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架空戦記系ネタの書き込み その86

344陣龍:2017/04/16(日) 20:00:55


「……どうした」
「どうしたもこうしたも……大統領!一体どういうことですか?!今まで我々の行ってきた外交的功績を溝に捨てる様な行動は?!
それに、オルブライト長官に話を通さずに…」


「……どうしてこうなってるんだ」
「知るか馬鹿」


 今まで行ってきた外交方針を唐突に180度一転させる今回の軍事的、外交的行動に、今まで順調に日本外しの反日路線を進めて
来て喜悦満面だったキッシンジャー派閥にとってこの寝耳に水な軍事的行動は、確かに激怒物だろう。


「……何か勘違いしているようだが」
「ですか……え?」
「君の上司はオルブライトだが……そのオルブライトの上司は、私だ。合衆国民に選ばれて、アメリカ合衆国大統領の椅子に座らせて
頂かせている、ビル・クリントンだ。つまり、私の命令はオルブライトの言葉より優先される」


 行き当たりばったり外交こと【現実視点外交】とか何とか言う代物でアメリカの行く末を歪めて春を謳歌していたキッシンジャー派閥の男。
彼は……否、彼だけでなく、この場にいるすべての人間が、目の前の男が今まで満州に無造作に手を突き入れたりホワイトハウス内を
売春宿に仕立て上げていた輩とは完全なる別物の雰囲気を漂わせている事に気付いた。


「……私は、とても運が良い。このままいけば、私は【合衆国史上最悪の無能大統領】程度の評価で、この大統領の椅子から降りる事が
出来る」
「……だ、大統領……?い、一体何を…?!」
「【合衆国を永遠の破滅に追いやった疫病神】にまで堕ちる事が無い。私も、ヒラリーも、オルブライトも、そして君たちも……。……この状況を
生み出したアメリカ人は等しく、彼らに感謝するべきだ」


 クリントン大統領の言う【彼ら】が、具体的に誰を指示しているのかは、明確に分かる人間はいなかった。唯等しくこの場に居る人間が分かったのは、
今大統領の席に座るこの男は、昨日までのキッシンジャー派閥やその同類連中にたぶらかされていた無能とは話にならない位には現状を認識
出来ている事くらいである。


「大統領」
「奴らの答えは?」
「現在、部隊に動きはみられていません。情報によれば、アメリカの行動に混乱しているそうですが」
「……確かに、昨日までの私とは全く行動が違うからな」
「だっ大統領!まさか日本を守る為に戦争をするおつもりですか?!」
「戦争をしない為にも、軍を動かしているのだ。事態悪化の根源たる私が言える資格など無いだろうが、君は馬鹿なのか?さもなくば、チャイナのスパイかね?」


 【日本人如きに】と言う声色と表情の男の言葉に、冷め切った呆れ顔で答えるクリントン大統領。この期に及んで漸く男は理解した。我らが大統領は、
明らかにキッシンジャー派閥と袂を別ったと言う事に。


「言っておくが、ヒラリーは既に体調不良でイーストウィングに籠っている。オルブライトも、既に罷免書を書き上げたころだ」
「……なっ……?!ふ、夫人は昨日まで元気だった筈、そ、それに長官も……」
「いいか。ヒラリーは、急に、体調が、悪くなったのだ。そして、オルブライトも、既に、罷免書を、書き上げた。聞こえているか?」


 茫然としたキッセンジャー派閥の男に冷酷に突き付けられる冷たい新事実。キッシンジャー派閥の力の根源は、自派閥に賛同していたヒラリー、オルブライト、
そしてクリントン大統領が居てこそであった。ヒラリーが他称体調不良、オルブライトが罷免されてしまえば、キッシンジャー派閥の権威等文字通り消し飛んでしまう。
最後の砦であった筈のビル・クリントン大統領も、完全にキッシンジャー派閥を殺しにかかってきている現状では、最早打つ手なしで有った。


「どうやら要件は終わったようだな。すまないが連れて行ってくれ」
「了解しました!!」




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