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――同 上空
『アキツ・コントロールよりホウショウ1。敵第2編隊接近を確認。真方位125 高度150メートル 速度150ノット、距離20哩。』
「はいよ。」
まったくなぜこれを使わなかったのだ。と岩本徹三は苛立ちながら三度目の邀撃に向かいつつあった。
聞けば、空母「加賀」はドック入り前で新型電探の搭載前であったという。
揚陸艦「あきつ丸」とその護衛艦艇は第三艦隊主力とは別個に上海沖に到達し大発を発進させたのちに洋上へ退避したというから、どっちみち第三艦隊主力はこの電探の目の外を突っ込んでいったことになる。
それまでは飛行艇に搭載された航空電探の支援を受けられたのでそれほど気にしなかったのだが、避難民がさらに増加したことで予定が狂った。
上空を哨戒するはずの飛行艇まで輸送任務に投入しなければさばききれないほどの人数がバンドに殺到していたのだ。
これを受けて洋上を対比中だった揚陸艦とその護衛艦艇も航路を反転し上海へ逆コースをとったのだが、彼らの探知範囲に入るわずか30分前に敵編隊は離陸。
地紋航法という地形をみながらの航法をもって上海市街地と揚子江河口へ達したのである。
間の悪いことに、英領香港の啓徳基地から上海に向かって視察機や日本側をまねた救援機が飛び立っており、フィリピンからもチャイナクリッパーが飛んでいたことが事態をよりややこしくしていた。
慢心のひとことで片付けるには、あまりに勝利の女神は敵方に微笑んでいるといってもいいだろう。
いや、慢心というなら…
「シナ空軍があれだけの戦力を対艦攻撃に投入してくると予想しなかった俺たちみんなだな。畜生め。」
現に、神崎島側は貴重な揚陸艦を即座に退避させている。
あとは加賀航空隊のエアカバーがあると期待して。
確かに10機程度の空襲なら簡単に避けきったことだろうに。
ああ、やはり最悪の事態は最悪の時期に起こるというやつは正しいのかもしれない。
これもあの島起源だったか?
いや、何にしても今は戦うのみ。
幸い、2発の100キロ爆弾が命中した「加賀」の艦載機は後部甲板の一部を燃やしただけでおさまった。
被害も…考えたくないことではあるが十数名ほどでおさまったという。
設置されたばかりの泡消火剤がなければ、そして甲板にならんでいたのが爆弾など搭載していない戦闘機でなかったのなら…簡単にはいかなかっただろう。
加賀は問題ない。それよりも。
「柳の下にドジョウは二匹も三匹もいないんだぜ…!」
性懲りもなく繰り出してきた攻撃隊を、岩本は1機残らず落とすつもりだった。
『アキツ・コントロールよりスプラッシュ(緊急情報)。米艦載戦闘機隊、戦闘に加入の方針。20分で現着(現場到着)の見込み。注意されたし。』
「アメさんもお出ましか。よし。これで数の優位は確保できたな。しかし下は…」
岩本は、眼下の地を一面に覆う18万の大軍を横目に思った。
下は、どうやってこの大軍を相手にする気なんだろうか?
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