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提督たちの憂鬱×コードギアス ネタSSスレその64

127名無しさん:2018/02/23(金) 01:59:26

彼らはマイハーク城の片隅にある棟の上へと走る

「ハァ、ハァ、ハァ、」

鎧を装着したまま棟を掛け上がった彼らは、息を整えながら上空を見上げた
マイハーク防衛騎士団団長イーネは、第6飛竜隊からの報告を思いだしながら、部下に指示を出す

「間もなく未確認飛行体が2騎このマイハーク上空に飛来する!第6飛竜隊からの報告によると、未確認飛行体は2騎共にワイバーンよりも速く内1騎については遥かに巨大な空を飛ぶ船であるという話だ!総員配置に就け!!!」

騎士団の面々は左手に弓を持ち、矢をつがえて再び上空を見上げる
イーネが町の四方にある監視塔の上に視線を走らせると、いずれも騎士団員の配置は完了したようだった
彼女は思考を巡らせる。報告によれば我が国の誇る精鋭第6飛竜隊を驚異的速度と高度で振り切ったらしい。一般的に飛竜から地上への攻撃方法は口から吐き出す火炎のみとされている。それは飛竜がその体格の割には存外重量物を運ぶことができないことに起因する。通常2騎で来るなら攻撃されても大した被害は出ない。出ないはずだが、この度は状況が異なる

「目測全長50mの飛竜に目測全長150m〜160mの空を飛ぶ船・・・」

おそらく未確認飛行体の目的は偵察と推測されていたが、その全長が規格外すぎたのだ。どこの世界に目測とはいえ全長にして150mに達するような飛行体が存在しているというのか?
まるでおとぎ話に出るような魔帝のような存在ではないか
それが間もなく経済都市マイハーク上空に現れる。イーネは白いちぎれ雲が点在する空を睨んでいた


「来たぞーっ!!」

東方を監視していた東の監視塔の騎士団員が大声で叫ぶ
皆一斉にその方向へ顔を向けた
粒のように見えていたそれはやがて近付いてくると共にその全貌を現す。キーン!ゴーッ!といった聞き慣れない音が微かに聞こえてきて、しばらくすると二つの飛行物体がマイハーク上空に到達した

翼を持つ目測全長50と幅50数mほどの羽ばたかない飛竜と、目測全長150mという巨体を持つ空飛ぶ船は高度を落とし、船は弓の届かぬ上空を旋回。船は同じく弓の届かぬ位置で完全に停止した
ワイバーンよりも大きな白い騎体、そして羽ばたかない翼には赤い正円が描かれている。同様に空飛ぶ灰色の巨船上部の両端に突き出た翼のような場所にも赤い正円が見てとれた

「速いな・・・そして大きい」

クワ・トイネ公国で最も熟練した竜騎士が操るワイバーンの何倍もの速度で飛び回るその奇怪な白い物体は明らかな領空侵犯ではあるが、留まり続ける巨船共にこちらを攻撃してくる様子はなさそうだった
こちら側もワイバーンならば攻撃手段はあるにはあるが、第6飛竜隊は緊急発進してしまい、今は帰投の途上にある。マイハーク防衛騎士団においては今回ばかりは接近が急すぎて追加装備の準備をしていない
現時点での対抗手段は地上からの弓による射撃のみであるが明らかに届かない
マイハーク上空をゴーッという不気味な轟音を轟かせながら飛び回る白い騎体は獲物を狙うかのように何度も旋回し、その白い騎体を見守りながら地上を窺うように留まり続ける巨船は監視者の如く動くことはなかった

「あ、あれらは一体なんだ!!?」

「ワァァ---ッ化け物だ!! 化け物たちが攻めてきたぞ!!」

町の人々は恐怖に顔を引きつらせていた。家にいる者は恐怖のあまりに窓と扉を次々に閉め始めた。路上では白い巨竜と灰色の空飛ぶ巨船から隠れる場所を探して、走り回る人々が騒ぎ騒然となる
馬や陸鳥といった駄獣でさえも、その音と飛行物体に恐怖して勝手に走り出しあちこちで事故が発生していた
平和な町並みに恐怖をもたらした二つの飛行物体だったが、何をするでもなく、しばらくして満足したのか来訪した時のように凄まじい速力で北東方向へと飛び去っていった




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