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ネタの書きこみ121

101635:2018/11/05(月) 23:55:52 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
銀河連合日本×神崎島 女神よまわりさん


幼い少女が暗い夜道を何かから逃れようと必死に走っているがその歩みは遅い、周辺には外灯などはほとんどなく
人の気配は全く無い。

少女はある街灯の下に人影を見つけ、安心したように話掛けた。

「あの!助けてください!」

少女が話掛けたが全く反応はなく、ただブツブツと呟いている。
訝しげにもう一度話掛けようとしたが少女はある事に気づいた。

足が無い。幽霊だ!!

正確には足の先が透けている。
少女はこの人影もこの世のものでは無い事に気づいた。


ヒタヒタ

聞き覚えのある音が近づいて来た。
自分を散々追い回してきたアイツだ。

何度も見たこの世のものと思えない醜悪な姿が街灯の光に浮かび上がる。
少女がもう走る体力もないのが分かるのか嫌らしい笑みを浮かべている。


「いやぁ。誰か助けてよぉ。」

体力も限界でもう逃げることは出来ない。
少女は絶望していた。
なぜこんなことになったのか分からない。
なぜ自分がこんな目に合うのか。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。

ああ、自分はもう死ぬんだ。
痛いのはやだなあ。
そんなことを頭の隅で考えていた。


『慢心トハ頂ケナイワネ。』

少女を衝撃が襲う。
いやお化けの辺りに爆発が起きその衝撃が少女まで届いたのだ。
咄嗟に目を瞑った少女がゆっくりと目を開けると白い姿が目に入った。

「それ」は人間の女性の様に見えた。しかし、少女はその人物が人間でないことが直ぐに分かった。
雪の様にではなく雪そのものといえる白い肌、頭から生えた二本の角らしきもの生え、下顎からは牙のようなものがある。
だが少女は「それ」が恐ろしいものには見えなかった。

お化けの周辺を覆っていた土煙が晴れるとお化けはまだ存在していた。
しかし全身に傷を負い存在を維持するのがやっとのようである。
そして、「それ」がお化けの目に入ると化物は震えだし、逃げようとする。
だが「それ」はお化けが逃げるのを許さなかった。

「それ」の背後に貝のようなものが浮かび上がると同時に牙を持った人魂が周囲に現れる。
「それ」は人魂をお化けに差し向けた。

『モウ、捉エテイルワヨ?』

人魂が化物に襲い掛かると断続的な破裂音と爆発が周囲を満たした。
音が止んで再び土煙が晴れるとお化けはもう存在しなかった。

「それ」がこちらを向いた。
改めてその姿を見ると波打つような白い長髪に童話のお姫様が着るようなロングドレスを身に纏っていた。

お姫様みたい

少女を追い回した化物を簡単に消し去った存在に対してそんな感想を少女は抱いた。
「それ」は少女に近づくと少女の瞳をじっと見つめた。
覗き込んだ赤い瞳が宝石の様に輝いていた。

『堕チル前デヨカッタワネ。』

その言葉に少女はハっとなる。

『待ッテイル人モイルンダカラ早ク帰リナサイ?』

「それ」は早く帰れと言い出した。
でも帰り道が分からない。ここがどこなのか、自分がどこから来たのか分からない。
少女は泣きそうになった。

『帰リヲ待ッテクレテイル人ヲ思イ浮カベナサイ。ソウスレバ帰レルワヨ?』

「それ」は帰る方法を教えてくれた。
そんなので帰れるのかな?
少女は疑問に感じたが、なぜだか「それ」を信じることにした。

家族の姿を思い浮かべた。
パパ…、ママ…、お兄ちゃん…。
遠くで家族が自分を呼ぶ声が聞こえる。

『モウ来チャダメヨ?』

「それ」の言葉と共に意識が遠ざかる。




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