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中・長編SS投稿スレ

1earth:2011/02/01(火) 18:51:32
中編、長編のSSを書くスレです。
オリジナル、二次創作どちらでもどうぞ。

61名無しさん:2011/02/04(金) 00:30:29
先方が交渉を求めていることを知らないしね。
どうせこっちに好意的であるはずが無いから、一方的にやりたい事をやっちゃおうという発想で動いているし。

オルタ7が動いて、話し合いを求めていることが分かれば、相応のリアクションをとるかも。

62earth:2011/02/04(金) 23:57:39
仕事で失敗して、後始末に追われて精神的にヤバイ状態のearthです。
……まぁ何とかなりそうですが、もうボロボロです(涙)。
そんな状態なのに何故か書いてしまいました。
というわけで、勢いと妄想とその他もろもろの感情の赴くままに
書いた第9話をどうぞ。

63earth:2011/02/04(金) 23:58:10
 未来人の多元世界見聞録 第9話『消去法的選択』

火星奪還作戦が開始される直前、地球派遣艦隊、通称《長門》艦隊の旗艦長門(主力戦艦)の艦橋では地球圏
の環境修復についての全権を委ねられた2人のアンドロイドがいかに効率的に環境を修復するかを馬鹿でかい
モニターが床の代わりにある作戦室で話し合っていた。
 尤も見た目が可憐な少女2人が、不釣合いな軍服(長門は黒コート。朝倉は青コート)を着て色々と
小難しい話をしているのは違和感を拭えないが……。
 床に映し出される月や地球周辺の映像や分析結果を見て彼女達は最善の道を探る。

「やはり月周辺の重力異常が問題」
「そうね。G弾で飽和攻撃なんてしてくれたから、月周辺の環境が滅茶苦茶。デブリも多いし。
 おまけに何の因果かは知らないけど、重力異常の影響で、質量が減った月が何とか地球の回りを
 回っているんだから、手がつけにくいったら無いわね。下手に質量を回復させると月が地球に落下するし」

 原作のような超常の能力こそないものの、彼女達の演算能力は00ユニットに準ずる程度のものだった。
 その彼女達からしても、今の地球圏の環境修復は面倒なものだった。

「でもこのまま放置することはできない」
「ええ。かなりデリケートな作業になるけど……全く(あの大将は面倒だからこっちに投げたんでしょうけど)」
「故に周辺宙域の安全確保は絶対不可欠。可能性はゼロに近いが、米国の残存部隊がG弾をこちらに
 撃ってこないとも限らない」
「確かに重力異常の解消中にG弾なんて撃たれたら溜まったものじゃないわね。《伊勢》のコスモタイガーⅡを
 早期警戒のために常に飛ばしておく必要があるか」

 この意見に長門は頷く。 
 このあとも彼女達はあくまでも地球環境回復のことだけを議論し、BETAの話題は全くでなかった。
 彼女達にとって地球のBETAとはその程度の存在、地上と地中を這いずり回る害獣でしかなかった。
まぁ宇宙空間で戦いを挑んでくるようなBETAが出てくれば彼女達も本気を出すだろうが……。

「さて、それでは到着次第、始めましょうか。地球環境修復作戦《オペレーション・グリーンピース》を」

64earth:2011/02/04(金) 23:58:42
 準備を整えて地球圏に到着した長門艦隊だったが、彼らは作戦開始直前に地球から外宇宙に向けて放たれた
電波を受信する。

「発信源は?」

 朝倉の問いかけに、オペレータのアンドロイドがきびきび答える。

「極東。日本列島です」
「内容は?」
「現在解読中です……でました。メインモニターに解析結果を出します」

 メインモニターに映された結果を見て、朝倉は何とも言えない顔をする。

「……これって神頼みならぬ、宇宙人頼みって奴かしら?」

 この感想に、艦長席(艦橋後ろ側の一段高い場所にある)の長門は頷く。

「ユニーク」

 メインモニターに映し出された電波の内容は一言で言えば『地球人類は宇宙からの侵略者に滅ぼされかけている
 ので助けてください』というものだった。まぁ他にも色々とあったが、端的に言えばそれに尽きる。

「むしろ滅びかけているのは、彼らの自業自得のような気がするけど」

 これからG弾によって滅茶苦茶になった月を修復しなければならない朝倉は呆れた。
 これはさすがの長門も否定できず、人類を擁護する言葉は出てこない。 

「バカにつける薬が欲しいところね。尤も31世紀世界でもバカを治すのは不可能だけど」

 31世紀でもさすがにバカを治す薬はない。発明されたらノーベル賞ものだが、人類はそこまで到達していない。
 いくら知識や技術をもっても、バカはバカだった

65earth:2011/02/04(金) 23:59:19
 朝倉は気分を切り換えて、これからどうするかを考える。

「問題はどうするか、ね。無視するっていうのも手だけど」
 
 正直言って無視したいというのが本音だろう。実際、無視しても害はない。  
 どちらにせよ、彼女達は真っ先に北米のハイヴを潰して回る。これで人類の要求は満たしたことになる。
 あとは地球環境を修復するだけだ。わざわざ面倒な交渉をする必要などない。 

「………」
「どうしたの?」

 長門が熟考する姿を見て、朝倉はまさかと思い尋ねる。

「もしかして彼らを助けるつもり?」
「……その選択肢は排除するべきではない」
「あんな愚かな連中を救う必要なんてあるのかしら?」
「総司令は、この世界の人類の滅亡は望んでいない。現状では環境の修復が終るまでに人類の文明が存続する
 可能性は低い」
「……総司令、あの大将閣下の意思に沿うように動くと? でもあの人も人類と積極的に関わりたいとは
 思っていないようだけど」
「だけどこちらの独断で無視することもできない。火星の総司令の指示を仰ぐべき」

 長門の言葉を聞いて黙り込む朝倉。 
 しかし最終的に彼女は頷いた。
 
「わかったわ。火星の総旗艦に指示を仰ぎましょう」
「お願い」
「はいはい。私はあなたのバックアップだからね」

 そう言いつつ朝倉は、地球上の様子をさらに細かく探らせ、その情報も旗艦アンドロメダに送った。

66earth:2011/02/05(土) 00:00:16
 地球からSOS信号が放たれているとの報告を聞いて耕平は、どうするべきか悩んだ。

「どうするべきか?」

 正直にいえば面倒。その一言に尽きる。
 地球に生き残っている国など、耕平が少しその気になれば数分もかけることなく根こそぎ灰燼に帰すことが
できる程度の、ふけば飛ぶ程度の存在でしかない。
 しかしそれはあくまでもまともに戦争した場合だ。ネゴシエーションのテーブルに立てば、どんな目に
あうか判らない。

(霞とかの第三計画の遺児がでてきたら面倒だしな。まぁ思考を根こそぎ読まれることはないだろうけど)

 このゲームでは諜報戦というのも存在している。その中には俗に言う超能力を使ったものもある。
 そして耕平はこの諜報戦に対応するために自軍のアンドロイドを改造していた。
 どこぞのレベル7とか超人と言ったようなトンでもない能力を持つアンドロイドはさすがに保有して
いないが、リーディングをブロックする程度の能力は全てのアンドロイドが常備している。

(腹の探りあいなんて面倒なんだよな。面倒な人間付き合いなんてリアルだけで十分だ)

 そうぼやくものの、最新の報告で寄せられた地球の現状を考慮すれば、人類文明の完全崩壊を
避けるためには現地への支援は必要だった。
 耕平はいつまでもこの世界の人類の守護者を気取る気はない。さっさと国力を回復して自立して
もらいたいというのが本音だった。故に完全に見て見ぬ振りは現状では難しい。尤も今から救援した
からといってどこまで体制を再建できるかは微妙だったが。

「現地時間は西暦2005年6月8日。あの惨劇から1年。ソ連は事実上消滅。米国は崩壊寸前。
 南米は北米大陸からの難民と食糧危機、経済危機で内乱状態。欧州は再建途中だったのが隕石ですべてオジャン。
 アフリカは欧州再建のために一気に資本が流れたせいで経済が失速して民族紛争が多発してたところにあの
 隕石で国家の大半が瓦解。一部は生き残っているけど、余裕は無し……」

 眩暈がするほどの被害だった。

67earth:2011/02/05(土) 00:00:47
「バイトのシフト変更に対応するために早めに介入したけど……もっと早めに手を打つべきだったか?」

 深い深いため息をつく耕平。さらに彼を憂鬱にさせたのは、この危機においても人類は争うばかりだった
ということだ。人類同士の戦いでは核兵器さえ使用されていた。
 さすがにここまで仲が悪いとは耕平も思っていなかった。
 大崩壊後、残った国々の大半は協力することなく争い続けた。おかげで本来は救えるはずの人間が大勢
犠牲になっていた。すでに地球の総人口は4億人前後に落ち込んでいる。
 彼が何もしなければ、死人は加速度的に増えていき、あと1年ほどで人類は激変した地球環境とBETA
によって滅亡するだろう。

「しかしソ連が消滅で、欧州も崩壊か。TEとかユーロフロントとかって根こそぎぶち壊しだな。
 あの姉妹とか七英雄とかってどうなっているんだろう? 碌なことにはなってないだろうな……。
 まぁどうでもいいか。どうせ98年の段階でハイヴ掃討した時点で原作崩壊したんだし」

 そういうと耕平は気分を切り換えた。本編はプレイしたが、外伝についてはあまり興味がなかった
彼にとって外伝キャラの生き死には重要ではなかった。

「オーストラリアは辛うじて持ち堪えているが、このままでは瓦解は避けられない。
 統一中華や大東亜連合は絶賛戦争中……もう救いようが無いな。何か疲れてきた。

 だが彼にとって興味深い報告もあった。

「日本帝国は軍閥化した旧ソ連軍と韓国、北朝鮮との戦争の真っ最中……。
 しかし異星人に人類救援を求めるだけの余力があった、か。ふむ」
  
 この世界の日本人の犠牲者も無視し得ない数になっているが、いまだに秩序を維持したままの
有力国家として辛うじて存続している。帝国を梃入れすれば、BETAとある程度は戦えるように
なる可能性はあった。

「皇帝、将軍、内閣という三重構造。統帥権の不透明さ。他にも色々と問題だらけだが止むを得ないのか?」

 彼の呟きは、アンドロメダの艦橋に消えていった。

68earth:2011/02/05(土) 00:03:05
あとがき
 拙作ですかお付き合いしていただきありがとうとざいました。
 主人公決断の時です。もはや人類は自助努力で何とかできるレベルではなくなりました。
 かといって積極的に接触するかは不明ですけど……まぁ何らかの支援はするかも。
 主人公陣営の技術で魔改造された戦術機を出すのも面白そうですけど。
 それにしても長門とか朝倉とかうまく書けただろうか?
 勢いのままで書いているので、色々とぶっ飛んだ展開になっています。
 原作ブレイクといっても限界ってものがあるだろうに(爆)。

69New ◆QTlJyklQpI:2011/02/05(土) 00:13:58
返答は2つに1つですね。「やたらめんどいし嫌だけどある程度はいいよ」か
「自業自得だろうが他力本願するんじゃない」か。後者の返答をしたら日本側も
ぐうの音も出ないが。

70名無しさん:2011/02/05(土) 04:51:49
異星人相手の通信だから国中の学者をかき集めて意味が通じるような通信を頑張って作ったら
対応したのが日本名を名乗る見た目日本人の美少女二人で日本語が通じた
……ポルナレフの出番だな

71名無しさん:2011/02/05(土) 08:24:00
面倒を無くすのには「余計な手出しをするな」か「同志討ちを止めて帝国を中心に支援物資を配れ」と上から目線で要求を突き付けるだけで夕呼先生と接触しないのが一番かな?

又はガッハ=ガラガラを作って対BETA交渉用に渡すとか。夕呼先生が更にヤサグレるだろうけれど。

72名無しさん:2011/02/05(土) 08:25:04
まんま、対人類用インターフェイスとして作成されましたと名乗らせてでいいかも。
コンタクトを取るのならば、だけど。
交渉が面倒ならば、一方的な条件通達だけでもいいのか?
あるいは、対BETA用のバーサーカーマシンのごとく人類を無視してやることやってさよならでも。
マクロスの移民船から航行機能を削って二本の近場の海にでも降ろせば環境回復までの避難所ぐらいにはなるだろう。
ナデシコのチューリップが使えるのなら、チューリップを地上に降ろしてそこから戦力や物資を投入できるけど、相手はチューリップを通じてやってこようにもディストーションフィールドを張れなければやってこれないし。
まあ、主人公の使えるユニット次第で取れる対応も変わるんだろうけど。

73ham ◆sneo5SWWRw:2011/02/05(土) 08:32:02
もうSS部屋に置かれては?

74ham ◆sneo5SWWRw:2011/02/05(土) 08:34:14
>>73
また、途中でenterを・・・orz

もうSS部屋に置かれては?
結構面白いですし、更新を楽しみにしている人もいそうですし。

75名無しさん:2011/02/05(土) 08:52:49
戦闘行為を止めたところから支援を開始すると通達して、
戦争してない地域や、防衛してるだけの国家に
一方的に宇宙から支援物資を投下するだけでいい気がする

76名無しさん:2011/02/05(土) 10:02:24
>皇帝、将軍、内閣という三重構造
 って言いますけど、本編じゃ皇帝なんて名前しか出てませんからね
 事実上の立憲君主で将軍、内閣の二重構造では

>どうするか
 ぶっちゃけこれだけダメな状態なら一方的な命令を与えるだけでいいんじゃないかな
 変な事をしたら叩くというペットの躾みたいな感じでさ
 逆らう奴らに地獄を見せれば当分の間は大丈夫でしょ

77名無しさん:2011/02/05(土) 11:12:22
確かに二人にインターフェイス発言させて自分はノータッチの方が楽だよね
バイトも学業もあるんだから、本人はリアル優先じゃないといかん

それと、BETAから助けて地球環境と月を直してやってもいいが、お前らその後のビジョンあるの?
今回の危機も実際は自業自得だよね? 目先のことだけクレクレ言ってたら何度でも繰り返すよね?
くらいは聞くのも面白そうだがw

78名無しさん:2011/02/05(土) 11:39:35
環境を変えたり、月を修復したり、圧倒的な力で介入するけど、細かい交渉
はやらないってなんだかシムアースみたいな感じだな

79名無しさん:2011/02/05(土) 17:33:49
「コスモクリーナーあげるんで自分でなんとかしてください」だと一瞬でオワル
だが読者としては終わってほしくはないw

80New ◆QTlJyklQpI:2011/02/05(土) 18:41:19
世界が滅茶苦茶になってしまったから政治家の特に外交筋が大幅縮小されそうですね。
代わりに軍部が増強されて将軍蔑ろになってしまうかも。

81名無しさん:2011/02/05(土) 18:49:15
主人公側の交渉カード。
主人公側は交渉が決裂してもかまわない、地球側は絶対に交渉を成立させなければならない、
圧倒的な軍事力、地球と月の環境を回復させることが可能な科学力。

こんだけあったら地球側が多少駆け引きうまくてもなにも主張できんでしょう。
気に入らない内容で決まりそうだったら席立てばいいんだし。
問題は地球側にどんな要求を飲ませるか。……交渉する必要ないような気が(汗)

82名無しさん:2011/02/05(土) 18:57:41
端的に言って
「こっちがお前達の不始末をどうにかしてやる間おとなしくしてろ、何もするな!」
位しか要請することが無いというw

83名無しさん:2011/02/05(土) 19:07:27
個人としては、欲しいものが何一つ無いからなw
ただ、きちんと自助努力で復興繁栄してくれんとまた手間取らされて学業とバイトとゲームに差し支えるから(笑)
その辺の青写真きっちり描かせないと話にならん

84New ◆QTlJyklQpI:2011/02/05(土) 19:56:52
環境を回復するにしてもどこからするかで争いになりそう

85名無しさん:2011/02/05(土) 20:03:39
いっそ、先生を代表者にして、細かい調整を丸投げするのもいいかもしれん。

86名無しさん:2011/02/05(土) 20:20:33
いっそ旧式の宇宙船でも日本に落着させて丸投げすればw

87名無しさん:2011/02/05(土) 20:22:04
うわ。書きこむ前に更新しなかったから変にかぶってる

88名無しさん:2011/02/05(土) 20:47:44
いっそ助ける国か民族ひとつ決めて、あとは見捨てるかジェノサイド。
平和とは争いがないことを指すのですよ……フフフ……

89名無しさん:2011/02/05(土) 20:50:56
表向きはオルタ7,あるいは8ってことにしてまず試験的に帝国を再生、その成果を盾に
他国に対して譲歩やら切り崩しやらをするって手もない訳じゃないが……
この世界の人類国家、自業自得に定評があるからなあw
いっそ強権的に上から頭押さえ込んだ方がマシかもしれん

90名無しさん:2011/02/05(土) 20:52:42
いっそ民間害虫駆除業者だと主張して、交渉や支援は管轄外だと主張する手も。

「当社は害虫駆除の業務許可しかないので、それ以外の行為は触法行為になってしまいます。
・・・不要資材等を現地にて廃棄する、という名目で地上に投下しますので、それで何とかしてください」

「支援の要請等に関しては政府関係機関に書類を提出してください。この近所だと、さんかく座銀河に出張所があります。
なお、書類の提出に関しては、自力でそこまで行くことが、提出資格になっておりますので、他者が代行することはできません」

「当社は環境に配慮した害虫駆除を行っているのですが、同業他社の中には
手っ取り早く恒星系ごと爆破しているような業者も居るんですよ。そちらの方が早くて安くて確実ですし」

とか。

91名無しさん:2011/02/05(土) 21:18:33
一定期間、開発独裁かまして後は知りませんでよくない?

92名無しさん:2011/02/05(土) 21:36:45
それだと気が向いたときに覗いたら、リアルがデスマーチで放置してた水槽の熱帯魚みたいに共食いで全滅してそうw

93名無しさん:2011/02/05(土) 21:51:25
まぁそれはそれで彼らの選択ってことでw
熱帯魚と違って知性があるわけだしw

94名無しさん:2011/02/05(土) 22:51:00
ストーリーの先読みとか、自分の考えたこれからの展開とかはマナー違反だと思うぞ? 
作者の人が続きを書きにくくなって、最悪打ち切りになることもあるし、
そういうのは自分の中だけで考えて、ここに書くべきではないと私は思うな。

95名無しさん:2011/02/06(日) 01:37:20
>>94
作者が嫌だと言わん限り、そんなマナーは無いぞ?
イヤだという人も多いが、同じぐらい展開予想や考察を歓迎する人も多いしな。

96名無しさん:2011/02/06(日) 01:54:01
あー作者が嫌だと思う可能性がある限り、明言されていない場所では自重したほうがいいのか
すまんかった

97名無しさん:2011/02/06(日) 02:16:05
>>1の二次創作というカテゴリーには俺展開も含まれると思うが…

98名無しさん:2011/02/06(日) 03:58:28
わざわざ「やれ」というのは、作者側からは言いにくいだろう。
盛り上がっているところで、「やめろ」というのも、同じように言いにくいだろうとも思うが。
結局、空気を読みながら、作者がどちらを望んでいるか探っていくしかないんじゃね?

今までの対応を見る限り、それを嫌っている可能性はゼロに等しいとしか考えられんがな。
わざわざ考察用の掲示板を用意するような人なんだし。


俺ルールを押し付けるのはやめた方がいい。

99名無しさん:2011/02/06(日) 07:30:18
そこらの裁量は個人に任せるしかないけどな
俺はリクスを回避したいから、これからはやめとくよ

100earth:2011/02/06(日) 14:06:24
色々と忙しくてグロッキーな状態ですが、何故か書けてしまう不思議(爆)。
提督たちの憂鬱も完成率30%で、何とか2月中には載せれそうです。
精神的に参っているはずなのに、何故だろうか?
それではノリと勢いと妄想と、その他もろもろの感情のままで突っ走る
第10話です。

101earth:2011/02/06(日) 14:06:59
 未来人の多元世界見聞録 第10話『決断』

 気が進まないな、と言わんばかりのため息をつきながら耕平は決断する。

「……止むを得ないが、残った国々を、特にまだ力を残している日本帝国を支援するしかないか。
 このまま放置して全滅したら堪ったものじゃない」

 さすがにここで人類が全滅したら夢見が悪すぎる。それに曲がりなりにも前世でお気に入りの
ゲームに似た世界を破滅させるのは気が進まない。
 あいとゆうきのおとぎばなしを最初にぶち壊しにしたのは、他ならぬ自分なのだ。自分がやった
ことは最後まで責任を持たなければならない。

「最低でも人類が立ち直る、いや、立ち直る目処がたつまでは支援するしかないな」

 そう決断すると、耕平は地球圏の人類を救出するにはどの程度の物資が必要かを算出するように
参謀のアンドロイドや工廠のAIに命じた。

「どの程度の物資が必要になることやら……手持ちの生産力で不足ならサニーフラワーや
 スリースターでも量産するしかないか」

 サニーフラワー、スリースターはともに『マクロス7』に出てきた艦であり、前者が食糧生産艦、
後者が工業施設が集約されたコンビナート艦だ。
 マクロス7船団を支えるために相応の生産力を持っている艦であるが、かなりの巨体であり
量産にはそれなりの手間が掛かった。
 まぁ全長が5キロ近くあるこの2艦を量産するという時点で、マブラヴ世界の人類からすれば
とんでもない話であったが。
 自身が考えている艦隊整備計画が大幅に遅滞しそうだな、とぼやきながらも、耕平は戦艦長門との
通信回線を開かせた。
 するとすぐにメインモニターに長門の姿が映る。

102earth:2011/02/06(日) 14:07:30
「長門中将、君を全権大使に任命する。帝国との交渉に当たってくれ」
『了解。交渉の目的は?』 
「まずは最低限の交渉の窓口を確保してくれ。その後、地球並びに月の環境修復、BETAの駆逐と困窮する人類へ
 支援を行う用意があると伝えてくれ」
『了解した。しかし、こちら側から名乗る以上、名前が必要になるのでは?』
「名前か……」

 長門の言葉に耕平は黙った。何しろゲーム内で、自軍の名前など決めていなかったのだ。
 周辺からはプレイヤーである耕平のネームであるトリッパーから、《トリッパー軍》と呼ばれて
いるが、それを名乗るのは憚れた。
 それに通信内容を見る限り、彼らはこちらのことを異星人と考えている。ここで並行世界の31世紀の
地球人類、それも学生ですなんて名乗っても、向こう側が混乱するだけではないかと思われた。
 しかし丸っきり嘘をいうのも気が進まないし、ばれた時が怖い。何より嘘を言うときにはある程度真実を
混ぜていたほうがよいのだ。

(……適当な名前はないだろうか?)

 暫く黙り込んだ後、彼は決めた。

「……私設軍隊、《黒旗軍》とでも名乗っておこう。少なくとも、この艦隊は俺の私費(小遣い)で
 揃えた物だから嘘は言っていない。今後はそれで統一する」

 宇宙の彼方(正確には異世界)にある物好きが私費で揃えた軍隊。正直言って無理がある設定だが
少なくとも並行世界の学生が小遣いでゲームのために揃えた艦隊なんていうよりかはまだ説得力があった。
 それに何より嘘は言っていない。ただ伝えていないことが多々あるだけだ。

「あと、人型アンドロイドは異星人が人類と交流を行うために作成した対人類用インターフェースと
 名乗ってくれ。これで窓口は君達に集約できるはずだ」
『了解した』

103earth:2011/02/06(日) 14:08:03
 必要な指示を出し終わった後、耕平はため息をついた。

「本当は接触なんてしたくなかったんだが……」

 現在の絶望的状況下で何もしないという選択肢はなかった。それに地球を復興させるだけの意思
と力があること、そしてそれを成せる勢力が人類に対して友好的であることを示さなければ、地球側は
疑心暗鬼になるかも知れない……耕平はそう判断した。 

(姿を見せると、見せないでは、信頼感に大きな隔たりがあるからな)

 それに人類に対して友好的な異星人がいて、それが実際に地上に使者を派遣したとなれば政府だけで
なく国民にも安心感を与えることが出来る。
 この絶望しかない状況下で、何かしらの希望を人に与えることは重要であった。
 尤も彼自身がそれをするのは難しい。何しろ彼にはリアルの事情があった。いつもこのゲームをやって
いるわけではないのだ。
 まぁ交渉ごとが面倒というのもあったため、彼は面倒なことをすべてアンドロイドに丸投げした。

(交渉については彼女達に任せよう。これだけ圧倒的な状況なら、多少はごり押しできる。
 それに……それで恨まれるのも、俺じゃないし。
 恐らく朝倉あたりは不満たらたらだろうな……まぁそんな人格に設定したのは俺だけど)

 戦艦長門の艦橋で不満を漏らしている朝倉の姿を思い浮かべて、耕平は苦笑する。

「さて、地球圏の復興はあの2人に押し付けておいて、俺はBETAの駆逐に集中するか。
 今のところはジオイド弾を使うまでもないが、いつまでそれが続くか判らないからな」

 太陽系外に進出した第2、第3、第7艦隊はBETAのいる惑星を見つけては攻撃を開始していた。 
 すでに3つの惑星を奪還することに成功している。
 しかしこの快進撃もいつまで続くかわからない。宇宙空間での大規模戦闘を考慮したタイプのBETAが
現れれば面倒なことになる。

「イザとなれば、さらに強力なユニットを作ってぶつける必要があるな」

104earth:2011/02/06(日) 14:08:47
 一方、対応を事実上丸投げされた長門と朝倉は、早速、日本帝国に返事を出していた。

「やれやれ、あの大将閣下は私達にすべての面倒ごとを丸投げするみたいね」

 朝倉はため息をつきながら不満を漏らす。
 月や地球環境の修復だけでも面倒なのに、さらに対人類の交渉をしなければならないのだ。感情をもって
いるならば、多少なりともウンザリするだろう。
 
「仕方ない。我々の存在意義は総司令の命令を遂行すること」 
 
 長門の言葉に、朝倉は「はいはい」と言ってぼやくのを止める。

「さて、人類はどんな反応を示すかしら?」

 彼女はそう言うと、メインモニターに映されている地球に視線を向けた。
   
「大騒ぎになっていそうな気もするけど」 

 朝倉の言うとおり、宇宙から返事が返ってきたとの情報は、瞬く間に帝国中枢を混乱に陥れていた。
 帝都では将軍をはじめ、主だった内閣の閣僚が集まって、どのように対処するかで揉めていた。

「あちら側は交渉の場を持ちたいと言っているのだ。すぐに来てもらえばいい」
「だがこれが偽装でないと言い切れん! BETAの同類だったらどうする気だ?!」
「それに北米のBETAを駆逐するとなればアメリカも混ぜて協議する必要がある。彼の国はソ連のように
 政府が瓦解したわけではない!!」
「そんなことを言っている場合か?! このままでは来年にはBETAがユーラシアにやってくるぞ!!」
「この事態を招いたのはアメリカなのだ。連中のことなど聞いてやる必要はない!!」

 藁にもすがる思いでオルタネイティブ7を実行した彼らであったが、実際に異星人からコンタクト、
それも日本語で行われたとなると混乱するのは仕方なかった。
 しかし混乱すればするほど、それだけ黄金よりも貴重な時間が浪費される。それが判らないほど
彼らは無能ではない。

「いきなり彼らを京都に迎えるのは難しい。だがあまり無碍な扱いもできない。
 彼らには一度、横浜に来てもらい、そこで会見するというのはどうだろうか?」

 最終的に閣僚の一人の意見が採用されることになる。
 かくして日本帝国と《黒旗軍》との会見が行われることになる。
 本来は、あいとゆうきのおとぎばなしの舞台であった横浜の地で。

105earth:2011/02/06(日) 14:11:06
 あとがき
 というわけで第10話です。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 次回で、長門、朝倉(もしくはどちらか一方)が交渉のために横浜にやってきます。
 一方の主人公は地球に近寄る気配すらない……果たしてお前は主人公なのかと小一時間(笑)。
 それにしてもこの話で、武は戦術機に乗ることがあるのだろうか……。

106名無しさん:2011/02/06(日) 14:14:59
黒旗軍、ブラックフラッグフォースなんてまたマイナーな名前を、銀英伝かよ

107名無しさん:2011/02/06(日) 15:25:50
最後の[京都に来られると怖いから横浜で]って発言が小役人っぽいw
地球人を滅ぼす気なら、とっくに滅ぼしてるって気付いてないのかな?
いまさら騙し撃ちしなくても、1年後には全滅しそうなのにw

108名無しさん:2011/02/06(日) 15:32:17
かつて白人が北南米大陸の先住民を蹂躙したときとは比べものにならない、一方的に地球側が殲滅されるほどの
技術格差があるのはわかりきってるんだから、偽装とかBETAの同類かもとかいう発言がものすごいバカに見える。
相手がBETAの同類なら対話なんかせずに人類をさくっと滅ぼしてるだろうにw

109名無しさん:2011/02/06(日) 16:23:45
>>100
>>色々と忙しくてグロッキーな状態ですが、何故か書けてしまう不思議(爆)。
それはテストが近づくと部屋の中が綺麗になってゆく現象と同じです

110名無しさん:2011/02/06(日) 16:50:25
代理人として人形を、しかも10代の女の子の外見のものを送りこまれたら、
下手すると気分を悪くしそうな気もするなぁ。
「この外見は、この国の人間の趣味嗜好における、
 『好感を持てる人型』をベースに統計学的に形作ったもので、他意は無い」
とかいってみるか?

どうしても本人が濃いと言われたら、
無駄にタイムスケールの誤差を前面に出したりすると面白いかも。

「上位者に直接の対談を申請……
 許可が下りた。 すぐに席を設けると言っている」
−すぐとはどの程度か?
「この星の時間で3公転周期前後、誤差は0.3%以内」

111名無しさん:2011/02/06(日) 17:11:16
まあ、地球側としては自分たちには相手に色々企んで貰える程度の価値があると思いたいんだろう
前回の八分で、お前らの意志なんて基本どうでも良いしどうとでもなるって見せつけられているとしても

112名無しさん:2011/02/06(日) 17:13:13
>>110
日本のトップも女の子だ、文句は言えまいw

113名無しさん:2011/02/06(日) 18:17:01
この手の作品ではよくある事としかw

あの世界は絶望的な消耗戦が続いたせいで、男性の人口が減ってますし、
第二次大戦以前に送り込むなら兎も角、
不自然では無いかもですね。

114名無しさん:2011/02/06(日) 19:14:39
この世界の記録映像の中で大多数を占めるユニットをもとに、私たちの外見は設計
されたとか言えば異星人ぽいな

115名無しさん:2011/02/06(日) 22:53:49
なんだかアナキストみたいな名前だな黒旗って

116名無しさん:2011/02/06(日) 22:55:20
最初はこの星から出された電波を参考にする案があったとかで
映画コンタクト見たいにナチスの電波映像をバックに元にヒトラー姿になる案もあった。とか出来そうだな

117名無しさん:2011/02/06(日) 23:17:40
むしろシリウスからやってきて地球を再起不能にしそうな名前だ

118名無しさん:2011/02/06(日) 23:48:03
>>117
おれも同じこと思った

119名無しさん:2011/02/07(月) 00:57:33
>>117
元ネタの分かる人が何人いる?と思っていたが結構いるもんだね銀英伝って・・・

120名無しさん:2011/02/07(月) 10:01:32
まぁ、日本で一番売れているスペースオペラだしなぁ、むしれ流星旗軍の方が…

121名無しさん:2011/02/07(月) 10:21:58
え、黒旗軍ってベトナムをフランスが植民地にしようと
戦争したときに出た中国人が率いた軍のことなのでは…?

122名無しさん:2011/02/07(月) 12:00:38
主人公からして多分銀英伝からじゃないか?
史実の方はあんま有名じゃないと思うし

123名無しさん:2011/02/07(月) 12:18:10
銀英伝がそもそも、史実から名称とか持ってきてるからねえ

124名無しさん:2011/02/07(月) 19:11:07
そういえばマブラヴ時空ってことは宇宙のどっかに
珪素生命体とかいたりするのかな。

125名無しさん:2011/02/07(月) 19:27:23
 つか、直接対面する意味が無いよね。

 ”SOUND ONLY”で、一方的に通告して

・ハイブは、潰します。
・地球環境は、改善させます。
・後は、頑張って生き残って下さい。

でも、良い様な気がする。今までも、そんなに気に掛けてる訳でも無いし。
 シムシリーズみたいな、神の視点で良いんだと思う。
 時間軸が違うから、何年かしたら文明が追い付かれる、
それまでに、縁切りしとかないと、自分所の世界が侵略されるかも。

126名無しさん:2011/02/07(月) 23:42:51
でも長門と対面した時の偉いさん方の衝撃を予想した方が面白いじゃないですか

127名無しさん:2011/02/08(火) 02:27:35
信用できねえw
回復させてもG弾まで使って味方同士で世界滅ぼしそう、月という前例があるし
それなら一国を強化して安定させた方が良いんじゃないかな

128New ◆QTlJyklQpI:2011/02/08(火) 10:15:43
一国強化でも核使ったテロとかで泥沼が起こりそう。

129名無しさん:2011/02/08(火) 11:11:41
先の展望が一切無いからねえ
まあ、絶滅戦争をくぐり抜けたらメリケンがやらかしてくれましただからそんな余裕欠片もないのはわかるが

130名無しさん:2011/02/08(火) 11:13:58
どういう手をとっても民族的な憎悪を煽りあうんじゃね。
植民地支配的な支配を行って高圧的に開発独裁によるインフラ整備にかかり、
食料問題を解決をしないことには話にならないんじゃないかな。
とにかく、安心して飯を食えるようにならんことにはどうしようもないと思う。

131名無しさん:2011/02/08(火) 12:56:11
取り敢えず、ハイブは出来次第(コッチの都合の良い時に)潰すから暴れるな
      今のままだと美観を損ねるので地球環境と月は直してやる

位で良いんじゃないかな〜

可能ならボールズみたいな勝手に物作って太陽系防衛するAI放置した方が良いと思う

132名無しさん:2011/02/08(火) 13:23:36
こっちのアメリカマジ救えねぇw
原作じゃまだエゴイスティックながら合理的な思想行動してたのに、完全に自爆しとる。
こりゃ世界中から排斥されても文句言えねぇわ。せめて一度に運用するG弾の数を減らせとw

133名無しさん:2011/02/08(火) 13:38:30
正直言ってあの世界の日本帝国も含め国家を支援すると結局同じこと繰り返して自滅しかねないだろうし。
文字通りGHQ方式?の統治方法で思想から教育から政治体制も徹底的に支配し変えさせるぐらいなことをしないと
暴走して自滅しかねないだろうし。

134名無しさん:2011/02/08(火) 15:36:25
アンドロイドに丸投げで主人公は方針伝えるだけで関わらないようにするのスタンスで問題無いと思うよ
人が死にまくってる所なんてありもしない責任問われる事もありそうだし

135名無しさん:2011/02/08(火) 16:43:47
>>131
バスター軍団ですね

136名無しさん:2011/02/08(火) 17:07:21
>>134
BETAだって、どうやって意思の疎通を図っているのかよくわからないと解釈されているんだし、
アンドロイドが仲介しないと、まともに会話できない種族がいても不思議ではない、とは分析してくれるかもしれん。

けど、こういうものは感情論の世界だからなぁ。

137名無しさん:2011/02/08(火) 21:08:59
1 中身を明かさず、超リアルなミッ○ーマウスの着ぐるみで入場
2 入場の際、テーマソングをド派手に鳴らしまくる
3 交渉に入る直前に着ぐるみを脱いで二度度肝を抜く

これで帝国側の感情を和らげることが

138名無しさん:2011/02/08(火) 21:59:57
こんな状況でも、ディ○ニーは著作権料を請求にきそう

139名無しさん:2011/02/08(火) 22:04:22
別にそれで金を稼いでいるわけでも、不特定多数に対して発信しているわけでもないんだから、
日米双方の著作権法には引っかからないぞ?

卒業制作の〜というのだって、描いたことが悪いんじゃなくて、
それを入学案内に乗せて、学校の「売り」として活用したことが問題だったんだし。

140名無しさん:2011/02/08(火) 22:11:46
ディ○ニーは著作権に厳しいというのは、無人島に遭難した男の話とかみたいにネタにされることも多い
今回の書き込みもそれ。

説明させんな恥ずかしい

141earth:2011/02/08(火) 23:42:54
会社で先輩に叱責され凹みまくっているearthです。
……掲示板で愚痴をいうのもアレですが、社会人って辛いですね〜。
そんなどん底の精神状態にも関わらず何故か書いてしまう(爆)。
ノリと勢いと妄想、それにその他諸々の感情のままに書いた第11話です。

142earth:2011/02/08(火) 23:43:33
 未来人の多元世界見聞録 第11話『接触』

 帝国から横浜で交渉を行いたいとの返信を受けた朝倉は肩をすくめた。

「横浜での会談か。連中は余程、首都に私達を入れたくないようね」

 そんな朝倉に長門は淡々と自身の意見を述べる。

「……彼らはつい7年前まで異星人相手に絶滅戦争を繰り広げていた。
 そのことを考慮すれば、未知の存在をまずは首都ではない場所で迎えるという選択はあり得る」
「私達が本気で滅亡寸前の人類を殲滅するつもりなら、何も伝えずに殲滅している。それさえ理解
 できないのかしら?」
「……民心を重視したのかも知れない。彼らは宇宙からの来訪者によい感情を抱いていない」
「彼我の戦力差を考慮すればどこで交渉しても変わらないと思うけど……まぁ人間の感情を考慮
 すればそんなものからしら」
 
 長門は朝倉の言葉に対して何も言わなかった。
 
「ま、良いわ。あの連中が横浜で交渉するって言うなら行ってやりましょう。 
 横浜に行くのは、どの船にする?」
「……この船、それに護衛に巡洋艦3隻を連れて行く。彼らが敵対行動に出たときに備えて4隻は
 第二種戦闘配置とする」
「万が一、帝国軍がこの船を撃沈、或いは私達を『破壊』した場合は?」
「派遣艦隊の指揮を一時的に戦艦エルザスの艦長に継承させ、火星の総司令の指示を仰がせる」

 彼女達は仮に現在のボディが破壊されても、破壊直前の全データを根拠地のデータベースに転送され
そこで再生される。つまり破壊=死ではない。
 しかしそれでも艦隊の指揮は執れなくなる。そのために指揮権を誰に継承させるかはきちんと決める
必要がある。 
 長門の提案を聞いた朝倉は暫し考えた後、賛同した。

「手ぬるい気もするけど、それで行きましょうか」

 かくして戦艦《長門》を含む4隻の船団は指定された海域に向けて降下を開始した。

143earth:2011/02/08(火) 23:44:09
 4隻の船団を海上で迎えたのは、戦艦大和、武蔵を中核とした12隻の帝国海軍艦隊だった。
 彼らは仮に降下してくる船団が不穏な動きを見せた場合には、これを撃破するように指示を内々に
受けていた。
 しかしながら5万トンもの巨体が空に浮いている姿を見た将兵達は、目の前に存在する船が想像も
できない超技術で作られていることを悟る。

「アレが話に聞いた新たな異星人の船か」
「大きい……」
「しかし宇宙船にも関わらず、まるで水上艦艇のような構造だな」

 大和の艦橋では軍人達が目の前に浮かぶ異星人の宇宙船を見た感想を言い合っていた。
 秩序を重んじる彼らであっても、目の前の船を見ては、落ち着いてはいられなかった。
 そんな喧騒の中、オペレータから報告が入る。

「前方の艦より入電。『出迎え、感謝す。引き続き先導を頼む』」
「了解した、と伝えろ」
「はっ!」
「ああ、それと、もう一つ打電しろ」

 大和から打電された内容を見た朝倉は笑った。

「この船の名前を聞いてくるとはね。まぁいつまでも未確認艦じゃあ呼びづらいか。
 教えてもいいかしら? 派遣艦隊司令官殿?」
「問題ない」
「驚くでしょうね。まさか宇宙の彼方からやってきた船が日本語で、しかも日本語名を名乗るんだから」

 意地悪そうな顔をして、朝倉はオペレータに伝える。

「当艦の名は《長門》。戦艦《長門》と伝えなさい」

144earth:2011/02/08(火) 23:44:46
 太平洋上で両勢力がランデブーを果たしていた頃、BETAを排除した火星、そしてBETAの存在が
確認されていない木星、土星周辺宙域では太陽系防衛のための拠点作りと並行して資源採掘が行われていた。
 さすがにこの世界での軍事行動をすべて人工宇宙の自軍勢力圏の資源だけで賄うのはキツイ。勿論、不可能で
はないのだが、持ち出しが増えすぎれば自軍勢力圏の防衛に必要なユニットの生産に支障が出る。
 マブラヴ世界にかまけているうちにゲームオーバーになったら目も当てられないのだ。

「火星の資源はかなり掘り返されていたせいで、望み薄だが、土星や木星周辺宙域の開発は望みがあるか」

 ナデシコの無人兵器バッタをモデルにして作成した作業ユニット群からの報告を見て、耕平は安堵した。
 
「……まぁ後の世の地球人類の皆さんには悪いが、これも地球防衛のためと思って我慢してもらおう」
 
 尤もあそこまで荒廃した世界の人類が、宇宙に進出できるのは何時の時代になることか判らないが。
 耕平は開発状況をさらに確認した後、太陽系外に進出した3個艦隊の戦況を確認する。

「今のところはドリルミサイルと超大型ミサイルの組み合わせでうまくいっているようだな」

 各艦隊は1つの惑星にいるBETAをだいたい10分で掃討している。
 3個艦隊はこれまでに20の惑星を奪還している。潰したハイヴの数は400を超えていた。

「……地球人類が、あれだけ犠牲を払っても制圧できなかったハイヴを10分前後でまとめて撃滅。
 原作の武やヒロイン達、それにA−01の努力が空しくなるな。佐渡島攻略戦とか結構燃えたんだが」

 彼に暇と余暇があれば、水上艦艇(あるいは陸上戦艦)と高性能戦術機を揃え、正面からハイヴを
攻略することもできた。マブラヴ世界の世界観を維持できたかも知れない。しかし現実は残酷だった。

「……悲しいことに、俺は金が無い学生なのよね。おまけに余暇の時間もあまりないし」

 哀愁が漂う台詞だった。

145earth:2011/02/08(火) 23:45:22
 そんな哀愁を漂わせる耕平に、第3艦隊から報告が緊急報告が入る。
 アンドロメダの艦橋のメインスクリーンに第3艦隊司令官ムバラク・スターン提督が映し出される。
 ヤマト世界の将官を使うべきなのだろうが、何故かヤマト世界では防衛軍艦隊=全滅という謎のジンクスが
あるので、耕平は敢えて彼を司令官に任じた。
 まぁ原作では彼も最終的には壮絶な戦死を遂げているのだが、少なくとも敵には甚大な被害を与えている。
 彼が自身の指揮能力に相応しい部隊(装備等含めて)を率いていれば話はもっと別なものになった筈だ。

(Vガンダムの時代は、連邦が弱体化していたからな〜)

 と、前世で見たアニメの内容を思い出した後、彼は尋ねる。

「どうした?」
『ハイヴの中に、超大型ミサイルを迎撃するものが現れました』
「光線属種のようなBETAではなく、ハイヴが迎撃する?」
『はい。ハイヴから質量物体が超大型ミサイルに向けて発射されました。超大型ミサイルはこの物体と
 の衝突によって軌道をそらされました』
「その惑星は?」
『電子戦を仕掛け、さらにダミーのミサイルを含めて超大型ミサイルの飽和攻撃を実施しました。
 この結果、45分ほどで制圧を完了しました』

 対応策をとってきてBETAを相手にして尚、この時間で攻略を完了できるあたり第3艦隊の実力が
どれほどが垣間見える。
 しかしここでは、彼らの実力よりも遂にBETAが対応策をとってきたという方が問題だった。

「ふむ……BETAも学習しているということか。だが問題は」
『はい。彼らがどのようにその教訓を学んだかです。仮にBETAに星間ネットワークのようなものが
 あるとすれば脅威となります』
「確かに……ふむ、これからは周辺宙域の索敵をより密にしよう。怪しげなものがあれば調査するように」
『進撃速度は落ちますが?』
「ここで足元を掬われるよりはマシですよ」
『了解しました』

 かくして地球で人類との接触が行われている頃、耕平たちの対BETA戦も新たな局面を迎えつつあった。

146earth:2011/02/08(火) 23:48:24
あとがき
拙作にも関わらず最後まで読んでくださりありがとうございました。
スターン提督登場です。本当は銀英伝のパエッタ中将にするか悩んだのですが
こういう形になりました。
Vガンダムは小さい頃にみたにも関わらず未だに記憶に残っています。
……色々とインパクトが強かったせいか(笑)。
いよいよ次回で横浜会談です。
帝国のお偉方、それに夕呼先生のSAN値がどうなることやら。

147New ◆QTlJyklQpI:2011/02/08(火) 23:57:54
てか日本名の戦闘艦でやってきた宇宙人となると余計に頭が痛くなりそうですね。
しかもある意味道楽で助けているとなると自分らの能力に泣きたくなりそうw。

148名無しさん:2011/02/09(水) 01:09:31
これは 異星人は船の名前という固有名詞すら情報として与えるつもりがない
情報を隠蔽するのが目的である という勘違いフラグか

149名無しさん:2011/02/09(水) 01:10:10
パエッタか、無能無能って言われているけどランテマリオみると結構優秀なんだよな彼、ヤンや7元帥登場フラグ?

ムバラクか、またマイナーな、ティアンムやヒースロゥ出すかと思っていましたけど

150名無しさん:2011/02/09(水) 03:19:58
>>148
正式な名前は地球人類に知覚できない、というのはとっても良くある設定ですぜ?
無理やり表記して、現場の混乱を招くよりはマシでしょう。

NYARLATHOTEPとか、正確に読める人間はいないしな。

151名無しさん:2011/02/09(水) 06:14:11
>>150
日露の時はアレクサンドル三世=呆れ三太で艦形識別やってたそうなので、
そんな感じになるかと。

もしくは、NATOコードのように、適当なコードを付けるか。

152名無しさん:2011/02/09(水) 07:59:23
接触してくれるインターフェイスすら日本人名、外見も日本人ですから
明らかに向こう側がこちらの流儀に合わせてくれましたw

153名無しさん:2011/02/09(水) 18:16:17
>>152
朝倉はともかく、長門の外見は日本人か?
とも思ったが、ピンク髪の日本人がいる世界だし、アッシュブロンドはまだまともな方か。

154名無しさん:2011/02/09(水) 23:17:32
特一級打撃戦艦長門有希

155名無しさん:2011/02/10(木) 00:02:31
>>154

山本の方はどんな最終回だったんだ?

156名無しさん:2011/02/10(木) 11:11:33
>>155
文庫は未完のままで最近になって完全版とか言うのが新書で出はじめてなかったっけ?

157名無しさん:2011/02/10(木) 12:36:28
>>155
YES、でいよいよ最後まで終わらせる気になった「らしい」お

158earth:2011/02/10(木) 20:18:27
長くなってしまったので、分割せざるを得なくなりました。
色々と立て込んでいますが、何とか書きました。
それでは相変わらず妄想と勢いとその他諸々の感情の成分で突っ走る
第12話です。

159earth:2011/02/10(木) 20:19:18
未来人の多元世界見聞録 第12話『横浜会談 前編』

 指定された海域に着水した戦艦長門以下4隻の船団は、帝国海軍に先導されながら横浜港に入港した。
 入港した横浜港は帝国軍による厳戒態勢下にあった。陸軍は港の周辺を封鎖し、戦術機や機械化歩兵を展開させ
周辺地域の警備に当たっていた。
 帝都からもお偉いさんが多数やってきて出迎えの準備に余念がない。何しろようやく見つかった人類にとって
友好的と思われる異星人なのだ。ここで彼らを怒らせて第二のBETAにしてしまったら堪らない。
 まして相手は98年にハイヴを掃討した異星人との情報もあるのだ。ことは慎重に運ぶ必要があった。

「さて鬼がでるか蛇が出るか」

 外務省から横浜港に派遣された鎧衣は、入港してきた戦艦長門を見ても余裕を崩さぬ態度で笑った。 
 誰もが緊張する中、それだけの余裕を保てるのは、さすがとしか言いようがない。
 しかし内心ではこれから顔見せする異星人たちとどう渡り合うかを考えていた。
 
(それにしても《長門》とは。さてさて何の意図があるのやら……情報を与えたくないからか、それとも
 地球人の我々に判るような名前を名乗ったのか。出来れば後者でありたいものだ)

 そんなことを考えているうちに、いよいよ戦艦長門が接岸する。
 まるで水上戦艦のような3連装砲塔や艦橋らしきものを持つそれは、人類に近い文化、技術を持つ存在が
建造したのではないかとさえ感じさせる。 
 誰もが見守る中、接岸した戦艦長門のハッチが開かれタラップが降ろされる。そして開放されたハッチに
小柄な人影が現れる。
 それは黒いコートのような服、それに純白の白帽をまとっていた。 

「は?」

 続いて現れた人影は先ほどよりは大きかったが、それも大柄とは言えないものだった。
 加えてそれは青いコート、そして先に現れた人影と同じような白帽を被っている。さらに帽子に収まらない
ほどの長い髪をたなびかせている。
 つづけて現れた如何にもロボットという感じの物体群も十分な驚きを与えるものであったが、最初に現れた
人物に比べればどうということはなかった。
 何しろ現れた人物は、その場の誰もが想像だにしなかった容姿をもっていたのだから。
 
「人間? いや少女?」 

 多くの人間が固まるのを長門は不思議そうに、そして朝倉は愉快そうに見ていた。

160earth:2011/02/10(木) 20:19:58
 多くの人間が予想外の現実を前に固まる中、いち早く現実に回帰した鎧衣はすばやく他の外務省の官僚達
を促して長門と朝倉を歓迎する。
 歓迎の意を伝えられるのを聞きつつ、長門と朝倉は密かに通信回線をつなげ、声を出さず会話をする。

(よっぽどびっくりしたみたいね。兵士の中には間抜け面で固まるのもいたわ)
(想定の範囲内)

 そうこうしている間に、2人は迎えの車に乗せられて、会談の場である帝国陸軍白陵駐屯地に向かった。
 道中、あたりには多数の護衛の車両が展開し、物々しい様子であった。

(……さて彼らが手荒な真似をしなければ良いけど。まぁイザとなれば護衛部隊を暴れさせてその隙に逃げるか)

 朝倉の呟きどおり、会談へ向かったのは2人だけではない。2人の護衛のために派遣されてきた護衛の
戦闘用ロボットを30体ほどトラックに載せて、後ろからついて来させた。
 ちなみに彼らの外見は某鉄人兵団の人型戦闘ロボ(雑魚)だ。本当は空間騎兵隊をモデルにする案もあったの
だが、曲がりなりにも戦闘を考慮するとなるとかなりの数がいる。仮に長門たちのように顔を用意するとなると相応の
顔の数を用意しなければならない。
 しかしそれを耕平は面倒と考えた。そんな耕平が考え付いたのが鉄人兵団のロボだった。
 故に空間騎兵隊代わりに、地上戦、それも白兵戦の主力は鉄人兵団のロボ(雑魚)が努めることになっている。  
 勿論、顔を持った空間騎兵隊もいるが少数であり、根拠地防衛や観閲式程度でしか出番は無い。

(あとは交渉の行方ね。連中がこちらの申し出を素直に受ければ良いんだけど)

 朝倉は、この世界のBETA大戦での人類の苦戦、そして大崩壊の原因から、この世界の人類を全く信用して
いなかった。

(イザとなったら、力ずくで頭ごなしに押さえるしかないか……でも、その場合、壮大な恨みを買いそうね)

 しかし朝倉には、相手に精神状態を操る能力はない。故に彼らの負の感情を正面から受けることになる。

(本当、面倒な仕事ね)




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