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中編以上のネタの書き込み その52

251四〇艦隊の人:2017/08/19(土) 19:00:51
店主に突っ込まれて沈黙する堀辺と、棒読み口調で返す神崎を横目に少し頭の冷えた凛は、堀辺に話の続きを促した。
凛がアイスを食べている間に堀辺は、自分のコーヒーを一口啜り、そして三人の名前が書かれた紙ナプキンを灰皿に置いて、懐から取り出したマッチで火を着けた。
紙ナプキンが完全に灰になり、何が書いてあったか完全にわからなくなった事を確認してから堀辺は改めて切り出した。

「上の二人についてはもう容疑が固まっている。あとは警察なり麻取なりが適当な理由で引っ張ればそれで仕舞いだ。早ければ明後日、遅くても来週中に方がつくだろう。だが……三人目については現状出ている情報ではシロとしか言えない」
「……………」
「そもそも最初の情報そのものがメモ用紙の走り書きという信憑性の低い……いや、極めて低いものだった。しかしこうして二人、逮捕されるに足るだけの情報が出ている以上は何かある、と考えねばならない。ここまでは良いかね?」

堀辺の問いに凛は黙って頷いた。
客観的に見ればこの状況で千早がシロであるとは言えないだろう。
しかも同時に名前の出てきた二人は逮捕されるに足る情報が出てきているのである。
千早が完全に無関係であると言い切ることが出来るのはそれこそ神様ぐらいであろう。

「そして調査上、三人目の家庭環境は不安定であるという結論が出ている。……これは良くない兆候だ」

視界の端で「ナナさん」が無表情になっていくのを見ながら、凛は前の世界の千早の家庭環境を記憶から探しだした。
弟が事故死したことに単を発する家庭内不和で両親が離婚していることを思い出した凛は眉間にシワがよっていくのを感じた。
どうやらこちらの彼女も同様だったらしい。

「我々は決定的な証拠となる情報を探している。すでに三人目の家屋、事務所の秘密捜査は実施した。結果はシロだ」
「じゃあシロなのでは?」
「まあシロだろうな。実際のところはこれから狙う標的だったのだろうと私は推測している。だが、シロでしょうハイそうですか、では終わらせられないのがこの仕事だ」
「……疑り深いんですね」
「疑うのが仕事だからね」

飄々と嘯く堀部に複雑な視線を向けながら、凛は尋ねた。

「で、私に何をしろと?」
「……さて、問題だ。我々が君に何を望んでいると思う?回答時間は十五分、回数は無制限。思い付いたことを言ってみなさい」




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