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中編以上のネタの書き込み その57
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――心理世界――
その世界は黒い世界だった。
元から黒かったのではなく、年月がたって黒くなったのだ。
色褪せた“思い出”の様に、色が抜け落ちっていく。
九曜葛葉は、この世界で愛した夫と暮らした屋敷を模した家屋にいた。
黒い世界ながら輪郭は有るので、完全な暗闇と言うわけではない。
「・・・・・・・・・・・・・」
言葉を発する事無く。ただ真っ直ぐにこの世界を見ていた。
休眠状態でよく目にするこの世界だが、九曜はこの世界の事など見ていない。
ただ建物が有るだけの、物悲しい世界。彼女以外の音源すらない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
目が覚めるその日まで無関心に、無感動にたたずんでいる。
この国を守ると決め。亡き夫との約束の為に生き続けていた。
それももうすぐしなくて良くなりそうだ。後10年位するれば・・・いや、短くなることも考慮しても良いかもしれない。
そんな事を頭の片隅で考えていると。なにか、音がしたような気がした。
余りにも小さな音だったが、夢の中でも性能のいい狐耳はけして逃さなかった。
音のした方に振り返ってみるが、何もいない。
気のせいだろうかと考える。この夢は自分の夢。何の不都合が有ろうか?
そう思ったのもつかの間、今度は泣き声が聞こえてきた。
誰かがいる。
九曜はすぐさま鳴き声の方に向かって歩き出す。
不信感よりも、不安よりも、その声の主を見つけようとした。
声は、自身が産んだ子供達が過ごしていた部屋からする。
驚かさない様に、慎重に黒いふすまを開いていくと・・・少しだけ遮られていた泣き声が大きくなった。
部屋にいたのは一人の少女。
「あなたは・・・」
どこか、親しみを覚える少女を見て九曜は動揺する。
彼女に気が付いた少女が泣き顔のまま、こちらを振り見て問うた。
『おばちゃんは、誰?』
これが、エイラ・イルマタル・ユーティライネンとの。
初めての出会いである。
以上です。
之にて完結!!
まさかこんなに時間がかかるとは・・・(汗
ここまでやってこれたのは、皆様の暖かなご支援のおかげです。
特にナハト様・ham様・第三帝国様と言った方々の支援SSが楽しみの一つとなっていた事も、忘れては無いません。
次に書くのは自分なりのキャラ説明ですね。
これまた時間がかかるわぁ・・・
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