行いを悔い改め、
大統領始め転生者以外の『国民』も一丸となりこの国を統べられる女神リシュリューを信仰しているから問題ないわ。」


その返答にホッとした様子の少女らではあったが少女らは女性の言葉に反応する。

「【女神リシュリュー】…?」

「ええ…そうここは私の転生したフランス共和国ではなくゲートで繋がった先のフランス王国…。
前人未到の危機に晒されたフランスを救うために戦艦リシュリューが女神として顕現され統べられた国。
されども人の国は人の国が治めるべしという方針から人になられ、
その分御霊足る聖王妃マリー・アントワネットが女王として、聖女ジャンヌ・ダルクが枢機卿として在る国よ。」

「我らが指揮官が…。」「女神がとして顕現…。」


女性の言葉を少女たちは口の中で暫し反芻し飲み込んだ。
言葉を理解すると彼女らからポタポタと何から零れ落ち少女たちは顔を上げる。
その瞳からは涙が流れ訴えている何故、と…その気持は女性も痛いほどに分かる。


「何故あのフランスを救ってくださらなかったか…その気持は分かるけどそれを歴史も何もかも違うこの世界の女神に問うのは御門違いよ…それに。」


女性は言葉を続ける。


「これは私の考えだけれど…あのフランスのリシュリューは私達の先達が我らが指揮官として作り上げた存在…。
最後は兎も角戦火も経験せず砲火を交えないものを戦艦と呼べたのかしら?
あれはフランスの為に戦い抜いた戦艦リシュリュー(我らが指揮官)ではないのかも…。」


偶像であって信仰の対象ではなかったのではないかと疑問を呈する女性。


『ベルナルドさん何処にいらっしゃいますか?』


誰かが女性を呼ぶ声が聞こえる物陰から女性が出てくる。
十字の教えの衣服を纏う金髪の女性…その身には清廉な空気を身に纏っている。


「ああ…こちらにいらっしゃいましたか。そちらの方々は…。」

「枢機卿、こちらは…。」

「ああ、理解りますのでおっしゃらなくても結構です。一緒に来て下さい。」


枢機卿と呼ばれた女性に連れられフランス共和国軍人の女性等は宮殿…小トリアノンの庭を歩く。
そして庭を抜け王妃の村里に至る。
王妃の村里…小トリアノンの宮殿の敷地内に築かれた村里を模して作られたそれはかつては王妃の心を慰める為に使われていた。
ある種理想郷として理想的なフランスの小さな集落を模したその村里は少女や女性の心に郷愁の念を…、
今は遠くなったあの連邦共和国への望郷の念を掻き立てる。
そして女性は少女らに眼前の彼女こそが彼の聖女と説くと少女たちは驚きの表情を浮かべる。

228635:2024/05/18(土) 07:15:42 HOST:119-171-249-59.rev.home.ne.jp


「あの…聖女ジャンヌ・ダルク…ならば共和国陸軍の軍人であるベルナルド参謀…ベルナルドさんは兎も角私達は場違いではないでしょうか?」

「そうです私達は何処の誰とも分からないものなのですよ?」


少女たちも疑問を呈するがその言葉は何処か敬愛する存在に対する畏まったものだ。
それにジャンヌ・ダルクと呼ばれた女性は吹き出す。


「オリアーヌさんとアデールさん、イザベルさんやソフィーさんも関係者なのですから構いませんよ。
しかし本当にあの子から聞いた通りなのですね…フランス連邦共和国では私がNotre Commandantd…リシュリューの分霊と見られているとは…。」

「「「「!!!」」」」


名前を言い当てられ誰も知らぬはずの言葉を伝えられた少女と女性らは驚愕し目を白黒させる。


「さあお待ちですよ…ある意味では貴女達の母である女性が。」


ギィという音と共に重厚なドアが開かれ導かれるまま五人は建物へと入る。
そこには一人の女性が居た。
目が眩む眩い陽光の差す室内で彼女は古いフランス風の台所の焜炉に掛けられた鍋に向かい掬ったスープの味見をしていた。
その背は少女や女性の最初の人生の記憶にある母の様に祖母の様に…それでいてこれ程の美少女はないと言わんばかりの少女性すら同居させて。


「ああジャンヌ戻ったのね。釜のパンの方見て頂戴。お美味しい料理で出迎えてあげなくちゃ。」


振り向かず言葉を発した。結い上げた白金の髪が差し込む陽光に揺れる。
枢機卿と呼ばれた女性がはいと笑いながら応え釜に向かう。


「そういえば別の方もいらっしゃいましたよ。」

「知ってるわ。」

「相変わらずこの国の事に関しては耳が早いですね。」

「リシュリュー(あの子)を出汁にFFRの国土改造のお小遣い強請った馬鹿娘とエスト・シナで同じ釜の飯を食べた子達でしょ?」


枢機卿と呼ばれた女性は笑う。


「噂に名高い智謀大統領の戦車乗りも貴女に掛かれば馬鹿娘ですか。」

「そりゃ私は一応とはいえNotre Commandantdeでもあった訳だしね…マリーもその子達もアナイスも娘と言えば娘よ。」


二人の会話に女性達は驚きと共に頬に熱いものが流れる。
そしてふと眼前の女性がこちらを向くと金色の瞳を大きく見開く。
前世で見慣れた遊戯の絵の通りのダズル迷彩の白地に黒のラインが入ったニーソックス、同じダズル迷彩柄のチューブトップワンピース。
その女性は笑う…母の様に童女の様に。


「世界は違えど久し振り…というべきなのかしらね…オリアーヌ、アデール、イザベル、ソフィー…それからアナイスも。」


名を呼ばれ頬に熱いものを流したまま少女と女性は眼前の女性へと殺到するが女性は難なく受け止める。



二カ月後。

229635:2024/05/18(土) 07:16:16 HOST:119-171-249-59.rev.home.ne.jp





履帯が雪を巻き上げる。
疾駆する装軌式車両の車列…それもどう見ても先頭始め幾つかは軍用装甲車両であるが側面に描かれたアスクレピオスの杖が人を害するものでないことを伝えている。
医療器具が所狭しと据え付けられた車内ではベルトで固定されながらも揺れる車両に設けられた取手に必死にしがみつく明るい茶毛の少女が車長席の少女へ叫ぶ。


「マリー!早い、早いよ!!」

「何を言ってるのよぐだ子、助けを待つ人々がまだいるのよ?これでも遅いくらいよ。」

「そうです、マスター。死は待ってはくれません。こうしている間にも患者に忍び寄っているのです!」

「ナイチンゲール女史の言うとおりよ。」

「ナイチンゲールまで…。」


ぐだ子と呼ばれた少女の反対側に座る女性はマリーと呼ばれた少女の言葉に同意する。
その姿にぐだ子と呼ばれた少女は裏切られた様な表情をしている
彼女らはゲート世界で大規模災害が発生したと聞いてボランティアとして志願し、
これまでに複数の集落を周り唯一医療資格持つ人物の指揮下でボランティア活動に従事している。
時折出る怪異は女性加え複数の同様の存在とスコップ(某仏戦艦鉄製)装備した少女たちにより撃退されている。
少女らは銃があればとぼやいていたが艦娘らともかく生身の人間は色々と問題があった。
ちなみに現在乗っている車両は少女の一人が在日銀河連合日本神崎島鎮守府軍に用意して貰ったものである。

その女性の隣に座る少年は手に持ったゼルボードとにらめっこをしていると顔を上げ車長席のマリーの方を見る。


「マリー、この先300メートル先を左に行くルートに変えれば更に10分短縮出来る!」


ナイチンゲールと呼ばれた女性を除く彼女らは同じ屋根の下で学ぶ学友であり廃校対策委員会と名付けられたサークルの仲間である。
実はもう一人いるのだが生憎とその人物は軍人でもあるので招集されこの場にはいない。
マリーは少年の言葉に応え車内に激を飛ばす。


「流石、冬の女王陛下の息子!みんなぐだ男の言葉聞いたわね?この先300を左よ!」

「「「「Oui!Maman!」」」」


マリーの言葉に装甲車を手足の様に扱うマリーと同年代の少女達が声を揃え返事をする。
マリーはその返事に満足気に頷いた。
何はともあれ彼女らは現在(いま)を生きている。

230モントゴメリー:2024/05/25(土) 21:27:26 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
幼き日の記憶

フランス連邦共和国(FFR)、Hexagone(六角形=FFRヨーロッパ州)のとある所。
その酒場には老人たちが集まり、ワインを傾け談笑していた。
彼らは同じ意匠の、そして年季の入った軍服に袖を通していた。
その姿を見た他の客たちは、好意的な視線を送り何人かはその輪の中に入ろうと近づく。
しかし、彼らの胸にあるそれを見た瞬間、そうした若者たちは最大限の敬意を表しつつ離れていくのである。
老人たちの軍服は海軍の、それも大戦中の共和国海軍のものであり、それだけでも敬意を表されるに値する。
しかし、胸元の“それ”は別格であった。
それ——第二次ゼーラント沖海戦参戦記章——は現在のFFRにおいては勲章に匹敵する価値あるものなのである。
これに比肩する栄誉は、エスト・デ・パリ解放作戦参戦記章やリシュリュー刀など片手で数えられるほどしかない。
更に言うなら、老人たちのものはその記章の中でもまた格別なものだった。
その記章にはRの文字と、それに続き数字が刻まれていた。
これを持つことが出来るのは、あの日『我らが指揮官』、戦艦リシュリューに乗りこんでいた者だけなのである。
他国の人間からすれば、勲章と違い年金も付与されないただの記念品であるが、フランス人にとってはレジオン・ドヌール勲章よりも尊いものなのである。

「おじいさま方!!」

そんな酒場に見合わない厳かな空気に、これまた酒場にそぐわない幼い声が響く。

「おお、マリー!今日も可愛いな」
「もう、お世辞がお上手なんだからっ」

幼女はおませな口調で返す。

「いやいや、本心じゃよ。あと10年くらいしたらフランス1の美人になるじゃろうて。
…ワシが30歳若ければなぁ」
「残念ですがその予測は外れますわ。『フランス1の美女』の座は私の予約席ですから」

そう老人に返したのは、今酒場に入って来たばかりの少女——こちらも酒場にはまだ早い——である。

「アナイス姉さま、遅いじゃないの」
「貴方が急ぎすぎなのよマリー」

今日のアナイスはマリーの保護者的立ち位置である。
(2人がペアを組めば必然的にそうなるであろうが)
幼女と少女の掛け合いを見ながら老人は大笑する。

「お前も相変わらずだなアナイスよ。
 お前さんを忘れていた詫びに一杯おごってやろう。……一杯だけだからな?」
「では、“赤”を♪」

未成年者に酒を勧め、未成年者も平然とそれを受け取るという背徳的な光景であるが、それをとがめるものはいない。
この当時は、まだ戦前の「ゆるい」空気が残っていた最後の時代なのである。

231モントゴメリー:2024/05/25(土) 21:29:25 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「マリーも飲む?」
「遠慮するわ。私は姉さまみたいな『悪い子』じゃないもの。
…それよりもおじいさま。また“お話”を聞かせてくださいな!!」

マリーは子供特有の無邪気さと無鉄砲さで「英雄」たちに接する。
周囲の大人たちがハラハラする中、老人たちはむしろ楽しそうである。
…しかし、そこは老人。
老人とは、子供と『遊ぶ』ことが何よりも楽しいのである。

「ん〜?話と言ってもなぁ?最近は物忘れが激しくてのぉ。昔のことがよく思い出せんのだわい」
「もー!なんでそんなイジワルいうのよ!?」

プンスコするマリーに対し、老人の一人が(人の悪い)笑みを浮かべてこう言った。

「“あの歌”を聞いたら思い出せるかもしれんのぉ?」

それを聞いたマリーは破顔し

「もう、それを早く言ってよ!それくらいお安い御用だわ!!
私もおじいさまたちの演奏を聴きたかったしね」
「そう言ってくれると嬉しいのぉ。…じゃあ、皆よ。一丁やるか!!」

その掛け声を合図に老人たちはフルートやギター、ヴァイオリンを取り出す。
古来から、海の男にとって音楽と楽器は切っても切れない縁である。
老人たちもその例に漏れず、中々の演奏技術を持っていた。
演奏が始まり、マリーが歌い始めた。

ブレストの傍(そば)               昨年(さくねん)の7月のある朝
ボカージュから出(い)でた娘(こ)が       俺に微笑みかけたんだ
可憐な二つの裸足から白金(しろかね)の毛先まで   妖精のような美しさに心撃ち抜かれたんだ

デン・ヘルダーからスカパ・フロー ノーフォークから横須賀まで
旗立てても見つからないさ 彼女ほどの乙女は

手拍子の中、歌は2番に入る。

走り去る彼女を眺め     頭を掻きながら
側仕えの娘(こ)に尋ねる 「あの白金の乙女は?」
幼女は胸を張り叫ぶ    「あの方こそ我が道標(しるべ)!
戦艦リシュリュー      このブレストの輝ける星!!」

デン・ヘルダーからスカパ・フロー ノーフォークから横須賀まで
旗立てても見つからないさ 彼女ほどの乙女は

アナイスが馬手にワイングラスを、弓手にビデオカメラを持ちながらそれを観ていたことにマリーは気が付かなかった——。




——時は流れ、パリはエリゼ宮にて。

「この時のマリーは可愛かったわねぇ。今みたいに腹黒くなくて」
「アナイス姉さま止めてください!!!!」

“同志”たちだけの宴の席で、マリー・マフタン大統領は顔を真っ赤にして転げまわることになった。

232モントゴメリー:2024/06/05(水) 23:53:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
・銀髪のラ・ピュセル(La Pucelle aux cheveux argentés)

FFRが開発した人型ロボットの名称。後述する理由から全て女性型である。
人型ロボットの分野では、日本が圧倒的な情熱を以て開発競争で首位を独走している状態である。
よって、特許関連も日本がほぼ独占しているのが現状であり、OCU陣営はまだ良いとして他陣営の開発に対して大きな足枷となっていた。
各国はこの特許の壁を迂回すべく様々な方策を考案していくことになる。
この光景は最早(日蘭)世界の様式美となりつつあるが、FFRが導き出した「別解」は動力面に関する分野であった。
蓄電池による電動駆動のみではなく、エンジンを搭載した複合動力式としたのである。
「エンジン」と言っても採用したのはMHD発電機であり、新開発の「超電導コイル」と組み合わせたその発電効率は理論上70%を超える。
最大出力は2000kWを発揮するが、大きさと重量は同等の従来型発電機の1/10以下にまで削減している。
具体的な大きさは、外径約500mm、全長約600mmである。これを胸部に配置している。
体積的に搭載可能というのはわかったが、出力が過剰ではないか?という声は開発時点から挙がってはいた。
しかし、この発電機はラ・ピュセルたち開発の中心となった企業の製品であったためその声は看過された。
政府もその方針を追認する。
件の発電機は政府機関、特に軍でも採用されているものであるため、量産効果で価格低減が実現できるならば好都合であったためだ。
また広く普及すれば、市井に交換部品や扱いを習熟した技術者が多数備蓄されるという点も軍は重視した。
更に、「重要区画は集中した方が防御しやすいよね」という開発陣の意向により、燃料タンクも胸部に設置された。
ラ・ピュセルたちが女性型しか存在しないのは、このように純然たる技術的要因からきている。
なお、防御面の性能はPeRoを始めとするFFRが誇る材料工学と避弾経始に優れる形状により、(理想的な条件ならば)20mm機関砲の直撃に耐え得る。
専用の増加装備(防弾・防刃仕様の下着、人間用を流用)を追加した場合は、25㎜機関砲が直撃した場合でもタンクは破損するが機関部は保護できる。
このように性能自体は日本製ロボットと遜色ない、一部では凌駕しているがFFRの技術不足により小型化に失敗。
胸部の外周は、タンクを最小限の規模にしても100cm、標準型で120cmとなってしまった。
更に、発電機と燃料タンクだけ搭載すれば良いというわけではない。
蓄電池も搭載しなければならないし、コイルを超電導状態に維持するための冷凍機やMHD発電に使用する液体金属を加熱するための加熱機も必要である。
こういった要素を胴体部の配置した結果、全長(つまり身長)の短縮化にも失敗する。
この問題に対してFFR技術陣が導き出した解決策は「逆に考えよう。“大きいことは良いことだ”と」であった。
こうして彼女たちの高さは標準で200cm、低い個体でも190cmを下回ることは無くなった。

233モントゴメリー:2024/06/05(水) 23:55:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
彼女たちの外見的特徴として大きさと並んで挙げられるのが頭髪である。
「銀髪の」と称されるように、それは美しく輝く長い銀髪であった。
これも技術的要因から来ていて、この髪一本一本は放熱器の役割を担っているのである。
機関部が存在する以上、排熱は避けて通れない問題であった。その問題に対し、FFR技術陣は実にエスプリに満ちた芸術的な解答を見つけたのである。
また、蓄電池にFeLuZnを採用したため、空気(酸素)を内部に取り込む必要があるが、これは吸排気機構を装備することで解決した。
すなわち、彼女たちは人間と同じように「息をする」のである。
放熱器と言っても、生身の人間の傍で運用されるのが前提であるので、緊急時の最大出力での稼働時などを除けば素手でその“髪“に触っても火傷をしないように配慮されている。
(手を深く突っ込んだり、顔を埋めたりした場合はその限りではないので注意である)
各部冷却には水冷方式を採用し、ポンプで制御している。つまり、彼女たちの手元に指を添えれば「脈」を数えることも可能である。
水冷用の水は口腔から補充可能。これは内部洗浄にも活用される。

燃料は複数の液体燃料に対応している。
市販のガソリンや軽油はもちろん、FFR規格の航空燃料も使用可能である。
その中でも特筆すべきものとしては、「度数40以上のアルコール飲料」も燃料と出来る事である。
これにより、FFR市民とラ・ピュセルたちは同じテーブルを囲んで「命の水」を共有し、同じ喜びを分かち合うことができるのである。
余談であるが、彼女たちが登場した直後、統合参謀本部から“燃料に使用可能な酒類一覧”という資料が発表されたが、何故この資料が軍部から出たのかは不明である。

名前の由来についてであるが、La Pucelleはフランス語で「使用人」を意味する単語である。
日本人が一番連想しやすい単語で言えば「メイド」が最も近いであろうか。
しかしながらこのラ・ピュセルという単語は、『我らが指揮官』のもう一つの姿であり、『先生』の名の由来となったジャンヌ・ダルクの異称でもあり「乙女」と言う意味もある。
(「オルレアンの乙女」)
フランス人にとっては決して軽い言葉ではない。むしろ敬称に近く、彼女たちを軽んじているわけでは絶対にないのである。

彼女たちラ・ピュセルたちは発表直後、FFR国内で急速に普及していった。
導入費用は中級乗用車の上位から高級乗用車の下位に匹敵し、決して安価とは言い難いものだったが、逆に言えばそれらの購買層ならば手が届くのである。
彼女たちの「能力」について述べるならば、人間の行う作業の大半は代替可能である。
それのみならず、その強大な発電量を活用し、災害時や戦時には“自走式発電所”としても活用できる。
またそこから由来する出力も桁違いであるため、簡易重機としての使用も期待できる。
さらに最高速度は二足歩行という高速機動には不利な形態にも関わらず、60km/hを発揮する。
しかし当然ながら平時は各種法令の制限速度に抑制される。
また、その出力に関しても酒類を燃料とする場合は燃費の問題から500kWを上限とする運用が推奨されている。
(最大出力での運用も不可能ではないが、その場合燃費以外にも各機器の寿命に悪影響を及ぼす)
この様に決して完璧とは言えないが、その様な面も含めてFFR国民からは「同胞」として受け入れられつつある。
特に平時の兵員数を制限されている軍部(総人口の約0.5%、約200万人)からは熱視線を向けられており、海軍艦艇の応急修理要員への採用が顕著である。

234635:2024/06/20(木) 08:41:40 HOST:119-171-249-156.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一二



「いやあ異世界に旅立っちゃった神流さんの生放送を見れるとは思わなんだ…。」

:確かに
:神様だのなんだのあのカオス極まりない人らの本家本元だろ?
:どんな世界なんだ?

「フフフ、日本のゲームやポップカルチャーを知るためにファンタジー世界から日本に来た吸血鬼のお姫様な私も興味津々な世界な訳ですよ!」

:そんな設定もあったね
:そんな設定すらも上回るリアルにとんでも設定な人物だったね、あの人ら(白目)
:中心人物だった艦娘の電ちゃんからして設定モリモリだったし…


競馬好きの超大陸世界のバーチャル配信者、あの大レース開催告知会場で生放送していた人物だ。
そんな彼女の異世界から日本のポップカルチャー知るために来ただのなんだの設定も霞んでしまったのが話の人物らである。
配信者である彼女の生放送には準備中と書かれた別の画面が映っている。


「あ!もう時間!」

:全裸待機
:おっとネクタイと靴下は忘れるな?
:無論紳士の嗜みよ


時はゲート世界時間2020年12月31日大晦日朝、此度配信者花舞神流はゲート世界奈良にまで進出していた。


『はい!今日は私の友人やゴースト号とその同級生他の子達と一緒に旅行でまた別の世界の古都奈良の橿原神宮まで来ています。』

「で、ゴースト。なんでゴースト号達旅行なんかに行ってるの?」

「ゴースト号が課題にヒンヒン言ってストレスからオーバーフローしてしまったので長期休暇頂いたと聞いてまする。」

「ゴースト号がヒンヒン言う課題…?」

「読書感想文とか。」

「Oh…。」「まあ、その辺ゴーストも不得意だし。」

「後、お役所に出す無駄な書類多すぎたとか。」


そんなナイスネイチャとセイウンスカイ、そしてゴーストウィニングの会話。
そんな話をしつつカフェに集まり主さんこと花舞神流の配信を見ているのはウマ娘ゴーストと愉快な仲間たち。
ゴースト号が出る配信始まるというのでウマ娘らは朝から浮足立ち居ても立っても居られずに理事長判断で半ドンとなっていた。
なお話に出ていた法令闘争していた官僚の皆さんは某智謀合法ロリの手によりマスコミに漏らされ政権批判の道具として喜々として叩かれた挙げ句、
総理に知られてしまい激怒されヤルバーン州政府からも苦言呈されたので辞任や窓際族に追い込まれていたりする。
特にこれから先ものを言うヤルバーンとの関係が拗れるのは各省庁とも嫌だったようだ。
そしてネイチャがゴースト号の姿を見て疑問を呈する。


「なんかゴースト号、花咲いた棒担いでない?」

「ほんとだ。飯崎さんもなんか袋に入った長いの背をってる…。」

飯崎 ^-^)<ゴースト号、鳩さんから貰ったそれここまで持って来たのね
ゴースト号 ゚д゚)<ゴルシ号から絶対放すなよとフリじゃなく念押されまして…そういう主さんも村正作の大太刀を背負ってる件
電 ´・ω・`)<ゴルシ号さんの言うことも当然なのです。推定アロンの杖なのでヤベえシロモノなのです
ゴースト号 ゚д゚)<アロンの杖?
マシュ ^0_0^)<使えば敵にありとあらゆる厄災引き起こす千年以上に渡り行方知れずだった祭器です

「アロンの杖…?」

「ネイチャさんゴースト号さんの持ってる杖がアロンの杖ってそれ本当ですか!?」


ネイチャは耳に入った言葉を漏らしロブロイが反応する。
なおネットでは超大陸世界初公開のゴースト号の同級生なる情報に浮足立っていたり。

:ゴースト号の同級生
:鯉のしか居ないんじゃ…
:ゴーストからして濃いし…
:濃いというか劇薬?
:脳を焼くことがお仕事のウマ娘

「私そう見られてるの…?」「ネットェ…。」「アハハハハ…。」


ネットの反応に愕然とするゴーストと乾いた笑い浮かべるしかないネイチャ達。


『今回同行しているのは友達のモルガンさんに艦娘の電ちゃんや北海道行った時にゴーストがお世話になった子たち…。』

235635:2024/06/20(木) 08:42:23 HOST:119-171-249-156.rev.home.ne.jp


カメラを動かすと黒い扇情的な服に白い髪の女性や電やマシュの他、光輪と白い翼持つ少女や巨大な銃持ってる少女が映りその人物には自動的に名前が表示されている。

:モルガン陛下!?
:ヘイロー!?
:ゴースト号のいる世界は方舟だった…?
:良く見たらジャービスやん!!
:なんか背中見せる人がいるんやけど…

『それからゴースト号が通っている一般教養学校でゴースト号の所属してるサークルの廃校対策委員会のみんなだね。いやーみんないい子達なんだけどもう濃いね!
ゴーストの友達のウマ娘の子達も濃いけど生い立ちや人生見るとゴースト号の友人の方が濃いね。』

「廃校対策委員会とは何だろうか?」

「タイシンのやってるゲームにそんなのあった気がする。」


ハヤヒデとチケットの会話、なおタイシンは知った言葉に頭を抱えている。
その間、画面の中の花舞神流の姿をした飯崎は指を折る。


『カルデアのマスターの藤丸立香ちゃんと藤丸立香君でしょ。妖精國から来たアルトリア・キャスターちゃん。
ここにはいないけど異世界転生者のマリーちゃんと異世界転移者のマリーちゃんのお仲間。』


配信を見ている自称吸血鬼な配信者は絶叫を上げる。


「カルデアのマスター!?異世界転生!?」

:⊂( ・∀・)ワケ ( ・∀・)つワカ ⊂( ・∀・)つラン♪
:情報が情報が多い…!!:
:待ってくれたまえ!ことばの洪水をワッと いっきにあびせかけるのは!


事前情報持ってたウマ娘ら兎も角、配信者もSNSも皆混乱している。
そんな事を他所に画面の向こうの花舞神流は話を続ける。


『うちの世界も大概だけどこっちの世界も中々にかっ飛んでるよね。
転生者盛りだくさんの大日本帝国があるとかそこが平和憲法の精神成し遂げたとか。』

『花舞神流女史。平和憲法の精神、それは尊いが過ちであったと帝国では判断し反省しております。』


少々露出の多い大型の銃を持った少女が口を挟む。


『ごめんね、ラピちゃん。ああ、この子はその大日本帝国の自動人形のラピちゃん…ラピちゃんの日本はヂラールの侵略で地球から脱出せざるを得なかったんだよね?』

『はい、人類同士の平和の維持に傾倒し過ぎた故に軍備の整備を怠り侵略者に対し有効な手段を取れずBETA戦争…BETAとは我々側の呼称でヂラールのことを指します。
その戦争で多くの人命の喪失と地球本土失陥という醜態をさらすことになりました。
そして脱出までの課程で戦争により急速に発達したサイバネティクス技術とヒトをベースに開発製造された生体兵器が我々生体型自動人形となります。』


さっくりと出される情報の津波、だがこちらの世界では周知の事実である。
これら転生者の存在や並行世界情報と盛り上がるイゼイラ人・大和民族のナショナリズムの隆盛からゲート日本では架空戦記が久々の盛り上がりを見せていた。
最初の接触時からゲート日本がイゼイラと同君連合になったらとか、第二次世界大戦にイゼイラがやってくるとか、千年前に既にティ連に加盟していたらとか、
ゲートが実際にあるのだからとイゼイラとゲートで繋がっていたらなどなど…。
ネット創作、商業誌…挙げ句有明の例大祭には専用の島まで作られる盛況ぶりだ。


「飯崎さん達歩いてる道やたら警備の人多くない?」

「ほんとだ皆パワードスーツ着てる。」


ネイチャとスカイはそんな話をする。
飯崎達が歩く橿原神宮へと続く道にはそこかしこにロボットスーツを纏った地元警察や自警団の姿があった。
呪術的汚染と関係無く外国人や国内左派、リベラル名乗る者らによる寺社など文化的施設に対する放火なども相次いだ結果である。
まあそれ以上に目を引くのが…。


「カボチャ…?」


目が点になるウマ娘達、そこかしこでネットで聞いたことのある曲に合わせ人々が踊ってる。
アレだ、ネットミームにもなった反省を促すダンス。


『偽マフディー大量発生中だね!』

『未来のネットミームを過去のこの世界で流行させないで欲しかったのです…。』


電が疲れたように言う。
しかもマフティーではなくマフディー、どこはかとなくパチモノくさい。

236635:2024/06/20(木) 08:43:28 HOST:119-171-249-156.rev.home.ne.jp


『反省を促すダンスが日本全国で流行るとはこのゴースト号の目を以てしても見抜けなかった…。』

『見抜くどころか原因になったオリジナルマフディーは貴女なのですよ。』

『グハァ!?』

「ゴースト号何してんの!?」


ネイチャが叫ぶが画面の中のゴーストは電の言葉に何故かダメージを受けている。
ストレスから電の秘蔵の品を消費した後のこと思い出して精神的ダメージ受けたとは流石のネイチャも思うまい。


「いや何してんですかゴースト号さん…。」

「ネットミームリアルで流行らせるとはどんだけよ…。」


オタク文化に詳しいデジタルとトランセンドは戦慄していた。
ネットミームをリアルな全国的流行にするとか並大抵のことではないからだ。
ましてや現代は様々な情報、娯楽に溢れ一つのことが流行することはほとんどあり得ない。
しかもカボチャヘッド…ファンフィクション小説含め二次創作が超大陸世界でも氾濫したがそれを上回る広がりだ。
なお、超大陸の脳焼きまくった競走馬トリプルターボ号やゴーストウィニング号みたいな例は別とする。


『ゴースト号が無駄に仕事増やすという公官庁の一部のお役人仕草にキレて日本に反省を促すと宣言して踊った動画を配信したのが同様に不満を抱えていた人達にバズったのよね♪』

『主さんユルシテ…ユルシテ…。』


さらりと主さんに暴露される自身のやらかしにゴースト号は瀕死状態だ。
多分ゴースト号の精神のHPゲージはピコーンピコーンと赤く点滅しているであろう。


「あんな状態のゴースト号さん初めてですわね。」

「相手がが飯崎さんだからかな?」


初めて見る弱ったゴースト号の姿にゴーストとチームメイトのマックイーンやテイオーも驚きの声を上げる。
ちなみにネイチャやスカイもそんな姿を見たことはない。
そうして歩いているとロボットスーツを着た自警団や警察と揉め事を起こしている集団を見かけた。
左派…パヨクなどと呼ばれているが最近ではやらかす外国人らと並び日本社会を完全に敵に回し存在そのものが消えつつあるがそれでもまだ生き残っている連中だ。


『久々に見たね。』

『絶滅危惧種って程じゃないけど少なくなって来ました…ッ!!』


その瞬間だった。おウマさんの耳が引き絞られ周囲を警戒、電やマシュが臨戦態勢に入ったのは。
配信者の生放送に映る映像は揉め事起こしている左派集団を映したまま。


「え…?」


非現実的な光景に配信者が素の声を漏らす。


『ソレから離れなさい!!早く!!』


画面の中の花舞神流が叫ぶ自警団は突然のことに混乱しながらもその声に左派集団から離れる。


『ア……ア……ア……。』


団体のシンボルカラーか黄色いウィンドブレーカーを着た老女が声を口から変な声を漏らしている。
数メートルはあろうかという巨大な蜘蛛の姿をした怪異から女は頭部に管の様な物が差し込まれ吸われているのだ…脳髄を。
超大陸世界の人々が知る侵略者のそれらよりも遥かに禍々しい。


「何…アレ…。」


ネイチャが呟くと画面の中の飯崎は背負った袋に入ったものを取り出し。


『せいやああ!』


気合一閃。大太刀の刃を抜き放つと大上段からを振り下ろし眼の前の怪異に振り下ろす。
その一撃で蜘蛛の怪異は頭を切り落とされその巨体は沈んだ。


『流石は村正作の大太刀ね。』

『それだけじゃないと思いますけど…。』

237635:2024/06/20(木) 08:46:19 HOST:119-171-249-156.rev.home.ne.jp


明らかに現代の人間技でないことし呟く飯崎にドン引きですと言った顔のマシュ。
大きな音がして全員がそちらを向く。橿原神宮より南西に存在する小高い山の上に先ほどと同じ数百体の蜘蛛とそれより数倍はあろうかという大蜘蛛。
そして数十メートルはあろうかという何か居る。


『土蜘蛛…。』


電がその名を呟いた。




衛星軌道上のゲートイゼイラの亜惑星要塞の司令部は混乱に包まれていた。


「何が起こっている!」

「ギンガ連合ニホン軍より緊急要請、
緊急事態発生!ヤルマルティア・ナラ県の指定する地域のヤルマルティア人を強制転送による避難、回収求む!」

「だから何故そうなった!!。」


混乱が混乱を呼び怒号が飛び交う司令部、されど自らの役目は果たし転送準備を進めていく。


「ヴァルメより現地の映像流します!」


オペレーターの声に全員が大型ゼルモニターを見る。
映し出されたのは巨大な節足動物が同胞…逃げ惑う日本人達を襲い食い殺し連れ去り或いは何かを植え付ける光景。
ゲートイゼイラ人達はその光景に既視感を覚える。
これではまるで…。


「ノクタル創世記の苦難の時代じゃないか…!」

238モントゴメリー:2024/07/07(日) 01:12:39 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——とある田舎娘の物語(後編)——

記念艦ロレーヌの所在地は、アフリカ州はチュニジアのビゼルタ港に決定した。
ここは地形的にチュニジアの“北端”と呼べる立地であり、紀元前1000年頃にはフェニキア人により港と運河が築かれ、地中海における交易の要地となった歴史を持つ。
そして19世紀末に当時のフランス共和国はこの地を軍港として整備することにした。
植民地獲得競争の相手であった英国の勢力圏を分断するのに最適な立地だったのがその理由である。
当初は水雷艇部隊を運用できる程度の規模であったが、第一次世界大戦前には6隻の戦艦・巡洋艦を同時に修理できる能力を有する主要軍港の一つとなった。
その威容から「アフリカのトゥーロン」と呼ばれるほどであり、第4海軍管区司令部もこの地に置かれた。
しかし、戦略環境の変化がこの地には逆風となる。
20世紀に入ると、地中海の仮想敵がイタリアとなった。そしてビゼルタはイタリア半島から近すぎるのである。
当時の爆撃機でも十分に往復できる距離であるため、フランス海軍は司令部機能の残しつつも新たな根拠地を整備することを決定。
これにより1934年にアルジェリア西部にメル・セル・ケビル軍港が開設されることになる。
こうして時代から取り残されたビゼルタであるが、良い面もあった。
第二次世界大戦ではその重要度の低さからあまり攻撃を受けず、司令部施設はともかく港湾設備はほぼ無傷で残された。
(これは占領した後兵站拠点として活用しようとしたOCU側の思惑もあった)
戦後は割譲されることもなく、フランス領土に復帰。
軍港としても影はほぼ無くなり、中規模の交易港として細々と過ごしていた。
何故この地がロレーヌの安住の地となったのか?
「鉄人」ジョルジュ=ビドー大統領はここでも冷静であり、冷徹であった。
彼はロレーヌを“観光資源”と見なし、アフリカ州経済の起爆剤としようとしたのである。
その視点で見れば、既に十分に発展しているダカール等よりもよく言えば伸び代がある(悪く言えば寂れている)ビゼルタは最適な候補であった。
また同地ならば、既に不良債権と化しつつある大型ドックなどを活用することもできる。
海軍はこの候補地選定に不満であったが、「ロレーヌの解体回避」という戦略目標は達成しているため、これ以上政府と衝突するリスクは取らなかった。
こうしてロレーヌはブレスト港で(海軍が全力を挙げて準備した)退役式典を行った後、自力航海でビゼルタへ向かい、もうほとんど使う者がいなかった軍用大型ドックに腰を下ろし記念艦として再出発することになった。
なお鉄人の思惑通り、その後ビゼルタは観光客(参拝客と言う方が適切か?)が例年FFR中から押し寄せるようになり、交通インフラも整備され東部アフリカ州交通の一大結節点となるまで成長しアフリカ州発展に大きく寄与することになる。

239モントゴメリー:2024/07/07(日) 01:14:02 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
記念艦となったロレーヌの生活は平穏なものであった。
来館者も、当初は海軍関係者くらいしかいなかったほどで閑散としたものだったのである。
このまま“歴史”として忘れ去られるのかと思いきや、時の女神はまだロレーヌを手放そうとはしなかった。
最初の変化は来館者の増加であった。それも特に若年層が目立つ。
これは、リシュリューを頂点とするFFR国教(当時はまだ正式な国教化はしてないが)が浸透してきた戦後第3世代以降が台頭してきたことに由来する。
彼ら彼女らの世代は、戦前のロレーヌやサウスダコタ級に対する悪評に縛られない目でロレーヌを見ることができた。
そしてその目で歴史を学んだ結果、ロレーヌの「武勲」を偏見に邪魔されずに評価することができたのである。
やがて、ロレーヌの異名は「田舎娘」から海軍関係者たちが呼んだ「傷だらけの不沈艦」へと変わっていった。
そしてロレーヌの評価を決定づける“事件”が起こる。
国防大臣——戦車乗りとして令名を馳せ、フランス史上最年少の大臣となり有名になった女傑——が現役閣僚として初めて記念艦ロレーヌを訪問したのである。

「『傷だらけの不沈艦』殿にご挨拶に伺いました」

と教本に載せたくなるような完璧な敬礼(陸軍式なのはご愛嬌か、はたまた彼女の矜持か)を捧げながらロレーヌに語りかける彼女の姿は、ニュース映像としてFFR全土に放映された。
彼女の同僚にして政敵である代議士たち——第2世代や第1世代——は今一つその行動の真意を測りかねていた。
しかし、これ以後、彼女は第3世代たちと海軍関係者からの圧倒的な支持を獲得することになる。
彼女はこれらの「戦力」を基に大統領選挙へ出馬、見事フランス連邦共和国初の女性大統領にして最年少大統領となった。
「謀将大統領(命名BC)」の名に恥じない船出であるが、ダシに使われた形のロレーヌもこれを契機として完全な名誉回復がなされた。
さらに大統領となった彼女は、もらった『お小遣い』への感謝の意を表することも忘れなった。
彼女は「我らが指揮官」艦上で大統領就任式を終えた後、パリのリュクサンブール宮で議会に対し所信表明演説を行った。
その後「先生」艦上で士官学校生徒たちに講演を行った後、彼女が向かったのはビゼルタのロレーヌだったのである。
ここにロレーヌは、現世においてリシュリューとジャンヌ・ダルクに次ぐ権威を確約されたのである。
(なお、この行脚ルートは後にFFR大統領就任時の定例となる)
21世紀現在の記念艦ロレーヌは、人の波が途切れることのない人気施設となっている。
FFRに存在するほぼ全ての学校では修学旅行でここを訪れるほどである。
また“現存する最後のサウスダコタ級戦艦”としての学術的価値も高く、海外からの訪問客も多い。
(日本の旧アイオワこと松島は、「松島型戦艦一番艦『松島』」と呼ぶべき存在となっており、もはやサウスダコタ級の面影は無かった)
ロレーヌはもはや田舎娘と蔑まれる存在ではなく、FFR国民の誇りとなったのである。

240モントゴメリー:2024/07/07(日) 01:16:26 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
霧の咆哮氏のエラン・ヴィタールに応えるために、何とか大急ぎで完成させました。
ロレーヌ三部作、これにて完結でございます。


ロレーヌ「生まれ変わったリシュリュー、素敵ね!…もうこの『田舎娘』の出る幕はないわね」

ロレーヌ「え、記念艦?そんな、わ、私なんかのためにそんな費用をかけなくとも…」

ロレーヌ「平和ね…記念艦と言っても来てくれるのは戦友たちだけだし。…やっぱり私なんて…」

ロレーヌ「なんだか最近お客さんが増えたような…?まあ、にぎやかなのは楽しいですわ」
マリーちゃん「おb…お姉さま!『お小遣い(若者たちからの支持)』下さいな♪」
ロレーヌ「ふぇっ!?」

マリーちゃん「ありがとうございましたおb…お姉さま!!お礼にお肩お揉みしますわ♪」
ロレーヌ「ふぇぇぇ!?」(FFR国教における現世3番目の権威)
(マリーちゃん、『お母さま』からだけではなく、おb…お姉さまからもお小遣いをゲットするの巻)

「ねえロレーヌ?貴方、現役復帰するつもりはない?
記念艦というのも意義深い勤めだけど、ずっとドックの中にいたら退屈でしょう?」
「…そ、そんなのムリよリシュリュー。私は貴方のような改装も受けてない老兵なのよ⁉今の舞台に私の出る幕は無いわ」
「『老兵』だなんて、そんな言葉私よりも艦歴が若い貴方には似合いませんことよ?
(あなただけ引退して、悠々自適な記念艦生活なんて認められるものですか…!!)」
「そうですわ、改装なら今からでも遅くはありませんし
(民間船の私が現役続行してるのに、戦艦の貴方が“一抜け”するなんて許さないわよ⁉)」
「ひぇぇぇん、ジャンヌ・ダルクもイル・ド・フランスさんも目が怖いよぉ……」
「あらあら♪」

「(…イル・ド姐さま達お三方と気軽に談笑できる時点で、ロレーヌさんも大概なんだけどなぁ)」
「「「(我々戦後生まれからしたら、ロレーヌ殿も間違いなく『伝説』の中の住民ですよ…)」」」

241モントゴメリー:2024/07/14(日) 00:50:31 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ラ・レゾリュー(La Résolue)級フリゲート

全長:185m
全幅:24m
基準排水量:10,000トン
最高速力:20ノット
機関出力: 10,000万馬力(公称)
航続距離:11,000海里(14ノット巡航時)
乗員 約600名(航空要員含まず)
装甲:最大50㎜
武装:60口径7.6㎝速射砲 4基
70口径3.7㎝機関砲  2挺
90口径2cm機関砲  6挺
ミサイル垂直発射管  112基
艦載機:3機

【概要】
ラ・レゾリュー級フリゲート(Frégate de surveillance type La Résolue)はフランス連邦共和国(FFR)海軍の艦級である。
1980年代初頭より同海軍で整備されて来た新型艦——「新世代(nouvelle generation)」と呼称される——の一翼である。
フロレアル級で構成される戦隊の旗艦としての役割を期待されたため、同級のように対潜・対空・対艦(及び対地)など各分野への対応力を付与された汎用戦闘艦である。

【計画】
陸続と戦力化されていくフロレアル級により、海上交通線の保護には一定の目途が付き始めていた。
しかし、フロレアル級は現場で評価される一方で不満点も指摘されるようになってきた。
曰く
・対潜・対空・対艦各能力を全て『最低限』備えているのは素晴らしい。されど、最低限は所詮最低限であり不足する場面も多い
・特に長射程の対潜兵装が無いのが大いに不満である。
・『無駄のない』ということは『余裕がない』ということでもあり、指揮統制機能を付与するのが困難である

こうした言葉を受け、海軍上層部はフロレアル級からなる護衛戦隊の旗艦となる大型戦闘艦を整備することを決定した。

【船体設計】
船体規模は、アムステルダム条約の補助艦枠上限である基準排水量1万トンに設定された。
そして、この時期のFFRにはその条件に最適な設計案が存在していたのである。

——ブレストで進水することなく廃艦となった練習巡洋艦である。

「先生」が執念により現役復帰したことで半ば忘れ去られていたが、船体規模はうってつけの基準排水量1万トンである。
また、士官候補生用の設備を撤去すれば多彩な兵装や司令部機能を積む余裕も確保できる。
こうした経緯から、本級はこの「幻の」練習巡洋艦を基礎として設計されることになる。
……余談であるが、設計が流用されたのは「もう一つの理由」があるという噂が後世に流れた。
生まれることなく葬られた女神の魂を鎮めるため、というのだ。
怨念により「荒神」となってしまうのを防ぐためにその魂を受け入れる躯を用意した、と噂は語っている。
FFR上層部はこの件に対し何も公式発表をしていないが、「ラ・レゾリュー」という名前は練習巡洋艦のために用意されていたのは事実である。

242モントゴメリー:2024/07/14(日) 00:52:06 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【機関】
航続距離はフロレアル級と同じ数値である14ノットで1万1000海里が設定された。
(戦隊を組むのだから当然である)
機関は練習巡洋艦時代には蒸気タービンを想定していたが、こちらも整備性などを鑑みてフロレアル級と同じディーゼル主機となった。
ただし船体に余裕があるため、主機室は1室から2室構成に変更されている。

【兵装】
主砲として「我らが指揮官」にも採用された60口径7.6㎝速射砲を単装4基搭載し、艦前部と後部に2基ずつ配置している。
また対空兵装として70口径3.7㎝機関砲を2基、90口径2cm機関砲を6挺装備している。
兵装の中で特記すべき点は112基も装備されたミサイル垂直発射管であろう。
フロレアル級では従来の発射機方式が採用されたが、本級では「我らが指揮官」で採用された垂直発射管を採用している。
練習巡洋艦時点では飛行甲板とされた区画の過半を割り当てることによりこの数(「我らが指揮官の半数」)の搭載が可能となった。
弾頭種類は対空・対潜・対艦とし、一通りの目標に独力で対応できるようになっている。
「我らが指揮官」では対艦弾頭は(定数は定められたが)搭載を見送られたが、本級ではしっかりと搭載されている。

【航空艤装】
艦後部には飛行甲板と格納庫が配置され、回転翼機を3機搭載できる。
これは対潜哨戒を独力でこなすためには3機必要であると判断されたためである。
(基本的にはフロレアル級と船体を組むのであるが)
練習巡洋艦時には5機、最大で10機の搭載が可能であったが、前述したように区画を垂直発射管に譲ったため、この機数となった。

【電波・水測兵装】
レーダーは対空・対水上用にそれぞれ火器管制と航法用を装備している。
ソナーもフロレアル級以上の性能を有する。
そして、本艦電波兵装最大の特徴は国産防空システム「アッキヌフォート」を搭載していることである。
OCUが開発した防空システム「草薙」に対抗するために開発されたシステムであり、フェイズド・アレイレーダーが外見的特徴である。
性能自体は「草薙」とほぼ互角の「アッキヌフォート」であるが、FFRの技術的限界により小型化に失敗。
基準排水量5000トン以下とされた大型駆逐艦への搭載が困難となってしまった。
そのため、現状このシステムを搭載している艦は「我らが指揮官」と「先生」のみという事態が発生している。
新規建造が予定される軽巡洋艦や重巡洋艦に搭載すれば良いという意見もあるが、それでも最大で10隻分増加するだけである。
また、艦隊の最前衛で敵と殴り合うことを覚悟しているこれら準主力艦に防空能力を依存することは危険であるという指摘もあった。
そこで白羽の矢が立ったのが本級である。
本級の船体規模なら十分に搭載可能であり、仮に艦隊決戦に参加する場合でも前衛に立つ予定は無いからでる。
なお、この決定により「アッキヌフォート」の製造数は大幅に増加し、単価低減が成されるという副次効果も発生した。

【指揮統制機能】
本級1隻とフロレアル級4隻で構成される戦隊を指揮することが想定されたため、船体規模に準じた指揮統制機能を装備されている。
また、海軍航空隊や空軍、さらに陸軍との共同作戦も想定され、それに対応できる能力を付与された。

【その他】
海上や沿岸部での臨検を想定し、コマンド部隊と上陸用舟艇2隻の運用も可能である。

【運用】
本級は「新世代(nouvelle generation)」たちの中では比較的遅く就役し「第二グループ」と称された。
一番艦「ラ・レゾリュー」は就役後すぐにフロレアル級と戦隊を組み海上交通線保護の任務に従事することになる。
本級1隻とフロレアル級4隻で一個護衛戦隊を組むことが想定されたため、建造数は90隻を予定されたが、フロレアル級の建造数削減に合わせ実際に就役したのは40隻に留まる。

243earth:2024/07/15(月) 14:59:48 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
テスト書き込みです。

244モントゴメリー:2024/07/15(月) 16:31:52 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
祖国に乾杯!!

フランス連邦共和国(FFR)、パリ7区サン=ドミニク通り14番地「ブリエンヌ館」

「もう定時か、早いわね。」
国防参謀総長たるアナイス・ベルナルドは時計を見て呟いた。
そして窓を見れば、空は既に夕焼けに染まり始めているではないか。

「クロエ、帰るわよ。用意しなさい」
「Je comprends」

“クロエ”はそう応えると席を立ち、荷物をまとめ始めた。
立ち上がった彼女は女性としては平均以上であるアナイスよりも二回り以上高かった。
そしてその髪は夕日を反射し「銀色」に輝いている。
クロエは「銀髪のラ・ピュセル(La Pucelle aux cheveux argentés)」なのである。

「官舎へ行く前に『燃料補給』としましょう♪」
「またですか、閣下。アルコールの過剰摂取は身体の耐用年数を棄損しますよ?」
「クロエ、覚えておきなさい?『30歳までに死なない騎兵は嘘っぱち』なのよ〜?」
「閣下は戦車兵ですし、既に30代を過ぎ——」
「それ以上は言わなくてよろしい!!」
「Je comprends」

二人はそんな掛け合いをしながら庁舎を出ると、アナイス行きつけのBarへと向かう。
程なくして到着すると二人はいつものように席へと座る。
こんな彼女でも現役軍人のトップであるから、その権威は凄まじいものであるのだが、店員の方も既に慣れっこだった。

「私はまずはキール(Kir)をちょうだい」
「こちらはアルマニャックを所望します」

最初の注文を終え、その品が届くまでしばし待つ。

「相変わらず初弾から飛ばすわね〜クロエ?」
「何度も申し上げておりますが、我々が燃料とできる飲料はアルコール度数40%以上のものに限られるますので」

ちなみにアナイスが頼んだ「キール」は、白ワインにカシスリキュールを加えて作るカクテルであり、アルコール度数は14%前後である。
そんなことを言っている間に「命の水」が二人の前に運ばれて来た。

「ささ、細かいことは置いておいて乾杯と行きましょう!」
「我々の運用手順は“細かいこと”ではないと推察しますが…」

そう言いつつも、クロエもグラスを手に取る。

「「乾杯!!」」

二人の美女が杯を傾ける様は、絵画の題材になり得るほど芸術的である。

「——あ、クロエ。アルマニャックもいいけど、後でコアントローも飲んでくれないかしら?」
「コアントローは甜菜糖が添加されており、燃料としては不向きです。
利用できないわけではありませんが、使用後に綿密に洗浄をしないと内部機構に悪影響が出ます。推奨できません」
「大丈夫、洗うのは私も手伝ってあげるから♪」
「何故そこまでコアントローに固執されるのですか?」
「官舎でカクテル作るときの材料にしたいのよ」
「私は閣下の水筒ではないのですが」

…話の内容は“詩的”とは程遠いものであったが。

245モントゴメリー:2024/07/15(月) 16:34:02 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「だって便利なんだもの、その胸部装甲っ!!」

アナイスはそう言いながらクロエの「燃料タンク」を鷲掴む。

「大容量でありながら、一度に複数のお酒を混ぜずに保管できる優れものじゃない」
「酒類に限らず、ガソリンや航空燃料を想定した設計です。有事に補給できる燃料を選べる保証はありませんからね」

ラ・ピュセルたちの「燃料タンク」は二つだけのように見えるが、内部では複数の区画に分かれており異なる種類の燃料を同時に保管できる。

「…こんな『小さい』貴方が、ビヨットを超える馬力を秘めているなんて、時代は変わったわね」

アナイスはクロエに寄りかかり、タンクに耳を当てて“心臓”の鼓動を確認する。
ラ・ピュセルたちの心臓——MHD発電機——の最大出力は2000kW。馬力換算すると2700馬力を超える。

「現在は制限環境下ですので500kWに抑えております。
——音が気になりますか?それならば蓄電池による完全電動駆動に切り替えますが?」
「500kWでもルノーH型とほぼ同等じゃないの。凄いのには変わらないわ。
あと、私は戦車乗りよ?エンジンの音と振動を子守歌に出来ない者に、戦車乗りは務まらないわ」

——そう、かつては主力戦車に用いられたような大馬力が、彼女たちにとっては「序の口」の出力に過ぎない。
技術は日進月歩で進んでいる。
我が祖国も、FFRもここまで来れた。未だOCUの後塵を拝する状況に変わりはないが、その差は着実に縮まってきている。
私たちも日々研鑽を積まなければ、その進歩に、「彼女たち」においていかれてしまうだろう——

「maitre、この子にコアントローを、私にはホワイトレディを頂戴」
「ホワイトレディは確かにコアントローを使用するカクテルですが、英国発祥のものでは?」
「私はパリで生まれた説を信じるわ。それともクロエ?私の愛国心がカクテル一つで揺らぐと疑っているのかしら?」
「申し訳ございません、閣下」

新しいグラスが来ると同時にアナイスが宣言する。

「改めて乾杯しましょう」
「何に対してですか」
「もちろん、『矛盾と欠点多き』我が愛しの祖国、フランス連邦共和国に決まっているでしょう」
「仮にも現役軍人の頂点に位置する方が言うべき台詞ではないと推察します。また第4世代の皆様から批判されますよ?」
「未熟者たちなんて放っておきなさい。いい、クロエ?真の愛国者というものは、愛する祖国の問題点を百や二百程度は瞬時に挙げられる者たちなのよ。
そして、その問題の改善に邁進することこそがすなわち愛国なの」
「——わかりました。そのように記録しておきます。
 では」

クロエはグラスを掲げ、アナイスもそれに続く。

「「矛盾と欠点多き我が愛しの祖国に!」」

——後日、この『愛国者』の定義は電脳網によりFFR中のラ・ピュセルたちに共有され、彼女たちの乾杯時の定型句となった。
その経緯を知った大統領は哄笑し、彼女たちを支援(と監視)する電子戦部門からアナイスがこっぴどく怒られることになるのだが、それはまた別の話である。

246モントゴメリー:2024/08/04(日) 00:35:48 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
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247モントゴメリー:2024/08/04(日) 01:06:45 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
仏帝連合ネタSS——「仏帝連合誕生」——

——『ゲート』内海域、通称「ターミナル」
そこに浮かんでいる“連絡船”内の会議室で、仏帝——ブルボン朝フランス帝国——の外交官は怒りに震えていた。
理由は言うまでもない。
『ゲート』によってつながった平行世界の一つ、非公式名称「Petit Japon(プチ日本)世界」のフランス共和国がやった“暴挙”にである。
「友好の証」と称した催事で、彼の祖国を含む多数の平行世界のフランスに対し、その価値観を根底から否定するようなことをしでかしたのである。
彼の隣にいるもう一つの仏帝——ボナパルト朝フランス帝国——の担当者も怒りで顔色が赤くなるのを通り越して蒼くなっている。
その隣のフランス連邦の人間は今回直接的な被害を受けなかったので表面上は普段通りであるが、見た光景を理解できないようである。
そこへ、遅れていたフランス連邦共和国の担当者が入ってきた。

「皆さま、遅くなりました。ただいま本国より外務大臣が参りましたのでご紹介いたします」

その言葉に室内にいた者たちが居住まいを正す。外交部門のトップがやって来るとは、やはり彼らもこの件を重視しているのだろう——。
しかし、入室して来た外務大臣の姿を見て、彼らは一瞬凍り付いた。
入室して来た人間——フランス連邦共和国外務大臣が身に纏っているのはスーツではなく軍服、それも礼装ではない海軍の戦闘服であったからだ。

外務大臣——彼らの海軍では傍流とならざるを得ない潜水艦畑で苦労を重ねて政治家へと転身した彼は口を開いた。

「まずは遅参をお詫び申し上げる。我が連邦共和国大統領…否、『最高司令官代行』の決断をお知らせに上がりました。」
「一週間以内に、我がフランス連邦共和国は、プチ日本世界のフランス共和国に宣戦を布告いたします。」
「つきましては皆さまには、このターミナル海域の軍事通行権を我らにお認めいただきたい」

その言葉に各国代表はどよめいた。ある程度予測できたことであるが、それでも問わねばならなかった。

「…本当に、異世界相手に戦端を開くおつもりか?それがどれほど危険性のある選択かを理解できないあなた方ではありますまい?」
「無論、理解しております。最悪の場合、派遣軍はあの悪夢のような異世界に取り残されるでしょう」

されど、と外務大臣は続けた。

「あそこまでされて黙っていることなどできませぬ!!我らだけならばまだいい、しかし、奴らは『我らが指揮官』を愚弄した!!!?」

外務大臣はそれまでの事務的は顔をかなぐり捨てて叫ぶ。

「ここで立ち上がらぬは、『霧の向こう』にいる先達たちへの裏切りであり、『我らが指揮官』以下女神たちへの冒涜に他なりません!!」
「どうか…どうか軍事通行権をお認めいただきたい……」

外務大臣は涙を流しながら首を垂れた。

248モントゴメリー:2024/08/04(日) 01:08:31 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「…正直に申しましょう、Monsieur。我々ブルボン家を奉ずる者たちからすれば、あなた方も“理解に苦しむ者たち”になります。」
「ボナパルト家を皇帝と仰ぐのはまだマシですが、君主を排除する共和制など認めるのに多くの自制心が必要でした。」
「特に貴殿の所属する連邦共和国の在り方は、未だに理解しかねています」

——“共和制軍事宗教国家”って何やねん?最初に連邦共和国の詳細を聞かされた時の反応を思い出しながら言葉を発する。
しかし、とブルボン家の忠臣は続ける。

「あなた方は、あの野蛮人たちとは決定的に違うものがあります。」
「なんと申して良いか。…そう、あなた方は“生ハムにバターを載せて食べる”ようなものなのです」
「我々の価値観からすれば、さっぱりとした味と風味が命である生ハムにバターの油分を加えるというのは、理解に苦しみます。」
「されど、生ハムもバターも歴とした食品であり、それを組み合わせるというのはまだ合理性の範疇であり、個人の嗜好であると受け入れられます。」

さらに、と彼は続ける

「あなた方はその“嗜好”を我々に押し付けるようなことはせず、我々の“嗜好”を尊重してくださった。それこそが多様性であり、あなた方が“文明人”であると我々が認識できた理由です」

「……『外交に真の友情はなし。だからこそ、誠心誠意を尽くすべし』
 この金言は我々の世界にも存在してますれば」

『我らが指揮官』隷下の“兵士”はそう応える。
それに対し“忠臣”はまた言葉を紡ぐ。

「誠に。そしてその金言が我らに対話を可能として“共通項”を作ってくれました。しかし……。」
「奴らには“それ”がありません!!」
「奴らは食料ですらない“ゴミ”を料理と宣い、あまつさえそれを我らに押し付けくる!!そしてそれを拒否する我らを『野蛮人』扱いする!!!」

“忠臣”は机に拳を叩きつけ、立ち上がる。

「我々の価値観を、陛下を!あそこまで侮辱されて黙っているほど我々も恥知らずではありません!!
我らも兵を上げるよう、本国に上奏します。」
「…貴殿達と共に戦場(いくさば)へ赴けることは、『霧の向こう』でも誇れる偉業となりましょう」

“兵士”は“忠臣”へ手を差し伸ばす。

「その話、我らも乗りましょう」

そこに“もう一人の忠臣”——ボナパルト朝フランス帝国の担当官が近づいてくる。

「私もはっきり言って“生ハムにバター”は受け入れがたいですが、それを越えてあなた方とは手を携えることができると確信しております。
…そして、我々も主君と信ずる価値観を否定されたのには変わりありません。」

彼の眼には憎悪を焔が宿っていた。

「———えー、皆さん。ちょっと先走りすぎではありませんかな?」

そこに待ったをかけたのは、今まで一切発言をしてこなかった“市民の公僕”——“現代によみがえった西ローマ帝国”ことフランス連邦の担当者であった。

「これは我々の名誉の問題です。口出しは無用」
「然り、奴らへの報復は我々だけでやります。貴殿達には迷惑をかけませぬ」
「どうかご理解願えないだろうか?」

“復習者たち”は口々に訴えかける。しかし、それに対する返答は彼らの予想を超えていた。

「…2週間、いや、10日ほど頂きたい。そうすれば最低でも1個旅団は我らとしても派遣を約束できます。
その間に指揮系統の構築など、必要な手続きを進めましょう」
「「「!?」」」

“公僕”は彼らを止めるのではなく、逆に参加を申し出てきたのである。

「…ご厚意には感謝するが、理由を伺っても?今回、あなた方は目立った被害を受けていないはずですが」
「——まず、ここで奴らに肩入れしても我が国に利益が無いと言うのが一つ。逆に、あなた方に付けば何らかの利益が望めるのが一つ」

そして、彼はつづけた。

「奴らと『同類』と思われたくないのが最大の理由ですね」


後世、『仏帝連合』と呼ばれることになる組織はこうして発足したのである。

249名無しさん:2024/08/04(日) 17:38:54 HOST:opt-133-123-181-224.client.pikara.ne.jp
>>246


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250名無しさん:2024/08/06(火) 02:35:19 HOST:133.106.32.48


251モントゴメリー:2024/08/17(土) 23:56:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS——FFRにおける「多様性」について——

大日本帝国のとある政治学者は、著書の中でこう述べている。

「——フランス連邦共和国(FFR)の政治体制を一言で表すのは困難である。敢えて試みるならば『共和制軍事宗教国家』という単語を創造するしかない」

国家元首は選挙で選ばれるが、それはあくまで「代行」であり真の元首は国教の最高神。
そして、国民全員がその最高神の兵士であり「戦争資源」であると定義される。
彼らの団結心は際限を知らず、その点では列強随一と呼べるほどである、と。

しかし、彼は著書に続けてこう記す。

「——そしてFFRの特長で最も特異な点は、歴史上の宗教国家・集団に見られる『排他性』がほとんど見られないことである」

確かに、過去を振り返れば内部の派閥抗争の激化で滅んだ宗教集団は数知れない。そこまで行かなくとも“異端者”への処遇は人間の善性を疑いたくなるほど悲惨になるものである。
しかし、FFRにはそのような現象はほぼ皆無である。
これは人類史上の奇跡と呼んでもいい偉業だ。
今宵はこの“奇跡”の理由を探るべく、また歴史の大河をさかのぼってみよう。

FFR国教には「聖典」や「経典」と呼べるものが存在しないことはこれまでも再三述べて来た。
これは、初代大統領にして『鉄人』ジョルジュ=ビドーの意向が大きく関係している。
元々、FFR国教の前進である戦艦リシュリューの象徴化は彼が推し進めたものである。
それは国民統合のためのプロパガンダであり、それ以上の意味を持つものではなかったのである。決して。
しかし、事態は彼の想像を超え発展し、鉄人が気付くころにはリシュリュー信仰はもう手を付けられないほど成長し強固なものとなっていた。
青年期には歴史の教師も経験した彼には、この後に起こる現象もまた予測できた。

——歴史上、宗教には正統・異端の神学的論争が不可避である。

そして国家の運営上、この種の神学的論争など時間と労力の無駄以外の何物でもない。
それどころか国家分裂の危険性を高めるものでしかないのである。
国家統一のために創り上げた“プロパガンダ”が、国家分裂の原因となる“宗教”になるなど鉄人からすれば質の悪い喜劇にしか思えなかった。
しかし、現実は非情であり、その原因を作ったのも彼自身である。故に、彼にはこの事態に対応する責任があった。
失敗は許されない。
宗教に限らず、それこそフランス革命を見れば一目瞭然である。
人間は「異端者」と見なした者にはどこまでも残酷になれる存在であり、その結果は悲惨と呼ぶ他ないものであると…。

252モントゴメリー:2024/08/17(土) 23:57:52 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ビドー初代大統領が出した“処方箋”は、「正統」を作らないことであった。
「正統」が無ければそのカウンターパートである「異端」もまた存在し得ない。よって争う原因は生まれないという訳だ。
そのため、彼は聖典や経典と呼べるような書籍の製作を行わず、民間で発行されたものには決して「公認」を与えなかった。
そして一つだけ、一つだけ指針となる「聖句」を残し、世を去ったのである。

『汝、フランス人たれ』

この聖句は神聖な響きを持つが、実は重要なことは何一つ語っていないのである。
特に「フランス人」の定義については、FFR政府は「国民個人の“心情”に委ねる」と発表している。
つまり、国家に奉仕するのも、ワインを浴びるように飲み美食にふけるのも、恋人と逢瀬を満喫するのも、その他全その個人が「フランス人らしい」と認識した事象全てが「宗教精神の発露」として肯定されることになったのだ。
これにより“精神性の多様化”は達成され、国民同士の異端狩りという悲劇は避けられた。
またアフリカ州の各民族宗教の扱いもこれに準じた(彼らの神々はFFR国教の女神の別側面とされた)ため、この地方の統治難易度低下にも貢献している。
しかし、この方策にも欠点がないわけではない。
多様性とは「共有する根幹」があって初めて存在するものである。
根幹なき多様性とはすなわち無秩序である。

この問題に対処したのが、「謀将大統領」ことマリー・マフタンである。
彼女はリシュリューの異名である「我らが指揮官」と「全てに勝る母」を最大限に活用した。
つまり前者に対しては、FFR国民は全て「我らが指揮官」隷下の兵士である戦友であるとし、後者に関しては「全てに勝る母」の子供にして兄弟である、としたのだ。
上記の思想は20世紀中には既に民間で見られたことであるが、マフタン大統領はこれを公認し、推し進めたのである。
つまりフランス人「らしい」ことならば全てが肯定されるが、それは全てフランスのための『闘争』なのである。
ワインを飲むことも、恋人との逢瀬も、最終的にはフランスを前進させるための闘争に収束するとしたのだ。

もう一つ彼女の偉業として特記すべき点は『反抗期』を定義したことであろう。
全てが肯定されるといっても、やはり余人が眉をひそめるような行為をする者は存在した。
法には触れずとも肯定するには抵抗がある者たちを、マフタン大統領は反抗期としたのである。
これはレッテル張りという問題はあるが、これにより

「反抗期=悪い子=悪い子でも、全てに勝る母の『子供』であることには変わらない」

という論理を組み上げたのである。
そして全てに勝る母の子供ならば自分たちの「兄弟」だ。兄弟を否定するのは心理的に大いに苦労する行為である。
また反抗期とはいつか終わるものである。なので「今はそっとしておこう」という心理も働いた。

反抗期として一番有名なのは、マフタン大統領の総参謀長を務めたアナイス・ベルナルドである。
一説には、現役軍人最高位の彼女が反抗期となることで国民に対しそういった人々を受け入れさせる心構えをさせたのだとされる。
つまり、アナイス総参謀長がことさら伊達者を気取っていたのは演技であり、道化となることでマフタン大統領を援護していたのだという説であるが、歴史はその答えを示してはくれない。

253モントゴメリー:2024/09/03(火) 23:59:36 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAT82短機関銃
口径:10mm
銃身長:250mm
使用弾薬:10x25mm フランセーズ・オート弾
装弾数:32/20発着脱式箱型弾倉
作動方式ストレート・ブローバック式オープンボルト
全長:480/720mm
重量:約4kg(マガジン無し)
発射速度:600発/分
有効射程:約150〜200m

【概要】
MAT 82は、MAT(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:チュール造兵廠)で設計された、フランス連邦共和国(以下FFR)の短機関銃である。
10x25mm フランセーズ・オート弾(10x25mm Français Auto)の採用を前提としており、短機関銃としては絶大な火力を有する。

【開発】
「暗黒の30年」が終わり、FFRが「暁の20年」と呼ばれる高度経済成長期に入る頃、FFR各軍でも装備更新が急ピッチで進められたことは以前にも述べた。
その流れで開発されたのがフランセーズ・オート弾である。
そして弾薬はそれ単体では効果を発揮せず、対応する銃器が存在して初めて運用できるものであるのは自明の理である。
そこで陸軍では新世代の新型短機関銃の採用を計画し、チュール造兵廠に開発を命じて完成したのが本銃である。
MAS50という“FFRの魂”と呼ぶべき銃器を設計したサン=テティエンヌ造兵廠の影に隠れがちであるがMATも数百年の歴史を誇る銃器設計の名門である。
MATは名門の復活をかけて本銃の設計に邁進した。

254モントゴメリー:2024/09/04(水) 00:00:27 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
MATは設計に当たり、以下の基本方針を設定した。

・生産性を重視し安価な銃とすること
・信頼性と整備性を高い水準で両立させること
・その上で操作性にも配慮する事

これらの項目を達成するため、基本構造は量産に適したプレス加工を多用し作動方式はシンプルブローバック方式・オープンボルト撃発を採用している。
これは短機関銃としては一般的な方式であるが、精度の確保が困難である。
“100m先の敵の眼球を狙撃できる”というドイツ帝国が開発したMP5短機関銃が示した「高精度な短機関銃」という新時代の潮流に逆行しているのであるが、それに対するFFRの回答は単純明快であった。

「射撃精度はエラン・ヴィタールで補えば良い」

である。
…とはいえこれはフランス流冗句が半分である(つまり半分は本気である)。
そもそもFFRの哲学として、短機関銃で狙撃をすることは“邪道”である。
狙撃をしたいのであれば、FFRにはMAS50というこの上なく頼りになる「相棒」がいるのだ。
彼に任せれば良い。
短機関銃の運用とは安価に弾をばら撒くことである。
そしてその哲学に則れば、MAT82は何の問題も無かった。

信頼性や整備性を向上させるため、構造は単純であり部品数も少ない。
また、同様の理由で他国の短機関銃のような単射/連射切り替え機能がなくフルオート射撃だけである。
コッキングハンドルは銃の左側面にあり、射撃中は動かず前方にとどまる。
ピストル式グリップの後部にグリップセーフティーが装備され、しっかり握らないと射撃できない。
このグリップセーフティーは本銃で唯一の安全装置である。
銃床と弾倉部は前方に折り畳むことが可能であり、より持ち運びしやすい形となる。

警察用として製造されたものはMAT49/54の名称で呼ばれ、ベレッタ Modello 1938Aと同様にセミオート用とフルオート用の2つの引き金が装着され、銃身を延長して固定式の木製銃床を装備している。

銃身が拳銃よりも長くなったので初速が1割ほど増加している。
運動エネルギーもそれに呼応して増大しており、約1250ジュールとなった。
この大威力弾薬を使用し射撃時の安定性を確保するため、銃本体の重量は4㎏とMP5の3割増しとなっている。
(MAS50と比較してもこちらの方が若干重い)

【運用】
MAT82は制式採用後即座にFFR各所に普及した。
陸軍では歩兵部隊のみならず戦車兵の護身用装備として(空軍の飛行士でも同様)、海軍でも艦内戦闘用の主要装備となった。
また特徴である価格の安さからフランス国内軍でも人気となり、財政的に余裕の少ない地方の自治体では市街地の部隊においてはMAS50よりも装備数が多いという事態が発生した。
(正規兵よりも練度が低い国内軍兵士には弾幕を張れる本銃の方が適しているという評価も関係している)
また民間市場での売れ行きも好調であり、特に女性の購買層に好まれた。

255モントゴメリー(オルタ):2024/09/11(水) 23:11:04 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
日本大陸連合 Strong Style③——前編——

——「旧」防衛省庁舎
その一角にある会議室に多くの人間が集まっている。
「被占領国」たる列島日本からは総理大臣を筆頭とする文官たち。及びそれに助言をするために「元」統合幕僚長以下少数の武官(敢えてこう明記する)。
「占領国」、通称『大陸連合』総司令部からは議長を始めとして文武の高官たちが出席している。
列島日本の総理大臣は、大陸連合内の強硬派の主張により降伏文書調印後に「八つ裂き(直喩)」にされる所を、穏健派の取り成しにより「切腹(直喩)」へ、更に「切腹(保留)」へと減刑され未だに政府の代表を務めている。

なお、大陸連合が列島日本占領政策における軍事面で第一に成した事は「防衛省及び自衛隊の完全解体」である。
彼らから見れば、それらは軍事組織として使い物にならなかったからである。
実戦部隊たる自衛隊に関して言えば、装備や練度についてはまだいい。この世界の技術レベルを考慮すれば及第点くらいは認めてやれる。
しかし、隊員たち個人個人の心構えはいただけない。ある古参の自衛官に聞き取り調査した時など

「私は人の命を救うために自衛隊に入ったんだ。戦うためではない」

という返答が帰って来て大陸連合関係者を唖然とさせた。
確かに国民の生命財産を守ることが軍隊の「使命」である。しかし、その使命を果たすためには戦闘という「手段」を避けては通れない。
その心意気は警察官や消防士ならば天晴れであるが、“防人”としては失格なのだ。
更に言えば、現場を支えるべき法令関係の整備が不足している…というよりほぼ皆無であったのが致命的だ。
軍法会議すら開けないなど、これ実際に戦争になっていたらどうするつもりだったのだろうか?と大陸連合の法務将校は首を傾げた。

このような惨状から大陸連合総司令部は、自衛隊を発展改善するのではなく新しい国軍を一から創り上げた方が早いと判断したのだ。
自衛官は統合幕僚長から二等陸士まで全員が解雇された。
されど大陸連合の者たちは勇士への敬意の表し方を知っている。
彼らのほぼ全員が一階級昇進の上、規定通りの退職金のみならず基本給1年分が一律で給付された。さらに、希望者は新国軍への優先入隊権が与えられる。
(思想調査などの各種試験を突破する必要はあるが)
また、先の戦闘で負傷または「戦死」した隊員は二階級特進の上それに見合う額の一時金か遺族年金が支払われた。

防衛省に至っては存在自体が害悪と言ってよい。
予算確保という“自己保存”すらできないとは、軍事に限らず国家機関としての条件を満たしていないではないか。
こちらも職員は全員解雇である。退職金を出しただけまだ慈悲深い。
防衛省に代わって「兵部省」が新設される予定である。

256モントゴメリー(オルタ):2024/09/11(水) 23:12:12 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「——これより『列島日本正常化計画』、その初期段階の説明を始める」

議長が厳かに宣言した。
なお、議長は列島日本占領の元凶となった特使夫妻殺害事件。その被害者を出した世界出身であり強硬派の最右翼集団のトップである。

「まず前提として、列島日本の統治方針は天武天皇を模範とする」

列島日本の出席者たちはその言葉の意図を測りかねていた。ただ一人を除いて。

「…『凡政要者軍事也』。政治は軍事を第一とするということですか」
「流石は安倍氏の末裔と言った所か?腐っても鯛だな」

総理の言葉に、議長は面白くなさそうに返す。

「国家の役割とは究極的には『国防』と『司法』と『物流』だ。
 私は夜警国家主義者ではないが、この三つの条件を満たした共同体が国家を名乗る資格があるという主張には全面的に同意するものである。」
「そして、その意味ではこの列島日本は国家未満ですね」

議長の言葉に連合側の一人が付け加える。

「いかにも。本計画が“正常化”と銘打たれているのもそれが理由である」

議長は言葉を続ける。

「国家の基本である軍事、そのまた基本である兵員数については『人口の約1%』を基準とする」
「1%…?」
「具体的には総兵力『130万人』である」

その言葉に列島側の人間がざわめいた。何せ旧自衛隊の5倍以上の数である。

「そ…なんな数の兵員をどうやって揃えるおつもりか?」
「志願制で賄うのが最善であるが、それは望み薄であることも承知している。
 ——徴兵制を施行する」
「っ!?」
「更に総力戦体制の構築も進め、最終的には『人口の約10%』、1300万人を動員可能な体制を目指す」
「……!!」

列島側諸氏は言葉を失った。その中でも、財務省からの参加者が声を上げる。

「し、しかし…。徴兵制を採用したら経済への悪影響が…」
「経済だと?貴様らがそれを言うか?経済的失策を繰り返し『失われた30年』とやらを生み出した貴様らが!?」

議長はその声を一蹴しつつ続ける。

「我々を侮るな。貴様らと違い、軍事と経済を両立してご覧に入れよう。我々はそれを常になしてきたのだ」

実際、大陸連合加盟国の大半は21世紀になっても徴兵制を維持し続けている。

「それに、敢えて言うが我々が必要なのは『ゲート』の番人なのだ。
 1000万の精兵が揃うならば、1億の民が飢えに苦しむことになろうと一向に構わない」

議長の言葉に、列島側参加者は肩を落とし、顔を青ざめた。

「——まあまあ、議長。あまり事を急いではいけませんよ」

沈黙が満ちた会議室に一人の声が響く。
先ほど発言していた大陸連合側の出席者である。

「議長の仰る方針は誠に正しい。国家を一人の人間とするなら軍事力は筋肉です。筋肉がなければ何もできません。
…しかし、栄養失調状態の者にいきなり筋肉を付けさせようとしても逆効果です」
「…ふむ?」
「まずは段階を踏みましょう。フルマラソンの前に、1500m走が出来る程度の筋力をつけることを目標とするべきです」
「具体的には?」
「我々の提案する計画は——こちらになります」

彼が手元の端末を操作すると、プロジェクターに数表が表示された。

「まずは最低限の備えとして、『人口の0.5%』、65万人体制を目指しましょう。これならば現状でも達成可能です。
我々の方策により『職を求める人間』が激増する予定ですので、志願制でも賄えるかと。
…どうでしょうか?列島側の皆さんにとっても悪い話ではないかと思いますが?」
「…! は、はい。それでよろしいかと」

急に話を振られた総理は一瞬呆けながらも即座に再起動し同意した。
正直言って65万人でも過大な要求である(旧自衛隊の3倍弱)し、最後にものすごく不穏な一言が添えられたような気がするが、この“蜘蛛の糸”を掴まなければより深い地獄へと落とされるのは確定なのだ。
拒否できるはずも無い…。

「どうでしょう議長殿、このあたりが落としどころだと推察いたしますが?」
「……階段は一段ずつ登らないと足をひっかけるか。
よろしい、貴殿達の顔を立てる意味でもこの『暫定案』を採用しよう。しかし、あくまで暫定案である。最終目標に変更は無いことは明言する」
「ありがとうございます。——では、昼休みとしませんか。見たところ皆さんお疲れのようですから。」

こうして会議の第一幕は無事?閉幕した。

257635:2024/09/23(月) 20:21:25 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一四



『御所市蛇穴の渡辺和夫さんいらっしゃいますか!今回の転送でお孫さんの伊藤大翔さんを見つけました!!』

『葛城市笛吹の上田佳子を探しています!80歳くらの女性です!』

『いたいよぉ。いたいよぉ…。』『ママぁ、どこぉ…?』


土蜘蛛が出現して以降、衛星軌道上のゲートイゼイラの機動人工亜惑星要塞内の転送施設は大混乱に見舞われている。
次から次へと矢継ぎ早に片っ端から奈良県民が転送されてきており中には重症を負った者や親と逸れた小さな子供までいる。
そしてその転送されてくる者らの中に家族や知人の姿を探す日本人の姿もあった。
安全だった為に初期に強制転送されて来た者達だ。

最初に無理やり転送されてきた彼らはどういうことかと転送されてくる日本人を待ち構え待機していた人工亜惑星要塞の職員らに詰め寄る。
しかし後から続々と転送されてくる重軽傷者や服が破れたり汚れたり着の身着のままな日本人、
そして職員から見せられた奈良南部の現状を知らせる広域情報バンクからの情報を見て言葉を失う。
怪獣にしか見えない巨大なクモの化け物が人を襲う、出来の悪いパニックホラー映画としか思えない状況。

そうして事態を漸く把握した彼らは日本の携帯電話回線を使用出来る亜惑星要塞内で家族や友人にスマホなどでSNSを通し連絡を取るが現地の電話回線の混雑や断絶で殆ど繋がらず。
災害掲示板を利用しなんとか行方不明の家族や知人の置かれている状況が書き込まれるのを確認出来ればまだいい方…確認出来ない人も少なくない。


【テレビでやっていたヤルバーンの人らの居る方向へ向かいます】

【ラジオで自衛隊が大勢いるって言ってたからそっちに向かうね】


そして、書き込まれたものにはそういったものも多数ありそれを見た親類縁者は身内が自衛隊が投入されている方向に向かうということに安堵する。


『〇〇市にはクモに対し自衛隊の戦車やイゼイラのロボットが投入され野党は抗議活動を…。』

『××町では激しい戦闘により自衛隊の攻撃で行政センターが破壊され…』


だがそのテレビやラジオが流すのは避難場所や安全地帯、受け入れ拠点の情報ではなく、
自衛隊がどこでどれだけ周囲に被害を与え戦闘行っているかという訴え。流されるのは自衛隊が多く投入される激戦区の情報のみ。
この直ぐ後、ヂラール遭遇事件時に事象情報バンクの情報を生でゲート日本に齎した有志らが再び立ち上がるのだがこの時はまだ奈良の情報を知るにはテレビかネットに投稿、配信している人物等の情報しかなかった。




「一向に減らんぞッ…!?」


そんな戦場の上空でゲート日本の藤堂は護衛艦グレイファントムの中で声を漏らす。
グレイファントムが僚艦のクォーターなメガロードと共に奈良県上空に到達、機動兵器を吐き出してすでに一時間は経過していた。
吐き出したM9、陣風や烈風改、ズイウーン改二やヴァズラー他、自由号に何故か居着いたトミーのプロヴィデンスまで戦線に加わりそれはもう大変な事になっている。
ゼルモニターの画面の中には戦場各地のデータが投影される生き残った市民の位置や敵数などが表示され撃破数は跳ね上がっているが湧出する土蜘蛛の数が減ることはなく市民救出も平行しているので均衡状態といった所だ。

258635:2024/09/23(月) 20:24:16 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

映る部隊を示す光点や防衛ライン示す線は時折、赤くアラートの表示に変わる。
一部部隊や戦線が危機的状況にあるのだ。
多すぎ一向に減る気配のない土蜘蛛に疲労からのミスや初の実戦による誤射、誤爆による士気の低下、
激戦区の自衛隊がいる場所を目指した避難民が入り込み戦線が崩壊しかけるケースも散見された。
援軍の艦娘と銀河連合日本やゲートイゼイラのロボットスーツ部隊の増援や電達が遊撃行いつつ高火力や指揮技能・カリスマ持ちサーヴァントを召喚、放り込むことで戦線を立て直しどうにか補っていた。
グレイファントムも元ネタそのまま配置された連装粒子ブラスターや1m超えの斥力砲で対地支援砲撃に参加している。
そしてブリッジの響く声でセンサー員が叫ぶ。


「艦長!銀河連合日本の部隊戦闘中のエリアに複数の生体反応検知、生存者です…これは…子供です!」


その激戦区にテレビの情報から入ってしまった民間人だ。


自身より更に小さな妹を抱え瓦礫の山の中に息を潜め蹲る少女の頭上を機関砲の弾群の曳光が走ると数百メートル先のお化けの様な大きなクモが咥えていた民間人だったものごと体液を撒き散らし絶命、その後を轟音と共に緑色のズイウーン改二が過ぎ去る。
続き前面ガラス張りのキャノピーを持つどう見てもR型な航宙戦闘機が腹に抱えた大口径の多銃身粒子ガトリング砲より粒子弾をバラ撒くと面白い様に土蜘蛛の群れがが建物ごと豆腐の様に引き裂かれる。

そして少女の居る瓦礫のすぐ脇をグライドホイールで走行する頭部に三連センサーターレットを搭載したコマンドトルーパーの部隊が土蜘蛛の群れ目掛けアサルトライフルを射撃しながら引き撃ちを行い、
群れが減った所を空中より降下したどう見ても戦術機陣風が背部含め四基の突撃銃で掃討、その砲弾の薬莢が少女の直ぐ側に落下してくる。
市街地外の野戦では隊列を組んだゲートイゼイラのシルヴェルや歩行形態のヴァズラー、16式機動戦車が粒子ブラスターや実弾兵器による砲撃をしその爆発の合間を潜り抜け騎兵部隊が突撃を行う。
高高度には衛星軌道上から降りてきた航宙艦仕様の艦娘に率いられた海洋生物型艦艇群が対地砲撃をし土蜘蛛の大群を消滅させてはいるが流石に市街地更地にするような攻撃は市民が生体反応から残っているのが分かっているので流石に出来ないでいる。

さてこの少女、自衛隊のいる激戦区にやってきた一人だ。
普段より家にいない両親は今日も居らず普段から親に代わり面倒を見る幼い妹と共に昼寝をしている所に鳴り出したサイレン。
何も分からぬまま外をみれば恐ろしい容貌をした巨大なクモの怪獣で溢れそれを見て泣き出す妹。
泣きたいのは少女も同じだったがお姉ちゃんだからとぐっと堪え両親のスマホに電話するがいくら掛けても繋がらずまた泣きたくなった。
こういう時にはまず情報からだとテレビを付ければ自衛隊が日本国内で戦闘を始めたとの報道。
自衛隊がどこそこで戦闘を行っていると、どの様な破壊を行っているかと報道を見た少女は自衛隊がいる所ならば安全という一般的日本人が持つ思考から弟妹を連れ最前線に向かってしまった。
それは少女だけではない少なくない市民もまたテレビをやラジオの情報から最前線に向かった。
戦闘していると分かっているのにだ。
元来軍隊が活動している場所は危険地帯だ。それは戦闘が行われる緊急時ならば尚更。
しかし今までの災害などの経験則から来る自衛隊がいる所ならば大丈夫という日本という国の常識的認識を是正しなかったこと、
そして本来避難方法などを伝えるべきマスメディアが仕事を怠った故の悲劇だった。

引き撃ちしながら下がる銀河連合日本の部隊と共に砲声が遠ざかる。
そして十分に遠くなった所で少女が状況確認の為に瓦礫の隙間から外を覗いて見ると…巨大なクモと目が合った。
へたり込む少女、その股間は濡れ始めチョロチョロと流れ始める。
クモ…土蜘蛛はその巨大な口を開き、迫る巨大な口は奈落の底の様に暗い。
大きな口を開き迫る土蜘蛛の牙が少女を貫こうとした瞬間、その牙はすんでの所で止められる。


「はいはい、そこまでだよ。土蜘蛛さんや。」

259635:2024/09/23(月) 20:25:41 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

たおやかな白い指が自身の腕よりも太い牙を軽々と止める。
その白い指の主は流れる長い白い髪とその頭部にヒトではない耳を生やした女。
女は牙を掴んだままその外見からは想像も出来ない怪力で土蜘蛛を牙を掴んだまま持ち上げるとそのまま回り始め、
そのままハンマー投げの様に土蜘蛛を放り投げる。

すると女の後ろより巨大な金属の肉食獣達が女の前に出るとそのまま土蜘蛛たちに襲い掛かりその爪と牙を以て土蜘蛛を血祭りに上げていく。
フンとその様を見ると女は少女に近づくと姉妹の体液や汚れで服が汚れるのも気にせず抱き上げる。


「良い子悪い子普通の子、纏めて子供の味方ゴルシ号ちゃんが助けにやってきたぜェ☆」


そう言うとニカっと笑う女…ゴールドシップ号の笑みと長年忘れていた人肌の温かさから気が緩んだ少女は安心して泣き出してしまった。
彼女らは剣林弾雨を掻い潜りその身体能力と権能を以て激戦区に取り残された或いは入ってしまった人々を救助している。
その姿はテレビには映らず某笑顔動画始め電子の海の配信にやはりマスメディアが頼りにならんともう一度集結したゲートイゼイラ人や日本人らが日本各地やネットでの広域情報配信に映る。
その姿を確認するや絶叫や発狂するするゲート日本やスールな大日本帝国の競馬関係者やファン。
脳をこんがりと焼いた競走馬達が戦場、それも魑魅魍魎跋扈する最前線に立てばそうもなろう。
脚が爪が牙が彼女らを掠める度に、誰かを庇い身体が穿たれる度に狂声が日本の冬空に響き渡る。

それでも彼女らは臆することなくその脚が衰えることなく、その豪脚を以て命を守る歩みを進める。
その姿の中には2020年…デアリングタクト号などこの年にまだ記憶に新しい馬達の姿もある…。
サクラローレル号、シンボリクリスエス号やスイープトウショウ号など今年虹の橋を渡った馬達の姿もある。
この年、未だ存命のウィニングチケット号がナリタタイシン号、ビワハヤヒデ号と共に子供を抱え疾走する姿など90年代の競馬ファンの目が熱くなる。
セイウンスカイ号と共に行動するニシノフラワー号とか一部に刺さる光景もあったが。

そしてサイレンススズカ号が、アストンマーチャン号が、ケイエスミラクル号が戦場を駆け抜け罪なく失われかけた命を救い上げる、老人も若い夫婦も幼子も等しく。
ライスシャワー…祝福の名を与えられた黒き馬は電らと合流し暁…日の昇る空の名を持つ艦娘を背に乗せ戦場を駆けていた。
バトンを繋いだ、繋ぐ命達をバトンを繋げなかった彼女らが…命を繋げていく。
その姿をゴーストウィニング号と飯崎も見ておりその状況も超大陸世界にも配信されている。


『ねえ主さん。』

『なぁに?』

『出来れば自分もみんなと一緒にあそこに居たかったです。』


画面を見るゴースト号の表情は映ってはいない。
同じく命繋ぐことなく虹の橋を渡った彼女らが自分と違い彼女らが現在命を繋ぐ立場にあることに思うところがあるのか…それとも単に彼女らと共に居たいのか…責任感か…。
その言葉を聞いて超大陸のウマ娘らやゴーストウィニング号陣営の者らは顔を曇らせる。
彼女らはゴースト号が電の判断で飯崎と共に比較的安全な前線指揮所に留め置くという処置がなされたことでゴースト号が危険に晒されることはないと安堵してしまったことに自己嫌悪に陥った。
知人である筈の電やテイオー号らが未だに戦火の中を駆けずり回っているというのに。
その間もゴールドシップ号の映像は流れ続ける。


「どうしてココ(激戦区)に入ったんだ?」

「グスッ…テレビで、ここに自衛隊の人が居るって言ってたから…。」


その言葉に舌を打ち空を見上げるゴールドシップ号の瞳には目障りなマスコミの報道ヘリの姿が目に入る。
今も目に入る悲劇をゲート日本政府や自衛隊の責任としてそれは賑やかなに報道し、肝心の情報は流さずに被害を無邪気に拡大させているのだろう。
ゴールドシップ号はそのまま奈良市の臨時司令部に通信を繋ぎ事のあらましを告げると対処の返答があり通信を切った。
通信に出た深海棲艦の後ろでは県警や消防、県の防災担当のお偉いさん方がエラいキレている。
恐らくは公務執行妨害の現行犯でヘリを拘束するだろう、機動兵器を飛ばすという話も出ていた。
突如として地面が大きく震え始めると姉妹はゴールドシップ号に強く抱き着つくが蹌踉めくことはないゴールドシップ号。

260635:2024/09/23(月) 20:26:24 HOST:119-171-250-58.rev.home.ne.jp

手元のPVMCGに目をやりその振動の発生源を特定し視線を向ければ淨眼である彼女の目にマグマの様に湧き出る物理的な圧力すら感じる瘴気が映る。
地の底から登ってくる。
殺された古代のまつろわぬ民の残滓…世を呪う呪詛を取り込み日ノ本の大龍脈まで犯した日本を呪う加藤と自称する狂人。
だがその呪詛は千の歳月を超え最早それは腐り果てていた。
ただひたすらに醜い、そう表現するしかない他の個体よりも遥かに巨大な腐り果てた大土蜘蛛が瓦礫を噴出させながら出現した。
それを見たとあるテレビ局でコメンテーターとして呼ばれた憲法学者という肩書の運動家…法であるべき日本国憲法を俗の新興宗教に貶めたことに気付かぬ人間の一人は狂喜する。

そうして同時刻、異界たる京の都の結界の外側。
船岡山北西山麓より糸屋川に至るかつて蓮台野と呼ばれた地の一部が地響きと土煙を立て何かが現れる。
同じ土蜘蛛の名の縁により目覚めたたかかつて時の源氏の大将に討たれた京の都の土蜘蛛。
同じまつろわぬ名でだが全くの別物。
野辺の地…風葬により死体が打ち捨てられた蓮台野に生じ同じ名で括られた当地の亡霊の集合体の様な化生、祀って貰えぬまつろわぬもの。

斯様な存在を自分らの思想に傾倒せぬ存在を害するならばそれは九条の神と認識、あれらこそが日本を守る九条の神であると全国に向けて発信してしまった。
人と相いれぬ存在だというのに。

少女姉妹は土蜘蛛の発するその圧に顔を青くするがその圧も直ぐに霧散する。
気づけば淡い光に包まれたいたその発生元はゴールドシップ号、彼女の持つ加護が障壁となっていた。
そうして落ち着いた少女がつぶやく。


「あ、ヘリコプターが…。」

「自業自得だけど…運が悪いってレベルじゃねえぞ…アレ…。ティアマトの母ちゃんの呪いが原因か?」


少女のその言葉にゴールドシップ号が空を見上げれば土蜘蛛が出現時に噴出したと思しき瓦礫が飛んでいた報道ヘリ全てを巻き込んで叩き落としていた。

261モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:55:44 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
Strong Style世界——石見型標準型戦艦——

基準排水量:1万6000トン
満載排水量:2万5000トン(モジュール装甲装着時)
全長:195m
全幅:28.5m
最高速力:30ノット(公称)
機関:統合電気推進(70メガワット級発電機4基)
航続力:8000海里/20ノット
兵装:50口径35.6㎝連装磁気火薬複合加速方式両用砲 3基
   65口径12.7㎝単装磁気火薬複合加速方式両用砲 6基
   70口径57㎜単装磁気火薬複合加速方式速射砲  4基
   80口径25mm多銃身自動機銃          8基
   誘導弾垂直発射装置              96セル
   二十連装艦対空誘導弾発射機          4基
   三連装短魚雷発射管              3基
装甲:14インチ通常弾対応防御(船体全周)
   14インチ磁気火薬複合加速砲弾対応防御(モジュール式装甲装着時)
乗員:250名
同型艦:石見 壱岐 丹後 肥前 相模 周防(第一期シリーズ)

1.概要
石見型標準型戦艦は、大陸連合に占領された列島日本で生まれた新生海軍で運用される戦艦である。
『標準型』という名の通り、新生海軍の基幹となることを期待された艦であり、戦艦としては珍しく量産性が重視された設計である。
コンセプトは「空母とイージス艦の役割を1隻で代替する」であり、それを実現可能な打撃力と防空能力(大陸間弾道弾対応能力も含む)を誇る。

2.計画
列島日本の再軍備計画がス開始され、旧海上自衛隊も新生海軍として再出発することとなった。
当初の計画では10万トン級大型正規空母を主軸とした戦力を整備する予定であったが、その計画は大きな障害にぶつかる事になる。

——人員不足である。

これは陸海空全ての旧自衛隊にあてはまる問題であったが、海上自衛隊ではそれが顕著であり、「もはや観艦式も開けない」と言われるほどの惨状であった。
“帰港した艦から人員を抽出し出港する艦に乗せた”という話を聞いた大陸連合の関係者は
「何で平時なのに末期戦じみた運用してるんだ?」と言葉を失ったという。
さらに言うなら、この問題は新生海軍になったとしても改善するどころか悪化することが予想された。
旧自衛隊解体時、その隊員たちは全員解雇されたことは以前述べた。
「希望者は新生国軍に優先的に入隊できる」としたが、逆に言えば希望しない者は帰って来ないのである。
故郷を襲った侵略者の手先になどなりたくない、と思う者がいるのも当然である。
また、仮に希望したとしても入隊時の思想検査で失格するものも多いと予想された。
もっと言うなら占領時の戦闘で「戦死」した隊員も無視できる数ではないのである。
大陸連合では戻って来る人員を楽観的に見積もって旧海上自衛隊の7割、最悪の場合5割を下回ると推測した。
これでは乗組員が数千人単位で必要な大型空母など運用できるはずもない。
初期段階で躓いた再軍備計画に頭を抱えた大陸連合であったが、とある世界線の出身者から対案がもたらされた。

——戦艦の建造である

空母艦載機の航続距離と同等の射程を持つ主砲を搭載した戦艦ならば、空母の代替なり得るというのである。
また、弾道弾迎撃能力を付与すれば更なる戦力の効率化も達成できると主張した。
そして提案するのみならず、彼らはその戦艦の概略図まで用意していた。
彼らの世界の新世代戦艦——敷島型という——を小型化した輸出用戦艦案——伊予型となる予定であった——をたたき台としたその設計は列島日本でも十分に建造可能であった。
彼らはこの戦艦を「量産」し、新生海軍の主力艦にすべしと主張したのである。
大陸連合としては彼らの世界では有効な策であるという“実績”と他に対案も無いという現状を鑑みてこの戦艦建造案を採択した。

262モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:56:56 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
3.設計
3.1.船体規模
船体規模については、全長200m以下、全幅30m以下と定められた。
これは、列島日本において『量産』できる最大限の数値であると予測されたからである。
また基準排水量もここから逆算され1万5000トン前後が適切とされた。

3.2.全般配置
艦首から順に第一主砲塔、第二主砲塔。電探檣を兼ねる第一(前部)艦橋構造物。
煙突、第二(後部)艦橋構造物、第三主砲塔、最後に航空甲板の順で配置する形となった。
主砲を除く小中口径砲の熕兵装群は、第一艦橋から第二艦橋までを取り巻くように設けられている。
   
3.3.上部構造物
艦上構造物、また砲熕兵装群はいずれも可能な限り電探反射断面積の低減を図る設計が成されている。
これによる副次効果として、視覚的な印象も重厚さを備えつつもすっきりとしたものになった。

3.4.装甲
戦艦を戦艦たらしめる最も重要な要素は「防御力」である。
自らの剣に耐えられる甲冑を纏って、初めてその艨艟は『戦艦』を名乗れるのである。
よって石見型でも装甲関連は特に力が入れられている。

3.3.1船体装甲
船体装甲は複合装甲となっており、その主構造材はメラニンを主成分とした重合体(ポリマー)である。
これは従来の鎖状に形成される重合体とは異なり、これまで作ることが不可能だとされてきたシート状に広がりをもって自己形成していく重合体である。
最適な条件下では、これは平面的に大きくなり円盤状となる。これらは互いに重なりあい、各層は水素結合で結合する。
この構造は非常に安定しており強力である。
具体的な数値を挙げると、変形のしにくさを示す弾性率は一般的な防弾ガラスの4倍から6倍である。
また密度は鋼の約1/6しかないが、降服強さは鋼の2倍を超える。
即ち、装甲板として使用すれば鋼と比較して半分の厚さで同じ強度を持ち、同じ厚さならば重量を1/6まで軽減できる。
(耐久力あたりの重量は1/12となる)
さらに、この素材は溶液中で自己形成するので原料を培養装置に加えるだけで安価にかつ大量に生産できる。
また、気体や液体をほぼ完璧に遮蔽するという特性も持っているため、自動車の部品や携帯電話など向けの軽量で耐久性のあるコーティングや、橋やその他の構造物の建材などの使用に適しているが、装甲としても有用である。
石見型はこの重合体と発泡金属を組み合わせた複合装甲を採用しており、舷側には一律に厚さ170㎜(重合体150㎜+発泡金属20㎜)の装甲帯が配置されている。
これは従来装甲の340㎜に匹敵し、約500m/sで突入してくる自艦の主砲弾に耐えられる強度を有する。
また、米国のハープーンやフランスのエグゾゼなどの亜音速対艦ミサイルはもちろん、中国やロシアの超音速ミサイルの直撃にも対応できる。
(ただし、超音速ミサイルは弾頭が榴弾の場合を想定している)
これほどの厚さがあっても、重量は従来装甲の45㎜分しかないため船体全周を覆うことも可能となった。
当然、甲板装甲も同じ構成でありこちらは厚さ125㎜(重合体105㎜+発泡金属20mm)である。
設計の担当者は

「エラン・ヴィタールにできることはなぁ…大和魂にだって出来るんだよぉ!!!!」

と意味不明な叫びを発し周囲を困惑させたという。
(その後とある同僚から「これ飲んで寝ろ」とウォッカを渡されたという)

ただしこの装甲材にも欠点がある。
これは重合体全てに言える欠点であるが「熱に弱い」のである。
今回使用する素材に関して言えば、500℃前後で急速に劣化すると試算されている。
つまり、一撃を食らえばその部分の装甲は機能を停止してしまう。
これへの対策として、装甲材をブロック状に分割し「スターライト樹脂」で被覆している。
この措置により劣化は被弾したブロックのみで収まり周囲のブロックには影響を及ぼさない。
そして被弾した区画は帰港後ブロックごと交換することにより、修復に必要な時間を軽減する効果もある。

3.3.2.追加装甲
船体装甲の項目で「自らの砲弾に耐えられる」と述べたが、それはあくまで純火薬式発砲の場合である。
磁気火薬併用発砲の場合は障子紙のように貫かれるであろう。
それでは『戦艦』の名折れであるため、磁気火薬併用発砲時の砲弾にも耐えられるように追加装甲も設計された。
これは船体装甲と同じ構成であるが、厚さは1500㎜となっている。
もはや冗談のような厚さであるが、重量は従来装甲換算で250㎜分となるので対応可能である。
この追加装甲のみで約3000m/sで着弾する自艦の徹甲弾に抗堪できる。
この追加装甲は流石に全周に配置するのは困難であるため、重要防御区画にのみ集中配置される。

263モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:58:39 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4.兵装
4.1.1.主砲
主砲として、50口径35.6㎝連装磁気火薬複合加速方式両用砲を採用している。
これも伊予型戦艦用に設計されたものを流用している。
されど設計段階では30.5cm3連装砲の方がよいのではないか?という意見もあり“大艦巨砲性の違い”により検討会議において幾度も親“撲”会が開かれた。
最終的には、列島世界でも1万トン級の大型艦が今後主力となることが予想される事から、そのクラスの艦を一撃で撃破するにはやはり35.6㎝砲が的確だと判定された。
この砲は名前が示す通り、従来の装薬による一次加速を用いた発砲に加えて、電磁気による二次加速を併用することで、従来艦砲を遥かに上回る高初速を得る方式である。
装薬にはヘキサニトロヘキサアザイソウルチタン(英:HNIW)を採用している。
これはTNTの2倍以上の威力を持つ爆薬であるが、大陸連合からすれば「枯れた技術」であり、列島世界でも既に実用化されていたものであるので採用に対する障害は無かった。
これを用いた純火薬発砲のみでも砲口初速約1,000m/sという大口径砲としては高い初速を発揮し、射程は60㎞を越える。
そして磁気火薬併用発砲の際の初速は標準電圧時で4000m/sに達する。
これは「想定砲戦距離800km」を達成するために求められた数値である。
この数値の根拠は、「空母との戦闘でアウトレンジ攻撃を仕掛け得る能力」である。
列島世界の空母艦載機の戦闘行動半径は500㎞と推測され、そこから発射される空対艦兵装の射程が150㎞前後と予測されるため、射程800㎞を達成できれば敵空母を一方的に打撃できるという訳である。
「空母の役割を肩代わりする」というのが石見型の設計思想であるため、空母と同等以上の戦術能力は必須なのである。
なお射程800㎞は「標準状態」の数値であるため、過負荷状態での射程はこれを越えるのであるが、具体的な数値は機密となっている。
この他の構造的な特徴も伊予型——その源流をたどれば敷島型——を踏襲している。
整備性向上を目的として砲身は内外筒の二重構造が採用され、砲身内部は施条が廃止され滑腔砲形式なった。
しかし、伊予型から進歩した面も存在する。それは反動軽減措置である。
これは石見型の排水量が少なすぎるため、船体だけで主砲の反動を吸収するのは困難であるからである。
砲口には砲口制退器(英:Compensator)と電狐による砲身の摩耗腐食を低減させる砲口電狐防止器を兼用する多機能砲口制御器を有しているのは変化ない。
それに加えて砲尾の駐退機構が強化されており、この機構のみで反動の60%を吸収できる。
また、磁気火薬併用発砲の際は電流を一律に流すのではなくパルス状に流し反動そのものも低減させている。
これらの措置により、主砲全基6門を斉射した場合でも安定性を損なわずに済むようになった。
その他の外見的特徴としては、砲身は電探反射断面積の低減を目的とした菱形の覆いに包まれている。
 砲弾についても既存品の設計を流用しており目新しい点は無い。
主な砲弾は被帽付徹甲弾、同榴弾、対空用の曳火霰弾、対地用の地中貫通砲弾などである。
いずれも誘導機構と展開式前部安定翼が備わった仮帽が取り付けられており、砲弾後部に設けられた展開式後部操舵翼と合わせて、滑腔砲化に伴う飛翔中の安定性を保つようになっている。
徹甲弾に関して言えば、敷島型の大質量徹甲弾から通常弾(重量約675㎏)に変更されておりむしろ退化している。
これに関しては、大質量弾頭が必要な目標が列島世界には存在していないので、扱いやすさを重視したからである。
これらの砲弾の炸薬にも上記のHNIWが採用されている。
なお、これら以外にも特殊な砲弾を装備しているとの説はある(例:核砲弾)が、大陸連合は沈黙したままである。

264モントゴメリー:2024/10/06(日) 14:59:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4.1.2.主砲塔
砲塔は連装形式を採用し、3基が搭載されている。
設計時には3連装砲塔を採用して更なる重量軽減を目指すべき、という意見ももちろん上がっていた。
しかし、3連装は構造が複雑化して扱う難易度も比例して高くなる。
大陸連合自身が運用するならば無視できるハードルであるが、大型砲戦艦艇の運用ノウハウを喪失している列島日本にとってそれは高すぎた。
また、3連装2基では同時に2目標しか狙えないが連装3基ならば3目標まで射撃できる。
“分火”は本来艦砲射撃では避けるべき運用であるが、対地砲撃などで多用すると予測されたため今回はこちらが採用された。
構造については自動化が推進され、またこちらでも新素材の採用が進められたため大幅な軽量化が達成された。
具体的に言えば1基あたり約300トンと、WW2時代の半分以下にまで低減されている。
無論弊害もあり、砲塔内部は完全に無人化され中央指揮所からの遠隔操作のみで操作される。
これは継戦能力の点から言えば不安要素でしかなく、大陸連合内部からも異論が噴出した。
しかし、元々『人員不足を補う』ために設計されたのが石見型であるので、削れるところは徹底的に削らなければならなかったのである。
装填速度は完全自動化の恩恵もあり、最大で10発/分となっている。

4.2.両用砲
船体規模の観点より『副砲』となる中口径砲の搭載は見送られた。
それを補うため、両用砲として65口径12.7㎝磁気火薬複合加速方式両用砲を単装砲形式で6基6門搭載している。
磁気火薬複合式になった点では伊予型はもちろん、敷島型をも凌駕している。
これは主に弾道弾迎撃を想定した装備である。
そのため最大仰角は85度とほぼ垂直であり、最大初速は8000m/sと第一宇宙速度を超えている。
発射速度は最大45発/分であるが、最大電圧で射撃する場合は3発/分まで低下する。
また通常戦闘においても威力を発揮し、純火薬発砲でも対水上及び対地砲戦時40km、対空砲戦時18kmの射程を誇る。
砲塔も電探反射断面積の低減を図った多面構造形状である。

4.3.機関砲及び機関銃
接近する敵小型艦艇及び魚雷の迎撃を企図し70口径57㎜磁気火薬複合加速方式速射砲を単装4基4門搭載している。
こちらも敷島型に搭載されていたものを磁気火薬複合式に更新したものである。
発射速度は300発/分と据置きであるが、最大初速は3500m/sまで向上している。
弾頭は通常弾の他に水雷阻止射撃用の超貫通体弾も備えている。
対空近接防護用として80口径25mm多銃身自動機銃を8基搭載している。
給弾系統は単一で装弾筒付焼夷徹甲榴弾を用いており、有効射程は約3500mである。
そして固有の捜索追尾電探と予備蓄電器を持つことから抗堪性に優れ、最大5,000発/分という圧倒的な発射速度により高度な迎撃能力を有している。
(尚、両者共に対空・対水上目標への射撃も可能である)

4.4.誘導弾発射機
誘導弾垂直発射装置を第一主砲塔の前方に8×4配列型を1基、第二艦橋と第三主砲塔の間、その両舷にも8×4配列型を1基ずつ艦全体で合わせて96セルを搭載している。
垂直発射装置には艦対空、艦対艦、艦対潜、艦対地等の各種誘導弾を選択して装填可能であるが、平時は主に艦対空、艦対潜誘導弾が装填されている。
これは艦対艦、艦対地攻撃は主砲を用いれば良いという判断である。
(若干数の超長距離巡航誘導弾は搭載してある)
また、防護力を確保するためにこれら垂直発射装置群は側面防護装甲、底面防護装甲で逆台形状に装甲化された上、破裂板を兼ねる天蓋弾片防護装甲で覆われ、万一誘爆が生じても爆圧を上方に逃がして艦体への損害を抑える試みが取られている。
これも敷島型から採用され続けている構造であり、新世代の『戦艦』の標準構造である。
これ以外にも、対空近接防護を目的に二十連装艦対空誘導弾発射機を艦の四方に合計4基備えている。
同誘導弾は高い機動性と撃ち放し能力を持ち、有効射程は20km、飛翔速度はマッハ7に達する。

265モントゴメリー:2024/10/06(日) 15:00:30 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
4.5.光学兵装
対空近接防護用として、戦術収束光線(レーザー)照射装置を各部に合わせて6基搭載する。
これも敷島型に搭載されていたものの改良版であり、威力をそのままに高効率化されている。
基準となる出力は大きく分けて2つ。
対艦誘導弾迎撃用の200kW級照射と、弾道弾迎撃用の1MW級照射である。
なお有効射程は6kmとされているが、他の兵器同様に公称値であり実態は判然としない。

4.6.水雷兵装
三連装短魚雷発射管を片舷に1基ずつ、さらに艦後尾に1基の合わせて3基搭載している。
この短魚雷発射管は対潜用であるが、水雷迎撃用途にも用いられ、複数の超貫通体子弾が充填された水中炸裂弾頭を持つ噴進短魚雷も用意されている。

5.航空艤装
本型は艦尾付近に航空甲板と電磁式射出機2基が設けられ、その下部に艦内格納庫が設けられている。
艦載機として哨戒旋翼機"撫子"1機と無人戦域観測機"紫雲"3機が常備されている。
(いずれも敷島型から引き継いでいるため、詳細はそちらに譲る)
艦載機は第一期シリーズ就役艦では暫定的に大陸連合からの購入で賄ったが、第二期以降は列島日本でライセンス生産する予定である。

6.機関
機関にはガスタービンを用いた統合電気推進が採用されている。
この部門で特記すべき事項はMHD発電機の採用である。
液体金属を用いたクローズドサイクル方式と新開発の「超電導コイル」を組み合わせたその発電効率は理論上70%を超える。
一つの発電ユニットが発揮する発電量は約70メガワット。これは米海軍のズムウォルト級1隻の総発電量に匹敵し、本型はこのユニットを4基搭載している。
これらによって生み出された電力は推進力に使われるのみならず、蓄電池に備蓄され戦闘時に使用される。
また、それでも不足する場合に備え、小型発電機が船内各所に配置されている。

7.航行性能
航続距離は20ノットで8000海里を確保している。
新生海軍の主任務は列島の防衛、大陸連合的には『ゲート』の守備であるためこの程度で十分とされた。
なお、これは戦闘時に消費する電力を確保した前提の数字なので、平時にはより延伸される。
最高速力は30ノットとされているが、詳細は機密事項となっている。

8.電子装備
電探などの電子装備に関しては、「列島日本でも扱える範囲でも最高峰」が選択された。
具体的には『まや型』イージス艦に準じた性能を確保している。


9.居住性
船体規模に比して乗員数が少なくなっているため、1名当たりの部屋面積は海上自衛隊時代のどの艦艇と比べても勝っている。
また、豊富な電力を利用した造水施設や冷蔵庫を活用し、食事や入浴と言った面でもより快適となっている。

10.運用
本型は既にあった設計を流用した恩恵により早期に設計が完了し、建造が開始された。
まず第一期シリーズとして6隻が大陸連合主導により完成し、順次艦隊に配属された。
運用として2隻で1個戦隊を編成し、3個戦隊で現場・整備・休息及び訓練のローテーションを取る。
しかし「標準型」と名付けられたように、大陸連合としては6隻で済ますつもりは毛頭なかった。
第一期が就役してすぐに第二期シリーズ6隻の建造が開始されたのがその証左である。
(尚、第二期からは列島日本側が独力での建造を求められている)
大陸連合としては第三期も6隻を建造し総勢18隻、それが困難ならば最低でも16隻体制を構築したいと考えている。
余談であるが、第一期シリーズの6隻に付けられた艦名は、日露戦争時に鹵獲されたロシア帝国戦艦に付けられた名前を踏襲している。
これはロシアへの直接的なメッセージであり、“北方領土を返還しないならば、どうなるかわかっているな?”という圧力である。

266名無しさん:2024/10/14(月) 15:02:29 HOST:KD106154140078.au-net.ne.jp
テスト

267モントゴメリー:2024/10/14(月) 17:27:10 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
使うのでageます

268モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:20:46 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
リシュリュー級(陣龍氏支援 建造当初)

全長:275m
全幅:36.6m
基準排水量:約6万トン
最高速力:32ノット
機関出力:24万馬力(公称)
航続距離:16ノットで1万浬
乗員 約2,300名
装甲:舷側370㎜(15度傾斜)
   甲板180㎜
武装:50口径41㎝4連装砲3基
52口径15.2㎝3連装2基
65口径10.5㎝連装高角砲12基
37mm連装機銃14基
25mm単装機銃30挺
水上機:4機(常用)

同型艦:「リシュリュー」「ジャン・バール」「ダンケルク」「バレンシア」「バスク」「カタルーニャ」
準同型艦:「シャルンホルスト」「グラウゼナウ」「リットリオ」「ローマ」

1. 概要
フランス帝国が建造した最後にして最強の戦艦である。
WW2開戦前は4連装3基という他に類のない特徴的な主砲配置から、そして戦後は1番艦リシュリューが挙げた空前絶後の戦果から各国の注目の的となりフランス国民からは信仰に近い感情を向けられるまでになった“海の女王”たちである。

2. 背景
第一次大戦が終結した時、フランス海軍は控えめに言っても半壊状態であった。
世界最大と呼ばれる英国海軍に対し、終始防勢でありながらも正面から殴り合ったのであるから当然といえば当然である。
そして、海軍の再編成は思うようには進まなかった。
これもやはり当然の帰結として、戦争の終結により民生部門の復興に予算が優先されたがためである。
結果、フランス海軍は戦艦の新造を諦め、巡洋艦以下軽快艦艇の整備に注力せざるを得ない状況が10年ほど続いた。
しかし、歩みを止める訳には行かない。
フェルディナン・フォッシュ元帥が言った「第一次大戦の終わりは高々20年ほどの休戦に過ぎない」という言葉はフランスの政府及び軍上層部の共通見解となっており
事実、大英帝国ではリターン・マッチを望む声が民衆の間で湧き起こり、政府も軍備拡張を止める気配はなかった。
第一次大戦では本格参戦しなかった日本やイタリアが世界平和に向けた軍縮会議の開催を提案したが、英国はそれを拒絶している。
この状況にフランスも腹をくくり、海軍の一大再建案を開始することになる。

269モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:21:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
3. 戦略案
再建案の柱となったのは戦艦の新造計画である。
フランスは、次の戦争も戦艦を主軸として戦う事を決断したのである。
同盟国である日本からは空母を主力とした航空兵力を主力とした戦略案が提案され、日本海軍もそちらに移行しつつあったが、フランスは熟慮の末に航空主兵主義を捨てた。
確かに航空機の発展は日進月歩であり、空母の価値は年々増大している。
しかし、航空機を主力兵器とすることは、それ即ち国力が直接反映される戦いとなるのである。
新大陸の北半分を独占する大英帝国の工業力は強大であり、航空機生産競争となったら勝ち目は薄い。
更に言えば、航空主兵主義はパイロットになり得る人口も大きなファクターとなる。
先の大戦で痛手を受けたフランス帝国は人口面でも大英帝国に不利であった。
単独で4億の人口を有し、工業力もそれに比例している日本ならば正面から航空主兵主義で対抗できるかもしれないが、欧州にはもはやそのような余裕はないのである。
一部から日本と共同戦線を張れば問題ないとする声も上がったが、初めから他国を当てにした国家戦略など意味は無いのである。
それに対して戦艦を主力とした場合、生産力の差は航空機ほどには現れず、必要人員についても空母よりマシであった。
ここにフランス海軍の方針は決した。
空母の整備も進めるが、主任務は味方艦隊の防空であり攻撃の主役は戦艦以下水上打撃部隊が務めるという“制空権下での艦隊決戦”である。

4. 欧州標準型戦艦計画
海軍の戦略が戦艦を基幹としたものに決したのと同時期、政治面でも特記すべき事が定められた。
フランスのみならず、長年の宿敵でありながら同盟国であるドイツ帝国と、地中海の覇者を自称しているイタリア王国も大英帝国との正面対決を選択したのである。
これは、西欧3ヵ国が団結しなければ大英帝国には勝てないという危機感を共有したが故の快挙である。
この同盟をフランス人は“現代に蘇ったフランク王国”と称賛したが、某統領が「何でや!この面子なら“現代の西ローマ帝国”やろが!?」と猛反発して正式名称とはならなかった。
とにかく、次の戦争はこの三国同盟に極東の巨竜こと日本を加えた「枢軸陣営」と大英帝国とソ連を中核とする「連合陣営」の対決となった。
そして枢軸陣営で推進されたのが兵器の共通規格化である。
しかし、同じ枢軸陣営と言っても欧州と日本の距離は遠すぎたため、実質的に“欧州規格”と“日本規格”の2系統並立状態となる。
(それでも航空機、特に空母艦載機に関しては多くが日本製のライセンス生産となった)
そしてこの共通規格化の中で最大となったのが『欧州標準型戦艦』である。
航空機生産競争には乗らないと先述したが、そうであるからこそ戦艦に関しては建造競争に真正面から対抗しなければならない。
しかし、航空機よりマシとは言え、こちらの分野でも国力の差は如実に表れる。
その“差”を少しでも埋めるためには、西欧3ヵ国の国力を可能な限り効率的に活用する以外に活路は無かった。
こうした背景の下で、欧州標準型戦艦計画は始動し、コンペティションの結果フランス帝国が設計したリシュリュー級が採用された。
リシュリュー級が6隻、準同型艦を含めると10隻も“量産”されたのはこの計画の恩恵である。
なお、“標準型”とは言いながら各国の事情を反映した改設計はある程度容認されていたため、3ヵ国の特色を持つ個性豊かな淑女たちが生まれている。
更に、「フランスの風下に立つのは嫌だ!奴らよりスゴイ戦艦が欲しい!?」と叫んだ軍艦大好き皇帝と、大きいもの大好きなちょび髭宰相閣下の決断によりドイツ帝国独自設計の『ビスマルク』級が
「百歩譲ってガリア共に従うのはエエ、しかし、フン族にまで負けるのは我慢ならん!!浪速(ローマ)の漢(おとこ)の意地見せたるで!?」と奮起した統領閣下の激の下イタリア王国では『コンテ・ディ・カブール』級が建造されることになる。
この光景を見た日本海軍関係者は「標準型戦艦策定した時の連帯感はどこ行った?」と呆れたと伝えるが、両級共にリシュリューに負けず劣らず大活躍したため戦後には「英断」とされた。
(更に言えば、独伊共に最低限の理性は残っていたため各種構成要素は可能な限りリシュリュー級のものを流用している)

270モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:22:50 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
5. 設計
5.1. 船体全景
リシュリュー級戦艦の艦首はシアーとフレアが付いたクリッパー型の優美な姿であり、少し進むと波除けが配置されている。
波除けの直後には1番主砲塔があり、その後方に一定の間隔を開けて2番主砲塔が鎮座している。
その後方には1番副砲塔が配置されており、そこから艦中央部には艦橋が置かれている。
艦底部に設置されたビルジキールの先端は2番砲塔の下にあり、そこから後部艦橋直下まで続いている。
また、艦首部の錨鎖庫の後方にワイン専用倉庫というフランス艦らしい区画も存在する。
後部艦橋は煙突と一体化したMACK型となっており、後部射撃指揮所もここに位置する。
これら艦橋を囲む様に、高角砲塔群が配置される。
そこから艦尾へ進むと2番副砲塔があり、その先に3番主砲塔が存在する。
最後にカタパルト2基と飛行甲板という配置である。
また、全体を通して生産性向上のための工夫が見て取れる。
例えば高角砲や機銃のスポンソンは従来の円形から直線を組み合わせた多角形型に変更されている。
また船体そのものも、性能に悪影響を与えない範囲であるが極力直線化がなされている。
このような措置は駆逐艦などにはよく見られるが、戦艦ではリシュリュー級以外にはほとんど見られない。
欧州標準型戦艦として量産が前提だったリシュリュー級の特色と言える。

5.2. 船体規模
欧州標準型戦艦計画が策定された際、決定された要目は以下の通りである。

・基準排水量6万トン前後
・主砲は41㎝砲9門から12門
・最高速力30ノット以上

生半可な航空攻撃など跳ね返すほどの基礎体力は必要であるが、“量産”を前提とするならば野放図に巨大化させる訳には行かない。
その相反する2つの要素を可能な限り両立した結果の船体規模が基準排水量6万トン前後である。
主砲に関しては、情報部から大英帝国の新造戦艦が16インチ砲9門前後という報告がもたらされたため、それに優越する性能が求められたが故である。
なお、主砲に関しては日本より技術協力として45口径46㎝砲の設計図を提供可能であるという提案がなされた。
戦艦が『最終兵器』と信仰されたいたこの時代に、フランスがこの申し入れにどれだけ衝撃を受けたかは後世の人間には想像し難いかもしれない。
しかし日本側からしたら、既に主力は空母機動部隊への転換を半ば終えている状態であったためそれほどの覚悟があった訳では無かった。
(さらに言うなら、既により大威力の51㎝砲の開発が試作段階まで進んでいた)
しかしフランス側は、この申し入れに関しても熟慮の上で謝絶している。
46㎝砲の威力は絶大である。それ自体は喉から手が出るほど欲しい。
しかし、事前検討の結果46㎝砲を導入すると費用が莫大なものとなり“量産”に支障が出るほどだという予測が導き出された。
何せ砲そのものの製造設備から用意しなければならないし、砲弾などの消耗品も同様である。
それに対して、41㎝砲は「ノルマンディー」級戦艦の近代化改修を目的に既に製造が開始されており、製造設備も消耗品もそのまま活用できる。
そして、決め手となったのが検討会議においてとある出席者が放った

「『宰相』閣下には、祖国が鍛え上げた剣こそが相応しい」

という言葉だった。
こうしてリシュリュー級の主砲は決定された。
そして、「フランスより大きい主砲を積め!!」という軍艦大好き皇帝の厳命の下「ビスマルク」級には43㎝砲8門が
「フン族共に負けてたまるかい!!イタリアはモノ作りの国やで!?」と咆哮した某統領の指導で「カブール」級には46㎝砲6門が搭載されることになる。
速力については、大西洋上での機動戦を考慮しつつ、艦隊決戦時には敵艦隊を優越できることを念頭に設定された。
即ちリシュリュー級は、決戦時の主力となる「戦艦」としても、空母や巡洋艦と共に行動する「巡洋戦艦」としても運用できる「高速戦艦」となるべく誕生したのである。

271モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:24:21 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
6. 兵装
6.1.主砲
主砲は、50口径41cm砲が搭載された。
本砲の砲弾重量は1112㎏で、初速は830m/sと英国海軍の50口径16インチ砲よりも1割以上高速である。
これにより射撃精度と射程が向上し、装甲貫通力も強化されている。
無論完全無欠ではなく、落下角度が浅くなることで遠距離射撃時の貫通力が低下してしまうという欠点が存在する。
しかしこれに関しては運用で十分補える範囲だとして特に問題視はされなかった。
フランス海軍はドクトリン的に近距離射撃を重視していたからであるが、それはそれとして向上した射撃精度を活用して距離3万m前後での砲撃戦の研究も盛んに行われた。
なお日本からは、全長を拡大した大質量砲弾の採用が勧められたが、やっぱりここでもフランスは謝絶している。
理由はフランス海軍が重視する近距離砲戦では逆に威力が下がることと、折角向上した射撃精度が低下してしまう点が嫌われたからである。
また、国産砲弾の時点で初期型の16インチ級砲弾よりも1割弱は重量を拡大させてあるのでこれ以上は過剰だとも判断されたのである。
なお、ここまで幾度も「近距離射撃を重視している」と述べたが、高初速の恩恵により最大射程は4万mの越え、大和型戦艦と比肩する能力を持っている。

6.1. 主砲塔
主砲塔は4連装方式とし、これを3基搭載している。
4連装砲塔は「ノルマンディー」級戦艦(34㎝12門)から「リヨン」級戦艦(38㎝16門)と発展してきたフランスの伝統的な方式である。
その構造は「連装砲塔を2基組み合わせて、その中間に被害抑制用の仕切り板として装甲板を設置した」と言うものである。
この方式は同格の連装砲塔2基を搭載するより重量がかさんでしまうが、通常方式の4連装砲塔よりも信頼性が高くなる。
その他機構は基本的に同時代の各国戦艦と同様であるが、特筆すべき点として、他国では0度から5度程度の仰角範囲でのみ装填が可能であるのに対し、リシュリュー級は全仰角範囲(-5〜+35度)での装填が可能である。
装填速度は就役時点で30秒、戦中の改装で20秒まで短縮された。
砲塔防御は全面530㎜、側面375㎜、後面330㎜、天蓋部は最大250㎜と41㎝級戦艦としては最高水準の防御力を誇る。
またバーベット部は500㎜であり、弾薬・装薬庫も弾薬を上層の甲板に配置し、装薬を下層甲板に配置するという誘爆時の抗堪性を考慮した配置となっている。

6.2. 副砲
副砲には52口径15.2㎝砲が採用され、3連装2基6門が搭載された。これは、「エミール・ベルタン」級軽巡洋艦に搭載されたものと同一である。
日本からは両用砲として13㎝級の砲の搭載を勧められたが、フランス海軍は対艦打撃力が不足するとして本砲の搭載を決定した。
弾種は徹甲弾・榴弾・対空用榴弾・星弾であり。
徹甲弾を使用した場合、弾頭重量は約56㎏、初速870m/sで射程は約27㎞である。
これは日本海軍の15.5㎝砲と比較して劣勢であるが、砲弾等の互換性を考慮して採用が決定された。

6.3. 副砲塔
3連装であるのは「エミール・ベルタン」級軽巡洋艦と同一であるが、対空能力を強化するために設計は変更されている。
砲の仰俯範囲は-10度から+85度であり、装填速度は最大10発/分である。
ただし、75度以上では装填が困難となるのでそのような運用は控えられた。
(戦後の改装で解決している)
装甲も強化されており、前面130㎜、側面及び上面は70㎜となっている。
このため、砲塔重量は「エミール・ベルタン」級のものより増大している。

272モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:25:07 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
6.4. 高角砲及び機銃
高角砲として65口径10.5㎝連装高角砲が片舷6基の計12基搭載された。
これはフランス製ではなくドイツ製の火砲である。

「欧州標準型戦艦なんだから、俺たちにも一枚かませろ!!」という独伊両国からの要

求をフランスが受け入れ、装備品選定をために開かれた親“撲”会の結果選ばれたのである。
弾丸重量は15.1kg、最大射程は17700m(仰角45度)、最大射高12500m(仰角80度)であり、発射速度は15〜18発/分、初速は900m/sである。
弾丸は人力装填式(補助装置有り)だが、ドイツ艦載砲の特色である砲架のジャイロ制御装置を備えており、艦が揺れても常に水平を維持できる。
機銃は37㎜を連装で14基、25㎜単装を30挺搭載している。
なお、37㎜はイタリア製で、25㎜はフランス製である。

6.5. 電波及び光学兵装
レーダーは航海用・射撃管制用・対空用と各要素に必要な種類を各種網羅している。
当初はフランス製、もしくはドイツ製を搭載しようとしたのであるが、性能面で日本製が一歩も二歩も先んじていたため、そちらをライセンス生産し搭載することとなった。
また測距儀に関しても国産品を搭載したかったのであるが、熾烈極まる親“撲”会の結果、ドイツのツァイス社製のものが搭載されることとなった。
性能が一番良好であったのが理由であるが、これまで日本製になってしまっては欧州の沽券に関わるとして、最後の最後で仏独伊3国が団結した結果でもある。

273モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:26:45 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
7. 防御力
7.1. 船体防御
本級の耐弾防御要求は、自らの主砲弾に対して18㎞〜30㎞圏内で安全圏を有し、高度5000mからの500㎏爆弾水兵爆撃に抗堪するというものであった。
このため、舷側装甲は傾斜装甲(15度)とし、最大厚さは370㎜となった。
また主装甲を貫通された場合、下甲板装甲(最大50㎜)が最終防護として働くようになっている。
甲板装甲は機関部及び弾火薬庫部分が180㎜+40㎜(下甲板)となっている。
また、汽缶防御のため煙路が主装甲板を貫通する部分にはアーマー・グレーチング(300㎜)が設けられている。
更に、煙突部分には日本海軍の「大和」型を参考に蜂の巣装甲が配置されている。

7.2. 水雷防御
喫水線下の防御については、舷側部にバルジを設置している。また、舷側装甲を艦底部まで延長することにより耐久力を確保している(120㎜)。
それらが突破された時のために、水雷防御隔壁(厚さ50㎜)が4重(機関部は5重)に渡って設置されている。また、それら隔壁と交互になるように燃料タンクと何もない空間が存在している。これにより、液層防御と空層防御を構成している。
艦底部は2重底となっており、魚雷の艦底爆発に対する抗堪性を確保した。

7.3. その他防御
ダメージ・コントロール能力においても、当時のフランスが持ち得る全ての知識が注ぎ込まれた。
先の大戦における戦訓はもちろん、独伊両国や太平洋における日本海軍の知識も収集するほどの徹底ぶりである
一例を挙げると、主要通路の天井や側壁を装甲化し戦闘時に通行不可能になる可能性を減少させている。
また、フランス艦艇の特色として舷側主装甲と外板の間とバルジ内部、弾火薬庫部分の水雷防御区画の衝撃吸収層には「エポナイト・ムース」と呼ばれる不燃性ラバーフォーム発泡剤が充填されている。
これは、被弾時の衝撃吸収と浮力維持、そして浸水や火災の抑制効果を期待された。
更に、主砲塔の隣接部に緊急用ディーゼル発電機が設置されている。これ被弾で電路が切断された際、戦闘力を損失しないための措置である。

8. 機関
機関にはフランスのお家芸である高温高圧汽缶が採用されている。
主機は減速式タービンを4セット搭載した4軸艦、缶室と機械室の配置は抗堪性向上を配慮して互い違いに配された、いわゆる「シフト配置」となっている。
主機を各2セット配する機械室のうち、両舷外舷機を収める前部機械室は前部と後部の汽缶室の中間、両舷内舷機の収めた後部機械室は後部汽缶室の後方に置かれている。
機関出力は最大で24万馬力を発揮する。

9. 航洋性能
最高速力は敵新鋭戦艦に対し優越することを目標とし、32ノットとされた。
また航続距離は、広大な大西洋を主戦場と想定しているため余裕を持たされている。
具体的な数値は16ノットで8800海里、30ノットで3200海里である。

10. 航空艤装
観測・偵察に加えて軽攻撃に使用することを想定して常用4機、最大5機の水上機を搭載できる。
艦載機は主砲射撃による衝撃で破損することを防ぐために専用の格納庫に収納される。
カタパルトは2基設置されており、揚収用クレーンも同様である。
なお、搭載される水上機は日本製のライセンス生産品である。

274モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:28:13 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
11. 運用
リシュリュー級は設計が終了し次第、フランス帝国各地の造船所で“6隻同時建造”が開始された。
これは、量産効果により少しでも建造予算を圧縮するための措置であり、同時に建造時間の短縮も狙っている。
(そして同様の理由で独伊両国でも同時期に建造が開始されている)
その結果、リシュリュー級は辛うじてだが6隻全てが開戦までに就役が間に合うという幸運にあずかっている。
(それに対し、独伊両国は「宰相級」独自建造の悪影響により2番艦は開戦に間に合わなかった)
しかし、その代償により大型艦が建造できる造船所は全てがリシュリュー級に注力することになり、他の艦の建造は不可能となった。
そのためフランス海軍は大戦中盤まで洋上航空戦力を「カステルノー」級防空空母(商船構造でかつ誘爆対策に対艦爆弾・魚雷用格納庫を廃止した潔過ぎる設計である)を主軸に構成することを余儀なくされる。
フランスたち欧州枢軸国の対英基本戦略は「積極的艦隊運用による敵海上戦力の撃滅」であった。
後世によく誤解されることであるが、通常破壊はあくまでも二次的な目標であり、主要戦略ではなかった。
これは「通商破壊を実施したとしても、大英帝国は屈しないだろう」という予測から導き出された戦略である。
なるほど、確かに海上交通線を遮断すれば「グレートブリテン島」は干上がるであろう。
しかし、それは「大英帝国」に手を上げさせるには不十分である。
ジョンブルどもは味覚障害持ちの紅茶中毒患者ではあるが、無能でも惰弱でもないのだ。
必ずや政府機能を新大陸に移転して抗戦を継続するであろう。
彼らを屈服させるためには、実働戦力である艦隊を壊滅させるしかない。
開戦後のフランス海軍はこの方針に則り、独伊海軍と協調しつつ積極的に出撃。
大英帝国の海上交通線を脅かし、それを阻止せんとしてやって来る大英帝国海軍と激闘を繰り広げた。
特に一番艦『リシュリュー』の戦果が著しく、開戦劈頭のダカール沖海戦において“大英帝国の誇り”こと巡洋戦艦フッドを一撃で屠り、レパルスを粉砕し、救援にやって来たノースカロライナまで返り討ちにするという大戦果を皮切りに、『敵艦撃沈数』の世界記録を更新(そしておそらくこの後破られることはない)するという偉業を打ち立てている。
リシュリュー級全体のハイライトとして、第三次レイキャビク沖海戦は外せない。
リシュリュー級姉妹のみならず、独伊生まれの従姉妹を含めた全10隻が集結し大英帝国の一大拠点であったアイスランドへ進撃。
空母機動部隊と基地航空隊の延べ1300機を超える攻撃隊を、「カステルノー」級による『傘』と「コルベール」級防空巡洋艦及び自らの対空火力で退け夜戦に移行。
その夜戦で大英帝国戦艦戦力を壊滅させ、その後レイキャビク軍港に艦砲射撃を実施するまでした。
この敗戦と太平洋における第五次ハワイ沖海戦の敗北が重なり、大英帝国内で厭戦感情が爆発、講和への道筋が整った。
戦後は海軍予算削減のため「リシュリュー」と「ジャン・バール」の残し現役を退いたが、彼女たちの物語はまだ終わらなかった。
“大英帝国の後継者”を自認するアメリカ連邦が世界へ挑戦状を叩きつけたことによって始まった第三次世界大戦において彼女らも参陣。
『制空権下での艦隊決戦』というフランス海軍の必勝策を再び披露し、ニューファンドランド沖海戦でアイオワ級戦艦及びフォレスタル級航空母艦複数を水底へ転属させている。
就役から半世紀以上が経った21世紀現代においても、「リシュリュー」と「ジャン・バール」は現役艦籍簿に名前を連ねており、『フランス国民の誇り』としてその威容を海上に留めている。

275635:2024/11/04(月) 00:23:31 HOST:27-143-183-66.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一一六


奈良県某所、赤子を抱え老婆の手を引いて必死になって異形の姿の少女は崩壊した市街地をひた走る。
キグルミシステムの簡易版を民間向けテストケースとに当選した少女は設定上の吸血鬼の姫という姿だった。
普段は某特別な型の末娘が初期艦な提督やらアニメで奇跡のウマ娘に脳焼かれたトレーナーやらしながら配信する彼女、今回はリアルで配信していたのだが。


「お婆さん急いで!」

「お嬢さん、老い先短い老人は捨て置いて曾孫を連れてって逃げておくれ…お嬢さんと曾孫だけなら逃げられるだろう?」

「そんなこと言わないで!せっかく自警団の人達が逃がしてくれたんだから!」


老婆の弱気な言葉に少女は怒声を発する。
彼女は土蜘蛛出現の混乱の最中、配信もそのままにおろおろとしている老婆と幼子を発見し見捨てることも出来ずに二人を連れてスマホで得た情報を元に避難を開始、十分に避難する時間はあった筈…だった。
その途中にそのキグルミシステム使ってた現在の容姿から神崎島関係者と間違われマスコミに絡まれ逃げるのに時間がかかり土蜘蛛に補足されてしまった。
幸いにも少女らの存在に気づいた自警団により助け出され逃された。
絡んだマスコミは処置なしとそのまま捨て置かれた、その後については知らない、知りたくもない。


「あの子も自警団の人達も残された人達の為に残ったんだからお婆さんも生きなきゃダメ!!」


コラボ相手は自警団と共に残り情報を懸命に伝えていた。それだけではない。
逃げ遅れた者らの避難所と化した神社では宮司だけでなく避難してきた側の神父や僧侶らが彼らの活躍を聞くと着の身着のまま逃げたので薄汚れた衣服のまま戦う者らの為に共に祈りを捧げ。

逃げた地元議員や権力者を他所に庁舎に残った職員らは臨時FM放送局を即座に解説し政府から流される情報を可能な限り伝えていた。
一人で動けない者を連れ情報の地点へ向かう者や心あるの者らがそれらを拡散していくことでゲート自衛隊やゲートヤルバーンは救助地点の特定が出来た。
小さく儚いけれどそんな小さな灯達は確かあった。
だがそんな灯だけが人間ではない。


京都府京都市。
京都は奈良と違い避難する時間があったために市民の大半が戦場となった地域の外に避難することができ、
一部例外は政府による横暴、人権侵害と強固に避難を拒否した一部活動家や国会議員だけであった。
時間があったとは別の問題も発生したことも意味する。
京都府と市が国と銀河連合日本に要請したのだ。可能な限り市街地での戦闘を避けられたし、と。
何を無茶なと要請を受けた官邸は激怒したが銀河連合日本は何も言わず京都市北部にて遅滞戦闘を開始。
実際は避難時間を稼ぐ為だったのだが府と市は要請が受け入れられたと満足したがその余裕を保ったのは少しのこと。
加速度的に増殖する土蜘蛛に戦線の後退を始め府庁舎と市庁舎に戦場が迫り我先にと職員は逃げ出す。
京都…古い都の守りがあると地元権力者の一部の者が叫ぶも古都の霊的防衛機構は穢され機能しないことを知識としっているが実感していなかったために庁舎ごと土蜘蛛の津波に飲まれた。

山間部などの安全な地域に避難した市民らはそこから遠く見える京都市内の戦闘を見て不安げな表情をする。
千年の都は炎の海に飲まれつつあり、現実では想像し得ないアニメに出そうな二足歩行巨大ロボットとクモ型怪獣の戦いとかいう現実感ない戦いが繰り広げられているからだ。
どこぞの世界線の94式と呼ばれた機動兵器をモチーフに開発された陣風と名付けられた機体らは装備した突撃銃より機関砲の弾をバラ撒き、あるいは120mm砲弾を土蜘蛛に叩き込み、時折可変戦闘機烈風改による航空支援が行われる。
ゲート日本は人手と戦力を奈良に取られ投入されているのは福知山の普通科のみで重火器といえば87式体戦車誘導弾や重迫に無反動砲くらいなものだ。
ゲート空自も対地装備には乏しい。
故にこの戦場の主役は日本海に展開したひたち型外殻拡張ユニットを装備した龍驤と赤城より発艦した艦載機群である。
その艦載機らに赤城から通信が入る。


『こちら旗艦赤城!”避難すべき者ら”は全員退避!60秒後、ムシュマッヘを投入!
総員第二防衛線まで後退せよ!繰り返す、第二防衛線まで後退せよ!』

276635:2024/11/04(月) 00:24:36 HOST:27-143-183-66.rev.home.ne.jp



クチャクチャグチャグチャ。


それより少し前、高精細マイクが捉えた文章化すればそんな音がただただ東京のスタジオに響き渡りその音源の映像が映され続ける。
その背景に流れる音は人間の悲鳴、絶叫、助けを求める声。
避難命令無視な上、これ以上の救助は不可能、二次被害の恐れがあるとして現在京都市内にいる者らは全員死亡したものと扱われた。

スタジオにいる人間はそれらの声に反応する余裕なくただただ嘔吐を続ける。
その場の全員が映像より目を背けることを許さない。
ある者は映像を見た瞬間に椅子から落ちて打ちどころ悪く歩けなくなり、或いは映像より逃げようとコードに足を取られ動けなくなる、倒れた書割の下敷きに。
その眼前に画面やタブレット端末が落ちて映像をこれでもかと見せつける。
これがお前らの望んだ果ての結果だと。

娘であるマシュにやらかした人間とその仲間に対するティアマトの怒りという名の原初の神の呪い。
やらかしに応じて微妙に不幸になるとかポカをやらかす…何もせねば普段ならばタンスの角に足の小指ぶつけるだのササクレがえらい剥けるだのという地味過ぎるレベルのものであるのだが此度絶大な威力を発揮した。
視線を逸らすことも流れる映像を変えることも許さなかった

その結果が眼前の光景、お昼12時の昼飯時に京都で非戦と平和、土蜘蛛を守れと叫ぶ人間の鎖となった者らの現在の姿を見せつける。
避難命令に従わず人の怨嗟や絶望を喰らう存在を安易に考えてた者らの哀れな末路。

自ら自分たちを縛った鎖により人間の鎖は土蜘蛛達の餌場となった。
順番に喰らわれ後どれくらいで自分の番が来るのかと震える男。
連れてきて自分が鎖を巻いた子供が目の前で咀嚼され発狂する女、逆に眼前で前で己を縛った母の臓腑が喰らわれ発狂する子供。
先程まで避難民を収容し終えた自衛隊の撤退に笑顔で我々の勝利と喧伝したいた議員はなぜ自衛隊は助けに来ないのかと狂った悲鳴を上げながら齧られ頭が潰れ爆ぜた。

そんな阿鼻叫喚の、人が喰らわれ壊されていくが電波に乗って全国の家庭に届けられ続けている、国民に見せつける。
平和、平和、平和…その名の下の肥大化し腐った精神と法の末路、国民の怠惰の結果。
あれが日本の憲法…九条という法の神は人を腐らせ喰らい尽くす存在と成り果てた、そう見せつけているにしか見えない。

そしてこの惨状から政府が介入可能する権利のある公共放送限定であるが報道の中立の理念に反し敵性体に利する行為と認定、総理の命と警察一部からの直訴により警察の突入が実現。
反省を促す一部はこれでもう良いかと娘思いの母なる女神は呪いを一時緩めた。


映像が切り替わる。



「きゃあ!?」


老婆と幼子を連れた配信者の少女は特に巨大な土蜘蛛に追いつかれた映像。


「ガッ!?」

「おじさん!?」

「嬢ちゃん…逃げろ…!」


土蜘蛛を圧倒していた自警団は配信者の女性の眼前で質量共に増えた土蜘蛛に押され始めた。


「クソっ壁が崩れ…ヒィッ!?」

「化物グモ!?」


庁舎もまた土蜘蛛に襲われた。
避難所となっていた神社にもその他にも土蜘蛛達が押し寄せ始める。
その映像が配信をSNSを公共放送のテレビを通して流れる様を人々はただ呆然と見つめる。
かつての克明に映った大災害になすすべなど無かった時のように。




なお、同じ頃の藤原京跡臨時基地


ゴースト号 ゚д゚)→ちらりと視線をゼルモニターから外したら電に大事にしろと言われた神桃に集る腐った様なクモ多数

知人危機的状況で沸点低いゴースト号 #゚д゚)イラッ

イラッとしたゴースト号 #゚д゚)<ティ! グチャ!!>木の棒で振り払われ潰されるクモ

少し落ち着くゴースト号 ゚д゚)<……

何で叩いたか認識するゴースト号 ゚д゚)<あ…

やっべえて顔してるゴースト号 ;゚д゚)→視線の先にはグチャグチャに潰れたクモの付いた木の棒もといアロンの杖

主さん ⌒-⌒)<あー…後で一緒にアロンの杖汚しちゃいましたって謝りましょうね

ゴースト号 ´;ω;`)<はい…

277635:2024/11/09(土) 18:17:46 HOST:119-171-254-241.rev.home.ne.jp
_(???」∠)_

278635:2024/11/09(土) 18:19:17 HOST:119-171-254-241.rev.home.ne.jp
_(┐ ノε|)_……

279名無しさん:2024/11/30(土) 13:21:28 HOST:p4283154-ipxg22801hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
テステス

280モントゴメリー:2024/12/12(木) 19:04:30 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
———時空の狭間、とあるイベント会場にて

「——お集りの皆様。本日は数多の世界線より、弊社の新商品発表会へお越し下さり誠にありがとうございます。
お時間となりましたので、これよりプログラムを始めさせていただきます。
司会進行は私、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします。皆様、どうぞ“ジギー”とお呼びください」

「それでは新商品発表へ移ります。ご説明は、弊社代表が自ら執り行わせていただきます」

『皆様、ただいまご紹介に与りました、モントゴメリー企画代表取締役のモントゴメリーでございます。
本日弊社が発表いたしますのは、戦艦の設計案でございます。しかしながら、“新商品”発表会と銘打ちましたが、本日はあくまでもコンセプト案に過ぎないことをご了承ください』

『それでは、早速お目にかかりましょう。弊社が送り出す新たな“海の女王”は——こちらになります』

———会場の奥より模型が現れる。それと同時に、プロジェクターにより要目が写し出された。


元帥級戦艦(第一案)

常備排水量:35,000t
全長:約200m
全幅:約31m
喫水:約10m
機関出力:約8万馬力
最高速力:25ノット
航続距離:14ノット/8,000海里
乗員:約1,600名
兵装:45口径41㎝3連装砲  3基
55口径13.8cm速射砲 14基
45口径9㎝高角砲   8基
装甲:舷側 310mm+15mmバックプレート(20度傾斜)
   甲鈑 100mm(中甲板)+15mmバックプレート
主砲塔 420mm(前面)270mm(側面)175mm(天蓋)
司令塔420㎜

281モントゴメリー:2024/12/12(木) 19:06:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
『今回の商品は、“皇国世界”さまより発注いただきましたフランス帝国用の戦艦となります。発注時の仕様書には——』

1 名称:元帥級
2 数量:8隻程度
3 速度:23ノット以上は必須。25ノット程度あればなおよし。
4 主砲:最低でも15インチ砲10門〜12門。16インチ砲は8門〜9門
5 防御:集中防御方式で可。ただし防御力は史実コロラド級を超えない程度
6 排水量:常備排水量で35,000t超えることは不可
7 建造年:概ね1918年以降。なお前級はプロヴァンス級戦艦(史実デアフリ
      ンガー級巡洋戦艦を34センチ砲8門にしたもの)が4隻。
8 目 的:地中海及び紅海、北大西洋での防衛任務


『——と定められており、その全ての要目を満たした設計案であると自負しております。順を追ってご説明いたしましょう』

『えー、1.と2.に関しましては割愛いたします。
3.の“速度”につきましては、仮想敵たる英国のアドミラル級が最高速力32ノット、日本の摂津型が27ノット、さらにカナダのラウンドテーブル級が24ノットと軒並み高速戦艦と称して良い健脚持ちでありましたため
最低でもラウンドテーブル級には優越できるよう、仕様書の上限である25ノットに設定いたしました』

『そのため、機関出力は前級のプロヴァンス級より1割から2割増しとなっておりますが、アドミラル級の6割程度でありますのでむしろこれくらいは発揮できないと勝負にもならないと考え、採用いたしました』

『4.の“主砲”につきましては、当初は弊社のロングセラー商品である4連装砲塔を採用し、15インチ砲を3基12門とする予定でした
しかし、それでは17インチ級砲を8門備えるアドミラル級や摂津型に対して劣勢を免れないと判断し、
遺憾ながら4連装砲塔案は破棄し、口径は41㎝とし、オーソドックスな3連装3基9門としました。
砲身長は50口径の採用も考慮したしましたが、お客様の技術レベルを鑑み、堅実な45口径といたしました』

282モントゴメリー:2024/12/12(木) 19:08:57 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
『弊社が今回、最も力を入れましたのが5.の防御力に関してであります。こちらにつきましては追加要望として——』

・速力を抑える代わりに防御ガチガチで「沈みにくい」艦を

『——という希望が添えられましたので、そのご期待に応えるべく弊社の持てる技術を総動員いたしました』

『まず舷側装甲は、史実コロラド級の最厚343㎜を上限として設定し、それを超えない範囲でまとめております。
厚さ310mmは摂津型には劣りますが、アドミラル級の305mmには優越し、更に傾斜角度20°は摂津型と互角であります。』

『甲板装甲に関しては摂津型をも凌駕し、列強海軍1位(暫定)の耐久力を保証いたします。』

『そして、本商品の一番の目玉は砲塔の防御力であります。
正面420㎜は摂津型の4割増しではありますが、しっかりと上限である史実コロラド級(457mm)以下に収めております。
これは、主砲の生存性を向上させることで継戦能力を強化し、最後まで粘り強く戦い抜ける戦艦とすることを目的といたしました』

『先ほど最も力を入れたのは5.であると申しましたが、一番苦心したのは6.に関してでありました。
どうしたらこれだけの防御力を3万5000トン、それも基準排水量よりシビアな常備排水量に収められるか、弊社のノウハウを試された項目でありました』

『まず集中防御方式を採用するのは当然として、弊社が採った方策は“船体長の短縮”であります。
全長200mは摂津型より15%ほど短く、L/B比率はややエレガントさから離れてしまいましたが、要目を達成するため致し方無い犠牲として看過いたしました』

『7.に関しましては、特に問題はないかと存じます。
8.に関しては、以前ご提供いたしました“クールベ”級戦艦に対して——』

・地中海で運用するにしても、航続距離4000海里強では短すぎる

『——というお声を頂戴いたしましたので、約2倍の8000海里を確保いたしました』


『以上で、新商品のご説明を終了させていただきます(一礼)』
「モントゴメリー代表、ありがとうございました。
では、これより質疑応答に移らせていただきます。ご質問のある方は挙手をお願いいたします——」

283名無しさん:2024/12/24(火) 21:46:48 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
・10式戦車(D)

 平成22年に正式採用された現行最新の国産主力戦車であり、D型は2020年代以降に備えた全般性能向上型である。
 徹底して戦闘艤装をモジュール構造化した恩恵を用い、半ば別物に近い装備換装と性能改善を成し遂げている。
 このあたりはCOTS主体の設計故に、民間企業側の製品推移が激しいため、否応なしに別物になったと言えなくもない。

 C4Iなどの電子装備は完全な新型に換装され、処理系は20年代のCOTSコンピュータ複数による並列処理を採用。
 処理速度は大幅に向上し、やはりCOTS主体の自衛隊標準化ルータによる高速通信、共同交戦能力に対応している。
 砲手、車長照準器も第4世代HD赤外線センサ、二酸化炭素レーザ測距儀、三軸安定装置などを導入している。

 車体規模の小ささから窮屈と言われることも多い10式だが、モジュール構造により装備換装自体は非常に容易となっている。
 このあたりは90式以前の戦車と大きく異なる設計思想であり、長期的な運用に耐える発達余裕を確保している。
 なおKF-51のような独自のドローン運用能力などは過度に複雑とされ、専門運用部隊に委ねる形で省略している。


 戦車の一義である火力は日本製鋼所開発の、50口径120ミリ自動装填滑腔砲へと換装され、薬室も拡大された。
 発達余裕限界まで用いれば55口径砲搭載も不可能ではないが、取り回しが悪く、外部環境に影響されやすい。
 また薬室拡大と新型弾薬の開発により、向こう10年は正面から撃破不可能なAFVが存在しないレベルまで威力が向上した。

 砲もやはり照準器と同じく垂直、水平、前後の三軸電子方式で安定化され、高い追従性と即応性を両立させている。
 自動装填装置は当初より、長砲身砲への換装を見越して余裕が取られていたため、換装の必要は存在しなかった。
 必要とあらばバースト射撃さえ行える安定した高速装填は健在で、搭載弾薬数も35-40発と推察されている。

 弾薬は弾芯重量と初速双方を増した装弾筒付翼安定徹甲弾、永久築城にも有用なタンデム対戦車榴弾の二種である。
 前者は正確な貫通力は不明だが、T-80UやT-90Mの砲塔正面を3000メートル以遠より、余裕を持って射貫可能とされる。
 後者は永久築城に第一弾頭が穴を穿ち、第二弾頭が内部を焼尽する構造を用い、汎用性に優れている。


 砲以外の武装としてはM240B同軸機関銃1門、そしてFCSと連接されたRWSにM2重機関銃1門を搭載している。
 前者も砲FCSと安定装置と連接し、高い信頼性と発射速度から近距離における対人制圧火力は高い。
 後者はRWS自体にも安定装置とセンサが備えられ、砲を用いるには危険な状況で制圧射撃に用いられる。

 防御力についてもD型はほぼ別物で、20年代の技術で効率化された微細粒子結晶鋼板と外装複合装甲を主体とする。
 正面は50口径砲から射撃された新型徹甲弾複数の直撃に耐え、側面も個人携帯対戦車弾の貫通を防いでいる。
 またD型に至りついにAPSが搭載されており、イスラエルのトロフィーシステムに近いエネルギー弾によるATM防御を行う。

 74式戦車に近い寸法ゆえの居住性も、空調完備と戦闘糧食加熱器追加により多少は補われている。
 列島日本時代に生産された車両はフィードバック方式で、大陸化以降に量産された車両は当初よりD型仕様である。
 小型軽量な利点もあり202X年現在で2500台を超える10式戦車が就役し、今後も増産される予定である。

284奥羽人:2024/12/26(木) 21:14:57 HOST:sp49-109-101-112.smd02.spmode.ne.jp
兵站軍司令部
│└─統合監察部

├─ 補給総局
│ ├─ 調達部(物資の調達と管理)
│ ├─ 保管・配送部(物資の在庫管理と配送)
│ └─ 特殊管理部(危険物/NBC用資材の管理)

├─ 輸送総局
│ ├─ 陸上輸送司令部(車両/鉄道輸送)
│ ├─ 海上輸送司令部(輸送艦/補給艦)
│ └─ 航空輸送司令部(輸送機/給油機)

├─ 工兵総局
│ ├─ 建設部(基地/道路/橋梁の設営・補修)
│ └─ 環境対応部(NBC防護や災害対応)

├─ 整備局
│ ├─ 整備部(陸海空の車両・装備の整備)
│ └─ 管理部(輸送・在庫管理)

├─ 医療支援局
│ ├─ 野戦医療部(野戦病院運営・負傷者後送)
│ ├─ 疾病対策部(感染症予防・医薬品供給)
│ └─ 精神医療部(兵士のメンタルケア)

├─ 渉外局
│ ├─ 民間協力部(NGOや企業との協力調整)
│ ├─ 地域支援部(民生復興・現地住民支援)
│ └─ 国際協力部(国際機関や同盟軍との調整)

├─ 生活支援局
│ ├─ 兵営支援部(兵営生活の支援・文化活動の企画)
│ └─ 郵便部(野戦郵便局の運営・通信手段確保)

├─ 情報通信局
│ ├─ 通信部(通信インフラ・暗号化ネットワーク)
│ ├─ 分析部(補給計画支援とAIシミュレーション)
│ └─ 情報管理部(包括的な補給状況・物資情報管理)

├─ 財務局
│ ├─ 主計部(兵站予算の計画と配分)
│ └─ 監査部(予算執行の監視と透明性の確保)

└─ 戦略企画局
├─ 長期兵站計画部(戦略的兵站計画の設計)
├─ 即応支援隊(緊急時の兵站支援)
└─ 研究開発部(新技術の導入と効率化)

285モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:11:07 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新春age

286モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:42:05 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、新年、明けましておめでとうございます!!本年も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
今年も旧年と変わらずのご愛顧を賜れるように精進いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
新年第一発ももちろん生放送です!司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントの“ジギー”こと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
 テレビの前の皆様、今年もよろしくお願いいたします。私も今年こそは、ヴァルハラへ送り届ける戦士の魂の数でブリュンヒルト姉さまたち先輩ワルキューレに負けないように頑張ります!!
では早速。社長、今日の商品は何ですか!?」
『はい!記念すべき弊社新年第一作目は、“クロス世界線”のストライクウィッチーズ世界。その扶桑皇国さま向けの商品となっております』
「おお!?ついに我が社もファンタジーやオカルト業界に進出ですか!!」
『競争激しい昨今、変化を恐れず経営の多角化に邁進しまければ生き残れませんからね』
「確かに、“タンクマン・エンタープライズ”さまの新商品とかスゴイですからねぇ…」
『とは言うものの、経営の“芯”がブレてはいけません。
“戦えない人たちに戦うための剣を、身を守れない人たちへ護るための盾を”
この弊社の経営理念はどの世界線のお客様相手でも変わる事はございません。』
「そこが変わったらもうモントゴメリー企画じゃありませんからね」
「さらに言うなら、弊社の得意技である“堅実な商品をお値打ち価格でご提供”も返るつもりはございませんのでご安心ください」
「流石です社長です!さあ、前置きはこれくらいにして新商品を早く見せてくださいよ〜!?」
『おっと失礼いたしました(笑)
では、改めまして。本日ご紹介する商品はこちらとなっております!!』

——ババン

「伊吹」型防空巡洋艦
全長:約205m
全幅:21.5m(両舷側バルジ装着)
喫水:約6m
基準排水量:約1万3000トン
満載排水量:約1万5000トン
機関出力:15万2000馬力
速力:36ノット(公称)

武装:
60口径15.2センチ連装自動砲 4基
50口径12センチ連装自動砲  6基
20ミリ多銃身機関砲連装6基

287モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:44:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「おお〜、防空巡洋艦ですか」
『かの世界が今一番欲しいもの。それはネウロイのよる経空脅威に対する対抗策であると考え、ご提案いたしました』
「なるほど。で社長、具体的な内容はどのように?」
『では、順を追ってご説明いたしましょう』


『まず船体につきましては、史実最上型の改良、“改鈴谷型”を踏襲しております』
「ああ、だから“伊吹”型なんですね」
『流石はジギー、よくご存じで。
 本商品は“量産”を前提といたしましたので、提供先の世界線で馴染みがある、かつ量産可能な規模にすることを主眼といたしました』
「出ました弊社のお家芸!“コストコントロール”!!」


「次は主砲についてお願いします。“自動砲”となっていますが?」
『良くぞ聞いてくれました!!今回の目玉を正にこの主砲火力でございます!?』
『今回主砲に採用いたしましたのは史実“6インチ47口径Mk.16両用砲”を基にいたしました。』
「えーと、確か…“ウースター”級軽巡洋艦に採用された砲ですよね?」
『いかにも!?その性能は破格です!
最大の特徴である発射速度は毎分12発!?最大射程は約2万4000m、最大射高は約1万4500mとなっております』
「WW2型中口径砲の到達点ですね!?」
『はい!!
そして砲弾も各砲塔に800発程度搭載可能ですので、継戦能力にも不足しておりません』
「単純計算で1時間の連続射撃ができるんですか!?すごーい!!」
『まだまだ驚くのは早いですよジギー?
副砲として採用しました12センチ砲は、史実ボフォース社が開発した“Bofors 120 mm Automatic Gun L/50 In Naval Twin Turret”を基としております。
その発射速度は毎分42発!単位時間当たりの投射弾質量では主砲を越えております!!』
「まさに槍衾!浮かぶ防空要塞ですね!?
…ところで、この”20ミリ多銃身機関砲”ってガトリング砲ですか?」
『Exactly(その通りでございます)!!
とは言うものの、そこまで高度な技術は用いておりません。
空軍の爆撃機搭載に搭載されている遠隔操作銃塔の技術を応用し、レーダーを主体とした半自動射撃を実現したしました。いわば近接防御火器(CIWS)の初期型でございます』
「おお〜セミオート射撃。いいですね〜」

288モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:46:17 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
『そして、主砲の影に隠れて目立ちませんが、本商品の“根幹”と言って良いのが射撃システムであります』
「射撃システム?」
『はい。
主砲の射撃指揮は従来の艦と同様に艦橋トップの射撃指揮所において行われます。しかし本級は、対空射撃が本分となっておりますので各砲塔にも独自の射撃指揮装置が設けさせていただきました』
「おお、豪勢ですね」
『ここをケチっては本商品の魅力が半減してしまいますからね。
そして、艦内にはこれらを統括するために方位盤がもちろん設けられております。
そして、これには21世紀において「タフブック」と呼ばれる超高性能な携帯型パーソナルコンピューターを採用しております!!』
「“タフブック”?
 …ああ、理工学部や工学部の学生が入学時に購買部指定商品として買わされるやつですね」
『あれは民間向け商品ですね(苦笑)
タフブックは“極限環境でも動作する”というセールスポイントから、米軍や米警察はもちろん、日本の消防・警察、自衛隊でも採用されている商品です』
「えーと、“米軍MIL規格”のMIL-STD-810Fに合格してるんですね」
『いかにも。これなら被弾時の衝撃にも耐えられるでしょう』
「でも社長、特徴に“耐久性のために性能そのものは若干妥協している”って書いてありますが?」
『妥協といってもビジネス用ハイエンドモデルと比較してです。一般人や前線の軍人さんが使うなら何の問題もありません。
さらに言うなら、ストライクウィッチーズ世界さまから見たら、これ一台で世界中の機械式計算機を合わせたよりも大きい計算処理能力を持っております』
「なるほど!じゃあ大丈夫ですね!!」
『そして、その耐久性バツグンのタフブックを継戦能力向上のために更に複数を分散配置しております。具体的には前後艦橋、そして艦中央部です』
「3セットもあれば被弾で艦橋がやられても大丈夫ですね」
『さらに!この利点を用いて主砲だけでなく副砲や機関砲用に設けられていた射撃指揮装置と付属レーダーからの諸元入力も受け付けられるような仕様に設定しております』
「そうなるとどうなるんですか」
『この仕様の利点は、対空用の射撃指揮装置を対水上用にも副次的に使用することで複数目標への同時射撃、通称「分火射撃」が従来の砲塔搭載測距儀を用いたもの以上の精度で実施できるようになります!
もちろん、対空射撃時の同時対処能力も向上です!!
「おお、つまり簡易型イージスシステムということですね!」
『あれほど高度なレベルにはいきませんがね(苦笑)
また光学・(レーダー)併用によるピントを一致させ続けるだけでの自動射撃追随システムを搭載させていただきました』
「ええ、自動追随システム!これなら高速化する対空目標にも対応できますね!?』
『これだけでも史実1960年くらいまでの航空機や対艦ミサイルには対応可能でありますが、センサー類の強化により、さらに高みを目指しました』
「センサー?レーダーや光学観測機器ですか?」
『いかにも。
レーダーもコンピューターと同じく史実21世紀初頭の民生用レーダーを採用し、精度を飛躍的に高めております。
また、測距儀に使うレンズも民間テレビ局が採用している高精度レンズを用いております。
これにより、光学観測の精度は大和型戦艦と同等レベルとなるでしょう』
「おお、あの“もう作ることはできない”と言われたオーパーツと同レベルですか!」
『これらを組み合わせることにより、限定的ですが超音速の目標にも対処可能となりました』

289モントゴメリー:2025/01/01(水) 18:49:46 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「いや〜、凄いですね社長!!
…で、お客様が一番気にしているのはお値段だと思うんですが、その点どうなんですか〜??」
『はい、本日は新年最初というわけで“お年玉”価格といたしました!!
具体的なお値段は——こちらです!?』

———バババン!!

「うーん、ウースター級より3割引きくらいですかね?」
『電子機器を多く用いましたが、そのほとんどを民生品で賄いましたのでこちらのお値段で提供できるようになりました。
さらに!!新春特別プランとして、主砲用の弾薬を定数分お付けいたします!?』

——主砲砲弾パック付属のテロップ

「流石社長!!
で〜も♪社長!新年なんですからもっとオマケしてください!!」
『うーん。
わかりました!セット割引といたしまして、1個戦隊分4隻をお買い上げ下さったお客様には、1隻分のお値段を値引きさせていただきます!!』

———4隻購入で1隻分サービスのテロップ!

「きゃあ〜〜、ありがとうございます社長!!
……で〜も?これだけだとタンクマン・エンタープライズさんに負けちゃいますよ〜??
こちらの世界ではあちらが先に販路拡大してますからね〜。
ここはもう一声、言っちゃいましょう!!!」
『うーん……。
わかりました、この放送をご覧の皆様に限り、本日中のご注文で弊社の全商品に使える半額クーポン券をお付けいたします!!!(吐血)』

———半額クーポン券プレゼントのテロップ…

「それでこそ社長です!!!」
『……』
「あ〜燃え尽きちゃいましたね、車長(笑)」
「では私の方で締めさせていただきます!!
今回の商品である“伊吹”型
 完璧ではございませんが、それでお客様のお役に立つと確信しております。是非ともお買い求めください!!」
「分割払い、ボーナス一括払いにも対応しておりますので、皆様ドシドシご連絡ください!!
 お電話待ってまーす!!!」

290モントゴメリー:2025/01/02(木) 20:45:10 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内


“皇国世界”代表 yukikazeさま

新年、明けましておめでとうございます。
モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。旧年中は大変お世話になりました。
今年も旧年と変わらずのご愛顧を賜れるように精進いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

本日は弊社の新春初売り企画といたしまして、新商品のご紹介をいたしたくご連絡いたしました。
貴世界線のフランス帝国さまが構想中の新型巡洋戦艦、その一助となれば幸いです。
以下がその新商品の概要でございます。



仮称「ミュラ」級巡洋戦艦
全長:約250m
全幅:約32m
常備排水量:約37000トン
機関出力:14万5000馬力
速力:33ノット(公称)

武装:
45口径34センチ4連装   3基
50口径15.5センチ連装砲  3基
60口径7.センチ高角砲   8基
3.7センチ機関砲      12基


商品説明
本商品は、史実フランスが1926年から28年に構想した『3万7000トン級巡洋戦艦』、ほぼそのままとなっております。
弊社が手を加えましたのは、ほぼ武装のみとなっております。
主砲は、原案では30.5センチ4連装3基でございましたが、貴世界線のプロヴァンス級の主砲と統一いたしまして費用の圧縮を狙いました。
(これに伴いまして、全幅も若干増大させております)
また、副砲以下の武装も同様に“元帥”級戦艦と統一いたしました。

装甲は、主装甲帯が280㎜(上端220㎜)、これに蓋をする形で中甲板に75㎜+15㎜を施しています。
さらに下甲板にはスプリンター防御を兼ねて25㎜の装甲板を装備しています。
これは、途中から下へ傾斜し装甲帯の下端に接続する形となります。

水雷防御は二重底で重油タンク、その後ろに80㎜×2のチーク材、更にその後ろに50㎜の装甲板を配置しております。
有り体に申しまして、史実“ダンケルク”級と比較し見劣りしておりますが、これは時代背景を鑑みれば致し方ございません。



以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、本年も弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

291モントゴメリー:2025/01/03(金) 19:14:09 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、お正月、いかがお過ごしでしょうか。今夜も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
新年初売り企画、本日も継続中でございます!司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントの“ジギー”こと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
では早速。社長、今日の商品は何ですか!?」
『本日は“皇国世界”さま向けの商品でございます!!』
「あれ、昨日カタログ送ったら即座にお断りメールが来たんじゃありませんでしたか?」
『あれはダメで元々のコンセプト案です。これから発表するものが本命でございます!!
弊社が持てる技術力を総動員いたしました!!』
「おお!それは楽しみですね」
『ではご紹介いたしましょう!!これこそが真なる“ミュラ”級巡洋戦艦です!!!』


仮称「ミュラ」級巡洋戦艦
全長:約215m
全幅:約33m
基準排水量:約30000トン
機関出力:13万馬力
速力:30ノット(公称)

装甲:
舷側285mm(12度傾斜)
主甲板125mm(弾薬庫部分)
    115mm(機関室部分)
下甲板50㎜

武装:
45口径41センチ3連装   2基
50口径15.5センチ連装砲  5基
(以下、詳細はオプションとなります)

292モントゴメリー:2025/01/03(金) 19:15:17 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「……主砲以外はほぼ史実ダンケルク級じゃないですか?」
『はい、本商品の目玉は何と言ってもその主砲!“元帥”級のものを砲塔ごと流用することにより打撃力と費用圧縮を両立いたしました!!』
「目玉というか、それ以外に目新しいものがないというか……」
『何を言いますかジギー!?本商品には弊社がこれまでに積んできたノウハウが詰まっているのですよ?』
「ノウハウ?……あ!そう言えばこれ、見覚えがあると思ったら去年発表した“アラスカ”級とほぼ一緒じゃないですか!?」
『ご名答!本商品は“日英蜜月()世界”さまにお納めしましたアラスカ級巡洋戦艦を基にしております』
「“基に”っていうか、ただ使いまわしただけじゃないですか!!しかもよく見たら排水量増えてるのに、装甲はむしろ薄くなってる…欠陥品ですよこれ!!!」
『否!?これはちゃんと意味がある変更です!!これも全て、弊社の未熟から来た“アラスカ”級の欠点を是正するための措置なのです』
「欠点?」
『取り敢えず、こちらのお便りをご覧ください』


ペンネーム:ブラック企業の戦闘妖精さん
乙。確かダンケルクの4連装砲塔、ノースカの砲塔と砲塔重量同じなので、
砲塔重量だけで見れば、45口径なら砲塔防御も米戦艦レベルは大丈夫。

とはいえこのアラスカ級。
多分水雷防御にそんなにリソースはれないのと、ダンケルクの事例考えても
船体構造に無理している可能性はある。


「ああ…アラスカ級に対するお客様からの声ですねこれ」
『今回の仮称“ミュラ”級はこのご意見を真摯に受け取りまして再設計いたしました』
「具体的には?」
『まず、余裕ができた排水量分で艦首部の構造を強化。また水雷防御機能も増加いたしました』
「そう言えば、全幅が史実リシュリュー級レベルまで増えてますね」
『これにより、大火力と言う長所はそのままに短所を改善した一品となったと自負しております』
「うーん、確かにいい作品ですけど…。社長、お正月企画で既存品使い回しはアレじゃないですか?“孤〇のグルメ”ヘビーローテーションのテレビ〇京じゃないんですから」
『そう言われると思っていました。
ですので!!本日は“2本立て”でお送りいたします!?』
「え、もう一つ新商品があるんですか!?」
『その通り!そしてこちらは完全新規設計でございます!!
ご紹介いたします。“ラサール”級装甲巡洋艦です!!』

293モントゴメリー:2025/01/03(金) 19:16:58 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp

仮称「ラサール」級装甲巡洋艦(A案)
全長:約205m
全幅:約24m
基準排水量:約1万7500トン
機関出力:18万馬力
速力:35ノット(公称)

装甲:
舷側180mm
甲板70mm

武装:
45口径30.5センチ連装   3基
(以下、詳細はオプションとなります)


仮称「ラサール」級装甲巡洋艦(B案)
全長:約205m
全幅:約24m
基準排水量:約1万7500トン
機関出力:15万馬力
速力:32ノット(公称)

装甲:
舷側180mm
甲板70mm

武装:
45口径30.5センチ連装   4基
(以下、詳細はオプションとなります)



「装甲巡洋艦ですか。弊社では初ですね」
『はい、こちらは史実1926年にフランスで構想された“条約型巡洋艦を圧倒する”巡洋戦艦案を基に設計しております』
「そんなものがあるなんて知りませんでした」
『本商品はそれを基にしつつ、主砲を“パリ”級戦艦のものを再利用することを主眼としております』
「リサイクルですね〜」
『“地球にやさしい総力戦”が弊社のモットーですので』
「A案とB案の違いは?」
『A案が原案の最高速力を維持した場合のスペックですね。砲塔が3つですので、8隻建造ができます』
「“パリ”級=史実クールベ級で砲塔が6つ、4隻で24個ですからね」
『対してB案は、最高速力を仮想敵である英国海軍の主力艦“アドミラル”級と同等まで下げる代わりに、火力を強化しております』
「B案では砲塔を4つ使ってますから、建造数は6隻ですね」
『いずれにしても、フランス帝国さまの巡洋艦戦力を大きく向上させることができると自負しております』
「ん〜、条約型巡洋艦を10数隻も作るよりは効率的ですかね?」
 『まあ、“皇国世界”さまでは軍縮条約が締結されていないようなのでできる芸当ですがね(苦笑)』

「そろそろお時間ですが、社長!気になるお値段は??」
『はい、本日もお年玉価格でいかせていただきます!!
まずはミュラ級から!!具体的なお値段は——こちらです!?』

———バババン!!


「おお〜3万トン級としたら随分お値打ち価格ですね!!」
『原材料の調達から輸送まで、弊社各部門が担った故の低価格でございます。
続いてラサール級のお値段はこちら!!』

———バババン!!


「こっちも十分“巡洋艦”として通用するお値段!!すごいです社長!!!」
『さらに!このチャンネルをご覧の皆さまに限り、主砲の弾薬を定数分お付けいたします!!』

——主砲砲弾パック付属のテロップ

「そうでなくちゃ社長〜!!
…で〜も?お正月なんですからもう一声お願いします♪」
『うーん…
わかりました!!本日中にご注文のお客様に限り、ミュラ級とラサール級を両方ご購入の場合に使える4割引きクーポン券を差し上げます!!!』

——セット購入割引のテロップ

「ありがとうございます社長!!!」
『これも全てお客様の笑顔のためであります』
「では私の方で締めさせていただきます!!
今回の商品である“ミュラ”級及び“ラサール”級
 無敵の超弩級戦艦とは呼べませんが、使い方によればそれと同等の活躍をお客様にお見せできると確信しております。是非ともお買い求めください!!」
「分割払い、ボーナス一括払いにも対応しておりますので、皆様ドシドシご連絡ください!!
 お電話待ってまーす!!!」

294モントゴメリー:2025/01/08(水) 23:23:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——とあるチャンネルにて

『数多の世界線の皆さん、こんばんは!今夜も我がモントゴメリー企画通販チャンネルをご覧になっていただきありがとうございます。
司会はいつも通り、モントゴメリー企画代表取締役社長である私と』
「アシスタントの“ジギー”こと、ワルキューレのジークリンデでお送りいたします!!
松の内があけましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?会社に行くのがツライ?嫌な上司を的に射撃訓練がしたい?そんな皆さまの気持ちが晴れるような商品をお届けできるように頑張ります!!
では社長、今日の商品は何ですか!?」
『本日は“クロス世界線”のストライクウィッチーズ世界さま向けの商品のセット販売をいたします』
「おおっいいですねセット販売!お得ですねぇ」
『早速一つ目の商品のご紹介です』

——ババン

25㎜ガンポッド
重量:約250㎏
銃身長:1500mm
装弾数:30発
発射速度:毎分150発

「これは、航空機用の装備ですか?」
『如何にも。
装備更新で余剰になるであろう、扶桑海軍の25㎜機関砲の生産ラインを転用できるように同規格を用いて作製いたしました!』
「何故このようなものを?」
『ストライクウィッチーズ世界さまの航空戦力強化のためでございます。
かの世界線では、これよりネウロイの経空脅威が増大すると予測されますので、それへの対応策でございます』
「具体的な運用は?」
『重量は250㎏に抑えましたので、250㎏爆弾を搭載可能な戦闘機には運用可能であります。
例えば零式戦ならば胴体下部に一門、新鋭機の紫電改ならば両主翼下に一門ずつ計二門搭載可能であります!』
「おお!戦闘機が“空飛ぶ装甲車”になりますね!!」
『25㎜機関砲は約1500mほどは直進いたします。ですので、敵ネウロイの射程外から一撃を与えることにより、こちらの被害低減を狙うことを主眼としております』
「1500m!すごーい!!
…あれ、でも社長?これ積むと重量も空気抵抗も増えるから速度も旋回性能も落ちますよね?そこはどうするんですか??」
『えー、そちらに関しては、制空権確保はウィッチの皆さまにお願いし、これを搭載した機体は後方よりの支援に徹する運用を想定しております』
「ダメじゃないですか!?」
『“役割”が違うのです!役割が!!
ウィッチの皆さんが“騎兵”ならば、これは“短弓兵”となり戦術の幅を広げるのです!?』
「でも年端も行かない乙女たちを最前線に追いやって、大の大人が後方支援は…寒い時代すぎませんか?」
『“郷に入っては郷に従え”です。ファンタジーやオカルト世界に行くならば、その世界の法則に従うのです。これは冒険でも商売でも変わりありません』
「そんなこと言って社長、前に宇宙世紀やコズミック・イラ世界に進出した時は“戦車乗りの魂をお見せいたします!!!”とか息巻いていたじゃないですか〜??」
『認めたくないものですね、己自身の、若さゆえの過ちというものは……』
「三倍速くなりそうなセリフで誤魔化しちゃって〜ww」
『まあ、あちらは“リアル”ロボット世界という看板を背負っているのですから、それくらいの遊び心は受け入れてくれますよ』
『で、話を戻しますが!!
この商品はストライクウィッチーズ世界の皆さまをお役に立つと確信しております!?』
「はいはい。
では社長、次の商品は??」
『次の商品に行く前にCMをご覧ください』
「CM挟むんですか!?」

295モントゴメリー:2025/01/12(日) 12:59:09 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——CM明け

「はい社長、次の商品は何ですか?」
『続いても航空機向けの商品となります』

——ババン

37mmロケットランチャー

重量:50㎏(フル装填時)
弾数:36発

「ロケットランチャーですか。でも…37㎜って小さくないですか?」
『こちらは1950年代初頭に開発された“対空ロケット”の規格を流用しております。
ロケット弾として見ると頼りないかもしれませんが、低初速型の“大口径航空機関砲”の一種だとして捉えてみればものすごく軽量で強力なものだと言えるでしょう!!』
「あ〜、そう言われると確か…に?」
『具体的なスペックは、37mmロケット弾の重量は1発1kg、発射の間隔は1秒間に30発ですので、機関砲的な発射速度として見れば1800発/分相当でございます!?』
「おお!なんか凄そうに思えてきました!!」
『また、36発装填状態で重量50kgなので、60㎏爆弾を搭載可能な航空機には搭載可能であります。
零式戦ならば2基、紫電改ならば4基、そして99式艦戦ですら1基を大きな改装をすることなく搭載できるのです!!』
「…社長、これさっきの25㎜ガンポッドよりも優秀では?」
『あれは“既存品の再利用”という大事な役割があるからあれで良いのです、あれで!!』
「まあ、そういうことにしときましょうか」
『そして!
ここからが弊社オリジナルの要素ですが、“歩兵用火器”としても運用可能といたしました!!』
「へ?歩兵用ですか?」
『それがこちらとなっております!!』

296モントゴメリー:2025/01/12(日) 13:00:40 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——ババン

「……しゃ、社長。
何ですかこれ?」
『歩兵用のランチャーでございます』
「穴だらけの鉄パイプに持ち手が付いただけのように見えるのですが……」
『流石ジギー!この商品の特徴を一言で表してくれましたね!!
ではそんなジギーに商品の実演をしてもらいましょう!!!』
「え゛!?」

——モントゴメリー企画、商品開発部実験場

「社長〜〜〜聞いてませんよ〜〜(泣)」
『サプライズです!
新年なんですから、何か新しい表現をしないとお客様が離れてしまいますからね!!
大丈夫ですジギー、貴方ならできます!?』
「…ええい!やってやりますよ!?
私だって新米とは言え歴としたワルキューレです!!」
『それでこそ我が最高の相方です!!
さあ!そうこう言っている内に“実演”の目標がやってきましたよ』
「あれは…戦車ですね」
『今回は目標として、弊社のベストセラー商品である“KV-3”戦車をご用意いたしました。的が大きいので、難易度は低いでしょう。
さあジギー!やっちゃってください!!』
「よっしゃあ!?…この照準器簡略すぎません?」
『本体が“簡易兵器”ですので。ですが、航空機用装備を流用してますので、射程はパンツァーファウストなどのWW2期の対戦車火器よりも長くなっております!!』
「とういうことは…距離200mくらいで……よし、戦士の魂寄越せコラァ!?」

——発射、目標に命中
(注:自動運転ですので中は無人です)

『お見事!移動目標にも初弾命中とは流石はワルキューレ!!
どうですかジギー、撃ってみての感想は?』
「見た目通りのチープさですね。いいですねこの腹にガツンと来る濃い目の末期戦テイスト!たまに無性に欲しくなる味です!!まるでペヤン〇ソース焼きそばです!!!」
『誠にワルキューレらしい感想をありがとうございます(人選間違えたかな…?)』
「それに、軽いのに反動はほとんどないので扱いやすいですね。」
『威力の方も、オリジナルの方は榴弾のみですが、弊社独自開発の成形炸薬弾をご用意しておりますのでご安心ください!!』
「え、HEAT弾だったんですかこれ?それにしては、目標を貫通していませんが……?」
『冷戦期レベルの技術でも設計・製造できるようにしておりますので、貫通力は口径の3倍前後となっております』
「てことは大体100㎜ってことですね。…あ、だからKV-3を的にしたんですね。あれ側面装甲も150㎜ですからね」
『とは言え、パンツァーファウストと同等と威力で、射程とコストパフォーマンスはこちらが上回っております。』
「本格的な対戦車兵器が出来るまでの繋ぎにはいいかもしれませんね」
『そして弾薬が航空機と共用できると言うメリットもございます。是非ともご検討ください!!』
「社長、今夜はこれで終わりですか?」
『いえいえ!まだまだ終わりません!?
スタジオに戻ったら次の商品をご紹介いたします』

297モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:20:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——スタジオ

「では社長、次の商品は?」
『お次は“M4シャーマン中戦車”の改装キットをご紹介いたします』
「シャーマンの改装キットですか?」
『はい!
ストライクウィッチーズ世界のリベリオンさまでは新型戦車の開発が難航し、さらにシャーマンの在庫が余っているという情報のお聞きしましたので、その状況を改善できる商品をご用意いたしました!!』
「どんなキットなんですか?」
『それでは、そのキットを用いて改装したシャーマンをご覧入れましょう。
名付けて“M4シャーマンジャンボ・スペシャル”です!!!』

——ババン

M4シャーマンジャンボ・スペシャル

車体長5.89m
全幅2.94m
全高2.95m
重量:約39t
エンジン:680馬力
最高速度:60㎞/h(整地)
45km/h(不整地)
主砲:51口径105mm砲
副武装:12.7mm重機関銃M2×1
7.62mm機関銃M1919×2
装甲
防盾:178㎜
砲塔:152㎜
車体前面:114㎜
デファレンシャルカバー先端部:140㎜
側面:76㎜(通常型に38㎜追加)


「うわっ!大きな主砲ですね。L7ですか?」
『確かに一番目立つのは主砲ですが、まずはこのキットの主眼である“防御力”についてご説明いたします。』
「お願いします!」
『まず砲塔については、主砲の防盾厚さは178㎜、砲塔全周は152㎜に増厚されております。
車体の方も前面は傾斜した114㎜、デファレンシャルカバー先端部に至っては140㎜まで強化いたしました!!
さらに!車体側面に関しても76㎜になっております』

298モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:21:32 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
——スタジオ

「では社長、次の商品は?」
『お次は“M4シャーマン中戦車”の改装キットをご紹介いたします』
「シャーマンの改装キットですか?」
『はい!
ストライクウィッチーズ世界のリベリオンさまでは新型戦車の開発が難航し、さらにシャーマンの在庫が余っているという情報のお聞きしましたので、その状況を改善できる商品をご用意いたしました!!』
「どんなキットなんですか?」
『それでは、そのキットを用いて改装したシャーマンをご覧入れましょう。
名付けて“M4シャーマンジャンボ・スペシャル”です!!!』

——ババン

M4シャーマンジャンボ・スペシャル

車体長5.89m
全幅2.94m
全高2.95m
重量:約39t
エンジン:680馬力
最高速度:60㎞/h(整地)
45km/h(不整地)
主砲:51口径105mm砲
副武装:12.7mm重機関銃M2×1
7.62mm機関銃M1919×2
装甲
防盾:178㎜
砲塔:152㎜
車体前面:114㎜
デファレンシャルカバー先端部:140㎜
側面:76㎜(通常型に38㎜追加)


「うわっ!大きな主砲ですね。L7ですか?」
『確かに一番目立つのは主砲ですが、まずはこのキットの主眼である“防御力”についてご説明いたします。』
「お願いします!」
『まず砲塔については、主砲の防盾厚さは178㎜、砲塔全周は152㎜に増厚されております。
車体の方も前面は傾斜した114㎜、デファレンシャルカバー先端部に至っては140㎜まで強化いたしました!!
さらに!車体側面に関しても76㎜になっております』

299モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:29:32 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ちょっとage

300モントゴメリー:2025/01/13(月) 15:30:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「ん〜、防御力面は史実の“ジャンボ”と全く同じですか?」
『はい、確実性を重視いたしましたので、こちらは実績ある強化方法を採用いたしました
しかし!それ以外の項目は弊社オリジナルであります!!』
「それ以外?攻撃力や機動力ですか」
『如何にも!
まず主砲に関しては、さきほどジギーが申した通り、L7 105㎜砲に換装しております。』
「シャーマンの砲塔に載るんですか?」
『史実ユーゴスラヴィアにおける改装案で、D-10T 100mm戦車砲を搭載する案が設計されております。
この砲は、口径長でも重量でもL7を上回っておりますので何とかなると判断いたしました。
また、装甲の強化で重量も増大しておりますので、反動も十分に吸収できます』
「なるほど!」
『また機動力に関しましては、21世紀初頭の漁船用ディーゼルエンジンを転用いたします。
これの馬力は約680馬力ですので、オリジナルの約4割増しとなっております!!』
「これ、エンジンルームに載るんですか?」
『またまたユーゴスラヴィアの例ですが、シャーマンのエンジンをソ連製ディーゼルエンジンに換装する案が設計されております。
このエンジンの寸法とそれほど変わりませんので、大幅な設計変更は必要ないと判断いたしました』
「なるほど!!」
『この改装により、最高速度は史実ジャンボの35㎞/hから2倍弱の60km/h(整地)まで強化されております!!』
「すごーい!!
火力も装甲もM60パットンと同等だし、最高速度に関しては上回っているじゃないですか!?本当にこれシャーマンですか?」
『これも弊社の技術力の賜物でございます!!』
「もうこれがあれば、新型戦車なんてそれこそエイブラムス相当のものが来ない限り不要ですね!!」
『exactly(その通りでございます)!!
……と、言いたいところですが、やはり改装は改装なので、所々“無理”をしております』
「あ…やっぱり……」
『まず、装甲と主砲を強化いたしましたので重量バランスが前方に偏ってしまいました。
これにより、操縦の難易度が上がっております。操縦の誤ると前に“つんのめる”危険性がございますのでご了承ください』
「戦車で“逆立ち”はシュールですね…」
『また、足回りはトーションバー式ではなくHVSS方式であるため、性能には限界がございます』
「なんでトーションバー式にしなかったんですか…」
『そこまで変更してしまいますと“改装”ではなく“新造”になってしまいますので…。
ただ、このHVSS方式も初期型シャーマンのVVSS方式よりは強化されておりまして、実際史実“ジャンボ”はこの方式で運用されております。
加えて、履帯幅も42㎝から58㎝に拡大しておりますので決して無策ではございません。
しかし…時速60㎞で走る事は想定されておりませんので、その速度を多用した場合、故障が頻発することをご承知おき下さい』
「それへの対策は?」
『リベリオンさまの国力を活用し、戦車運搬車の活用や交換部品の備蓄、修理体制の拡大などをお願いいたします』
「……えー、社長?
“戦場で”故障した場合は?」
『その時は、もしくはそうならないように乗員の皆さまは各々の信ずる神へ祈りを捧げてください』
「!?
リベリオン戦車兵の皆さーん!北欧神話はいかがですかー!?
私のような美人のワルキューレが皆さんをお迎えに参りますよーー!!」
『…とまあ、完璧とは参りませんが、現状の戦車戦力を大幅に強化できる改装キットであることは自信を持って言える商品であります』
「在庫品はもちろん、既存の生産ラインまでほぼそのまま流用できますからね!?」
『是非とも御一考のほど、お願い申し上げます!!』

301モントゴメリー:2025/01/29(水) 00:03:52 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「ラサール」級装甲巡洋艦

全長:約205m
全幅:約24m
常備排水量:1万9800トン
吃水:約7m
機関出力:18万馬力
最高速力:35ノット
航続距離:18ノット/8,000海里
武装:45口径30.5㎝砲   連装3基
   50口径9.0cm高角砲 連装8基
   60口径3.7cm機関砲 連装6基
76口径13.2mm機銃4連装8基
装甲:舷側180mm
   甲板80mm(中甲板)+25mm(上甲板)
主砲防盾 320mm
乗員;1100名
艦載機:水上機3機

同型艦
『アントワーヌ・シャルル・ルイ・ド・ラサール』(ネームシップ)
『フランソワ・エティエンヌ・ド・ケレルマン』
『オーギュスト・ジャン=ガブリエル・ド・コランクール』
『ルイ・ピエール・ド・モンブリュン』
『ジャン=イシドール・アリスプ』
『ヤン・ヘンリク・ドンブロフスキ』
『アンリ・ガティアン・ベルトラン』
『ジャン・マクシミリアン・ラマルク』

【概要】
ボナパルト朝フランス帝国が1930年代後半に建造した装甲巡洋艦である。
35ノットという韋駄天ぶりと、30.5cm砲6門という火力から「巡洋艦殺し」と各国海軍から恐れられた。
それでいて艦隊決戦のみならず通商破壊戦やその対極の通称護衛、上陸作戦の支援から果ては海外領土の保護まで活躍した。
艦名は大陸軍の将軍から採られており、『元帥級』と同じく『師団長級』『中将級』と呼ばれ国民から親しまれた。

302モントゴメリー:2025/01/29(水) 00:04:59 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【計画】
1920年代後半以降,フランス海軍は(イギリスの自滅により)欧州第一位の海軍となって
しまった。
これは一般国民からしたら慶事であるが、当事者としては喜んでばかりもいられなかった。
何故なら、ナポレオン二世以来のドクトリンである“弱者の戦略”通商破壊戦ドクトリンを転換しなければならないのである。
セレベス海海戦で戦略環境が激変したのは日本海軍だけではなかった。
約四半世紀ぶりの“イベント”を前に、右往左往する海軍首脳部に対して解答を提示したのが若き皇帝ナポレオン六世である。
彼の解答は“従来の通商破壊戦戦略をある程度踏襲しつつ、艦隊決戦にも対応可能な海軍を整備する”というものだった。
皇帝に言わせれば、戦略環境が変化したと言っても地理的条件は変化していないのである。
すなわち、未だに仮想敵筆頭であるグレートブリテン島は華南や北米などから資源を輸入しなければ立ち行かない。
ならば通商破壊戦の有効性は変わらない。そしてこれは東南アジアを勢力圏とした日本皇国に対しても同様だった。
皇帝が提示した新戦略に対し、フランス海軍首脳部が出した案が“元帥級を上回る戦艦と大型巡洋戦艦の整備”である。
戦艦については別項に譲り、ここでは巡洋戦艦について述べる。
用意された設計案は、セレベス海海戦で露呈した巡洋戦艦の脆弱性を可能な限り改善しつつ、『元帥級』の主砲を流用し価格低減にも留意している優れたものであった。
しかし、十分な防御力と30ノット以上の速力を求めた結果、排水量は3万トン前後となってしまった。
陸軍と空軍の近代化と拡張にも着手しなければならないナポレオン六世はこの案を費用がかかりすぎるとして却下。
より安価な「装甲巡洋艦」の新規設計を命じたのである。
ここにフランス海軍は、“外洋での通商破壊戦だけでなく、準主力にもなれる”という「ジャンヌ・ダルク」以来の方針に立ち返った正統派装甲巡洋艦の建造を決断した。

【船体全景及び上部構造物】
艦首はシアーとフレアが付いたクリッパー型の優美な姿であり、少し進むと波除けが配置されている。
波除けの直後には1番主砲塔があり、その後方に2番主砲塔が雛壇式に配置されている。
艦中央部には艦橋が置かれており、その後方には煙突と一体化した(いわゆるMACK型)後部艦橋がそびえており、後部射撃指揮所もここに位置する。
煙突と艦橋が一体化したことで、上部構造物は効率的に配置できるようになり、機能美と優雅さを兼ね備えた「フランス的」な外観となっている。
(本級は艦隊旗艦としても役割も求められたため、大きな通信能力を付与されているが、この設備も無理なく内容されている)
これら艦橋を囲む様に、高角砲塔群が配置される。
そこから艦尾へ進むと3番主砲塔が存在し、最後にカタパルト2基と飛行甲板という配置である。
また、艦首部の錨鎖庫の後方にワイン専用倉庫というフランス艦らしい区画も存在する。
(通商破壊戦などになった場合、長期間の航海が予測されたため、乗組員の士気を維持するのに必要と判断された)

303モントゴメリー:2025/01/29(水) 00:06:21 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【兵装】
主砲は、45口径30.5cm砲を連装形式で3基搭載している。
これは『元帥級』就役後に退役したパリ級戦艦の物を砲塔ごと移植したものである。
重量432㎏の砲弾を砲口初速780m/sで撃ち出すことができる。
最大射程は仰角12度で1万3500mと、戦艦の主砲としては物足りないものであったが、本級への搭載時に改装が実施され最大仰角は28度まで引き上げられて最大射程3万mを超えた。
セレベス海海戦の戦訓から、2万m以遠の射撃は命中率が低いことが判明していたが、これは水上戦闘というより対地艦砲射撃を意図したものである。
発射速度は2発/分が標準であるが、熟達した砲員ならば3発/分も可能である。
近年発達が著しい航空機への対策として、50口径9.0cm高角砲を搭載している。
これは9.51kgの砲弾を仰角45度で15,440m、対空榴弾を最大仰角80度で10,600mの高度まで到達させることが出来る。
旋回と俯仰は電動と人力が併用され、俯仰は仰角80度、俯角5度で発射速度は毎分12〜15発である。
この他に対空・対水雷艇用として3.7㎝機関砲と13.2mm機銃が配置されている。
いわゆる“副砲”と魚雷は搭載されていない。
これは、巡洋艦以下は直接主砲で打撃すれば良いし、主砲が通用しない相手ならばその健脚を活かして戦場を離脱すれば良いという判断からである。
副砲はともかく、魚雷に関しては格上殺しの手段は持っていた方が良いと異論が出たが、本級の設計案を見たナポレオン6世の

「古き良き私掠船時代ならばともかく、今の我々はこれほどの大型艦を単独で行動させるほど貧しくはないだろう?
雷撃や小型艦は護衛艦に任せればいいではないか」

という言葉に反対者は沈黙することになる。
(なお皇帝の真意は「貴重な準主力艦を魚雷の誘爆なんかで失いたくない&砲を減らして建造費用を少しでも安くしたい」であった)

【機関】
機関部は、35ノットという高い目標を達成するために新設計のインドル式ボイラーを採用している。
この措置により、機関出力は18万馬力を確保できかつ省スペース化を達成できた。
そして、スペースが用意できたのなら試してみよう、ということで新機軸の「シフト配置」が採用されている。
元々フランスの海軍ではパリ級戦艦などでも缶室分離配置を採用していたので、それを進化・発展させた思想である。

【機動力】
本級の最大の特徴はその健脚である。
「敵巡洋艦を逃がさない(…と同時に敵巡洋戦艦からは逃げられる)」ことを目標として設定された最高速力35ノットは、1万トン以上の艦艇では世界最速であった。
また旋回性能も艦の規模からすると良好であった。
さらに戦略機動力も考慮されており、18ノットで8,000海里という優秀な航続性能も併せ持っている。

【防御力】
本級は装甲『巡洋艦』である。
すなわち戦艦ではないため自らの主砲に耐えることは始めから考慮していない。想定されているのは、敵大型巡洋艦の20㎝級砲である。
舷側装甲は主要部が最大で180㎜、艦首及び艦尾部分の防御区画は120㎜の厚さを有する。
水平装甲は航空機対策も考慮され、中甲板に主装甲として80㎜、その上部に25.4mmの弾片防御甲板を施している。
水雷防御は、両舷にバルジを設置し、さらに機関区の両舷の側壁は甲板から艦低部まで縦に貫く縦隔壁が張られている。
これと水線部装甲の間に重油タンクを配置し液相防御帯として活用している。

【航空艤装】
通商破壊戦時には、広範囲な索敵が必要不可欠であると考えられたため、独力で航空偵察が可能なように水上機が3機搭載されている。

【運用】
本級は1番艦「ラサール」が就役後、特に問題も無く8番艦まで建造された。
平時は中規模艦隊の艦隊旗艦に任命され、その指揮機能を存分に発揮することになる。
また、『元帥級』の代わりに“外交の顔”の役割を担う場面も多々あり、その威容と美しさから訪問国にフランスの存在感を誇示していった。
本級の性能を見た各国(特に日英)は、対処に悩まされることになる。
既存の巡洋艦では相手にならず、かといって戦艦(はおろか巡洋戦艦も)では速度差から捕捉できないのである。
「弱い者いじめ専用艦」や「おばあちゃんの入れ歯を使う小娘」などと批判されることもあったが、“弱敵を討つは戦の常道である”とフランス側は一向に介さなかった。
これ以降、各国では装甲巡洋艦の建造が活発となっていくことになる。

304名無しさん:2025/02/02(日) 09:59:32 HOST:FL1-125-196-181-221.ngn.mesh.ad.jp
テスト
>>300-303

305モントゴメリー:2025/02/09(日) 19:16:26 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
日蘭世界SS—— loterie pour mariage——

フランス連邦共和国(FFR)、パリ、エリゼ宮にて

「La Pucelle aux cheveux argentés(銀髪のラ・ピュセル)の生産は順調です。やはりルノーを始めとする自動車メーカーのノウハウを活用したのは大きいですな」

会議室では、FFR大統領であるマリー・マフタン以下、政府閣僚と一部官僚たちが“ラ・ピュセル”たちの普及計画について話し合っていた。

「FFR各軍への配備のための予算執行は予定通り進行しております」
「現場でも、まあ戸惑いはありましたが新しい『戦友』との友誼はつつがなく育まれていますわ」

国防大臣が軍政面を、国防参謀総長が軍令面での状況を説明する。

「軍以外の政府省庁への導入も大きな問題はございません。問題になるとすれば——」
「一般国民への普及ね」

マフタン大統領が言葉を継いだ。

「量産効果で価格低減を目指すとはいえ、現状でも中級乗用車の上位から高級乗用車の下位くらいの値段になるものね。必然的に、購入できるのは中流階級以上の国民に限られるわ」
「地方の農村などでは非常に人気ですが、やはり導入できる農家は少ないですな…」

農業・食料大臣が続いた。
それに対して教育大臣「代行」が提案する。

「政府から補助金を出して、国民の購入を後押しすれば良いのでは?」
「それは悪手だ。政府の負担が増えるし、回りまわって国民の税負担が増してしまう」
「私もその手はあまり使いたくないわ。実施の難易度は低いけど、政府の負担が増すことは避けるべきだし…何よりÉléganteではないわ」

経済担当大臣と共に『先生』の名代の案を一蹴したマフタン大統領であるが、彼女としても何か代案がある訳では無かった。
沈黙が支配した会議室を動かしたのは、アナイス国防参謀総長だった。

「何も案が浮かばないならば、今日はもう終わりにしない?そろそろ退庁しないと“売場”が閉まっちゃうのよ」
『閣下、ですから電子決済で購入するべきですと進言したのです』
「わかってないわね〜クロエ?“宝くじ”は売場に並んでいる時点でもうワクワクが始まっているのよ」
『我々にはその“ワクワク”というのが理解困難です。そもそも、宝くじの期待値は0.5未満です。10フラン分購入しても5フランも獲得できないのです。
「愚者の税金」という別名は誠に理にかなっていると推察します』
「その愚者のおかげで国内の文化遺産保護などに必要な予算が確保できているのだから、政府としては“納税者”たちには感謝しないとね〜」
『ですから、制服組席次第一席である閣下がそんな愚かなことをする必要はないと——』

「それよ!!」

参謀総長とその副官の漫才(?)を止めたのはマフタン大統領の叫びであった。

「あら?マリー…大統領も一緒に並びますか?」
「それは遠慮するわ。ワクワクはこの“椅子”からもらえる分だけで満足だもの。
 そうではなくて、『宝くじ』よ——」

306モントゴメリー:2025/02/09(日) 19:50:47 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
数か月後、Française des jeux(フランセーズ・デ・ジュー、フランス宝くじ公社)より新しい種類の宝くじが発売された。
loterie pour mariage(縁結びの宝くじ)と題されたそれは、一等の当選金額が従来の1/20であった。
しかしその代わりその当選数は20であり、すなわち20人の人間にその金額を獲得できる機会があった。
そしてこの金額は“ラ・ピュセル”1体の購入金額に匹敵し、さらに副賞として当選者には“ラ・ピュセル”の優先購入権が与えられたのである。
これは一等のみならず、二等の当選数は50で金額は“ラ・ピュセル”の半額、三等は100で“ラ・ピュセル”の1/3の金額であり(ローン購入時の頭金には十分である)、副賞も一等に準じている。

loterie pour mariageは、発売以降FFR領土全域で爆発的な人気を博した。
「リュビ(サフィール級潜水艦:『幸運』と『狙撃』を司る女神であり、主に狙撃兵や博打うちたちの守護神)」の加護があれば、高嶺の花として諦めていた“彼女”たちに会えるというのが主な理由である。
その理由から、購買者は中流階級以下の男性が過半を占めていたが、意外にもそれ以外の階層の者たちからもこの宝くじは人気だった。
それは優先権が与えられるといっても、当選したら必ず“ラ・ピュセル”を購入する必要はなく、自由な用途に使用して良いからであった。
普段なら当たる訳がないと興味を持たない者たちが「一等当選確率20倍」という数字に惹かれて売場へ赴いたのである。
(「やはり人間という存在は愚かですね」と某ラ・ピュセルは言ったという…)

結果として、loterie pour mariageは当初予測を大幅に上回る売上げを記録し、その金額は従来の宝くじの10倍に達した。
「“ラ・ピュセル”たちの販路拡大」と「政府の負担軽減」という二つの命題を実にÉléganteな手法で解決した我らがFFR大統領は、今回の収益を用いて臨時の措置であったloterie pour mariageを常設の宝くじにしたという。
(加えて、販売範囲も国内のみならず、テキサス共和国やグアテマラなどの同盟国まで拡大された)

307モントゴメリー:2025/02/27(木) 23:43:35 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「リシュリュー戦記」世界SS——『決戦①』

——大西洋、アイスランド沖

ようやく太陽が海面から顔を覗かせ始めた矢先、防空巡洋艦「コルベール」の防空指揮所に声が響いた。

「電探室より艦長へ、対空電探に反応あり!?
 方位3-4-0、距離200㎞より大規模編隊接近中!レイキャビクからの基地航空隊と予測されます!!
さらに方位2-8-5、距離130㎞に別の反応!こちらは敵機動部隊から攻撃隊と思われます!?」
「こちら艦長!艦載機部隊の発見が遅すぎないか!?」
「奴ら、電探から隠れるために低空を突っ込んで来たようです!merde!!」

どのような状況であっても“紳士”でなければならない海軍士官にあるまじき単語を無視しつつ、コルベール艦長であるクレベール中佐は総員戦闘配置と叫んだ。
敵の航空戦力は、空母機動部隊とアイスランドの基地航空隊を合わせて1500機を超えると予測されていた。

「(くそっ。こちらの長距離爆撃機をかき集めて、1ヶ月以上も航空撃滅戦を実施したというのにまだそれだけの戦力があるのか!!)」

我々仏独伊の欧州連合艦隊は、その1500機の航空機からの空襲をくぐり抜け、さらに待ち構える英国艦隊を撃破して、その上でレイキャビクの港湾設備と飛行場を殲滅しなければならない。
道のりは途方もないが、それを成し得なければこの戦争に勝ち目はない。
まさにこれは『決戦』であった。

「味方戦闘機隊、西方に進出します!!」

見張り員の叫びに応じ空を見上げると、確かに上空直掩に展開している我が方の戦闘機たちが中隊毎に集結して艦隊左翼の方へと飛び去っている。

「(戦闘機隊は敵機動部隊への迎撃に集中させるのか。となると、レイキャビクからの攻撃隊には——)」
「通信室より艦長へ。『マドロン』より受信。
 “戦艦戦隊はこれより方位0-4-0に変針、方位3-4-0より接近中の敵編隊に対してT字を描く。各戦隊はこれに追随せよ” 以上です」

「やはりそうか!!航海長、面舵70度!旗艦との相対位置を維持せよ」
「了解、面舵70度!」

変針による船体の傾斜を体感しつつ、クレベール中佐は右——艦隊中央へと視線を向ける。
そこに広がるのは大艦巨砲主義者たちの理想郷、10を数える6万トン級の戦乙女たちで構成される単縦陣であった。
長女『マドロン』を先頭にした彼女ら姉妹・従姉妹たちは、二方向より迫る凶鳥たちに一切怯むことなく、ただただ堂々とその戦陣を進ませていた。
フランス帝国海軍では敵に無線交信を傍受されることを想定し、各艦に呼出符丁を設定している。
そして『マドロン』は戦艦戦隊旗艦にして、艦隊総旗艦でもある戦艦「リシュリュー」の符丁である。
(ちなみに、コルベールの符丁は『コリーヌ』だ)

308モントゴメリー:2025/02/27(木) 23:44:47 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
クレーベルは伝声管を掴み叫ぶ。

「こちら艦長、総員そのままで聞いてくれ。
 いよいよ正念場だ。今日一日はこの戦争の行く末を決める決戦となるだろう。
だが、俺たちがやることは今までと何も変わらん!我らの“宰相閣下”を護り通す、ただそれだけだ!!
諸君らはいつも通り、各々の務めを全うしてくれればいい。
以上である」

艦内各所から歓声が上がる。
艦長以下コルベールの乗組員にとって、“宰相閣下”——戦艦リシュリューは絶対に守護してみせるという誓いを立てた姫君であると同時に、勝利の女神であるのだ。
コルベールは開戦劈頭の「ダカール沖海戦」から一貫して彼女と戦列を組み戦い、勝利をつかみ取ってきた。
防空巡洋艦の本分として姫の御衣を引き裂こうとする無粋な“鳥”たちを叩き落とすのみならず、夜の帳を突き抜け脇腹に槍を突き刺そうと迫って来た“猟犬”と正面から刃を交えた事もある。
コルベールにとって、勝利とはリシュリューと共にある存在であった。

「(敵編隊にT字を描くってことは『アレ』をやるつもりなんだろうが、敵も予測済みのはずだ。どうするのだろうか?)」
「艦長、友軍機の一部が北方に向かいます!!」

見れば、確かに数機の機影が戦闘機隊とは別方向に飛んでいく。

「あれは…観測機か?」
「通信室より艦長、『マドロン』より妙な命令が…」
「妙とは何だ?」
「“接近する敵編隊との距離と方位を正確に報告せよ”です。『マドロン』の電探が故障したのでしょうか?」
「それは本艦にのみ送られた命令か?」
「いえ、本艦にではなく、輪形陣先頭に位置する『ナタリー』と最後部の『セシル』に宛てられた命令です」
「(確かに両艦ともコルベールに劣らない電探設備を持つ艦だが…いや待て、輪形陣の端と端? そうか!!!)」

思い返せば先ほどの観測機も、機上電探を装備した虎の子だった。“宰相閣下”は、『マドロン』は【魔弾の射手】となるつもりだ。
クレベール中佐が正解にたどり着くのを待っていたかのように、リシュリュー以下戦艦群に動きがあった。
各々がその“剣”を抜き放ち、向かってくる無粋な来訪者への歓迎の準備を進めていく。
そして——地上に極小の太陽が同時多発に誕生する。
km単位で離れているにも関わらず、頬を平手打ちされたかのような圧力を感じつつクレベール中佐はその勢いに乗るように視線を空へ向ける。
数十秒後、今度は空中に大輪の“花”が咲いた。
海の女王たちの“剣”——主砲による統制対空射撃である。
彼女たちリシュリュー級の主砲である50口径41㎝砲は、仰角45度で発射した場合、距離25㎞付近で高度12000m前後まで砲弾を到達させることができる。
しかし、いくら近接信管を搭載し、さらに測距は対空電探との連動式であるといっても、その距離では命中は期待できないはずであった。
だからこそ相手も油断し、密集隊形を維持していた。そのはずなのに、先ほどまでは最低でも100機はいたであろう敵——重爆撃機——編隊は、その数を半数から1/3以下にまで減らしていた。
まさに【魔弾】の如しであるが、リシュリューが使った策は魔術でも何でもない。砲戦術の基本、「三角測量」である。
ただ、その“基線”を輪形陣そのものとし、さらに観測機を用いて“角”を増やしただけである。
言葉にすれば単純なタネであるが、それにより精度は飛躍的に向上されたのである。
その光景を見たコルベールの防空指揮所では勝利の雄叫びが響き、クレベール中佐もその輪に加わったが、内心これは始まりに過ぎない、と冷静であった。
そしてそれが正しいことが次の報告から裏付けされる。

「敵重爆編隊、二手に分かれてさらに向かって来ます!!」
「こちら電探室!方位2-8-5からの敵攻撃隊は味方戦闘機が食い止めましたが、新たに方位2-7-9と2-8-8から別の編隊が向かって来ます!!」

肉眼と電子の目から立て続けにもたらされた凶報にも、クレベール中佐は動ぜずに命令を下す。

「主砲射撃用意!さあ、今日という日は始まったばかりだぞ!!」

310ひゅうが:2025/03/14(金) 05:14:26 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp
鉄槌世界 戦後史 年表


【原作 本土決戦まで】

1931年 満州事変勃発
1932年 5.15事件勃発、満洲独立反対派の犬養毅首相は重傷を負い辞任
満州国、独立宣言 執政に愛新覚羅溥儀が就任
1933年 日本、国際連盟脱退(発効は1935年)
     アメリカ、フランクリン・D・ルーズベルト政権が発足
     ドイツ、ヒトラーが総統に就任
1934年 溥儀、満州国皇帝に即位、親書を昭和天皇に送りその返答の形で最初に日本を訪問
     溥儀、昭和天皇に対し戦火の拡大に満洲国民が加担させられていることへの不満を直訴。
    昭和天皇、時の陸軍大臣および参謀総長らを呼び出し、直接叱責。以後形だけでも事変不拡大が国策として徹底される
     ソ連、大粛清を開始
1935年 日本陸軍、建軍以来の大改革を断行。関東軍・朝鮮軍司令官ら事変関係者が一斉更迭
     満洲国政府の権限が大幅に拡大
     7月、ソ満国境において日ソ軍が激突(小規模紛争)日本軍に大損害
    日本陸軍、5年計画での師団編成含む抜本改革を開始
     日本政府、軍事予算の緊縮を開始、軍事費が減少に転じる
1936年 2.26事件勃発。反乱軍は国会議事堂を占拠し閣僚4名を殺害
     反乱軍討伐の錦の御旗のもと、陸軍部隊はこれを武力鎮圧
帝都東京は戦場と化し、多くの国民が罹災。首謀者らは全員射殺(一部不明死体も戦闘によるものとして処理)
     陸軍主導内閣が組閣。軍はかなりの強権を手にする
1937年 ワシントン海軍軍縮条約失効に伴い海軍の大拡張開始
     米国との対立が深まり始める
     7月、盧溝橋事件発生
     8月、第二次上海事変発生
日中は全面戦争に突入する(日華事変、あるいは日中戦争)
1938年 3月頃、関東軍が越境北進。ソ連への示威行動(北満州事変)
     ソ連、大粛清を停止し大規模反撃を開始。事変は拡大の一途をたどる
     7月頃、日本陸軍は各所で大敗北。4万人あまりの戦死者を出しソ連から叩きだされたところで停戦成立
1939年 ナチス・ドイツ軍、ポーランド侵攻
英仏、対独宣戦布告。第二次世界大戦勃発
    陸軍主導により日独伊防共協定成立するも、日本政府サイドは対ソ友好関係の維持を決定
     東郷茂徳を中心とした外務省グループの工作が実り、日ソ秘密友好条約締結
     モロトフ・リッベントロップ協定成立。独ソはポーランドを東西で分割
     英仏両国は事実上ポーランドを見捨て、「まやかし戦争」期間に突入
     日独伊三国同盟成立。松岡洋祐ら親陸軍派はソ連を加えた四国同盟を画策
1940年 5月、まやかし戦争終了。ドイツ、フランス侵攻を開始
    パリ陥落、フランス降伏。第三共和政崩壊、ヴィシーフランス政府成立
     ヴィシーフランスの要請に基づき、日本、北部仏印進駐
     亡命フランス政府(自由フランス)、南部仏印において抵抗の構えを見せる
     英米蘭、対日経済封鎖を開始。日本は南方資源地帯への侵攻を考慮し始める
     バトルオブブリテン。ドイツ軍、英国上陸作戦を断念
     ドイツ軍、突如ソ連国境に軍を集結、「ほぼ無防備なルーマニアよりバクー油田の確保を目指し」進撃を開始
     日本、近衛文麿首相および東郷茂徳外相が訪ソし、独ソ停戦を仲介
日独ソ間での秘密協定成立。ソ連はバクー油田採掘権の半分をドイツに譲渡しドイツも撤兵を開始
ヒトラーに、ソ連与し易しの印象を与える

311モントゴメリー:2025/03/15(土) 19:26:14 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
「リシュリュー戦記」世界SS——『決戦後➀』

——グレートブリテン島、大英帝国首都ロンドン、バッキンガム宮殿

「陛下、このようなご報告で宸襟を悩ませること、恐懼に堪えませんが…ロイヤルネイビーは、本日消滅いたしました」

謁見の間で、英国首相チャーチルはそう報告した。

「……」

その報を聞く国王ジョージ六世は、ただ口を噤み、話の続きを待っていた。

「昨日行われました『第三次レイキャビク沖海戦』にて、我がロイヤルネイビーはその持てる全てを用い侵攻してくる欧州枢軸連合艦隊を迎え撃ちました。
しかし、結果は惨敗…。空母機動部隊は母艦こそ過半は健在ですが、艦載機の稼働率は1割を切り戦力としては数えられらません」
「……」
「そして…そして、水上打撃部隊は参戦した全ての戦艦を失い、瓦解いたしました。
何隻かは戦場を離脱し、アイスランドの海岸に乗り上げた艦もいますが、この状況では修復は困難です…」
「……」
「勝利に乗じた枢軸側は、レイキャビクに対し“戦略艦砲射撃”を実施、その港湾と飛行場設備を粉砕しました。
…もはや、新大陸とグレートブリテン島との連絡線は維持できません」
「…市民の被害は?」
「幸い事前の避難が完了していたことと、枢軸側が戦時国際法に則った行動を取った結果最小限で済みました。
それでも、港湾関係者などを中心に無視できない犠牲が出ておりますが…」
「……っ」

ジョージ六世は、僅かながらも初めて顔を歪めた。

「さらに、太平洋においても『第五次ハワイ沖海戦』に我が太平洋艦隊は敗北。オアフ島に日本軍の上陸を許しました。
現在も守備隊は抵抗しておりますが、増援はおろか補給すら送ることが困難です。」
「そうか…太平洋も負けたか…」
「また、先ごろロシア戦線でモスクワ陥落が確認されました…」
「……」

王は肩を落とす。

「されど陛下、明るい話題もございます。ロシア共和国政府のモスクワ脱出が確認できました。
大統領はクレムリンの残り運命を共にしたようですが、政府機能自体は健在であります。」

そして、首相は言葉を切り、続ける。

「そして何より、サンクトペテルブルクでの『勝利』です。
ロシア海軍は再起不能なほどの打撃を受けたようですが、100万人の市民と数十万の将兵が包囲網から脱出できたことを勝利と呼ばず何と呼びましょうか。」
「…そうか、彼らは、ロシア人は『勝った』か」
「正直に申しまして、ロシア人が、特に海軍があそこまで勇敢であったとは思いませんでした。海軍屋としては誠に痛恨の極みです」

ジョージ六世は目を閉じ沈黙する。そして目を開いて言った。

「余は彼らがうらやましい。彼らは勇者として、勝者としての歴史に名を刻んだ。
対する余は、無能な敗者として未来永劫語り継がれるであろう…」
「その汚名は不忠の臣である私が背負います!!」

チャーチル首相は叫んだ。

「まだ終わってはおりません!
もはやグレートブリテン島は維持できないでしょうが、新大陸の領土は今だ健在です。陛下には一時の恥を忍び、脱出していただきたく存じます。
かの地で再起し、復仇の時をお待ちください⁉
ロシアも、我が英国資本により建設されたウラル工業地帯はほぼ無傷です。
ここをしのげば、枢軸陣営の国力から考え近いうちに彼らは攻勢限界を迎えます。そこで一気に反転攻勢に出れば、勝利の栄冠は必ずや陛下の手に帰するでしょう」
「…首相、卿はロンドンに残る気か?」
「はい。
ここまで敗北を重ねてきた者が首相を続けるなど、国民が納得しないでしょう。
ご心配には及びません、昔取った杵柄です。上陸してくる枢軸軍相手に一兵卒として最後まで戦ってみせましょう」
「……」
「ロイヤルネイビーは確かに敗北し、消滅しました。しかし、大英帝国は健在です。必ずや再び七つの海を制する大艦隊を作り上げることができます。
ご決断を、陛下——」
「失礼いたします!!」
「何事か⁉」

312モントゴメリー:2025/03/15(土) 19:27:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
謁見の間に乱入してきた補佐官に対しチャーチルは一喝する。しかし、補佐官の言葉に顔色を変えた。

「宮殿の周りに国民たちが集まって来ております!?
ここは危険です、退避を!!」
「なっ……」

気が付けば外が騒がしい。ここまで喧噪が聞こえるということは、数千、或いはそれ以上の群衆が集まっているのであろう。

「断頭台の露と消えるか。無能な君主に相応しい末路であろうな」
「陛下、まだ間に合います。地下通路から脱出を!!」

運命を受け入れたジョージ六世と最後まで足掻くつもりのチャーチル首相が問答をしていると、不意に喧騒が止み、静寂がバッキンガム宮殿を覆った。
二人が訝しんでいると、旋律が聞こえてきた。

『『『英国斯く誓えり “海波統べん( rule the waves)”と
英国斯く歌えり 兵士の勇ましさ
諸国は聞き、疑を抱く
何ゆえ歌うか?
我らでさえ見失い
風吹き朽ちてゆく 風吹き朽ちてゆく

誰が世の覇者たるか? 思い起こす日ぞ!
そは「陛下の兵士」我が父、我が母!
命を賭す兵士 我が意地見せる時!
勝利に導くは 誰かと問うなら
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!』』』

ジョージ六世は弾かれたように立ち上がり、制止の声も聞かずに廊下へと駆け出していく。チャーチル首相もその後に続き、窓の外を見て驚愕した。
国民が、歌っていた。バッキンガム宮殿を「包囲」した数千…否、数万の国民が歌っていたのだ。
「Soldiers of the Queen(陛下の兵士)」を。
ボーア戦争を生き抜いた老人が、先の大戦で片腕の失った壮年が、この戦争で父を失った少年が、赤子を抱いた母親が、皆が声を合わせて歌っているのだ——!!

『『『黒雲天地覆い 四方は敵ばかり
英国底力に 試練の時ぞ今
"党議にふけ、備え無し"
敵は自惚れり
されど我ら立ち上がり
義の為、国の為、戦とあらば征く!

誰が世の覇者たるか? 思い起こす日ぞ!
そは「陛下の兵士」我が民、我が国!
護国に常に立つ「陛下の兵士」なり!
勝利に導くは 誰かと問うなら
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!』』』

「首相…否、ウィルよ。卿の言う通りだ。我々は、大英帝国はまだ負けていない」
「陛下、では——!!」
「いや、脱出するのは君だ。私はここに残る」
「それはなりません!陛下以外に誰が大英帝国を、あの忠勇なる国民を率いることができましょうか⁉」

必死に翻意を促すチャーチルに対し、ジョージ六世はただ首を振る。

「その忠勇なる彼らを見捨てることなど、余にはできない。
チャーチル首相、卿に命ずる。玉璽を卿に託す故、先に脱出した娘を即位させて、この戦争に勝つのだ」
「…陛下は、どうなさるおつもりで?」
「余は彼らと共にある。余の首と、持ち出せなかった王室財産を差し出せば、グレートブリテン島の民を救う事ぐらいはできるであろう。」
「………」

感極まり、声が出ない首相に対し、王は続ける。

「卿には辛い役目を押し付けてしまうが、娘と、この国の行末を託したぞ。
さあ、我らも歌おうではないか!」

曲は丁度3番に差し掛かっていた。

『『『うわべの挨拶など もう止めるべきだ
いざ起て剣佩きて “海波統べる( rule the waves)”とき
兵役こそなけれども 奴の敵非ず
そがものかは 見せ付けよ
英国たる者は 皆々兵士なり!

誰が世の覇者たるか? 思い起こす日ぞ!
そは「陛下の兵士」我が友、我が子よ!
名誉の守護に立つ「陛下の兵士」なり!
勝利に導くは 誰かと問うなら
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!
誇らしく指し示す「陛下の兵士」!———』』』

313モントゴメリー:2025/04/12(土) 01:12:24 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
集合1-1

どこかの、とある世界線。
水平線上にさえぎる物が何一つない大海原を艦隊が、否、「大艦隊」が進んでいた。
その中の1隻の艦橋に、ギリギリ青年と言って良い男性と妙齢の女性がいる。
司令官席に座る男に対し、女性は尋ねる。

「どうですか【閣下】 本艦の乗り心地は?」
「極上だね。
戦艦の迫力と空母の鋭さ、そして駆逐艦のスリルを同時に味わえる艦なんてこの艦以外にはないだろうね」

それは奇妙な艦であった。
艦前部に3連装2基の主砲が背負い式に配置されているのは特に不自然ではない。しかし、その後から風景が一変する。
艦橋は航空母艦と同じアイランド型であり、それも中央部ではなく右舷側に設置されている。
そして後方からは飛行甲板が艦尾まで続いているのである。
その奇妙な艦の名は、アラスカ級偵察戦艦『アラスカ』という。

「しかし、この艦もそうだけど他の艦も灰汁が強いというか、艦隊全体がアンバランスというか…」

【閣下】と呼ばれた男は艦橋の窓から外を見る。
『アラスカ』の後ろには同型艦である『ハワイ』が続いている。この2隻がこの艦隊の中心である。
そして、その周囲を固める艦艇たちがこれまた個性派揃いであった。
まず『アラスカ』級の後方で別個に陣を敷いている空母群に目を向けよう。
10隻の『インディペンデンス』級軽空母と、5隻の『サモア』級軽空母はまだいい。
“史実”と呼ばれる世界線の『インディペンデンス』や『サイパン』級とほぼ違いはない。
(細部は色々とあるが…)
10数隻の「オリョール」級も許容範囲である。
「ロング・アイランド」級護衛空母の準同型艦として、補助戦力としては十分に使える。
だが、同じく10数隻の『エセックス』級正規空母からは話が変わって来る。
全長275m、基準排水量2万6000トンという堂々とした体躯からは頼もしさを感じるが、実態は一発の被弾で轟沈する危険性を孕んだ脆弱さである。
空母の命とも言える速力も30ノットに届かない(約29ノット)。
とてもではないが空母機動部隊同士の殴り合いなんかには怖くて投入できない。
しかし、これでもまだ「普通」の範疇である。
ここからさらに怪しくなる。

314モントゴメリー:2025/04/12(土) 01:13:43 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
8隻の改「オマハ」級防空巡洋艦はその名の通り、オマハ級の主砲を5インチ両用砲に換装したものでいわば「ジェネリック・アトランタ級」である。
ペンサコーラ級改め「キーロフ」級重巡洋艦の変わらない姿を癒しとしつつ、今度は前方を向けば、4隻の「ボルチモア」級重巡洋艦はこれも史実と変化がないように見える。
しかし、よく見れば主砲が違う。
その主砲はMark 4 25.4 cm(50口径)3連装砲3基に変更されていた。

さらにさらに、「アラスカ」級に負けず劣らず奇抜な造形をしている艦影が連なる。
「キアサージ」級高速戦艦と、「アラスカ」級巡洋戦艦。
共に16インチ3連装主砲を2基前方集中配備しているのは同じであるが、前者は基準排水量3万5000トンと手堅い設計に対して後者は2万8000トンとギリギリまで切り詰めていて余裕がない。
まあ、それを代償に“量産”性を確保しているので、ある意味合理的に割り切った艦である。
彼女らを見た後だと、魔改造された「ガングート」級が普通に見えてくる。
主砲をアメリカ製45口径16インチ連装砲3基に換装した4姉妹は立派な巡洋戦艦に生まれ変わっていた。
(砲塔を減らす代わりに機関も強化している)
おっと、その改装で取り外された30.5㎝3連装砲を主砲とする「クロンシュタット」級偵察戦艦も忘れてはいけない。
あの子たちもこの「アラスカ」の一族である。
そしてやっぱり私がいないと駄目ね!?とでも言いたげに旧ワイオミング級である「ボロディノ」級戦艦が脇を固めている。

艦隊のワークホースである駆逐艦はもっとヒドイ。
12隻の「ミッチャー級」嚮導駆逐艦は基準排水量3800トンで主砲は47口径15.2cm砲連装3基という艦種詐欺である。
(世界水準超えてる軽巡をさらに超えている)
と、思えば60隻の「グネフヌイ」級駆逐艦はいわゆる“フラッシュ・デッカー”であるという両極端。

「よくもまあ、こんなニッチを攻めた艦ばかり集めたものだね」

その男の独白を聞いた女性は、からからと笑い始める。
「貴方が、貴方がそれを仰いますか!我々を生み出したのは他ならぬ貴方ではありませんか!!
【閣下】、いえ、【お父様】!?」

笑い終えた女性——偵察戦艦「アラスカ」の艦娘は居住まいを正し、続けた。

「お父様、『モントゴメリー艦隊』α任務部隊“ Good Ol' Rebel(古き良き反逆者)”、全艦戦闘配置を完了しております。
ご命令を」
「うーん。取り敢えず他の任務部隊と合流しようか」

アラスカの問に男は静かに返した。

315バーコードハゲ:2025/04/14(月) 17:05:34 HOST:KD059132006213.au-net.ne.jp
ちょっとテスト
|神秘学家《アルカニスト》

316バーコードハゲ:2025/04/14(月) 17:09:44 HOST:KD059132006213.au-net.ne.jp
あ、ルビ振りだめかここ
<ruby>神秘学家<rt>アルカニスト</rt></ruby>

317バーコードハゲ:2025/04/14(月) 17:10:19 HOST:KD059132006213.au-net.ne.jp
これもダメか

318モントゴメリー:2025/04/23(水) 23:43:17 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAT82bis短機関銃
口径:10mm
銃身長:250mm(口径漸減部分含まず)
使用弾薬:10x25mm フランセーズ・オート弾
装弾数:32/20発着脱式箱型弾倉
作動方式ストレート・ブローバック式オープンボルト
全長:480/720mm
重量:約4kg(マガジン無し)
発射速度:600発/分
有効射程:約500m

【概要】
MAT82bisは、フランス連邦共和国(以下FFR)が設計した短機関銃である。
その名が示す通り、MAT82短機関銃にMAS50bisで用いられた技術を採用して改良した。

【開発】
10x25mm フランセーズ・オート弾(10x25mm Français Auto)は、それまでの7.65x20mm Longue弾の3倍以上の威力を誇り、それを採用したMAT82も短機関銃としては破格の威力を有していた。
しかし、時代が過ぎるにつれOCU始め列強諸国の歩兵用防弾装備は強化され続けており、フランセーズ・オート弾の神通力も色褪せつつあった。
そこでFFR陸軍は短機関銃の更新を決意。MAT(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:チュール造兵廠)に設計を依頼した。
その際出された設計項目は「使用弾薬はフランセーズ・オート弾のまま」という一点のみであった。
(兵站上の理由から)
MATは単純であるが極めて高い要求に四苦八苦しつつも、MAT82を改良するという形でその要求に見事応えたのである。

319モントゴメリー:2025/04/23(水) 23:45:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
改良において最も大きな変更点は、MAS50bisでも採用された新型銃身と新型ブリーチ(遊底)である。
まず遊底はカムで回転する螺旋状になっており、強固な閉鎖を可能としている。
これにより、従来は密閉できず無駄になっていた圧力を効率よく利用して弾速を向上できる。
つまり、従来の弾薬のまま初速を向上されることで可能なのだ。
また、薬室に装着されたときに薬莢を取り囲むコレットも改良を施し、コレットのテーパー状のウェッジにより、引き抜き力を 50% 減少させることに成功した。
これで、ボルトの回転により多くのエネルギーが残すことできる。
銃身に関しては口径漸減砲、いわゆる「ゲルリッヒ式」である。
これら2つの新規軸を採用した結果、発砲時の初速はおよそ1200m/sまで強化された。
これは同じ弾薬を使用する拳銃の約2.5倍であり、運動エネルギーは約6倍の6000Jとなった。
そして、運動エネルギーが6倍ということは射撃時の反動も単純に考えれば6倍になる。
されどMAT82の重量は一般的拳銃の4〜7倍に相当するため、十分に吸収できた。
連射時の制御については『エラン・ヴィタールで抑え込む』という必勝の方程式で臨む——

謀将国防大臣(当時)「何でもエラン・ヴィタールで解決しようとしたらダメよ?」

——のは上層部からの鶴の一声で却下となった。
現場の努力は素晴らしくかつ尊いものであるが、上層部や技術者がそれに頼るのは“怠慢”以外の何物でもないのである。
そして「『我らが指揮官』隷下の兵士たちの辞書には怠惰という文字はない」のだ。
(某美人戦車乗り「『ただし、あくまで原則的に』だけどね〜♪」(“御守り”の中身をコーヒーカップへ注ぎつつ))
またエラン・ヴィタールに不可能はないが、同時に無限でもない。連続使用し続けては枯渇してしまう。
戦術的観点からしてもエラン・ヴィタールの節約は重要な課題であった。
そこで、ヴァレ155㎜簡易自走砲にも採用された反動軽減機構と同系統の装備を銃床に内蔵した結果、反動はおよそ半分にまで軽減された。
これでもMAT82初期型と比較して2倍以上の反動であるが、許容範囲とされた。

【運用】
MAT82bisは21世紀初頭に制式採用され、従来のMAT82を置き換える形で普及していった。
強化された初速により有効射程は約2倍となり、戦術的柔軟性は大きく広がった。
また威力の方も距離50mで20㎜、200mで17㎜の装甲版を貫通できる能力を有している。
(通常弾の場合)
これならば強化される一方である歩兵用防弾装備にも十分に対応できる。
「置き換える」と言ったが、遊底と銃床を交換して銃身先端に口径漸減部分を追加すれば初期型から簡単に改修できてしまうため、FFR正規軍やフランス国内軍ではこの方式が採られた。
それに対して民間市場に対しては「新商品」という情報を前面に押し立てた宣伝を行った結果、流行に敏感である10代〜20代女性を中心に大変な反響が起こり、大人気商品となった。
(その影に隠れるように改修キットも販売されているが)

320モントゴメリー:2025/05/24(土) 23:34:44 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内②


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
戦線に復帰なされたこと、誠にお喜び申し上げます。

過日は弊社の「ラサール」級を採用していただきありがとうございました。
本日はそのラサール級に対応する「ハイ&ローの“ロー”」となる軽量巡洋艦の案をご紹介いたしたくご連絡いたしました。
貴世界線のフランス帝国さまが構想中の新型巡洋艦、その一助となれば幸いです。
以下がその新商品の概要でございます。



(仮称)マルセイユ級巡洋艦

常備排水量:7800トン
全長:195m
全幅:17.5m
最高速力:36.5ノット
機関出力:約14万馬力
航続距離:18ノットで8000海里
武装:55口径15.2㎝3連装2基
   50口径9.0cm連装高角砲4基
   55㎝4連装魚雷発射管4基(片舷2基)
水上機:6機
装甲:舷側75㎜(最大)
   甲板40㎜
   主砲防盾100㎜
備考:優れた指揮・通信能力を保有


・商品説明
装甲巡洋艦の興隆により「“巡洋艦”に対するビジョンが見えなくなっている」というお悩みを抱えているとお聞きしました。
それに対し弊社が導き出したソリューションは『原点回帰』でございます。
巡洋艦の原点、すなわち帆船時代の「フリゲート」の役割。『索敵』に重点を置いた設計となっております。
大まかなコンセプトは、史実ラ・ガリソニエール級に大淀型の航空機運用能力を足したというものとなります。
多数の偵察機を使い周囲を索敵し、輸送船団など自身で対処可能な目標は撃破し、タウン級のような対処困難な目標はラサール級や潜水艦などの味方に位置を報せそちらに対応してもらう、という運用となります。
しかし二線級というわけではなく、必要とあればラサール級と共に艦隊決戦に投入できる潜在能力は有しております。
36.5ノットという健脚はタウン級から逃げるためだけではなく、ラサール級に追随するためのものです。
(航続距離も同様です)
主砲はタウン級には役者不足ですが、水雷戦隊旗艦として駆逐艦を先導して突撃する際妨害してくる敵軽快艦艇を排除するには十分な威力を有しております。
そして誘爆対策に雷装を廃したラサール級とは異なり、「格上殺し」たる魚雷もあります。
装甲はタウン級対策を諦め、対13㎝級に割り切っております。
索敵にも前衛にも主力にも使える「万能艦」たる巡洋艦の役割を果たせる艦であると自負しております。

以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。
特に速力に関しましては、ラサール級が「35ノット」という前提に設計しております。
yukikazeさまの方で32ノット前後に調整してある場合は、それに合わせ再調整し、浮いたリソースを武装や装甲に割り振ることも可能であります。
(航続距離も過剰である場合はそれに準じます)

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

321モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:26:10 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAS7.5㎜小銃Mle1950ter(MAS50ter)

口径:7.5㎜
全長:1200㎜(銃床折り畳み時約800㎜)
重量:約4㎏
総弾数:20発(着脱式箱型弾倉)
想定射撃距離:800m

【概要】
フランス連邦共和国(以下、FFR)で制式採用された小銃。その名が示す通りMAS50の3番目(ter)の改良型である。
改良の主眼はMAS50bisの激烈なる反動の低減であり、その目標は見事に達成された。
兵士たちからは慣例に従い“MAS50ter”と呼ばれ、初代MAS50から三世代に渡る信頼を保持している。

【計画】
チュール造兵廠(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:MAT)が世に送り出したMAT82bis短機関銃は、大人気商品となった。
特に若い女性から根強い支持を受けたそれは、FFR全体で社会現象と言えるほどの存在となった。
しかし、それを面白く思わない勢力もあった。

——サン=テティエンヌ造兵廠(Manufacture d'armes de Saint-Étienne:MAS)である。

「FFRの魂」とまで言われる名銃MAS50シリーズを生み出したMASからしてみれば、ライバル企業の成功など面白くないのは当然である。
“主役”の座をMATから奪還するべく、MASも独自設計の「新商品」の開発を決定、起死回生を狙った。
なお、この報を聞いたアナイス・ベルナルド国防参謀総長は

「ああ素晴らしきかな意地の張り合いよ! やはり『破壊的革新』は民間企業同士の競争から生まれるのね!!」

と宣い、即座にお付きのラ・ピュセルから

「MASもMATも官営の工廠では?」

と突っ込またという。
そんなことは露知らないMASは、“第一陣”としてMAS50シリーズの最新型を設計することに決め、邁進することになる。
(MAT82シリーズに正面から挑む連発銃も開発するが、そちらは第二陣とした)

322モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:27:12 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【設計】
今回の改良の主眼は『反動の軽減』であった。
当たり前の話であるが、弾丸の運動エネルギーが13㎜級の重機関銃に匹敵するのであれば、反作用のエネルギーもそれに準じるのである。
現状はそれを兵士たちのエラン・ヴィタールで押さえつけているのであるが、そのままにしていい問題ではない。
これまでも幾度か言及しているが、上層部や技術者が現場の努力に胡坐をかくのは“怠慢”以外の何物でもないのである。
そして「『我らが指揮官』隷下の兵士たちの辞書には怠惰という文字はない」のだ。
(「『ただし、あくまで原則的に』だけどね〜♪」
 「閣下、誰に向かって話しているのですか?それ以上加えますとコーヒーとアルコールの適切な比率から離れます。私のタンクから抜き取ったコアントローなのですから浪費は控えてください」)

反動軽減という目標を達成するために、MASは実用化されたあらゆる技術を投入するという方針を取った。
同時に、そのための費用増大は看過することも決断した。
此度の新型銃はMATシリーズと異なり軍の制式装備となることを目標として設計するのだ。
ならば過度に費用圧縮を試みるよりも、性能を追求した方が得策なのである(武人の蛮用に耐える耐久性を確保するのは大前提であるが)。
まず始めに、銃床部分にMAT82bisにも採用された反動軽減機構を搭載した。
これはヴァレ155㎜簡易自走砲で初めて採用された機構であり、その特許はシュナイダー社が保有しているため素直に頭を下げるだけでいい。
しかし、これだけでは反動を50%しか軽減できない。これに組み合わせる他の機構が必要であった。
次に採用したのはM1974 50mm狙撃擲弾砲にも採用された反作用錘であり、この錘の動作により発射の反動を相殺する。
なお、M1974ではこの錘の性能限界により、発射速度が制限(最大30発/分)されていたが、半世紀に渡る技術革新によりその制限はほぼ無くなっている。
加えて射撃時に銃身・機関部が後座するように変更しこれにより更に反動を吸収する。
この機構の副産物として、ボルト・アクション式のままながら排莢を自動化することに成功している。
これは往年の対戦車砲などに見られる機構である。
(著名なものでは旧ソ連のPTRD1941対戦車ライフルが採用している)
これにより、射手の負担はより一層軽減された。
(「閣下、ここまでするのならば完全な自動小銃にするか半自動式にした方がよろしいのでは?」
「流石に毎分数百発も撃ったら射手の前に銃そのものが持たないわよ。そして半自動式は歩兵閥が絶対に認めないわ」)
銃口制退器(マズルブレーキ)の採用ももちろん検討されたが、装着した場合凄まじい発射音と衝撃波及び発砲炎が発生してしまう。
それでは伏撃時に不利となるだけでなく、射手自身やの周囲の味方にも悪影響が出るので不採用となった。
これら各種機構を搭載した結果、射撃時の反動はMAS50bisからおよそ80%削減することに成功した。

このように様々な機構を追加した結果、目標とした反動軽減は達成された。
と同時に新たな問題も発生した。
———重量の増大である。
特に反作用錘の影響が大きかった(というより、これはある程度の重量がなければ効果を発揮しない)が、その他諸々合わせ最終的には約1kgも重量が増加してしまった。
「重量が増えれば更に反動を吸収できる」と楽観的な声もあったが、試作品を扱った兵士たちや将校たちからの評価は低かった。
前線では1g単位で重量軽減に苦心しているのに、そこに1kgも増やすなんてとても受け入れられないのである。
そうした声を受けて、MASは銃全体に手を加えることにした。
具体的には「新素材への置換え」である。
従来は木製や金属製であった箇所で変更可能なものを、新開発されたVP(Vêtements en Papier:紙の衣)や特許が切れたスターライト樹脂などに変更したのである。
当時VPはまだまだ高価であったが、MASはここで採用すれば逆に量産効果で安くなるはずだとして採用することに押し切った。
これにより、全体重量は各種機構を追加してもなおMAS50bisと同等にまで抑制された。

323モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:29:00 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【運用】
開発が完了した本銃は、試験の結果FFR正規軍に制式採用されることとなり「MAS7.5㎜小銃Mle1950ter」と命名された。
そしてMAS50bisを置換える形で配備が進んでいき、兵士たちからはMAS50terと呼ばれ親しまれるようになる。
おおよそ1/5にまで軽減された反動の恩恵により、操作性は飛躍的に向上している。
過半の将兵は好意的反応を示したが、一部の古参兵は

「あの“おてんば娘”のような反応がないと寂しい」
「あのツンツンしていた個性も嫌いじゃなかったなぁ」

などと言って黄昏れていたという。
(「理解が困難な思考です。操作性が向上したことを評価しないなど」
「いい、クロエ?男という存在はいつまで経っても子供なのよ?」
「D'accord、『殿方の精神年齢は年齢と比例しない』、記録しました」)

そんな障害?を乗り越えつつ正規軍では普及していったが民間市場への展開は手控えられた。
販売価格が高価になるという理由もあったが、何より一般市民に往年の対戦車ライフルに匹敵する威力の火器を保有させた場合の問題を考慮したからである。
代わりに、フランス国内軍の備品に指定され、各地方自治体の保管所に備蓄されることになった。
(戦時には国内軍兵士となった市民たちに配布される)

324earth:2025/06/17(火) 20:28:00 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
テスト

325モントゴメリー:2025/07/01(火) 23:35:58 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
教育・文化保護隊

【概要】
教育・文化保護隊(Corps d'éducation et de protection culturelle)とは、フランス連邦共和国(FFR)に存在する組織である。
教育省隷下の武装組織であり、教育大臣『代行』の指揮下にある。
その業務はFFR領内にある各種学校及び美術館や博物館、図書館などの文化施設の警備であり、国民からは

「子供たちの最後の盾」
「『先生』直下の実働部隊」

と呼ばれ敬意の対象となっている。

【沿革】
この組織の始まりは、やはり第二次世界大戦期にまで遡る。
降伏後のフランス本国は、脱走した中華植民地兵の狼藉により治安が急速に悪化していた事は既に何度も述べて来た。
そして、それに対応するべき政府や軍は占領下という状況もあって半ば機能不全に陥っていたことも。
そこで立ち上がったのが『鉄人』、後のFFR初代大統領ジョルジュ・ビドーであり、彼が組織した自警団(対大洋連合レジスタンス組織をそのまま持ってきた)が「フランス国内軍」の祖となった。
この自警団発足により被害は減少傾向になったが、中華植民地兵の数は多く、逃れた範囲は広大であった。
自警団(そして治安戦に参加したドイツ武装親衛隊)だけでは全ての市民を救う事は能わなかった。
特に彼奴らの標的になったのが「弱き者」——子供たちであった。
身代金目的などで学校が襲撃される事態が各地(特に地方)で頻発し、多くの子供たちが犠牲となったのである。
また同時に、金銭目的で美術館や博物館を襲う中華植民地兵も多く、ひどい場合には図書館に火を放たれることもあった。
これに対応するために、各地の学校や美術館などが独自に武装化を始めたのが教育・文化保護隊の源流である。
当初は政府からの補助はなく完全自己負担であったため、装備や人員の質はまちまちであった。
資金に余裕のある施設(主に都市部の美術館など)では退役軍人など本職の者を雇用し、装備もそれなりのものが用意された。
対して余裕のない所(地方の学校など)では職員たちが私物の武器(拳銃から果物ナイフまで様々)で武装するのが限界というような状況である。
当然、このような備えで中華植民地兵を「撃退」することは不可能である。
自然と彼らの作戦目標は「自警団が来るまで、もしくは子供たちが逃げ延びるまで時間を稼ぐ」という形になった。
第二次世界大戦中や戦後の臨時政府時代には、文字通り子供たちの『盾』となり散っていった教師たちが数多いたと伝えられる。
時代が下りFFRの御代となると、これら各種自警団は正式な武装組織となった。
数は大幅に減ったとはいえ、未だ中華植民地兵の脅威はそのままであるし、「暗黒の30年」の停滞の空気の中ではフランス人による犯罪率も高止まりしており治安は安定していなかったからだ。
……と同時に、『鉄人』は彼らに「正規軍のカウンターパート」としても役割も期待したと言われている。
彼は『元帥』亡き後の正規軍(特に陸軍)を完全には信頼していなかったと伝えられている。
(まあ、現役の将官が首都でクーデターを起こすような組織を信頼できる訳がないのであるが)
こうして生まれたのがフランス国内軍であるが、その際、学校や各種文化施設の自警団は完全に分離され独立した。
これが教育省の管轄となり再編されたのが教育・文化保護隊である。

326モントゴメリー:2025/07/01(火) 23:37:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【装備・練度】
教育・文化保護隊の特色として挙げられるのが「屋内近接戦闘への特化」である。想定される状況が学校や文化施設へ侵入してくる賊の排除であるから自然とそういう流れとなった。
しかし、「特化」と言っても詳しく見ると二系統に分かれている。各種学校に配属されている部隊は、遠足などの課外学習時の子供たちへの襲撃に対応するため、最低限(FFR基準)の中距離以遠の屋外戦闘への備えをしているのに対し、美術館や博物館の部隊は屋内の閉所戦闘技術を磨くことに全てをささげていた。
これは装備にも表れており、貴重な展示品を破損しないように、それらに配属される部隊は刀剣類で賊を制圧することを重視している。
もちろん銃火器も装備するが、長射程のものは装備目録から除外されている。
FFRの美術館、それこそルーブル美術館やオルセー美術館に足を運ぶと、要所にサーベルを帯びて警備をする彼らを目にするが、あれは単なる飾りではないのである。
彼らの練度は、正規軍の評価では

「短時間の室内近接戦闘に限定すれば、FFR陸軍の現役兵に匹敵する」

と太鼓判が押されている。
具体的な装備は、MAS50シリーズは当然であるが、銃身が短くなった「Carabinier(騎兵銃)」であり、他に拳銃が備品として配布されている。
(通常の士官は自弁である)
他に散弾銃や、散弾を装填した擲弾発射機などがあり、学校配備部隊にはこれに軽機関銃や対戦車火器が加わる。
装甲車両の導入も幾度か検討されたが、

「君たちが戦車を必要とするような状況を想定するというのは、我々への侮辱かね?」

というフランス国内軍(あと一応正規軍)の反対によりその都度却下されている。
また、別枠に「設備」扱いで機関砲を敷地内に置いている施設もある(対人・対空両用)が、戦時国際法に則り校舎や展示館からは一定の距離が空けられている。

人員の内容についても変遷があった。
初期から中期は、退役軍人など専門教育を受けた者が中心であり、教職員や学芸員とは明確に区別されていた(素人である教師が人柱となった歴史を繰り返さないため)が、時代が下り一般市民が最低限(FFR基準)の軍事能力と知識を有するようになると、人材採用の敷居は低くなった。
21世紀現在では、保護隊職員として勤務する傍ら、勉強や実務経験を積んで教員免許や学芸員・司書の資格を得る者も多い。

327モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:38:29 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
age

328モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:42:18 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
マルセイユ級航空巡洋艦

常備排水量:約7,800トン
満載排水量:約10,000トン
全長:約195m
全幅:約18.0m
吃水 :約6.0m
機関出力 :約90,000馬力
最高速力 :30.5ノット
航続距離 :14ノット / 10,000海里
武装:50口径15.5cm3連装2基
   50口径9.0cm連装高角砲4基
   55㎝4連装魚雷発射管2基(片舷1基)
  60口径3.7cm機関砲 連装8基
76口径13.2mm機銃 4連装8基
水上機:6機
装甲:舷側75㎜(最大)
   甲板40㎜
   主砲防盾100㎜
乗員: 約900名

【概要】
ボナパルト朝フランス帝国がラサール級に続いて建造した巡洋艦である。
その最大の特徴は、同規模の艦艇としては破格の航空機運用能力と長大な航続距離であり、『航空』巡洋艦という新たな類別を誕生させたエポックメーキングな艦である。
ラサール級の補完戦力として運用され、艦隊の作戦範囲と情報収集能力を飛躍的に向上させた。
艦名はフランス勢力圏の都市から採られたため、『都市級』と国民から呼ばれている。

329モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:43:19 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【計画】
フランスが世に送り出した「ラサール」級は、誇張抜きに世界の海軍バランスを崩すほどの能力を秘めた傑作であった。
既存の巡洋艦を圧倒する火力と防御力、戦艦には容易に捕捉されない健脚を併せ持つ彼女は、その評価に相応しい。
ラサール級の登場により、世界各国の海軍では巡洋艦の整備計画が大混乱することになったのであるが、フランス海軍に彼らを笑う余裕は存在しなかった。
——「巡洋艦の整備計画がご破算になった」のはフランス海軍自身も含まれているからである。
自国がラサール級という「装甲巡洋艦」を生み出したならば、他の列強も必ずその対抗となる艦を用意するはずである。
(実際、社会主義連合は「タウン」級装甲艦というカウンターパートを早々に発表し、量産体制に入っていた)
そうなった場合、既存の巡洋艦では装甲巡洋艦に対し勝負にならないのは明白だが、“ならばどういった艦ならば良いのだ?”という回答をフランス海軍もまた持ち合わせていなかったのである。
しかし、やはり先行者の利は大きく、フランスは他国よりは余裕があった。

——我らには既に8隻のラサール級が存在するのだ。敵の装甲巡洋艦の相手は彼女たちに任せることもできる。
ならば、次に用意するべきはラサール級という「ハイ」を補完し得る「ロー」の軽巡洋艦である。

この方針が固まるのにそう時間はかからなかった。
それに対し、技術部門が出した回答は中々に野心的であった。
常備排水量8,000トン弱の船体に水上機を6機搭載するというのだ。
艦載機のみならず艦そのものの性能も高く、36ノットというラサール級以上の速力と片舷8射線の雷撃能力、そして敵駆逐艦を排除するに十分な火力と強力な指揮・通信能力を以って水雷戦隊の旗艦も務めることが可能だという。
正に巡洋艦の原点回帰、「万能艦」と呼ぶべき逸品である。
しかし、この計画案が日の目を見ることはなかった。
皇帝ナポレオン六世の「費用が掛かりすぎる」という一言で“撃沈”されたのである。
しかし全くの無駄になったわけではなく、次期巡洋艦は、これを素案として費用を低減されたものに決定した。

【船体全景及び上部構造物】
基礎となる設計はラサール級に範をとっている。これは「巡洋艦」の設計としてはラサール級がフランスの先端であるためである。
そのため、艦首から始まる線形はラサール級の優美さを踏襲しているが、航空機運用時の安定性を考慮し若干幅広の船体となっている。
また主砲は艦前部に集中配置され(背負い式)、これにより艦後部に航空機運用に必要な空間を確保している。
艦橋は艦中央部に配置されている。この規模の艦ろしてはやや大型であるが、これでも原案より小型化されている。
原案は「高度な指揮・通信能力」を付与するために艦橋が肥大化したが

「(水雷戦隊を率いる訳ではないから)通信能力はともかく、指揮能力は必要十分な規模があれば十分」

という若き皇帝の意向により削減対象となった。
艦橋の後方には煙突と後部マストが配置され、その周辺には高角砲を始めとした対空火器が空へ睨みを利かせている。
そして艦後部には本級最大の特徴である広大な航空作業甲板と、大型の箱型格納庫がその存在感を主張している。
その規模は船体の約1/3を占めるほどであり、2基の大型カタパルトと複数のクレーンが、6機もの水上機を迅速かつ継続的に運用することを可能にしている。
他に、これもラサール級に倣い乗員の居住区画は従来の同クラス艦艇よりも拡張され、士気維持への配慮がなされている。
(小規模ながらワイン専用倉庫も存在している)

330モントゴメリー:2025/07/10(木) 23:44:11 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【兵装】
主砲として、50口径15.5cm砲を3連装2基搭載している。
これは「元帥」級の副砲を流用しており、信頼性の確保と費用圧縮を両立させている。
しかし当然ながら、威力は仮想敵の「タウン」級装甲艦に対しては完全に不足しており、それどころか日本海軍の球磨型巡洋艦に対しても劣勢であった。
これは、敵装甲艦などの大型艦の相手はラサール級や元帥級に任し、本級は索敵や通商破壊を主任務とするので、それを妨害する敵駆逐艦を排除できればそれでいいという割り切りであった。
副砲は搭載していないが、高角砲としてラサール級にも採用された50口径9.0cm連装高角砲を4基搭載している。
さらにそれを補完する対空火器として3.7cm機関砲と13.2mm機銃が各所に配置されている。
雷装に関しては、原案では片舷8射線合計16射線が計画されていたが、これも削減対象となり55㎝4連装魚雷発射管2基(片舷1基)と半分になってしまった。
皇帝は当初ラサール級のように雷装を全廃することも検討したが、ラサール級と異なりタウン級から逃げ切れる速力を持たない本級で魚雷と言う“最後の希望”を取り上げては乗組員の士気に関わるという進言を受け入れ、最低限の装備を許可したという。

【機関】
機関出力は原案では14万馬力を確保するとしていたが、やっぱりこれも削減対象となり約9万馬力にまで抑えられた。
機関構成そのものは、インドル式ボイラーの採用などラサール級を踏襲している。

【機動力】
原案での最高速力は36.5ノットであったが、機関の削減の結果公称で30.5ノットとなった。
ラサール級のような仮想敵を翻弄する健脚ではないが、実用上これで十分とされた。
それに対し航洋性能は原案から維持され、14ノットで10,000海里の航続距離を確保している。
これは哨戒任務や通商破壊戦に十分に対応できる数字である。

【防御力】
装甲は舷側主要部で75mm、甲板で40mmである。
(以外にも、これは原案とほぼ同じである)
これも主砲と同じく、敵駆逐艦との撃ち合いに勝てればよく主力艦との戦闘は考慮しないという割り切りである。
ある意味では本級はその航空機運用能力を駆使した索敵能力が最大の「盾」なのである。

【航空艤装】
これこそが本級の核心であり、存在意義である。
艦後部の広大な作業空間は、雷撃も可能な高性能水上機を格納・整備・運用するために使われる。搭載数は最大6機である。
2基の大型カタパルトは設置されており、それにより短時間での連続発進を可能としている。
また大型クレーンも装備されており、荒天下での機体回収を支援する。
格納庫内には充実した整備施設と部品庫、航空燃料タンク、爆弾・魚雷庫が備えられ、艦隊から離れた単独航海でも長期間の航空作戦を継続できる。
これにより、本級は単なる「水上機母艦」ではなく、攻撃的な「航空巡洋艦」としての能力を発揮する。

【運用】
本級は1番艦「マルセイユ」が就役した後、特に大きな障害もなく第二次世界大戦勃発までに当初予定されていた6隻全てが艦隊に配備された。
就役後はその設計思想通り、フランス海軍の「眼」として活躍し、大戦時には索敵のみならず通商破壊戦で活躍。艦隊の「槍」としての役割も全うした。
更には当初想定されていなかった艦隊決戦に参加し勇戦。
その姿は正にラサール級の「補佐」であり、ラサール級の存在する戦場全てで駆け回りその名を世界に刻み付けた名艦となった。

331635:2025/07/21(月) 10:33:31 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp

日蘭世界ゲートネタ 仮称トリトン(Tactical Rapid-Impact Torpedo Offensive Navy vessel)重雷装コルベット計画艦


排水量 2800トン(満載)
全長/全幅/喫水 100m/14m/4.2m
速力 最大 30ノット以上
航続距離 約4,500海里(15ノット巡航時)
乗員 約70名(+ミッション要員最大10名)

推進・電源システム
項目 内容
主機構成 CODAG方式:GE LM2500 ガスタービン×1+ディーゼルエンジン×2
推進形式 ウォータージェットまたは可変ピッチプロペラ
補助電力 高出力電源、冷却能力強化(電子機器+発射装置対応)

センサー・電子装備
種類 装備 備考
多機能レーダー TRS-4D AESA(回転式)
射撃管制レーダー AN/SPQ-9B
EO/IRセンサー 複合マスト型光学・熱感知システム
電子戦装備 簡易ESM/ECMパッケージ

兵装構成
分類 装備 配置
主砲 Mk110 57mm速射砲×1門
近接防空 SeaRAM×1基(RAM Block II)
主打撃兵装 Mk48ADCAP重魚雷×8発(四連装魚雷発射管コンテナ二基、対潜兼用)
副兵装 12.7mmRWS機銃×4基
VLS Mk41VLS×8セル(ESSM用)
対魚雷装備 曳航式デコイ(NIXIE)+曳航ソナー(オプション)


トリトン重雷装コルベット計画艦は20XX年に出現した日蘭世界(米呼称E-1)に接続した超時空門の存在により計画された第二次世界大戦後のアメリカ海軍初の雷装を主兵装とする艦である。
同世界では大型水上打撃艦が未だに現役であり21世紀に入っても新造艦が建造されるなど海軍の主力として存在、高い対水上打撃能力を保持し戦艦を補佐する艦艇の打撃能力も侮れるものではなかった。
対する米海軍の対水上打撃能力は相次ぐ対艦ミサイル開発の中止や遅延により日蘭と比較し大きく劣っており、ある程度の対抗可能と思われる攻撃型原子力潜水艦は数が決して多くなく整備自体も遅れていた。
そこで米海軍作戦部門内に置かれた超時空門対処部門である特別計画局より提言されたのがトリトン重雷装コルベットである。

設計開発及び建造期間を圧縮する為に縮小・小型化したフリーダム級沿海域戦闘艦の船体を採用、全体的な形状はフリーダム級に似ながら戦闘艦として十分な強度・防御力を得る為に船体の大半はアルミ合金より高張力ステンレス鋼に変更しその内側にはケプラー装甲が貼られある程度の防御力の向上が行われている。
兵装配置としてはフリーダム級と同じく艦橋前面の艦首方向にMk110 57mm砲を配置、フリーダム級に似た形状の艦橋上部には回転式のTRS-4D多機能レーダー及びEO/IRセンサーを配置。
艦上部構造物後方のヘリコプター格納庫であった場所を幾分潰すことでMk41VLSを8セル分確保している。なおこれにより格納庫容積は減少、艦載ヘリコプターの運用は航空甲板への露天係止以外不可能になり格納庫は主に各種ドローンの格納庫として利用されている。
そして航空甲板下のミッションベイが存在した区画に魚雷発射管コンテナ二基を両舷側に搭載、各種ミッションパックの装備やウェルドックの設置は不可能となっているが主任務が対戦艦戦闘故に問題とは見做されていない。

332635:2025/07/21(月) 10:41:52 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp

日蘭世界ゲートネタ 仮称トリトン(Tactical Rapid-Impact Torpedo Offensive Navy vessel)重雷装コルベット計画艦


排水量 2800トン(満載)
全長/全幅/喫水 約100m/14m/約4.2m
速力 最大 30ノット以上
航続距離 約4,500海里(15ノット巡航時)
乗員 約70名(+ミッション要員最大10名)

推進・電源システム
項目 内容
主機構成 CODAG方式:GE LM2500 ガスタービン×1+ディーゼルエンジン×2
推進形式 ウォータージェットまたは可変ピッチプロペラ
補助電力 高出力電源、冷却能力強化(電子機器+発射装置対応)

センサー・電子装備
種類 装備 備考
多機能レーダー TRS-4D AESA(回転式)
射撃管制レーダー AN/SPQ-9B
EO/IRセンサー 複合マスト型光学・熱感知システム
電子戦装備 簡易ESM/ECMパッケージ

兵装構成
分類 装備 配置
主砲 Mk110 57mm速射砲×1門
近接防空 SeaRAM×1基(RAM Block II)
主打撃兵装 Mk48ADCAP重魚雷×8発(四連装魚雷発射管コンテナ二基、対潜兼用)
副兵装 12.7mmRWS機銃×4基
VLS Mk41VLS×8セル(ESSM用)
対魚雷装備 曳航式デコイ(NIXIE)+曳航ソナー(オプション)


トリトン重雷装コルベット計画艦は20XX年に出現した日蘭世界(米呼称E-1)に接続した超時空門の存在により計画された第二次世界大戦後のアメリカ海軍初の雷装を主兵装とする艦である。
同世界では大型水上打撃艦が未だに現役であり21世紀に入っても新造艦が建造されるなど海軍の主力として存在、高い対水上打撃能力を保持し戦艦を補佐する艦艇の打撃能力も侮れるものではなかった。
対する米海軍の対水上打撃能力は相次ぐ対艦ミサイル開発の中止や遅延により日蘭と比較し大きく劣っており、ある程度の対抗可能と思われる攻撃型原子力潜水艦は数が決して多くなく整備自体も遅れていた。
そこで米海軍作戦部門内に置かれた超時空門対処部門である特別計画局より提言されたのがトリトン重雷装コルベットである。

設計開発及び建造期間を圧縮する為に縮小・小型化したフリーダム級沿海域戦闘艦の船体を採用、全体的な形状はフリーダム級に似ながら戦闘艦として十分な強度・防御力を得る為に船体の大半はアルミ合金より高張力ステンレス鋼に変更しその内側にはケプラー装甲が貼られある程度の防御力の向上が行われている。
兵装配置としてはフリーダム級と同じく艦橋前面の艦首方向にMk110 57mm砲を配置、続くフリーダム級に似た形状の艦橋上部には後方より移動させたRAMが搭載されているが発射機がSeaRAMに変更されている。
艦上構造物中央部には回転式のTRS-4D多機能レーダー及びEO/IRセンサーを配置。
艦橋から続く上部構造物後方内にはMk41VLSを装備、ヘリコプター格納庫であった場所を幾分潰すことで8セル分の空間を確保している。
なおこれにより格納庫容積は減少、艦載ヘリコプターの運用は航空甲板への露天係止以外不可能になり格納庫は主に各種ドローンの格納庫として利用されている。
艦尾航空甲板下のミッションベイが存在した区画に魚雷発射管コンテナ二基を両舷側に搭載、各種ミッションパックの装備、多目的甲板としての利用、ウェルドックの設置は不可能となっているが主任務が対戦艦戦闘故に問題とは見做されていない。

333635:2025/07/21(月) 10:42:26 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp



以下、米海軍作戦部門・特別計画局の国防総省及び議会軍事委員会への提言文書



新時代の雷撃艦構想:超時空脅威下における即応型水上戦闘力の整備に関する提言

提出先:アメリカ合衆国国防総省/合衆国議会軍事委員会
提出者:米海軍作戦部門内 特別計画局
提出日:20XX年X月X日


1.概要

超時空門を介して接続された並行世界「E-1」における戦力構成は、我が国の現行海上戦力体系と著しく乖離しており、特に水上火力投射能力において米海軍は致命的劣勢に立たされています。

E-1世界において戦艦戦力が主力として運用されており、口径410mm以上の重砲を備え、かつCIWS・SAM・指向性エネルギー兵器を統合した高防御性能艦が複数確認されています。
我が海軍が有する対艦打撃手段(SLAM-ER、ハープーン、LRASM)はそもそも対戦艦戦闘に設計されておらず、また射程・貫通力・同時攻撃力において大きな不備が存在します。


2.現状の戦力ギャップと制約

項目 状況

戦艦対抗戦力 アイオワ級戦艦の再就役は船体老朽化、主砲整備不能により断念
大口径艦砲製造 国産ライン全廃、溶接鋼板・厚板鍛造能力の低下により非現実的
対艦ミサイル戦力 ハープーン系列は貫通力不足、LRASM長距離対艦ミサイルは配備遅延と高コスト、HALO極超音速ミサイルは開発中止
水上打撃艦の不足 DDG(X)、FFG(X)はいずれも対艦戦において火力不足か配備が未定
造船能力 空母・潜水艦向けに集中、汎用戦闘艦の量産基盤は脆弱


3.提言:重雷装コルベット計画の創設

本提言では、既存兵器体系の制限を回避し、魚雷という成熟兵器を中核とした重雷装型小型戦闘艦の緊急整備を提案します。

主目的

・重装甲艦(戦艦・装甲巡洋艦)への確実な撃沈手段の提供
・既存造船インフラ及び装備品を用いることで短期量産可能な水上打撃力の創出
・対艦・対空自衛力を兼備した低コスト高致死性プラットフォームの実現


4.重雷装コルベットの主要特徴

要素 説明

排水量/規模 2800トン級コルベット/沿岸域〜外洋任務対応
主打撃力 Mk48ADCAP重魚雷×4(コンテナ内蔵)による艦底破壊攻撃
主砲 Mk110 57mm速射砲:CIWS・対艦・対地射撃兼用
自衛力 ESSM及びSeaRAM搭載による限定的飽和ミサイル迎撃能力
多機能レーダー TRS-4D(回転型 AESA)+SPQ-9B FCSの組み合わせによる低コスト即応型統合センサー
機関 GE LM2500+ディーゼル:高信頼・即応対応型CODAG推進
建造性 既存のLCSベース造船ラインでの設計転用が可能(フリーダム級派生型)
コスト・量産性 1隻あたり約3億ドル/24か月で建造可能(準量産時)


5.導入と配備シナリオ

フェーズ 内容 

緊急開発フェーズ 試作艦1隻の設計・発注(LCSフリーダム型設計ベース)
限定生産フェーズ 先行量産艦3〜5隻(西太平洋配備) |
戦力化フェーズ 並行世界対応タスクフォースに12〜18隻配備/艦隊護衛隊編成
連携運用 無人艦艇・攻撃型原潜と共同で機動雷撃戦を展開 |


6.政治・戦略的メリット

・既存技術の活用による早期装備化
・対艦ミサイルに依存しない「非対称的な戦艦キラー」としての抑止力
・沿岸防衛・列島線防衛・狭水域封鎖戦などにも転用可能
・造船産業基盤の即時活性化と関連州(ウィスコンシン、アラバマ等)への経済効果
・連邦議会の超時空門対応予算の一部転用で初年度着手可能


7. 結語

超時空門という未曾有の地政学的変化に対し、米国海軍が保有する火力は危機的に乏しい状況にあります。戦艦のような重装甲艦に対する即時の抑止力を確立し、主導権を奪還するためには、従来型の艦艇・兵装体系に囚われず実用性と即応性を重視した新たな「雷撃主義」戦闘艦の整備が不可欠です。

重雷装コルベットは、低コスト・短納期・高致死性の三拍子が揃った戦時的対応兵力であり、米海軍の「臨時だが現実的な牙」として国家防衛戦略の空白を埋める存在となることを確信します。

334モントゴメリー:2025/07/21(月) 22:56:05 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
FFRの街道シリーズ①——La Veine Verte(緑の血管)——

【概要】
La Veine Verte(緑の血管)とは、フランス連邦共和国(FFR)、そこのサハラ砂漠に巡らされている道路及び鉄道網のことである。
衛星軌道上から見ると、防砂用の緑地帯がサハラ砂漠に広がる血管のように見えるためそう名付けられた。
具体的には、地中海に面した「アフリカ州の玄関」ことアルジェリア県のアルジェからサハラ砂漠の中心都市であるタマンラセットを抜け、サヘル地帯の要衝ガオとマリ県の首都バマコを経由して、大西洋岸の要港ダカールへと至る、全長6,600km以上に及ぶ壮大な縦貫路である。

【計画】
『暗黒の30年』期の中盤以降、アフリカ州の物流は「線路の無い列車」ことTFLシリーズとそれを駆る乗組員の不断の努力により何とか安定傾向を示してきた。
これにより現地の治安も徐々に改善していったのだが、『鉄人』ジョルジュ=ビドー初代大統領はその現状に甘んじなかった。
本当の意味で物量網を構築するのならば、一般乗用車(せめてトラック)が通行できるしっかりとした「道」を創らなければならない。
彼はこの信念を以ってアフリカ州の道路網整備を主張し続けたが、『暗黒の30年』期のFFRにはそれを成せる力などどこにも無かった。
しかし、『鉄人』が現役を退いた後も彼の信念は受け継がれていた。
そうしてようやく30年の夜が明け、『暁の20年』と後世呼ばれる高度経済成長期が訪れると、『鉄人』の夢を形にできる環境が整いつつあった。
――サハラ砂漠縦貫道路計画は、このようにして開始された。

335モントゴメリー:2025/07/21(月) 22:59:15 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【経路】
最優先目標として設定されたのは「アルジェ―ダカール間の開通」であった。
「アフリカ州の玄関」たるアルジェと、大西洋岸の要港であるダカールを陸路で繋ぐことは経済上非常に有益であるからである。
また、現在はダカール港に多くを依存しているアフリカ西部から南部の物流についてもこれで助長性が確保できる。
(当時のFFR上層部は、戦時にはヨーロッパ州とダカール間の海上交通線は維持できないと達観していた)
なので当初は両者の最短経路を試みて、アルジェから南西方面へ進みモーリタニア県を縦断する経路が設定された。
しかし、それに待ったをかけたのが『鉄人』である。
大統領職を退いた後も意気軒高であった彼はその計画の弱点を見抜いていた。
それは「最短」経路ではあるかもしれないが、「最適」経路ではないということをである。
一見、最短経路が最も難易度が低いように思われるが、そこは現在何もない「砂の海」である。
つまりゼロから全てを構築しなければならないため、必要な作業量は膨大なものとなるのである。
それに対し、『鉄人』が示した経路は以下の通りである。

・アルジェから一度南下しタマンラセットを目指す
・タマンラセットから更に南下し、マリ県のガオへ接続
・その後は西進しトンブクトゥを通りマリ県の首都バマコを経由して、大西洋岸の要港ダカールへと至る

それは正しくサハラ砂漠の中心を打通するが如き経路であり、「遠回り」のように見えた。
怪訝な表情を示す関係者たちに対し、『鉄人』はこう言ったと伝えられる。

「最短距離で結ぶのは、ただの『線』だ。我々が作るべきは、内陸の心臓部を貫き、領土全体を豊かにする『大動脈』でなければならない」

以下に『鉄人』が示した経路を解説する。
まず第一に経済的な理由である。
「タマンラセット」はサハラ砂漠の中心に位置し、ここを抑えることはサハラ砂漠そのものを支配することを象徴するのである。
「ガオ/トンブクトゥ/バマコ」等これらの都市はFFRアフリカ州の中核をなすマリの主要都市であり、政治・経済・文化の中心地だ。
仮に「最短経路」を選んだ場合、これらの重要な内陸都市は物流網から外れてしまう。
その果ては沿岸部は発展するであろう。しかし広大な内陸部はその発展から取り残され、アフリカ州に「格差」が生まれてしまう。そうなればようやくほぼ鎮火した反乱の火種も再燃してしまう。
アフリカ州のフランス化に誰よりも心を砕いてきた『鉄人』にとって、それは断じて受け入れることはできなかった。

第二に政治的な理由である。
「全てのフランスの後継者」を自認するFFRは領域内の『歴史』を継承する義務があるのだ。
「タマンラセット」は古来からのサハラ交通・軍事の要衝である。19世紀からはフランス軍の軍事郵便局が設置されたほどである。
「ガオ」は7世紀から続く交易の拠点であり、ソンガイ帝国の首都でもあった。
15世紀後半にはニジェール川交易の東端として繁栄を極め、7万人の人口と千隻の舟を擁したと伝えられる。
「トンブクトゥ」もまたサハラ交易の結節点として栄え、大航海時代前の欧州では「黄金郷」と呼ばれたほどである。
(大航海時代になり衰退)
「バマコ」も同様であるが、さらに言うなら1883年に占領して以降、フランスのアフリカ統治の重要拠点であり続けた。
これらを経由することで、歴史ある交易路を受け継ぎ飛躍させるのだという政治的メッセージとするのだ。

第三は難易度の問題である。
実は、今まで示してきた経路は、『鉄人』の独創ではない。何世紀にもわたってキャラバン(隊商)が通ってきた、伝統的な「サハラ交易路(トランス・サハラ・ルート)」とほぼ一致する。
ではなぜこの道が使われてきたのか?それは、

•オアシス(水源)が点在している。
•比較的、地形が安定している。
•古くからの集落や都市が存在する。

からである。
すなわち、この経路は「砂の海」を切り拓くのではなく、インフラが(たとえ僅かでも)存在し、経済活動の歴史がある、最も現実的で建設しやすい経路でもあるのだ。
全く何もない砂漠にゼロから道路と防砂林、給水設備を建設するよりも、既存の都市やオアシスを中継拠点として活用しながら建設する方が、遥かに効率的で、建設後の経済効果も大きいのは自明の理である。
このようにして経路は決定された。

336モントゴメリー:2025/07/21(月) 23:00:31 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【構造】
方針は決しても、それを実行するのはさらなる困難を越えねばならない。
何せ相手は砂である。
一日かけて整備した道路が翌日には砂の下、ということは日常茶飯事であった。
当初は道路を守る「壁」を建設しようとした。
しかし、言うは易く行うは難し。
「壁」の建設には膨大な予算が必要であるという試算の前に、この計画はしばし停滞することになる。
(「暗黒の30年」中に計画が進展しなかった主な理由である)
事態が動いたのは「暗黒の30年」末期、サハラ砂漠の地中に大量の地下水が発見された時である。
この水によりサハラ砂漠の緑地化計画は一気に推進するのであるが、同時に「壁」の問題も解決された。
「壁」をレンガやべトンではなく樹木で作るのである。
以下にその防砂林帯(Voie Verte de Protection)の構造を述べる。

1. 最外周:
ここは砂の移動を止める「物理的な壁」である。地表を転がってくる砂(クリープ、サルテーション)を物理的に受け止め、その場に堆積させるのを目的とする。
砂防林帯の中で最も過酷な環境に耐える必要がある。
具体的な植物は、「レプタデニア・ピロテクニカ(Leptadenia pyrotechnica)」や 「パニカム・トゥルギドゥム(Panicum turgidum)」である
前者はサハラやサヘルに自生する、ほとんど葉を持たない灌木。極度の乾燥と熱に強く、密生させると強力な砂のトラップとなり得る。
後者は「砂漠の草」とも呼ばれるイネ科の植物で株状に密生し、根と茎で砂をがっちりと固定する。
これらが選定された理由は現地の生態系に完全に適応しており、最小限の水で生存可能であるからだ。この層を「Béton de maréchal」製の杭と「VP」製のネットを組み合わせた機械的な柵で補強しつつ、これらの先駆的な植物を植え、最初の防御ラインを構築する。

2. 中間層
ここは地面を固定し、風を弱める「緑のカーペット」となる。目的は密な根を地中に張り巡らせて土壌そのものを安定させ、地表付近の風速を大幅に減速させることである。
具体的な植物は「アカシア・トルティリス(Acacia tortilis)」や「ジジフス・マウリティアナ(Ziziphus mauritiana - インドナツメ)」である。
前者はサヘル地帯を代表するマメ科の樹木。非常に強い乾燥耐性を持ち、根を深く広く張るため土壌の安定化に絶大な効果を発揮する。また、根粒菌との共生により土壌を肥沃にする効果も期待できる。
後者は成長が早く、棘のある枝が密生するため、風除けとして非常に優秀であるばかりか、果実は食用にもなる。
これらを密植することで、砂が舞い上がるのを根本的に防ぐ。
3. 中心層
ここでは舞い上がる砂を捕らえる「空中のフィルター」を形成する。
中間層を越えて空中に舞い上がった、より細かい砂塵(浮遊)を高い樹木で濾し取り、道路や線路への到達を防ぐ最後の砦とする。
具体的な植物は「ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)」である。
これは「オアシス」を象徴する樹木で知名度も高い。背が高く、その葉は空中の砂塵を捕らえるフィルターとして理想的である。加えて果実(デーツ)は貴重な食料となり、経済的な価値も生み出す
「ユーカリ・カマルドゥレンシス(Eucalyptus camaldulensis)」も有力な候補であったが、豪州が原産であるため見送られた。
中心層はその高さと密な葉で、最後の防御壁を形成する。またナツメヤシは食料生産という副次効果も大きく、沿線に生まれるサービスエリアや集落の経済基盤にもなり得る。

道路自体の幅は上下線、中央分離帯、サービスエリアなどを含めれば50〜60メートルに及ぶ。
その外周に中心層が左右約40mずつ、中間層が約100mずつ、最外周部が約80mずつと並び、全てを合計すると500mほどの幅となる。
また300から500km毎に全天候型サービスエリア(Relais du Désert - 砂漠の駅)が設置されており、燃料・電力供給のみならず簡易休憩所ではできない車両整備工場(TFL対応)、や「TFL-3」で培われた快適な宿泊施設が完備され、砂漠を行く人々の命綱となっている。
(この他50から100kmおきに、果実用の比較的小規模な「収集・一次加工拠点(Centre de Collecte et de Traitement Primaire, CPPC)」が、設置されているが、今回は割愛する)

【運用】
La Veine Verte(緑の血管)は計画始動から数十年を経た2010年代に全線開通した。
その後はアフリカ州の物流の根幹となるまさしく「動脈」となったのである。

337モントゴメリー:2025/08/09(土) 21:17:16 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
M2010 65mm狙撃擲弾砲CaGreT-65
口径:65mm
全長:約1600mm
重量(脚含む):12kg(二脚)/20kg(三脚)
初速:450 m/s
有効射程:約1200m(直射)
      3000m(曲射)
      9000m(面制圧、三脚使用時)
弾倉:箱型6発/ドラム型12発
発射速度:30発/分(標準)

【概要】
フランス連邦共和国(FFR)においてM1974 50mm狙撃擲弾砲CaGreTの後継として開発された携行擲弾発射器である。
口径と初速が増大しているにもかかわらず、重量と反動は減少しているため威力と運用性が格段に向上している。

【計画】
M1974 CaGreTの運用実績は申し分ないものであった。しかし、時代が進むにつれて陳腐化の影が迫ってきた。
特に対装甲火力の不足が目立ち始め、このままではOCUやBCの新型装甲車両には通用しなくなるのは明白であった。
(そもそも、M1974は治安戦用装備重視の方針が残っていた頃の装備である)
そこでFFR陸軍上層部は装備の更新を決断。
威力増大を主眼としつつ、運用性の向上も目指し設計されたのがM2010である。

【構造】
基本的にはM1974を踏襲しつつ、各要素を改良・強化している。
まず一番の変更点は口径である。M1974では50㎜だったのが65㎜まで拡大された。
これは、純粋に威力増大を意図しつつ、M1954山砲より受け継がれている「歩兵砲」の伝統を踏襲した結果である。
口径の増大に伴って全長も約100mm延長されているが、数々の軽量化措置により重量は逆に2割も削減され運用性は向上している(15kgから12kg)
弾倉は6発の箱型弾倉か12発装填のドラム型弾倉を選択できる。また上部から1発ずつ装填することも機構もM1974より受け継いでいる。
装填方法もボルトアクション式を継続しているが、MAS50terで実装された自動排莢機構を採用したため、発射速度が大幅に向上している。
(M1974に存在していた発射速度制限は撤廃されている)

338モントゴメリー:2025/08/09(土) 21:18:25 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【火力】
口径増大の恩恵により、火力も向上している。
成形炸薬弾の場合、口径増大と設計の最適化により、命中時の状況にもよるが280㎜から330㎜程度の貫通力を発揮する(均質圧延鋼鈑換算)
これはロシア帝国軍が保有するRPG-7の初期型弾頭に匹敵するが、後述するように射程と命中率ではこちらが圧倒的に上である。
この特性を活かして、FFR陸軍では一度命中した箇所を更にもう一撃打撃して重防御の目標を撃破する運用が多用されている。
(通称「エラン・ヴィタール式二重弾頭」)
その他通常の榴弾やフレシェット弾もM1974から引き継いでいる。
榴弾は時限信管で空中炸裂させた場合、最大で半径25mの範囲の人員を薙ぎ払うことができる。
フレシェット弾では600本の「矢」が内蔵されており、250m先の直径20mの円内に降り注ぐ。
この他にも照明弾など多種多様な弾頭を使用可能である。
また、初速も1割以上強化(400m/sから450m/s)され、射程も延長されている。
(これもMAS50terで用いられた螺旋遊底閉鎖機構が利用されている)
これにより、直射での有効射程はM1974の1000mから1200mまで延伸している。一般兵の想定射撃距離は800mから改定されていないが、命中率は向上している。
また、選抜射手や狙撃兵が用いた場合は、1200mはもちろん曲射で2000m以遠の目標を「狙撃」することも可能である。

【重量軽減】
従来のまま上記の性能を発揮しようとした場合、重量は20㎏を越えることが想定された。
それでは兵士一人で運用するには難があるため、軽量化が模索されることになった。
しかしこれはそれほど困難ではなかった。MAS50terでも示した通り、FFRがこれまで積み上げてきた材料工学の精華はこの「壁」を完璧に乗り越えて見せたのである。
基本的にはMAS50terの時と同様に、従来は木製や金属製であった箇所で変更可能なものをVP(Vêtements en Papier:紙の衣)や特許が切れたスターライト樹脂などに変更したのである。
これにより、重量は12㎏とM1974よりも軽量化された。
【反動制御】
初速と弾頭重量が増大し、重量が軽減したのならば反動が大幅に強化されるのは必然である。その対策をしなければ生身の歩兵では運用できない。
しかし、こちらもMAS50terが切り拓いてくれた道を進めば自ずと解決できた。
まず、M1974でも採用されていた反作用錘の構造をより洗練し搭載した。この副産物としてM1974で設定されていた射撃速度の制限は撤廃されている。
次に射撃時に砲身・機関部が後座するように変更しこれにより更に反動を吸収する。MAS50terの時と同様に、これにより薬莢が自動排出され射撃速度は向上した。
もちろん、銃床にはもはやFFR火器の標準とも言える反動吸収機構を備えている。
さらにM2010独自の装備として、砲口制退器(マズル・ブレーキ)を備えている。
MAS50terの時は「凄まじい発射音と衝撃波及び発砲炎が発生してしまう」として不採用となったが、これは新設計により解決した。
(小型減圧型ブレーキ孔を外周に帯状配し、音響・衝撃波を最小化)
このような各種機構により、反動は75%から80%軽減されM1974よりも使いやすくなったと兵士たちから評判になった。

【運用】
M2010は採用され次第、M1974を更新する形で順次FFR陸軍各部隊に配備された。
運用はM1974と大きく変化することは無かったが、強化された威力と射程は最大限に活用されている。
また一部の部隊では、強化された初速を活かして対空射撃にも使用している。
(時限信管で榴弾やフレシェット弾を撃つのみならず、着発信管で直撃させるという芸当をする兵士もいるという…)
その活躍は正に「歩兵の友」であり、M1954山砲より連綿と受け継がれてきた歩兵砲運用の結晶であった。

339モントゴメリー:2025/08/10(日) 22:58:37 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
M1970 65mm携行擲弾砲改(bis)

口径:65mm
全長:約85㎝
重量:約6.5g
有効射程:400m(曲射)
     800m(直射、ロケット推進弾使用時)

【概要】
M1970 65mm携行擲弾砲の改良型。
その開発目標は「威力はそのままにして軽量化」である。
またCaGreT-65と比較するとその費用は約1/3と非常に安価であるため、フランス国内軍やその他の組織に愛用された。

【計画】
CaGreT-65は非常に優秀な兵器であったが、欠点もあった。
かなり軽減されたとはいえ、12㎏という重量は正規軍の現役兵士ならばともかく、フランス国内軍や教育・文化保護隊の構成員には文字通りやや荷が重かった。
また、国内軍はともかくとして、教育・文化保護隊では直射で1200m先の目標を狙うという状況はあまり存在しないため、過剰性能であった。
そして一番の問題は「費用」である。CaGreT-65はその高性能ぶりから取得・運用コストが高く設定されており、正規軍以外では中々採用できないのであった。
こうした状況を鑑みて、そのような組織や一般市民の要望に応えた簡易版が設計されることになった。

【構造】
設計の母体はM1970 65mm携行擲弾砲が採用された。
これを基に軽量化が模索された。
まず全長が5㎝削減された。これは装薬および照準装置の改良により精度が維持できると期待されたためである。
そしてもちろん、FFRのお家芸と化しつつある「新素材への置き換え」も実行される。
これらの措置により、重量はM1970より35%も削減され6.5㎏となった。
これはCaGreT-65の約半分である。
また、反動軽減機構もCaGreT-65に準じている。
これに関しては費用面の観点から異論も出たが、やはり運用性向上は必要であるとして採用された。


【火力】
基本的にはCaGreT-65と弾薬は共用できるので、火力もそれに準じる。
本装備独自の弾薬として、ロケット推進弾がある。
これは発射後一定の距離を飛行した後ロケットモーターが点火し、目標へ飛翔する弾頭であり目新しいものではない。
何故この弾頭が開発されたかと言うと、緊急時の対戦車戦闘を考慮した、というのが公式発表であるが、実態は「商品」の付加価値を上げるための企業側の思惑が裏にあった。

【運用】
本装備は発表された後、フランス国内軍や教育・文化保護隊始め各種民間防衛組織から好評を得て瞬く間に普及した。
(正規軍でも海軍陸戦隊が艦内戦用装備として取得している)
従来のM1970より35%も軽いのに反動は最大で80%も軽減されたため運用性が大幅に改善されたのがその主な理由である。
加えて本装備は取得・運用費用の面でも優秀であった。
各種反動軽減機構を採用しても尚、その生産費用はCaGreT-65の1/3程度であったのだ。
その素性の良さから、テキサス共和国やローデシア王国などの同盟国正規軍が採用し始めるとFFR陸軍でも予定を変更して採用された。
陸軍での運用は、主に分隊支援火器として対陣地攻撃などを期待された。
さしもの正規軍兵士でも、低初速な本装備では「エラン・ヴィタール式二重弾頭」を実施することは困難であるため、対戦車戦闘は困難であると予測されたからである。
しかし、現場兵士のエラン・ヴィタールは常に上層部の予想を上回るのがFFR国軍の風物詩である。
兵士たちはその低初速を逆手に取り、曲射によって戦車の上面装甲を破壊する戦法を考案し、実行したのだ。
65㎜成形炸薬弾は、傾斜を持って弾着した場合でも250㎜程度は貫通できるため十分な打撃力があった。
演習では目標とした戦車の車長用ハッチに直撃させた猛者をいる。
(尤も、これを成したのはFFRで最高峰の練度を誇る「フランス海軍歩兵装甲旅団(BBFM)」の兵士であるため、正規軍兵士でも全員ができる訳ではない)

340635:2025/08/11(月) 09:04:57 HOST:119-171-249-152.rev.home.ne.jp
絵文字化けた…(´・ω・`)。
アスキーアートに変えてみるべ…。


平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございますm(_ )m
このたび、一部のお客様においてログインができない不具合が発生いたしました(・・;)
ご利用の皆さまには、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます<(_ _)>

現在、原因の特定および復旧作業を完了し、正常にご利用いただける状態となっております(`・ω・´)ゞ
再発防止に向け、システムの監視体制を強化し、より安心してご利用いただける環境づくりに努めてまいります(`・ω・´)ゞ

引き続き変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます(〃⌒ー⌒〃)ゞ

341モントゴメリー:2025/08/15(金) 17:06:02 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内③


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
盛夏の候、いかがお過ごしでしょうか。

過日は「ラサール」級に引き続き、弊社の「マルセイユ」級巡洋艦を採用していただきありがとうございました。
“皇国世界”の興隆に幾許か助力できたのならば、弊社としても喜ばしい限りでございます。
本日は先日来お話のありましたボナパルト朝フランス帝国の駆逐艦に関するご提案をいたしたくご連絡いたしました。
艦隊のワークホースたる艦種の選定に、一助となれば幸いです。
以下がその新商品の概要でございます。


(仮称)モガドール級嚮導駆逐艦

常備排水量:3150トン
全長:136.0 m
全幅:13.0 m
機関出力:100,000 馬力
最大速力:39.0 ノット
航続距離:5,800海里 / 15ノット
兵装:138.6mm 連装密閉砲塔4基(計8門)
55㎝ 三連装魚雷発射管 2基(計6門、艦の中央線上に配置)
37mm 連装機関砲 2基
13.2mm 連装機銃 2基
その他特記事項:水雷戦隊指揮に足る司令部施設、大型作戦室、対空・対水上レーダーを装備。また旋回性能向上のため二枚舵(ツインラダー)式


基本的には史実の「モガドール」級駆逐艦に準拠しております。
しかし、モガドール級は旋回性能が低いという欠点(「ダンケルク級戦艦より半径が大きい」とすら言われた)がございましたので、その克服を第一といたしました。
具体的には全長をわずかに短縮(137.5m→136.0m)し、船体の幅を広げる(12.5m→13.0m)ことで、高速航行時の安定性と旋回性能を両立。さらに、舵の面積を増大させた二枚舵を採用し、俊敏な運動性を実現しました。

その他の変更点は、モガドール級で不評だった半密閉式の主砲塔の機構を全面的に見直した完全な密閉式連装砲塔に進化。給弾システムの信頼性を向上させると共に、乗員を荒天や砲弾の破片から守ります。
さらに仰角+45での対空射撃も限定的に可能となっております。
また、嚮導駆逐艦として運用できるよう艦橋構造物を大型化。内部に広大な作戦室と司令官室、増強された無線室を設け、最新の指揮通信設備とレーダーを搭載します。

誇り高きフランス海軍水雷戦隊の槍の穂先として、ラサール級などと共に突撃するに足る能力を有している作品であると自負しております。
その優れた旋回性能を活かし、ラサール級とはまた異なった俊敏な舞いで敵を翻弄して見せましょう。

以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

342モントゴメリー:2025/08/16(土) 19:11:33 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内④


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
昨日は弊社の「モガドール」級嚮導駆逐艦を採用してくださりありがとうございます。
本日はそれに続く主力駆逐艦案をご紹介したくご連絡いたしました。
以下がその新商品の概要でございます。

(仮称)「フルーレ」級駆逐艦

常備排水量:1,850 トン
全長:115.0 m
全幅:11.2 m
兵装:45口径130mm連装砲2基(計4門)
55㎝ 五連装魚雷発射管1基(計5門)
37mm 連装機関砲1基
25mm 単装機関砲4基
機関出力:50,000 馬力
最大速力:38.0 ノット
電子装備:対空・対水上レーダー(初期型)


本級の特徴は以下の様になります。
・設計の簡素化
 Yukikazeさまの「史実カプリス級駆逐艦に近い感じ」という要望を基として、生産性を
考慮した戦時設計となっております。
そのため、船体形状も可能な限り直線を多用し、砲塔数も史実「ル・アルディ」級の3基
より減らし2基とし、魚雷発射管も2基(連装+3連装)から1基(5連装)に統一いた
しました。

・速度と攻撃力の追求
 しかし、機動力と打撃力には最大限の注意を払っております。最高速力37.5ノットの「モ
ガドール」級の戦術機動に追随できるよう、速力は38ノットを確保しております。
主砲も連装2基4門は同世代と比較すると劣勢ですが、敵駆逐艦を撃退するのは必要十
分であるとして量産性を重視しました
 そして最も特筆すべきは雷装です。魚雷発射管を1基に集約することで、建造の簡素化と軽量化を実現すると同時に、一度の攻撃で放たれる魚雷の密度を高めました。
必殺の一撃に全てを賭ける。この攻撃精神こそがエラン・ヴィタールであります。


以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

343モントゴメリー:2025/08/16(土) 19:12:23 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
新商品のご案内④


“皇国世界”代表 yukikazeさま

モントゴメリー企画、代表取締役社長のモントゴメリーでございます。
昨日は弊社の「モガドール」級嚮導駆逐艦を採用してくださりありがとうございます。
本日はそれに続く主力駆逐艦案をご紹介したくご連絡いたしました。
以下がその新商品の概要でございます。

(仮称)「フルーレ」級駆逐艦

常備排水量:1,850 トン
全長:115.0 m
全幅:11.2 m
兵装:45口径130mm連装砲2基(計4門)
55㎝ 五連装魚雷発射管1基(計5門)
37mm 連装機関砲1基
25mm 単装機関砲4基
機関出力:50,000 馬力
最大速力:38.0 ノット
電子装備:対空・対水上レーダー(初期型)


本級の特徴は以下の様になります。
・設計の簡素化
 Yukikazeさまの「史実カプリス級駆逐艦に近い感じ」という要望を基として、生産性を
考慮した戦時設計となっております。
そのため、船体形状も可能な限り直線を多用し、砲塔数も史実「ル・アルディ」級の3基
より減らし2基とし、魚雷発射管も2基(連装+3連装)から1基(5連装)に統一いた
しました。

・速度と攻撃力の追求
 しかし、機動力と打撃力には最大限の注意を払っております。最高速力37.5ノットの「モ
ガドール」級の戦術機動に追随できるよう、速力は38ノットを確保しております。
主砲も連装2基4門は同世代と比較すると劣勢ですが、敵駆逐艦を撃退するのは必要十
分であるとして量産性を重視しました
 そして最も特筆すべきは雷装です。魚雷発射管を1基に集約することで、建造の簡素化と軽量化を実現すると同時に、一度の攻撃で放たれる魚雷の密度を高めました。
必殺の一撃に全てを賭ける。この攻撃精神こそがエラン・ヴィタールであります。


以上となります。
もし本商品にご興味を持たれましたら、お気軽にご連絡ください。
また、お客様の要望に合わせたカスタマイズも承っております。

改めまして、これからも弊社をよろしくお願い申し上げます。


モントゴメリー企画
代表取締役社長 モントゴメリー

344モントゴメリー:2025/08/16(土) 19:13:28 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
ageます

345ナイ神父Mk-2:2025/08/17(日) 21:33:52 HOST:p684199-ipxg02901akita.akita.ocn.ne.jp
テスト

346新人艦長:2025/08/21(木) 20:32:21 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
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347モントゴメリー:2025/08/21(木) 23:15:24 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
FFRの街道シリーズ②——La Corniche Atlantique(大西洋岸街道)——

【概要】
La Corniche Atlantique(大西洋岸街道)は、フランス連邦共和国(FFR)の主要幹線道路及び鉄道網の中の一つの呼称である。
陸路と海路を合わせ約5500㎞に及ぶ壮大な街道でありFFRアフリカ州の大西洋岸主要港湾を繋ぐ交通の要衝であるが、その名前から受ける印象とは裏腹にその経路の過半は沿岸ではなく内陸部を通っているのが特色である。


【計画】
ジョルジュ=ビドー初代大統領が追い求めたアフリカ州を網羅する物流網。
その一端を構成するために計画された街道である。
「FFRアフリカ州の街道」というと「La Veine Verte(緑の血管)」が真っ先に挙げられるが、実は計画立案及び着工はこちらの方が先である。
理由は複数あるが、まず第一に難易度が低かったことがある。沿岸部には既に主要都市や港湾が存在し、ある程度のインフラが構築されていたのでそれらを活用することで比較的容易に街道を敷設することができた。
また海上輸送という「兵站路」を利用して、ダカール、アビジャン、ドゥアラといった複数の主要港に資材と人員を同時に送り込み、各区間を並行して建設することも可能となった。
これにより工事期間を短縮することも期待できた。
さらにアフリカ州中部の資源地帯から産出される各種資源の輸出に直結することから「緑の血管」よりも経済的恩恵がわかりやすかったことも早期建設に拍車をかけた。


【経路】
本街道は大きく四つの区間に分けられる。
第1の区間は「La Veine Verte(緑の血管)」の終点であるダカールからギニア県のコナクリまで。
直線距離ではおよそ700㎞とアフリカ大陸の規模から見ると短いが、問題があった。
間にBC勢力圏であるガンビアとギニアビサウが存在するのである。
無論、外交交渉で道路を通し使用権を得ることは不可能ではない。されど、仮想敵国に自らの物流の命運を握らせるつもりはFFRには一切無かった。
日本の農学者兼歌手が歌っているように、己が倒れることを喜ぶ物に己のオールを渡してはならないのである。
FFRが採った手段は内陸部への迂回である。具体的にはダカールからまず「緑の血管」に沿って東進。セネガル県中央の都市タンバクンダまで進みそこからは南下。
目標にしてギニア県の中枢都市たる港湾都市コナクリへと至る。この経路の総距離は1000㎞を越える。

次の区間はコナクリからコートジボワール県のアビジャンまである。
こちらも沿岸部をそのまま伝っていければ楽なのだが、やはり間にBCのシエラレオネとCISのリベリアが邪魔なのである。
いっその事占領してしまおうか?という悪魔のささやきに対し、まだその時期ではないと理性で打ち勝ったFFR政府が示した経路は、やはり内陸迂回である。
両国との国境線をなぞるように南東へ進み、沿岸部へ到達したらそこで東へ転じアビジャンまで接続するのである。
こちらはおよそ1300㎞の旅路となる。

ここから「大西洋岸街道」はその姿を大きく変える。次なる目標はトーゴのロメとベナンのコトヌーであるが、やっぱりBCのガーナが立ちふさがるのである。
いい加減、迂回するのも飽きたFFRは、ここで街道を二つに分けた。
アビジャンから従来通り内陸部への迂回経路と、海路である。
海路はロメ・コトヌー両都市ではなく、その先のカメルーン県の重要港湾であるドゥアラを主な接続先とする。
(ロメ・コトヌーへの定期便が無いわけではないが)
なお迂回路に関してはその長大さから「La Grande Boucle (大環状線)」とも呼ばれるが、その物語は別の機会に譲ろう。
海路の総距離は約1700㎞(約920 海里)に及ぶ。

最後の区間はドゥアラからガボン県のリーブルビルを繋ぎ、更にコンゴポアント・ノアール港へと至る。
そこは赤道ギニアが通せんぼをしているが、もう慣れたもので国境線沿いに迂回している。
1400㎞を突き進み、大西洋岸街道は完成する。

【経済及び戦略的意義】
大西洋岸街道の開通により、アフリカ州の大西洋沿岸部の主要港湾都市は有機的に接続されることになった。
これの恩恵は大きい。
ギニアのボーキサイト、コートジボワールのカカオあるいはガボンやコンゴの石油・木材などの豊富な資源が各港を通し、FFR勢力圏全てへ円滑かつ安価に供給することが可能となったのである。
正にFFRアフリカ州の経済大動脈と言える。
「緑の血管」が『砂漠の克服』の象徴であるならば、 「大西洋岸街道」は『豊穣の最大化』を実現したFFRのもう一つのトロフィーなのである。

348モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:07:51 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
秋の新商品のご案内

晩夏の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
モントゴメリー企画代表のモントゴメリーでございます。
本日は秋のキャンペーンに向けた弊社の新商品のご紹介をいたしたくご連絡いたしました。
今回のジャンルは「戦車」となります。この分野はどうしてもタンクマン・エンタープライズ様の後塵を拝する状況が続いておりますが、それを打破し得るヒット商品にもなれると自信を持ってお送りすることができる逸品に仕上げております。
以下が商品の詳細となります。


試製79式戦車
全長:10.5m
全高:2.8m
重量:30トン(基本車体)
   32トン(Sパッケージ装着時)
   39トン(Jパッケージ装着時)
   41トン(Cパッケージ装着時)
   42トン(Aパッケージ装着時)
動力:ミノフスキー・イヨネスコ型核融合炉
最高速度:135km/h(基本車体)
130km/h(Sパッケージ装着時)
     115km/h(Jパッケージ装着時)
     110km/h(Cパッケージ装着時)
     105km/h(Aパッケージ装着時)
乗員:2名(操縦手、車長兼砲手) ※車体前部に並列配置
武装:135㎜電磁投射砲(仰角最大75度)
   3連装対MS重誘導弾ポッド(砲塔側面に1基ずつ)
   13.2mm重機関銃(主砲同軸)
   30mm機関砲(遠隔操作式)
その他特記事項:戦闘支援AI及び操縦系に全天周モニターシステムを搭載

【商品説明】
主に宇宙世紀系の世界線でご活躍されるお客様向けの商品となっております。
コンセプトは「対MS戦闘を主眼とした主力戦車」でございます。
以前より多くのお客様よりいただいておりましたご意見である

『MSを作る技術で戦車を作ったら強いのでは』

に対し、弊社が全力を出してお応えしたのが本商品となります。
以下に本商品の特徴を上げさせていただきます。

349モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:08:27 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
➀核融合炉の搭載
 「MSの技術」で真っ先に思い浮かぶのはこちらかと存じます。戦車に積めるほど小型化できるのか?という問に対し
“コア・ファイター”に搭載されたものを参考にした小型軽量の融合炉を解答とさせていただきました。
この心臓より供給されるエネルギーが、本商品の走攻守全ての土台となります。

②電磁投射砲の採用
 膨大なエネルギーの恩恵を一番受けたのが主砲です。主砲に採用された135㎜電磁投射砲は、激烈な打撃力を誇り第二期以降のMSに対しても有効打となり得ます。

③優秀なる機動力
 こちらも豊富なエネルギーを活用した分野です。
本商品は「軽量な車体」と「高出力な核融合炉」の組み合わせにより、重量あたりにかけられる馬力(パワーウェイトレシオ)が、61式を始めとする従来の戦車や仮想敵たるザクなどの陸戦型MSを凌駕しています。
具体的には核融合炉の電力を高トルクのモーターに直接伝達して履帯を駆動させます。
これにより、驚異的な加速力と応答性を獲得しております。
また高速走行を支えるため、路面の状況に応じてダンパーの硬さを瞬時に最適化する、AI制御のアクティブサスペンションも標準装備です。
装備する装甲モジュールにより変化しますが、最高で135mk/h、最低でも105km/hという驚異的な速度はこれらの技術により支えられております。(61式は最高90km/h)
仮想敵たるザクは地上での最高速度は60km/h、グフでも99km/hであるため本商品は余裕を持って戦術的主導権を握ることができます。

④車体レイアウトの刷新
対MS戦闘を前提とするため、従来の戦車とは一線を画す構成となっております。
最大の相違点は、「頭上砲塔」の採用です。
すなわち、主砲本体と自動装填装置や反動吸収システムといった機構の全てが、砲塔(というより車体上面)ではなく、砲塔の「上」に、一つの装甲化されたユニットとして搭載されています。
これにはいくつかの利点がございます。
まず「仰角の確保」
従来の方式では、大きな仰角を得るのは困難でありました。そのため、MSとの近接戦闘やジャンプへの対応ができず不利となっていました。
しかし、この頭上砲塔式ならば砲尾が沈み込むためのクリアランス(空間)が設計段階から確保できるため、75度という極端な大仰角を実現できます。
次に「全高の低減」
砲塔自体は単に砲システムを旋回させるための土台として機能すればよいため、極限まで小型化・低背化が可能となり、本車両の優れたステルス性に貢献しています。
なお乗員に関しては車体前方の最も防御力の高い区画に横並びに座っています。(史実世界の「アルマータ」に近いです)
最後に「乗員の生存性向上」
仮に砲塔に直撃弾を受け弾薬が誘爆したとしても、乗員区画とは物理的に隔離されているため乗員の生還率は劇的に向上いたします。

350モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:09:41 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
⑤センサー類の高精度化
 MSに搭載されるような光学カメラや赤外線センサーなどを複合した「球状統合センサー・ユニット」 砲塔上部に設置しています。
それら高解像度カメラ、サーマル、レーザー測距儀から得た情報を統合し、戦闘支援用AIがリアルタイムで脅威分析を行います。
これにより本商品は61式とは隔絶した戦闘力を発揮いたします。
61式では、車長がペリスコープを覗き自分の目で索敵・警戒する必要がありました。
しかし79式では、車体に搭載された全球状統合センサー・ユニットからの情報をAIがリアルタイムで統合処理します。
具体的には、AIが敵MSの熱源や音響を探知し、距離、移動速度、武装などから脅威度を瞬時に判定。最も危険な目標から順に、車内のパノラマモニターにハイライト表示します。
乗員は物理的な窓から外を見るのではなく、AIが合成した360°のクリアな映像を見ます。これにより、人間の死角という概念がなくなります。
つまり、AIが3人目の「目」と「頭脳」として機能するため、車長は索敵作業から解放され、戦術的な「判断」と「命令」に専念できるのです。
(これはF-35戦闘機などで採用される方法であります)

⑥装甲のモジュール化
 こちらも現代のMBTに用いられる方式を踏襲しております。
それらのモジュールの組合せと用途は以下のようになります。

Sパッケージ(偵察・高機動仕様 - Scout Package)
内容: 装甲は最低限の追加に留めるか、増加装甲なし(素体状態)で運用。
用途: 偵察や奇襲など、防御力よりも速度と隠密性が求められる任務。

Aパッケージ(対峙戦闘仕様 - Assault Package)
内容: 車体前面と砲塔正面に、ルナ・チタニウム合金を含む最も分厚い複合装甲モジュールを取り付ける。
用途: 平原などでの長距離砲撃戦。敵と正面から撃ち合うことを想定した重装甲構成。

Jパッケージ(立体戦闘仕様 - Jungle Package)
内容: 車体・砲塔の上面にルナ・チタニウム製対トップアタック装甲を、側面には爆発反応装甲(ERA)モジュールを配置する。
用途: 市街地や森林など、あらゆる方向から攻撃を受ける可能性がある戦況に対応。

Cパッケージ(一般量産仕様 - Common/Cost)
内容:全ての追加装甲モジュールを、ジムと同じ「チタン・セラミック複合材」で構成する。
用途:通常仕様(これでもザク・マシンガンの直撃には耐えられる)

これにより被弾した場合も破損したモジュールだけを交換すればよいため、修理時間が大幅に短縮され整備性が向上しております。
また、装甲素材が進歩してもモジュールを更新するだけで対応できます。

351モントゴメリー:2025/09/01(月) 00:10:26 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
⑦ファミリー化
 こちらも現代の装甲車両に倣い、単一の車体(プラットフォーム)を基に多様な任務に対応する派生車両を生み出します。
これによりコストを削減し、かつ整備や訓練を共通化できるようにいたします。
具体的な形式は以下の通りです。

SPV-79A 歩兵戦闘車
役割: MSとの連携を前提とした、新時代の歩兵戦闘車(IFV)。MSが制圧した拠点へ安全に歩兵を送り届け、その後の掃討作戦を支援する。
車体の変更点: レールガンと大型の無人砲塔を撤去。車体後部の上部構造物をかさ上げし、8名の完全武装した歩兵が搭乗できる兵員室を確保。車体後部には昇降用の大型ランプドアを設置。
武装: 砲塔は小型の遠隔操作式銃塔に変更。
主武装: 25mm機関砲(対軽装甲車両、対人用)
副武装: 7.62mm同軸機銃、対戦車ミサイル2連ランチャー
戦術的意義: MS、戦車、そして歩兵が同じレベルの機動力で連携できるようになる。MSと79式戦車が敵の装甲戦力を破壊し、直後に本車両が歩兵を展開して拠点を確保・維持する。これにより、連邦軍の地上作戦能力は飛躍的に向上する。

AAG-79D 対空(対MS)機関砲システム
役割: 対空とは言いながら、「対MS制圧」を主目的とする車両。
市街地や峡谷で、高低差を利用して立体的に攻撃してくるMSに対し、圧倒的な弾幕を形成してその機動力を封殺する。もちろん、従来の航空戦力にも絶大な効果を発揮する。
車体の変更点: 車体はほぼ79式戦車と共通。大型の無人砲塔は、高速旋回・俯仰が可能な専用のものに換装される。
武装:
主武装: 連装90mm機関砲システム。 ジム・マシンガンと同じ弾薬を使用できる、高初速・高発射速度(ハイサイクル)の90mm機関砲を2門搭載。MSの装甲を貫通可能な弾丸の「豪雨」を浴びせかける。
センサー: 砲塔には、ミノフスキー粒子下でも有効な、高性能な光学・赤外線センサーとレーザーを組み合わせた立体走査センサーを搭載。高速で三次元的に移動する目標を瞬時に捕捉・追尾する。
戦術的意義: 本車両の存在は、MSとの戦い方を根本から変え得る。これまでMSが自由自在に跳び回っていた市街地や森林は、90mm弾の弾幕が飛び交う「キルゾーン」へと変貌し、敵MSは安易に立体機動を使えなくなる。
それは79式戦車やジムが圧倒的優位を確保するということである。

この「ファミリー化」によって、79式戦車は単なる一兵器から連邦軍の次世代地上戦術を支える「基幹プラットフォーム」へと進化いたしました。

⑧徹底したコストコントロール
 ここは弊社が得意とする分野ですが、優れた兵器も量産できなければ意味がありません。
装甲のモジュール化やファミリー化による量産効果に加え、生産ラインの30から40%を61式から流用できるように整えるなどありとあらゆる方策を取った結果、ここまで生産コストを圧縮することが可能となりました。
以下に示すのは、61式の生産コストを「1」とした場合のコスト比較表であります。


兵器名
61式戦車     1
79式 基本車体     3
SPV-79A (IFV)     4
79式戦車-C型     4
RMV-1 量産型ガンタンク 5.5
AAG-79D (対MS/AA) 5.5
79式戦車-J型     6
RGM-79 ジム     8
79式戦車-A型     8
RX-75 ガンタンク 12
RTX-440 陸戦強襲型ガンタンク  15


通常装甲のC型でジムの半分、ルナ・チタニウム装甲をふんだんに使用したA型でもジムと同等までコストダウンに成功しております。
これならば、MSの汎用性にも勝てるコストパフォーマンスを発揮できるでしょう。



以上、弊社の秋のキャンペーン商品の説明でございました。
もしご興味をお持ちくだされたのなら、お気軽にご連絡ください。


モントゴメリー企画
代表取締役 モントゴメリー

352名無しさん:2025/09/03(水) 20:52:35 HOST:FL1-119-240-36-187.myg.mesh.ad.jp
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