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「思ったよりも早かったな。」
パタンと本を閉じる動作をして、男は顔を上げる。
うまくできただろうか。
「ええ。閣下。」
背後に鋭い視線を周囲に配る兵士たちと倒れ伏す警備兵を置いたドイツ軍事顧問団総司令 ファルケンハウゼン中将は微笑しつつ彼を迎えた。
「君らは対日戦を望んでいたのではなかったのかな。」
「それも局地戦でのこと。全面戦争をやるにはまだまだ軍の教練が足りないことが明らかになりました。」
よくもそのような養鶏場の主のような目ができるものだ。と中華民国総統 蒋介石は眉をひそめたくなるのを必死でこらえた。
「だから私を再び担ぎ出す。よくもまぁ。君らが張学良を担ぎ出したのではなかったのか?」
「心外ですな。あれは我々とは別の動きですよ。最も利益を得る者です。」
「…共匪どもか。」
本当に嫌そうな顔をしているドイツ国防軍将官に、蒋介石は今度こそ眉をひそめた。
灰色の男、ファルケンハウゼンが言う言葉には真実のみが含まれているわけではないが、確かに一部は含まれていると知っていたからだった。
「それで、何があった。」
「わが顧問団の作戦計画を強引に押し通した結果、国民革命軍は上海において戦闘状態に入りました。現在、米国租界救援のために参入した米英日軍と戦闘中です。」
「なんだと。」
なぜそうなる。
「非公式日本租界の管轄権、すなわち第一次上海事変における警備権を日本は米国に譲渡。
と同時に居留民の引き揚げを開始しました。
駐留軍も引き揚げの途上にあり、かわってフィリピンの米比軍が治安維持の名目で現地に入ることに。」
「そこへ焦った馬鹿が介入したというのか。」
「はい。張治中という男、あれは血気にはやりすぎる。市内の大規模テロを口実に介入するのはいいが、それを日本軍特務機関の仕業とするには手際が悪すぎた。」
「だがそれを認めなかった。」
「この時点で上海における日本軍への痛撃という目標は達成困難でした。しかし彼は上海奪還と日本軍への痛撃にこだわった。
だから空爆を命じたのですな。」
空爆。空軍機による攻撃。
「結果、日本艦隊と米英艦隊に被害が発生。少なくとも1隻を撃沈。日本空母も撃破しました。」
「なんということを――」
いくら言いつのろうと、そして中華からみたら侵略者である上海駐留軍がすでにいるとはいえ、これでは先制攻撃だ。
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