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中編以上のネタの書き込み その59

962影響を受ける人:2018/12/02(日) 21:45:23 HOST:softbank060068219187.bbtec.net
「ん・・・ココ、ドコだ?」

戦闘が終わって報告を上げ、早めに宿舎に帰宅した就寝した少女――エイラ。
眠りにつくのと同時に目が覚めた。現実の様で曖昧な感覚は身に覚えがあり、すぐさま辺りを見回す。
そこは一面黒い世界で、自分はどこかの武家屋敷の縁がにいるとわかる。
よくよく見れば庭に生えている樹木は枯れ、生命の息吹が感じられない寂しい世界。
能力に目覚めてからよく目にするようになった光景だったので、すぐに気が付いた。

「そうか! 今日はオバサマにアエルんダナ♪」
「そうよ。」

声は後ろから発せられた。
すぐに振り返ると、白い狐耳・赤い目・白い髪・白い肌・九つの尻尾を持つ女性―九曜葛葉が立っている。
自分の師匠であり、遠い親類であり、優しい御婆ちゃんだ。

「エイラ…今日も頑張ったのね」

エイラの傍により優しく頭を撫でてあげると、彼女は嬉しそうに微笑んで抱き着く。

「ウン! がんばってネウロイを落としたゾ!」
「そう」

九曜も微笑む。だが、見上げた顔に陰りを見てとったエイラは、急にショボンとテンションを下げた。

「もしかして・・・今日の戦い。見てた、ノカ?」

九曜は頷きつつ、優しく子孫を撫でた。

「ええ・・・また“未来予知”をつかったのね。
 危険な戦場にいるから使うなとは言えないわ。でも・・・」
「ワカッテル。オバサマが言いたいコト・・・」
「なら、いいわ。貴方は私の持つ能力が発現している。だからこそこうして【夢】で会える。」
「ワタシはこうしてオバサマに会えて、“未来”をしって“絶望”したのを教えてモラッタ。
 能力の過剰使用のヘイガイも教えてモラッタ。」
「貴方には幸福であって欲しい・・・未来など、読めない方がいい。」
 だけど、私の我儘で貴方を死なせたくないわ。」
「ゴメン・・・」

そう言うと、撫でるのやめて今度は優しく抱きしめる。包み込むように。
悲しそうに笑う大好きなオバサマに、エイラは元気よく答える。

「ワタシはもっと強くナル! いつか能力に頼らなくテモ良い様二!」
「うん。がんばってね」

それが最後の会話になった。

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自分の住む一室で、九曜は布団に横になっていた。
意識ははっきりしており、目を見開いているが今思う事は一つ。“未来予知”という、今現在進行形で封印している能力について。
好きではない、使用したくもない。未来とは、必ずしも幸福であるとは限らないから。
自分が初めて産んだ子を抱きしめた時に、将来「化物!」と拒絶される場面を見てしまった。

「はぁ…」

深く、濃い溜息をつく。それにより心の闇が晴れる事は無いが、やらねばならない事は沢山ある。
起上り、身支度を“念動”でこなして朝食の準備をするために部屋を出る。

今日もいい天気だ。憎たらしいくらいに…



以上です。
少しずつでも改訂を進めていき、内容を充実させては切り詰めていきたい。
今年もあともうちょい。追い込みで忙しいぜ。
今畜生!!!




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