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ネタの書きこみ121
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銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――「見敵必撮」
――――――高度約2万メートル、中国大陸の上空。
高度約2万メートル。
という環境は60年前なら人類にとって未踏の空であった。
しかし現在、といより冷戦時代から既に地対空ミサイルが届く高度であり、
かつて台湾のU-2偵察機を撃墜した実績を持つ人民解放軍ならば即座に攻撃するだろう。
だが不思議とその機体は一度もレーダー照準を受けておらず、
受ける電波は全てテレビやラジオ、といいった各種無線通信である射撃レーダーの類は受けていない。
「マートよりトート。
目標上空に到達、オクレ。」
『トートよりマート。
問題ないかも?オクレ』
「マートよりトート。
こちらは問題なし、感度はどうか?オクレ」
『大丈夫かも!
イゼさん由来の量子通信回線は良好かも!オクレ』
古代エジプト神話由来のコードネームを呼び合う。
こうしてここまで来れたのも全てヤル研のお陰で在り、
改めて神様仏様イゼイラ様ヤルバーン様様と、アリソン・シュルツ大尉は内心で拝んだ。
電波の発信は自らの位置を晒しだす。
かつてレーダーを「闇夜の提灯」と揶揄したのはあながち間違いではない。
しかし電波でなく量子通信を探知しこれを解読できるのはこの地球ではヤル研とヤルバーンだけである。
よって敵地上空でも安心して量子通信機材を新たに搭載した飛行艇母艦「秋津洲」と会話ができた。
「目標地点に到着。
これより東海艦隊の根拠地である寧波の偵察を開始する、オクレ」
『了解かも。
こんな機会はないって自衛隊のみんなも興奮しているかも!オクレ』
神崎島鎮守府に派遣されている自衛隊のこと指すが、
アリソンは自分の名前と容姿が原因でサインを求められたことを思い出す。
あの小説の人物とは違うはずだが知った後に覚えた妙な既視感と表現しがたい不思議な感覚に苦笑する。
そして手元のボタンを操作して右手に投影パネルを展開させた。
さらに指で画面の拡大と縮小、それに撮影モードを設定するなど完全にスマホ感覚である。
しかしスマホと違い望遠カメラかそれ以上の精度で画像データを作成できる。
「つくづく未来ねぇ。
昔なんて寒さに震えながら身を乗り出して白黒カメラで撮影していたけど」
操作しているアリソンも思わずそんな呟きをもらす。
それもそのはず、彼女が乗っている機体はXFAV-02。
ハイクァーン造成制御システムソフトウェアで造成されたヴァズラーの2機目の試作機で、
防衛技術研究本部ではなくヤル研に派遣された神崎島の空技廠関係者たちが作り上げた代物である。
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