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中編以上のネタの書き込み その57

291影響を受ける人:2018/03/10(土) 20:31:29

「九鬼大将殿。それで、自分が呼ばれた用件はなんでしょうか?」

おっと。いかんな。年を食うと話が長くなるし、長考も多くなる。

「ああ、すまん。対した事ではない。」

御茶を一飲み。

「現在計画されている遣欧艦隊。その司令官をやってみないかね?」
「遣欧艦隊・・・ですか? もう一度派兵すると?」
「うむ。ブリタニアやカールスラントはすぐさまウィッチを返してくれた。
 少数とはいえ、各国の義勇飛行隊も来てくれた。
 だから何もするわけにもいかん。」
「陸戦戦力も出すのですか?」
「出すつもりはない。ただしウィッチ専用空母を二隻派遣する。」
「前計画では一隻だったところを二隻ですか。豪勢ですね。」

ウィッチをこんなに大勢用意できるのも、リベリオンとウチぐらいなものだな。
少なくない戦死者が出てしまったが、それでも隊長陣は生きている。
昇進させて、部下を揃えて・・・忙しいな。水瀬の奴に任せよう。
あいつめ・・・

「沢山の未来ある若者。学兵が死にました。その責任は自分にあります。
 なので、あとは北郷に任せて自分は引退しようかと。」
「ふざけるな。」

あの時は素で返答してしまった。
陸軍のライバルは後任をしっかり補佐するつもりだというのに、そんなに逃げたいのか?
書類地獄から逃げたいだろうが、絶対に逃さん。
お、っとと・・・

「儂の考えでは重巡洋艦を中心とした部隊編成を考えている。」
「唯一無事な艦艇が重巡ぐらいしかありませんし。妥当だと思います。
 しかし。輸送経路の護衛は万全に出来ますか?」
「例の連中が建造しようとしている艦艇が、それにふさわしい艦艇になっている。
 まぁ。今すぐではないが、将来的には大丈夫だろう。
 相手の戦力も大幅に削った。再編成に、支配している大地の確保もある。
 奴さんらも、早々手出しできんだろうさ。」
「そうであればいいのですが・・・」

難しい表情で悩むが、それも仕方があるまい。
皇国を守るべき艦艇が激減している、奴らの戦力がどれほどかわからない以上は、警戒して置くに限る。

「そう言えば、戦艦に関してですが・・・」
「【大和】型戦艦に関しては建造する事が決定されているぞ。対空使用に変更してだが。」
「いえ。そちらではなく。」
「【若狭】に関してか? どうにも陛下の機嫌がよくないのだ。解体するしかあるまいて。」
「そちらでも無く。新型の方なのですが・・・」

連中が提出したあの戦艦に関してだったのか。いやはや、歳は取りたくないものだな。

「【伊吹】型戦艦。奇抜な戦艦だが、対比費用を考えるといい船だと思うぞ。」
「自分は、その辺はわからないのですが・・・どうにも気になりまして。
 集中防御するという試みは面白く、野心的であると思っています。
 また、砲塔を少なくすることで建造を速め、費用を抑えるのもよろしいのですが・・・
 個人的な見解と前置きしておきますが、後方に主砲が無いというのはどうにも。」

まあ。そうかもしれんな。
一応後ろには副砲があるそうだが、ワシ個人としても連装砲塔三基にして、後方の安全にも気を配りたいと思う。
確か堀井派の連中が研究していた給弾装置があったはず。
連装砲塔ならば、多少装置が大きくとも搭載可能であろうが・・・

「あの。予算の鬼が。大蔵省の魔王が許すと思うか?」
「・・・・・・無理そうですね。」

あの堅物。どうにかならんかな。
あの連中の中で幹部クラスらしいが・・・ 連中でも手におえんらしいしなぁ。

――某日某所:某料亭――

堀井派が天皇陛下の怒りに触れ、粛清対象になったという。
その事実が知れ渡ると、離れようとする人物たちが溢れ、引き留めようとする上官が走り回った。
しかし夢幻会、九鬼大将と言った面子が全力で職権を行使。次々に逮捕しては牢屋に送り込んでいった。
それでもなお逃げ回る堀井派は、悔しさに歯を食いしばって打開の道を探る。
それが、国に対する反逆だとしても。

「先方の方が、先にお見えになっています。」
「そうか。」

そう言って堀井派で唯一残った重鎮が、取り巻きを連れて足早に料亭内を移動する。
この料亭は先方がよく利用する場所らしい。
先方・・・ウィッチ脅威論を展開する、扶桑皇国の中では異端と言える一派で、曰く・・・




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